ラブホテルの入り口
ラブホテルの入り口 で、それを見た。
とても綺麗な女の人に、空手部風の少年(高校生か?)が何やら叫びながら、 頭を何度も下げているのを。
少年は泣いていた。
涙とヨダレで顔はグチャグチャだった。
女の人は少年にハンカチを渡すと、颯爽と夜の闇に消えて行った。
「ごちそうさまっした!ごちそうさまっした!」
少年は相変わらず叫んでいた。
訂正しなくては。
私がそれを見たのは、”入り口” ではなく”出口”だったらしい。
少年を横目で見送りつつ私は家へと帰り、ベッドの上で一人、思った。
人類なんか滅んでしまえば良いのに。