お父さんの会社
小学校入る前の年末。
父親の『会社』で餅つき大会があった。
寒いのにみんな汗かいてて上半身裸。
獅子、龍、牡丹、鯉・・・もれなく背中に絵が描いてある。
そのあと「寒いから中入る?」って言われて、やさしい若いお姉さんと一緒に『事務所』に入った。
当時はまだ珍しい暗証式の厚い扉、窓には全て柵。
ばかでかい神棚があって、壁一面の提灯、監視カメラ・・・
故人と思われる、恐い顔のおじいちゃんの写真も飾ってあった。
『事務所』に入っても、すぐ真っ直ぐ侵入できないように柵が二重に仕掛けられていたことが不思議だった。
(空港の検問所みたいにジグザグに進まないと入れない構造)
『会社』って厳重なんだなぁ、と当時は思ってました。