怖っ!怖っ?怖い話

いろんな怖い話を集めています。

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「 不思議体験 」 一覧

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パワーストーンの呪力

パワーストーンの呪力 

私はいわゆるパワーストーンや、占いが大好きなスイーツ脳の女で、ソレ関係の本も出版しているライター。

自称、霊感有りだが、本当にあるのかどうかはわからない。

取材もかねて、パワーストーンやヒーリング、フラワーエッセンスや、霊感アロマなどの取材を趣味と実益を兼ねて首を突っ込みまくっている。

最近、女向けの雑誌で「パワーストーン」「ワークショップ」なんて単語を目にすることがあると思う。

ああいうののチョーチン記事を書くのが仕事。

その日も、ある山間の、ヒッピーの店のような場所で、ワークショップが開かれるというので首を突っ込んでみた。

ヘンプとか自然食とか売っている店で、見るからに怪しい。

だけども、そこが癒しのスポットに見えるらしいんだわ、スイーツには。

そのワークショップってのが、石を使って相談者のハイヤーセルフ(高次元の存在・守護霊みたいなもの)とコンタクトをとるというものだった。

ワークショップの主催は、細っこい中年女性で、「すぴこん」などに出入りしてそうな人。

第一印象は悪くなかった。

私は、そういう広義の意味での占いみたいなことをする人には、引っかけとしてわざと「OLです」なんて嘘を吐いてみるんだけど、それすらも見破れない程度の霊感の持ち主だったので「ああ、これは空振りだったかも」と諦めモードに入ってしまった。

仕事の内容も、過去私がやり尽くしたことを霊視するだけで、未来視はゼロ。

肝心のハイヤーセルフからのメッセージも、「?」と思うような内容。

石とコンタクトを取ったり、天使が見えたり、妖精を呼んだりできるらしいけど、どうも眉唾っぽい。

しょうがないから自分から「私、スピリチュアル系のライターやってて、仕事で悩んでて、その相談に来ました」というと、ものすごく食いついてきた。

「是非お友達になりましょう!是非!是非!」なんて、しつこいぐらい食い下がられて、メルアドだけは教えてしまった。

そのとき、なんか嫌~な予感がして、自分の仕事の方のペンネームは教えず、本名と生年月日だけしか教えなかったんだわ。

その後も、そのワークショップ主催者から何回かメールがあったんだけど、なんとも言えない気持ちの悪さを感じて、メルアドを変えてしまったんだ。

その人のパワー入りの水晶のブレスなんかをお礼にもらったんだけど、何だか嫌な感じがして付ける気にならなかった。

メルアドを変更して、二、三日経った頃の話だ。

私の部屋はフローリングで、荷物はすくなく、ベッドもなく、床に布団を敷いて寝ているんだが、夜中、いきなり目が覚めた。

案の定金縛り。

自分の体が疲れている金縛りなのか、霊由来なのかの区別ぐらいはつくので「おおう久しぶりに霊が来たぜネタにしてやろう」とドキドキしていたら、こいつがとんでもない奴だった。

ずず、ずず、と、布団の周りを何か重たいものを引きずる音がする。

どうやら腕だけを使って這い回っているらしい。

それでも私は自衛隊の匍匐前進を思いだし、怖いどころか、ちと笑ってしまった。

真上を向いて金縛られているので奴の姿は見えない。

笑いを堪えながら金縛りに耐えていると、「○○さーん、○○さーん」と、私の名前を呼ぶ声がする。

拾った霊にしては、私の名前なんか呼びやがってなれなれしい奴だな、と思ってると「どうして返事くれないのー」なんて言いやがる。

あ、あのワークショップのあいつか。

ワークショップなんて開いて、占い師のまねごとなんかするぐらいだから、他人の所に想念を飛ばすぐらい屁でもないんだろうな。

眼球だけは動くので、あいつかどうか確かめようと思って、ちらりと顔を覗き込んだ。

あいつかどうかはわからなかった。

だって包帯で顔中ぐるぐる巻きだったから。

それでもって、ちょうど目の位置に当たる部分だけ、赤い血の染みが浮き出ているんだ。

それで、真っ赤な目に見える。

「血の染みは嫌だなあ、サイレントヒルみたい(まだ余裕)」とか思っているうちに、すーっと気を失ってしまった。

で、翌朝。

目が覚めると、なんか部屋中がクッサイの。

血なまぐさいとは違う、生命由来の嫌な臭いで、あまりの臭さに目が覚めた。

布団の周りには、でっかいムカデが何匹も死んでた。

ただ死んでるだけじゃなく、なにか重いものですりつぶして、私の布団の周りをぐるぐると引きずったような跡があるわけ。

これには参った。

資料として読んでいて、開きっぱなしのページの上にも、私が脱ぎ捨てた服の上にも、全部にムカデの体液。

臭いのなんのって。

それが朝起きたらすでに乾きかけてるの。

悔しいやら気持ち悪いやら吐きそうになるわ、泣きながら雑巾で刮ぎ取った。

服は洗っても洗っても臭いが取れないから捨てた。

後日、ライター仲間に、そのワークショップの主催者について聞いてみると、ライター仲間でも知っている人がいた。

「天使」「妖精」「水晶のパワー」とか言っているわりに、とにかく上昇志向の強い人で、なにがなんでも売れたいという気持ちがすごい人として、ライターの間ではよくない方に有名だったらしい。

そのライターさんに、体験した話をすると、「そう言えばその人、足と目が不自由なんだよ」ということだった。

ああ、だから匍匐前進で、顔を包帯でぐるぐる巻きにして目から血を流しているんだってわかったよ。

「ハイヤーセルフからのメッセージっても当たらないんだけどねアハハ」みたいに笑って話していたけど、ハイヤーセルフや守護霊のメッセージは受け取れなくても、すごい呪いをかけることができる、呪術師としての才能の方がある人なんだなーと思ったわけ。

そんな奴にペンネームなんか教えたら、仕事にどんな影響を及ぼされていたかと思うと気が気じゃない。

今、パワーストーンブレスとか流行ってるでしょう。

ああいうのにパワー込めるとか、天使がナントカとか妖精がナントカと言っている奴の中には、こうやって得体の知れないパワーを込めている奴もいるから注意して欲しい。

もし、自分が悪霊の立場だったとして、このスピリチュアルブームに便乗しない手はないと思うからさ。

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亡者たちが通り過ぎる家

亡者たちが通り過ぎる家 

私たち家族は昨年まで千葉県にある高層マンションに住んでいました。
私たちがそのマンションから引っ越すきっかけとなった、恐ろしい体験についてこれから話します。

私たちが住んでいたのは三十階建てマンションの二十九階で、二年前にそこに移り住んだ当初は、リビングの窓からの見晴らしのすばらしさと、以前住んでいたマンションに比べて間取りが格段に広くなったことで、とても満足感でいっぱいでした。

ところが、昨年の夏ごろから奇妙なことが連続して起こりはじめたのです。
最初は二人の娘たちのまわりで起こりました。

ある日の夜、みんなが寝静まった夜中の三時ぐらいでしょうか、上の娘が私たち夫婦の寝室に突然やってきて、こう騒ぎだしたのです。

「トイレの中におじいさんがいる・・・・・無表情で痩せたおじいさんがいるの・・・・・・・」

私たちは驚いて、すぐトイレまで見に行きました。
しかし、老人の姿などどこにもありません。
その時でした。
今度は下の娘が子供部屋から飛び出してきたのです。

「ベッドの横に、おばあさんが立ってた・・・・腐ったおばあさんが立ってた・・・・・・」

「腐ったおばあさん?・・・・・」

私たちはすぐに子供部屋へ行ってみました。
しかし、おばあさんの姿などどこにもありません。

「二人とも悪い夢でも見たんだろう。さあ、部屋に戻って早く寝なさい」

しかし子供たちは怖がって部屋に戻ろうとしませんでした。
結局、子供たちはその日は私たちの寝室で一緒に寝ることになりました。
それ以降も、何度か子供たちが恐怖で身体を震わせながら、私と妻に、

「おじいさんがいた・・・・・」、「おばあさんがいる・・・・・・」と訴える日がありました。

しかし、私たちがいくらトイレや子供部屋を調べても、そんな老人の姿など見ることができませんでした。
あまりに何日もそういうことが続いたので、私と妻は、娘達の精神状態がおかしくなったのではないかと心配し、知り合いの精神科医に相談したこともありました。
しかし、そういうことはさほど異常なことではなく、思春期前の女の子にはよくみられる事例なので、しばらく様子を見てから判断しようといわれました。

ところが、それから数日後、今度は妻が妙なことを言い出したのです。
台所で洗い物をしていると、横の壁を人の影が動いていくというのです。

それも一人や二人ではなく何十人もの影で、どの影も骨と皮だけの老人だと言います。
そしてその影は、真横に動くのではなく、後方の壁から天井のほうへ階段を上がっていくように動いていくのだそうです。

私は、最初は妻も精神状態がおかしくなったのかと心配しましたが、とりあえず本当にそんな影が現れるのかどうかをたしかめようと、何日間か台所で壁を観察してみることにしました。
しかし、私の前ではその影は現れず、何も見ることはできませんでした。

ところがその3~4日後、とんでもないことが起こったのです。
いま思い出しても、本当にこんなことが起こったのか自分でも信じられないくらいです。
深夜の二時ごろのことでした。

ベッドに入ろうと寝室の明かりを消したときでした。
寝室はツインベッドで、妻はすでに奥のほうのベッドで横になっていました。
そのとき、妻のベッドの向こう側の壁に、うっすらと老人の影が浮かび上がり、ゆっくりと動きはじめたのです。

私はあまりの恐怖にその場から一歩も動くことができませんでした。
その時でした。
娘たちの部屋から、また悲鳴が聞こえたのです。
私は急いで妻を揺さぶり起こし、影のことは気になりましたが、娘に何か起こってるのではないかと心配になり、とりあえず娘たちの部屋へ飛んでいきました。
すると、信じられない光景が目の前に現れたのです。

下の娘が、骨のように痩せた老人に腕をつかまれ、壁の中に引きずりこまれようとしていたのです。

私は何が起こっているのか何もわからない状態のまま無我夢中で娘を抱き上げ、こちら側に引っぱり戻しました。
すると、ボキッという枯れ枝が折れるような音とともに老人の腕が折れ、私と娘はその反動で反対側の壁のほうへ倒れ込みました。
床に落ちた老人の腕は、まるで砂のように崩れていき、あとには灰のようなものが残るだけでした。
そして気がつくと、老人はどこかへ消えていなくなっていました。

その老人は何者だったのか、なぜ私たちの部屋だけでこのようなことが起こるのかを早急に解明しなくてはと思い、さまざまな人たちに調査をお願いしました。
風水学の専門家や家相の権威、また、霊媒師などいろいろな人に調べてもらいましたが、結局納得できる理由は何も見つかりませんでした。

私たちは連続して起こるそのような怪現象について堪えきれずそのマンションを出ることにしました。

ただ、霊媒師の一人が、この部屋は冥界へ続く階段のような通路と重なっている、と言っていたのが、
今となっては非常に印象に残っています。

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頭の長い赤ん坊

頭の長い赤ん坊 

私が、高校二年生の夏休みのことですから、もう、かなり前になります。

そのころ、私と母親とは、交代で知り合いに家にベビーシッターに行っていました。
堂本さんというお宅でした。
母ひとり娘ひとりという家庭で、母親は駅近くのスナックに勤めていて、毎日零時を過ぎるまで店に出ていなければならず、当然、ベビーシッターも夜遅くまでかかりました。

娘さんは小学生で、ほんとうに屈託のない明るい子でした。
私の自宅とベビーシッター先のマンションとは、自転車で五分ぐらいの距離だったでしょうか、さほど、遠いというわけではありませんでした。
けれど、深夜、誰も通らなくなった、真っ暗な道を帰ってゆくのは、想像する以上に怖さがつのるものです。
母は、私の順番の日には、必ず迎えに来てくれました。
ですが、いつもいつもというわけにはいきません。
風邪を引いたりなどして体調が悪いときなどは、やはり、ひとりで家路につかなければなりますせんでした。
その日も、そうだったのです。

前日から、母は、なんとなく吐き気がするといって床についてました。
でも、ベビーシッターを断るわけにもいきません。
母は私に、「あちらのお宅に泊まって朝になってから帰ってきなさい」と言いました。
けれど、私はどうしても帰りたかったのです。

いまから思えば、これもまったく不思議なのですが、その日はどうしても家に帰りたくてたまりませんでした。
結局、ベビーシッターが終わった後、心配そうに見送ってくれた堂本さんに手をふりながら、夜道を急ぎました。

自宅とそのマンションのあいだには、ずーっと畑がつづいていて、畑中の道を自転車で帰るしかありません。
灯など、ほとんどないに等しいような道です。
かなたの畑の端あたりに傾いた電灯は灯っていたのですが、それがまたいっそううらさびしさをつのらせるようで、なんとなく好きではありませんでした。
どこかで、蛙が鳴いていました。
ほのかな月明かりの中、たったひとりで蛙の鳴き声を聞くというのは、なんとなくいやなものです。
気味が悪くてなりません。
とくに鳴き声が徐々に大きくなってくると、なにやら、目に見えないものが徐々に近づいてくるような気がして、たまらなくなります。

「なんだかいやだなぁ・・・」

独り言を呟きながら、いつも曲がる三叉炉の手前に来たときでした。

「え・・・」

どういうわけなのでしょう。
ハンドルをとられて、家とは別の方向の道に入ってしまったんです。
意識するとかしないとか、そんな感じではありませんでした。
そう、ほんとうにハンドルをとられるというか、誰かに無理矢理引っ張られたような、そんな感覚だったんです。
ただ、奇妙な事に、私自身、変だなとは思ったものの、あわてて自転車をとめようとか、ひきかえそうとか、そういう意思は働かなかったのです。

今から思えば、この時すでに、私は『何か』に魅入られていたのかもしれません。
しばらくペダルをこぐともなく走っていると、道のかたわらにひとりの女の人が立っていました。

その人の前を通り過ぎようとした瞬間です。
急にペダルを漕いでいる足が動かなくなってしまったんです。
決して見るつもりなんか、ありませんでした。
こちらは一刻とも早く家までかえりたいのです。
わけもわからないままに家から遠ざかりかけているとき、いくら時間が不自然だからって、すれちがうだけの人の顔など、覗き込むつもりなんかありませんでした。
なのに。
私の意志とはうらはらに、目だけが、女の人のほうに吸い寄せられていってしまうです。
その時になって、ようやく気づいたのですが、彼女は赤ん坊をおぶっていて、マントのようなものを羽織っていました。
なんといって説明したらいいんでしょう。
コートでもなく、ケープでもなく、これまでに見たこともないような足元まで隠してしまうようなものを羽織っていたんです。
<夏なのに・・・・・>

そう思ったときです。
いきなり、女の人が、

「赤ちゃんが、ふふふって笑ってるの」

そう言ったのです。

私に向っていったのか、それとも独り言なのか、わかりません。
だって、女の人の顔は、隠れていてまったく見えなかったからです。
ただ、彼女の低くおしころしたような声だけが、私の鼓膜にとどいてきました。

<赤ちゃんがわらってる?・・・>

反射的に目をやってしまいました。
その時、私は見たのです。

おぶさっていた赤ちゃんの頭が異様にとんがっているのを・・・・・。
どういったらいいのかわかりませんが、ちょうど、イカのような形でとがっているのです。
そして、私のほうを見て、彼女のいうとおり、笑っていました。
いいえ、笑うなどという穏やかなものではありませんでした。
ゆがめていたのです。

それも、赤ちゃんなどではなく、見るからに年老いたシワだらけの・・・・いいえ、顔のすべてがシワに埋もれてしまっているような女性の・・・・老婆の顔でした。
それが、いびつな笑いを浮かべているのです。

「きゃあっ・・・」

そう、叫んだ事は覚えています。

でも、それからあと、どうやって自宅まで帰ったのかまったくわかりません。
ほんとうに覚えていないのです。
気が付いた時には私は自宅の居間にいて、母に背をさすられながら、コップの水をごくごくと飲んでいたのです。
ただ、たしかなことがひとつだけあります。
家に帰ったとき、着ていた半袖の制服は、そこらじゅうが破れていて血だらけになっていまし。
いったい、私はどんなふうにして家まで帰ってきたのでしょう。

それからあとも一生懸命に思い出そうとしたのですが、どうにも思い出せずにいます。

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アカエ様

アカエ様

俺が小学校低学年の頃の話、もう30年以上前になるけど。

東北のA県にある海沿いの町で育った俺らにとって、当然海岸近くは絶好の遊び場だった。

ただ何故か、かくれんぼだけは海の近くでやってはいけないと、周りの大人にきつく言われていた。

しかし、そこはしょせん子供、俺と近所のくそがきA太B朗C子の四人でかくれんぼをしたことがある。

当時のガキにしちゃあ、丸々と太っていた実質ガキ大将のC子が、どうしてもかくれんぼしたいって聞かなかったんで、俺ら男はなんか臆病者扱いされるのも嫌だったんで付き合うことしたんだわ。

しぶしぶ始めたとはいえ、海の近くで変なくぼみとか一杯あって、めちゃくちゃ楽しかった、てのを今でも覚えてる。

かくれんはじめて1時間くらいたったころ、A太が鬼だったんだけどC子がどうしても見つからない。

仕方なく、かくれんぼを中断して三人でC子を探すことにしたが、なかなか見つからないから、3人で手分けして探すことにした。

それでも見つからないから、もうあきらめて帰ろうと思ったとき、さっき調べても見つからなかった岩場のくぼみににC子を見つけた。

ただC子一人じゃなくて、なんかやたらと立派な和服をきた爺さんが一緒だった。

ガキだった俺は、家の人間が迎えに来たから勝手にかくれんぼ中断しやがったなと一瞬思ったが、どうも様子がおかしい。

普段は大人相手だろうが、子供相手だろうが、のべつまくなしに騒ぎまくるC子がやけにおとなしい、和服の爺さんが何か話てるのにも反応せずに一点を見つめて動かない。

これはやべーんじゃねーのと思った俺は、幸い二人ともこっちに気づいてないようだったので、気づかれないように様子を伺う事にした。

よく見てみると和服の爺さんは、こんな海っぺりだって言うのに全然濡れていなかった。

爺さんはひとしきりC子の体をべたべたと触ったあと、懐から鉄製の串のようなものを取り出すと、おもむろにC子のわき腹に突き刺した。

俺は爺さんの行動にびびって固まった、正直しょんべんも漏らしていた。

しかも爺さんは、その串を一本ではなく、次々とC子に差し込んでいく、しかし奇妙な事に血はぜんぜん流れてこない。

C子も串を刺されまくって、黒ひげ危機一髪みたいになってるのにピクリとも動かない。

そのうち、串を伝って黄色っぽい白いどろどろとしたものが流れ出してきた、すると爺さんは串の根元のほうに白い袋のようなものを取りつけはじめた。

どうやら、そのドロドロを袋に集めているようだった。

多分ものの2~3分くらいだと思うが、どうやら袋が一杯になったらしく、爺さんは一つ一つ口を縛り袋を纏めていく。

一方のC子はあんなに丸々と太っていたのに、いつの間にか干からびたミミズのようになっていた。

これは、冗談抜きでやばいものを見てしまったと俺が思っていると、爺さんが不意に俺の方を向いた。

そして何か言おうとしたのか口を大きく「あ」の形にした。

と思うと後ろから大人の声で「コラー、ドくそがきが!あんだけここでかくれんぼすんなっていってんだろ!」と怒鳴る声がした、振り返るとA太の父。

どうやらC子が見つからなくて、あせった二人が大人に報告しに行ったようだ。

俺はC子が干物になってしまった事を伝えるのと、変な爺さんから逃げるようにA太父のほうへ駆け出していた。

かなり本気の拳骨と、もう一怒鳴り食らって、俺がC子の所までひっぱってA太父をつれていくと、干物ではなく太ったままのC子が倒れていた。

あの爺さんも、串で刺された跡もきれいさっぱりもなくなっていた。

結局C子は、かくれんぼ中にこけて頭打って気絶していたと言う事で病院に運ばれ、その日の夕方には目を覚ましたらしい。

一方で俺ら3人は、死ぬほど説教食らったが、俺はさっきの光景が目に焼きついていてロクに説教も聴いていなかった。

それから数日はC子は何もなく、ぴんぴんしていて近所のクソガキの上に君臨していた。

俺も、アレは暑さでおかしくなってみた幻だろうと思い込み始めていた。

しかしC子は、一週間程たったくらいから、目にも見えてやせ始め、しまいにはその姿を見なくなっていた。

どうやら、何かの病気をしたらしく、俺は母親に連れられてA太B朗やらと一緒にC子の見舞いへ行った。

そこにいたC子は以前の憎たらしく太っていたC子ではなく、ずい分とやせ細った姿だった。

しかも痩せているのではなく、見るからに肌に水気がなく、子供とは思えない程しわだらけになっていた。

あの時の干物の2,3歩手前という感じだった。

俺はもうこいつ死ぬんだなと思った。

 

見舞いから帰ると俺は、母親に例の爺さんと串に刺されたC子のことを話した。

母は俺の話を聞き終えると、「そう」と一言だけ言ってどこかに電話をかけた。

そして電話が終わると、明日その時の事を聞きに人が来るから正直に答えなさいと俺に言った。

次の日、学校の授業の途中に校長に呼び出され、校長室で見知らぬおっさんに爺さんとC子の話を聞かれた。

そのおっさんは古い絵を見せてきて、その爺さんはこんな格好じゃなかった?と聞いてきた。

その絵にはみすぼらしい格好をして、頭が不自然に三角な男と、例の爺さんみたいなきれいな和服をきた男がが描かれていたので、俺はこっち和服の男の格好に似ていると答えた。

すると、おっさんはため息を一つ吐いて校長にどうやらアカエ様ではないようなので、これ以上の心配はないでしょうと言った。

校長も何か安心したような感じだった。

その後、今年は豊漁になるだとか、漁協からC子の家に見舞金を出すとか言う話をしていたが、俺がまだいることに気づき、すぐに追い出され俺は授業に戻った。

C子はその後、割りとすぐ死んだ。

C子の葬式では悲しそうなのはC子の家族だけで、他の大人はみんなニコニコにしていてうれしそうな感じだった。

正直、俺もC子が嫌いだったので心の底ではうれしかったが、今まで経験した葬式との違いに少し不気味に思っていた。

俺の父親もC子の両親に、神様が持っていったようなものだから、と変な慰めをしていたのを覚えている。

その年の秋は、あの時の盗み聞いたおっさんと、校長の話通り、ここ数十年で一番の豊漁になった。

しかし俺の町以外の港では、それ程でもなかったらしく俺の町は大分潤ったらしい。

俺もA太もB朗も、栄養状態がよくなったせいかみんなころころと太った。

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実在しない月の宮駅

実在しない月の宮駅

36:本当にあった怖い名無し:2011/01/03(月)17:30:54ID:+6K9Q3od0
688名前:本当にあった怖い名無し[]投稿日:2008/02/19(火)23:52:03ID:cORtzJ3a0
書かせてくれ。

夜行列車に乗って東海道を走っていたとき、ウトウトしてたら電車が駅について目が覚めたんだ。

俺は窓辺の席。3時くらいだと思う。駅は名古屋駅のような感じだった。駅の表示をみると駅名のところに「月の宮」って書いてあるんだ。

でも、なんだか雰囲気が不思議な感じだった。現実のものとは思えないような、ちょっと薄暗くて、別に怖い感じはないんだけど。

で、よく見ると背の高い(2mくらい?)の黒いヒョロヒョロの人がホームを歩いていたんだ。複数名。影を立体化したような感じ。

なんとも書きづらいんだけど、でなんだこりゃと思ってたら座席間の通路を同じような人が二人、歩いて電車から降りて行った。

隣でいびきかいて寝てたおっさんは別に普通の人間だったし、まわりも別に普通の人。

で、電車が動き出して離れていきながら街を眺めてたんだけど、暗闇の中に東京タワーぐらいのビルが、摩天楼みたいにそびえ立ってて幻想的だった。

夢にしてははっきりとみてるし、お茶も飲んだ記憶があるから何なんだろうなぁって思う。金縛りのときの現実っぽい夢なのか、何だったのか。

月の宮っていうのは徳島に知名あるらしいけど、違う。名古屋ではない。

37:本当にあった怖い名無し:2011/01/03(月)17:31:36ID:+6K9Q3od0
488:本当にあった怖い名無し:2009/01/08(木)12:28:11ID:cNF9ZiM80
2、3日前くらいに、おそらくここの過去スレだと思うんだけれど、東海道線で夜行に乗っていたら「つきのみや」って実際にはない駅を通り過ぎたってレスを読んだ気がしたんだけど、きのう、自分もその駅見たことを思い出した。

ウトウトと眠っていて、止まった駅でここはどこだろうって見えた駅名がたしか「つきのみや」だった。

自分は浜松の人間なんで、静岡県には土地勘があるから、知らない駅名に、やべっ!愛知あたりまで乗り過ごした!って思って時計見たらまだ到着時刻よりだいぶ前だった。

で、安心してまた寝たんだけど、かなり大きな駅で(??こんな大都市あったっけ?)って思ったのを覚えている。

で、いま過去3スレくらい探したんだけど、そのレス見当たらない。