先輩のあだ名
彼女は高校時代、同級生であるところのサーヤに、なんらかの電話連絡をしなくてはならないことがあった。
で、『御所』に電話をした。
しかし、それはサーヤ直通ではなく、何度もお付きの人に代わって代わって、何人目かで電話応対に出た人に、いい加減切れた先輩は、
「さっきからずっと待っているんです。いい加減にしてください!」
と怒鳴った。
その人は
「すみません」
と謝って、やっとサーヤが電話口に出た。
さすがに気が引けた先輩は、
「ごめん…さっき出た人、どなた?」
と、サーヤに聞いた。
サーヤ曰く、
「父」
そして、その先輩には『天皇を怒鳴りつけた女』というあだ名がついていた。