本物のワル
本物のワル
高校にいた頃、普通の不良とは違う「本物のワル」を演出したくて、腰にガンベルト巻いて、そこにエアガン差してた。
(一発撃つごとにスライド引かないと撃てない、対象年齢10歳以上1980円)
あと、フリスクをビニール袋に入れて、コカインっぽく装ってた。
ガタガタ震えながら、おぼつかない足取りでトイレに向かい、わざと廊下から見える位置でフリスクを口に含む。
口に含んだ瞬間、体をブルルルッて震わせて「シィイッ・・・!っはぁ、はぁ・・・」みたいに本物のヤク中を演出。
クラスメイトが「それ何?」って聞いてきた時は「・・・お前もやるか?気を付けろよ、三秒でぶっ飛ぶ」と言ってニヤリと不敵に微笑み。
ある日、調子に乗りすぎた俺を、シメにきたヤンキー達が教室に現れた。
俺はエアガンで脅してやろうと思い、速撃ちの体制を取った。
「本物の銃かと思ってビビるぜ、アイツら。ククク」と思った俺は、周りのクラスメイトに「頭下げてな、コイツらは俺の獲物だ」と言い放ち銃を向けた。
当然、ヤンキーは偽物だとわかり「撃てよホラw」と挑発。
焦った俺は、後に引けず引き金を引いた。
「ポンッ!」と勢いよくBB弾がヤンキーの腹に当たった。
ダメージは0だった。
意識が無くなるまでボコボコにされた。
それ以来、俺はおとなしくなり、最低の高校生活を送った。
後から知った事だが、俺は「フリスクで飛ぶ奴」や「ビバリーヒルズコップ」「アラモ」などと呼ばれていたらしい。
書いてて今、涙が止まらない。