「 思い出 」 一覧
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先輩のあだ名
彼女は高校時代、同級生であるところのサーヤに、なんらかの電話連絡をしなくてはならないことがあった。
で、『御所』に電話をした。
しかし、それはサーヤ直通ではなく、何度もお付きの人に代わって代わって、何人目かで電話応対に出た人に、いい加減切れた先輩は、
「さっきからずっと待っているんです。いい加減にしてください!」
と怒鳴った。
その人は
「すみません」
と謝って、やっとサーヤが電話口に出た。
さすがに気が引けた先輩は、
「ごめん…さっき出た人、どなた?」
と、サーヤに聞いた。
サーヤ曰く、
「父」
そして、その先輩には『天皇を怒鳴りつけた女』というあだ名がついていた。
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ファミコンソフト
発売から13年後に初めてクリアが報告されたゲーム。
『エルナークの財宝』
1987年発売:ファミリーコンピュータ理不尽な難易度と、説明書に平然とウソの記述、という2ヒットコンボで数多くのゲーマーを沈めてきた。
第2作にして早くもトーワチキ流ゲームデザインの集大成と呼べる作品。
発売から13年後の2000年になるまで、確固たるクリア情報が世に出なかったという事実に愕然とする。
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お父さんの会社
小学校入る前の年末。
父親の『会社』で餅つき大会があった。
寒いのにみんな汗かいてて上半身裸。
獅子、龍、牡丹、鯉・・・もれなく背中に絵が描いてある。
そのあと「寒いから中入る?」って言われて、やさしい若いお姉さんと一緒に『事務所』に入った。
当時はまだ珍しい暗証式の厚い扉、窓には全て柵。
ばかでかい神棚があって、壁一面の提灯、監視カメラ・・・
故人と思われる、恐い顔のおじいちゃんの写真も飾ってあった。
『事務所』に入っても、すぐ真っ直ぐ侵入できないように柵が二重に仕掛けられていたことが不思議だった。
(空港の検問所みたいにジグザグに進まないと入れない構造)
『会社』って厳重なんだなぁ、と当時は思ってました。
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神はいる
昔、俺が本屋でエロ本を物色していた時、店の外から
「あ、お兄ちゃん!」
と声がした。
見れば3歳下の幼馴染の女子高生が、店の前に自転車を止めている。
俺の周りの何人かは一般書コーナーへ素早く立ち去ったが、俺はエロ本片手に絶対絶命な状況だった。
しかし、店の中に入ってこようとするその後ろで、止めた自転車が将棋倒しに。
慌てて戻る幼馴染。
余裕でエロ本を棚に戻して
「しょうがないなぁ」
と手伝いに行く俺。
神様は居ると確信した出来事だった。
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すすらない外人
大学院にいたころの話。
違うゼミだけど知り合いだった外人が、カップ麺をちっさいフォークでちまちま食ってたので
俺「外人さんってすするの苦手なんだっけ」
( ゚Д゚)「できるけど、やりたくないんだよ!」
俺「すすって食べたほうがうまいぞ」
( ゚Д゚)「すするのなんてみっともないよ!それに不潔じゃないか!」
俺「なんで不潔なんだ?」
( ゚Д゚)「スープが飛んで服が汚れるじゃないか!」
俺「それは考え方の違いだな。日本は雨も多いし、水が豊かだった、昔からな。だから庶民ですら毎日服を洗ってたんだ。一方ヨーロッパでは水が貴重なことが多かった。水洗トイレがないから町は常に臭かったし、毎日服を洗えないから、ソースが飛ばない食べ方がマナーとして定着したんだ。つまり君たちは水が貴重で不潔だった過去の風習を、そのまま受け継いでるだけなんだよ」
って言ったら、そいつフランス人なのに
「ファック」
って言われた。