怖っ!怖っ?怖い話

いろんな怖い話を集めています。

*

「 不気味 」 一覧

no image

めしや

めしや

まだ小学校三年の時、姉と2人で「マザー2」ってゲームにハマってたんだ。

俺ん家は「ゲームは土日に3時間だけ」って面倒な決まりがあって、普段スーファミのカセットは、居間に封印してあるんだが、このゲームだけはどうしても我慢できなかった。

幸い自分の部屋には、スーファミ本体とテレビがあったので、夜中こっそり居間にカセットを取りに行っては姉とマザー2をやり込んだ。

んで、実際にプレーするのは俺。

姉は隣りでお菓子食べながら見てて、俺が詰まると色々と知恵出してくれるアドバイザー。

俺より2つ年上だったんで凄い頼りになった。

今でもハッキリ覚えてるが、その頃はゲップーって敵に大苦戦してて、ひたすらレベル上げしてたんだ。

はえみつ使えば楽勝だって事も知らずにな。

時間は大体午前1時、丁度今位の季節で寒かったので毛布にくるまってゲームしてた。

必死に雑魚と戦闘してる時、姉が不意に

「タケ、テレビ消して。」て言ってきた。

俺は訳がわかんなかったから焦って「何で?眠いの?じゃあコイツ倒したら戻ってセーブするからちょっと待ってよ。」と返した。

が「ゲームの電源は切らなくていいから…テレビ消しな」

姉は締切ったカーテンの方を見ながら、静かに呟いた。

俺は少し怖くなって、テレビを消して布団に潜り込んだ。

「どうしたの?」

恐る恐る聞くと、姉は息だけの声で囁いた。

「庭の方で足音が聞こえる」

俺ん家は周りを砂利に覆われていて、人が歩いたりすると「ジャッ、ジャッ」て音がするからすぐわかるんだ。

俺はゲームに夢中で全然気がつかなかったけど、姉は結構前から気付いてたらしい。

で、余りにも立ち去らないから、俺にテレビを消させたんだと言っていた。

耳を澄ますと、確かにジャッ、ジャッ、と庭先の方から聞こえる。

本当に怖くなって「犬か猫でしょ?」と聞くが姉は答えない。

じっとカーテンの方を睨んでる。

次第に足音が近付いて来るのがわかった。

足音が窓外のすぐ近くで止まった。怖くてたまらなくなって姉の腰にギュッとしがみついた。

暫くして「あのぉ…、すいません。」

甲高い女の人の声が呼び掛けてきた。

姉は答えない。

俺は目を瞑り、必死で姉の体にしがみついた。

「起きてますよね?…困ったコトになったんで、ココ開けてもらえませんか?」

来訪者が来るには、ズレすぎたこの時間帯と、深夜の暗さが恐怖を煽り、怖い夢でも見てる感覚になった。

暫くの沈黙の後、外にいる女が窓に手を掛ける気配があった。

ガタガタと窓が揺れだした時、不意に姉が立ち上がった。

俺を振りほどいて部屋の引き戸を開けた。

「おかーさーん!!窓の外に誰かいるーー!!来てーー!!おかーさーーんっ!!」

姉はありったけの声で叫んだ後、廊下の電気を片っ端から点けて俺の手を引いて親の寝室まで走った。

寝室に着き電気を点けると、母さんはまだ寝ていた。

ちなみにウチは母子家庭で父親はいなかった。

姉が揺すり起こし、事情を説明すると、困惑した顔で

「こんな時間に…夢でも見たんじゃないの?」

違うよ!と俺が口を挟もうとした時。

ピンポーン

玄関でチャイムが鳴った。

母さんは驚き、慌てて玄関に駆けて行った。

玄関の電気を点けると、擦りガラス越しに赤い服を着たシルエットが浮かび上がった。

「どなたですか!?」

「夜分遅くに申し訳ありません。…実は急ぎの用事があって この辺りで公衆電話を探していたのですが、どうしても見つからなくて…」

「もし宜しければ、御宅の電話を貸して頂けないでしょうか?」

俺は何だ電話かぁ、とホッとしたのだが

「…申し訳ありませんが、こんな時間に見ず知らずの人を家に上げる訳にはいきません。どうかお引きとり下さい。」

母さんはキッパリと断った。

その時は、電話位貸してあげればいいのに、と驚いたが、今思えば当然だな。

いくら田舎とはいえ、大人が母親しかいない家に、深夜に訪ねて来た他人を上げるのは危険だ。

だが尚も「お願いします。本当に困ってるんです。電話を貸して下さい。」と食い下がる。

が、母さんは断固として「申し訳ありませんが、他を当たって下さい。」と断り続けた。

暫く言い争う感じでやり取りが続いた後、女は急に静かになった。

やがて、玄関先にあった傘立てから傘を抜くのが見てとれた。

そしていきなり「ガンッ!!」

傘の先の方を持って、柄の部分で玄関の擦りガラスを叩き始めた。

再び狂気を感じた俺は、その場に固まってしまった。

女は玄関のガラスを突き破らんばかりに強く叩いてくる。

「いい加減にしなさい!!警察を呼びますよ!!」

母さんは少し怯んだようだが、強い口調で外の女を一喝した。

しかし女は叩くのを止めない。

「あんた達は居間に行ってなさい!お姉ちゃんは警察に電話!!」

俺は固まって動けなかったが姉に手を引かれ、居間へと走りだした。

バーンと音がしたので振返ったら、母さんが玄関脇にあった靴棚を倒してた。

バリケードを作ってたんだと思うが、今考えるとあんまり意味無い気が…母さんもパニクってたんだと思う。

居間に着き、電気を点けると俺はテーブルの下に潜り込んだ。

どこでもいいから隠れたかった。

警察への電話を終えたらしい姉も潜り込んできて、二人で抱き合い震えながら泣いていた。

暫くすると、母さんも居間にやってきた。

玄関からは、まだガンガンとガラスを叩く音が聞こえてくる。

台所から一番大きな包丁をとってきて、テーブルの下にいる俺達を見つけ

「大丈夫だから、ね?お母さんがいるから大丈夫だよ?」と言ってくれた。

だが、そう言う母さんも顔が真っ青で、凄く汗をかき震えていた。

やがて玄関の方から音がしなくなり、家の中が静かになった。

そして母さんが玄関の方へ歩き始めた時。

「ガンッ!!」

と居間の窓から激しい音がした。

俺と姉は「わぁーっ!!」と絶叫して気を失いそうだった。

どうやら玄関は諦め、電気の点いてた居間の方に周り込んで来たらしい。

母は果敢にも窓の方に歩みよりながら

「居たいならずっとそこに居なさい!!もうすぐ警察がくるから、どうなっても知らないよ!!」

普段見せた事の無い様な勢いで怒鳴り、シャッとカーテンを開けた。

「…ヒッ!!」

裏返った母さんの悲鳴が聞こえてきた。

母さんの悲鳴を聞いて、俺も窓の外を見た。

そこにいたのは明らかに男だった。

濃い髭、ボサボサに伸びた髪、真っ赤なワンピース。

ニタニタ笑いながら部屋の様子を伺ってくる。

本当に狂気を感じ、声すら出なかった。

母さんも後退りし、固まっている。

そして男は窓越しに叫びだした。

聞こえた範囲で書くとこうだ。

「ぎゃははは……めしやだ!俺………流せるのに!!ぎゃははっ!!馬鹿が!!ぎゃははははっ!!」

そう言って奴は走り去って行った。

すんげぇ適当だが最初の”めしや”ってのは”メシア”だと思ってる。

邪教に嵌って気が触れた人なのかもしれん。

とりあえず奴が去った後も恐怖が拭えなくて、姉と二人で母さんにしがみついて泣きじゃくってた。

それからかなり時間が過ぎてようやく警察が来たので、

「遅いよ!!なんでもっと(ry」と凄く罵った覚えがある。

頭にドが付く程の田舎だからしょうがないのだが。

それからしばらくは、家族三人で寝室で寝る様にしてた。

とりあえず覚えてるのはここまで、高校の時位にもふと思い出して

「あれ何だったの?」と母さんに尋ねたが

「わかんないよ。警察の人からも結局見つからなかったって連絡だったし。」

いまだに正体は不明のままみたい。

no image

小さな老婆

小さな老婆

ある4人家族がとある地方の旅館に宿泊。
深夜に娘か母親がトイレで惨殺されているのが発見された。

全身を刃物で滅多刺しにされ、顔面は誰だか判別がつかなくなる程斬り付けられていた。
死体には舌がなかった。
トイレには格子のついた幅30・、高さ10・程の窓と小さな通風孔があったが、とても人の入れる大きさではない。
カギもかけられていた。誰がどこから侵入してきたのか・・・。

警察はその旅館を経営している夫婦、その息子、近辺の変質者などを聴取したが、
現場が密室だったこともあり、迷宮入りになるかと思われたが、
ある日、旅館経営者夫婦に付き添われたその息子が署に出頭。
「近所の目もあり、なかなか正直に話すことができなかったが、
とんでもないことになったので、お話します」

「息子は盗撮が趣味で再三注意していましたが、事件当夜もビデオカメラで天井裏から個室を撮影していていたのです。
撮影していると格子のはまっている小窓のガラスが開き、ガラスの破片を持った小さな・・・、いや、
このビデオテープに一部始終がはいっていますので・・・。」

息子はビデオテープについて訪ねられると、恐怖が蘇ったのか半狂乱に。
精神に異常をきたすほどの何かがこのテープに入っているのかと思い、
捜査員達もテープを再生するのを恐れた。

そのテープには排尿する女性を俯瞰で撮影した映像が収っていた。
和式便器にしゃがんでいた女性が立ち上がろうとしたその時、
小窓からガラスの破片らしきものを握った小さな、15~20・程の老婆が音もなく飛び込んできた。
女性は悲鳴をあげる間もなく咽を掻き斬られ、そして顔中を、体中を斬り付けられ・・・。
 女性が息絶えると、小さな老婆は死体から舌と頭皮の一部を切り取り、天井を見上げ、
「次はおまえだよ」
と言って小窓から出て行った・・・。舌と、髪の毛のついた頭皮とを持って。

捜査員の中には、嘔吐するもの、泣き出すもの、恐怖の余り失禁する者もいたという。
結局事件は未解決のままだが、警視庁に、件のビデオテープが今なお保管されていると言う。

no image

おばちゃんのお家はどこ?

おばちゃんのお家はどこ?

二十代の主婦である私は、一年前まで、東京都下のある公団住宅に住んでいました。

ある夕方、私は近くの棟に住む三田さんという顔見知りの主婦と一緒に、敷地内の児童公園の中を歩いていました。
すると夕暮れの園内に、ひとりぽつんとブランコに乗っている小学生ぐらいの女の子がいたのです。

このあたりの子供なら、たいていは見知っているのですが、初めて見かける顔で、おかっぱ頭でクリクリとした瞳の、可愛らしい子でした。
私たちがその横を通りすぎようとすると、女の子は私たちに声をかけてきました。

「おばちゃんたちのおうちはどこ?」

三田さんの家はちょうどその公園から見える場所にあったので、「あそこよ」と、窓を指さして教えたのです。
すると女の子は「ありがとう」と、礼儀正しくお礼を言って頭を下げると、走って公園を出て行ってしまいました。

何が「ありがとう」なのかわからなかったのですが、子供のいうことだから、と思い、私たちはとくに気にもせず、それぞれの家へ戻りました。

その翌日、ゴミ出しにいった私は、ゴミの集積場に集まっていた人たちから、三田さんが昨夜、階段から落ちて大怪我をしたのだという話を聞きました。

『気の毒に。お見舞いに行かなければ』と思いましたが、私はそのときにはそれ以上、何も考えなかったのです。
私が『おかしい』と思い始めたのは、その次にあの女の子の姿を見かけてからでした。
三田さんの怪我から数日後のことです。
やはり夕方に敷地内を歩いていた私は、どこかから『おばちゃんのおうちはどこ?』という子供の声がきこえてきたのにギクリとして立ち止まりました。
振り向くと、私の隣の部屋に住む主婦が、おかっぱの女の子と立ち話をしています。
それは、あの日ブランコに乗っていた女の子でした。
私は妙な胸騒ぎを感じました。
なぜ、あんなあどけない子供の言動に、こんなに不安を感じているのか自分でもよくわかりませんでしたが、私はそそくさとその場を立ち去りました。

その夜、私は自分のカンが正しかったことを知りました。
隣家の主婦が料理中に熱い天ぷら油を自分の足にこぼして、救急車を呼ぶ大騒ぎになったのです。
あの少女と不幸な事故のあいだに何かの関係があるのでは、と思う一方、そんなことはありえない、とも思いました。
それでも私はやはり、夕暮れには、できるだけ家から出ないようにすることにしたのです。

そんなある日の夕方、緊急の回覧板が、まわってきました。
数日後に控えた住民集会についてのお知らせで、なるべく早くまわすようにという指示でした。
私は、建物内の廊下を通って上の階に行くぐらいなら、まさかあの女の子に会うこともあるまい、と思い、思い切ってドアから外に出ました。
途中、誰に会うこともなく上の階の部屋へ回覧板をまわした私は、すぐに自分の部屋へ戻ろうとしました。
階段を下り、角を曲がればもう自宅の部屋のドアです。
私はホッとしながら角を曲がり、そこで危うく悲鳴をあげそうになりました。
そこには、あのおかっぱの女の子が、ニコニコと笑顔を浮かべて立っていたのです。

私は血の気が引くような思いで、その場に立ちすくんでしまいました。
女の子は『おばちゃんのおうちはどこ?』と、あどけない様子で尋ねてきます。
私は何も答えずに、問いかけを無視して小走りに女の子の脇をすり抜け、あわてて自分の部屋に駆け込みました。
ドアを閉ざした直後に、小さくドアをノックする音とともに『おばちゃんのおうちはどこ?』という声が聞こえました。
私は鍵をかけ、チェーンまでしっかりとかけて、決してドアを開けませんでした。

少しすると、女の子はあきらめたようで、ドアの覗き穴から見ると外には誰もいなくなっていました。
そんな日にかぎって、主人は帰りが遅いのです。
私は一人でいるのが怖くて、主人の帰りを今か今かと待ちかねていました。
結局、その日、主人が帰宅したのは十二時近くでした。

玄関まで走って出迎えた私に、ほろ酔いかげんの主人は、『今、下で、小さな女の子に話しかけられたよ。こんな時間にどこの子かな』と言うのです。
ゾッとした私は、あわてて問いただしました。

「何て話しかけられたの!?」

「『おじちゃんのうちはどこ?』って聞くんだよ。俺は、ちょっとからかうつもりで、『おじちゃんのうちは、そこの電話ボックスだよ。お嬢ちゃんはどこに住んでるんだ? もう帰らないと危ないよ』って答えたら、『ありがとう』って頭を下げて、走って行っちゃったんだ。おかしな子だな」

私は主人に、あの女の子と不幸な事故のことを話しました。
主人は笑って取り合おうとはしませんでした。
けれども、翌日、団地内の電話ボックスが不審火で黒焦げになったのです。
それは主人が女の子に示した電話ボックスでした。

私はそれ以来、どうしてもその団地にいることに我慢ができず、無理をいって引っ越すことに決めました。

主人はいまだに私のいうことを本当には信じていないようですが、私は、あの女の子が不幸を運んでいたのだと確信しています。

no image

トコヨワタリ

トコヨワタリ 

家の近所に青柳タンスと言う廃屋があった。

別にタンス屋だった訳じゃなく、ただの民家だったんだろうが、壁面にそういう看板が掛けてあった。

そこには電話番号も書いてあって、その番号に掛けると霊界につながるという噂があって、ある日、番号をメモして電話を掛けてみた。

電話を掛けてみると呼び出し音が鳴るが、いくら待っても誰も出てこない。

友達数人と面白がって何度か掛けていたが、ある日一人が「多分、実際に青柳タンスに掛かっていると思う。みんなで青柳タンスに行って、その時一人が電話を掛けてみよう」という話になった。

そこで、俺一人が家に残って電話を掛けることになった。

みんなが青柳タンスに着くぐらいの頃に電話してみると、いつもどおりの呼び出し音が鳴ったあと、がちゃ、っと音がして電話が通じた。

友達が電話を取ったと思って「そっちの様子はどう?」と聞いてみたが返事がない。

変わりに低い男の人とおばあさんの声が混ざったような声で、

「ト・コ・ヨ・ワ・タ・リ」

という返事が来て電話が切れた。

恐くて怖くてみんなが帰ってくるのを待ったが、結局その日は帰ってこなかったので、心配してみんなの家に電話を掛けてもらうと「電話が掛かってこなかったのでつまらなくなってみんな自分の家に戻った」と言う。

何も言わずに家に帰ってしまうなんて変に思ったが、その日以来、みんな少し様子が変わってしまってなんとなく俺たちは疎遠になってしまった。

十何年後、同窓会でその友人達の話を聞いたが、みんな学生時代に健康を害して病気で死んでしまったらしい。

no image

青いクレヨン

青いクレヨン 

ある夫婦が郊外にある中古の家を買った。
郊外だが駅までは近いし近所にはスーパーなども多いし日当たりも良好。それに値段が格安といっていいほどの絶好の物件だった。
友人たちに引っ越しを手伝ってもらい、飲み会をしたあとに遅いのでその日は友人を含めて一緒に新居で寝ることにした。
しかし、夜中バタバタバタ……子供が廊下を走るような音を聞いて何人かが起きた。気のせいだと思ってまた寝ると、今度は子供の話し声が聞こえて目が覚めてしまう。そのために朝まで熟睡できたものは誰もいなかった。
誰もが夜に体験したことを不思議がった。
そして思った。この家には何かある―と。
全員で廊下を調べていると、青いクレヨンが落ちていた。もちろん夫婦のものでも友人たちのものでもない。
そして、とてもおかしなことに気がついた。 この家の間取りが奇妙なのだ。
クレヨンを拾ったあたりの廊下は突き当たりになっているが、家のつくりを考えるとそこにはもう一部屋分のスペースがあるはずなのだ。
壁を叩くと中に空洞がある音がする。壁紙をはがすと扉が現れた。おそるおそるその扉を開ける。
もしかしたらとんでもないものがあるのではないか……
しかし、部屋の中には何もなかった。
ただ部屋の壁すべてに青いクレヨンでびっしりとこう書かれていた。

おとうさんおかあさんがごめんなさいここからだしてください おとうさんおかあさんがごめんなさいここからだしてください ここからだしてここからだしてここからだしてここからだして ここからだしてここからだしてここからだしてここからだして ここからだしてここからだしてここからだしてここからだして ここからだしてここからだして……