うちは東北の田舎の古い家なんだけど、ときどき自称霊能力者という人達が勝手に来ては、
「この家には悪魔が住んでる」
とか言ってくるんだ。
それで不安にさせといて、お祓いのグッズとか売りつけようとしてくるなら、まあ所謂インチキだって思えるんだけど、そういうこともされないし、ただ『悪魔がいる』って言われるだけ。
祖父母の話を聞くと、本当に昔からそっち系の人たちに、そういうことを言われるらしい。
一回、周りの家に
「あの家に悪魔が住んでる」
と言いふらされて、少し頭のおかしくなってたおばあさんに放火されかけたり、『悪魔の子』とか言われて、自分が殺されそうになったこともある。
一族はわりと長生きだし、大病する人もいないし、悪いことなんて滅多に起こらないんだけど、それなのに悪魔がついてるなんてことあるのかな?
ちなみに、自分は霊能力はまったくゼロ。
オカルト大好きだけど、何も見えなさすぎ感じなさすぎで悲しい。
そっち方面に鈍感過ぎる、とか呆れられたことも。
唯一、家に住んでるらしい座敷童が、夜中走り回る音が聞こえるくらい。
座敷童と悪魔が同居できるのかは知らない。
母は霊能力が強いらしくて色々見えるらしいけど、悪魔のことについて聞いてみると、冗談めかして
「私のことよ」
なんて言う。