怖っ!怖っ?怖い話

いろんな怖い話を集めています。

*

「 月別アーカイブ:2012年10月 」 一覧

no image

祖母と少年

もう30年近く前、俺が幼稚園に通ってた頃の話です。

昔はお寺さんが幼稚園を経営してるケースが多くて、俺が通ってた所もそうだった。

今にして思うと、園の横は納骨堂だったし、その隣は古い墓地だった。

夕方、幼稚園の遊具で遊んでいた。

外には俺一人だった。

室内には何人も人が居たんだと思う。

でもその時は、何故か俺一人だった。

ジャングルジムの上に人が座っていた。

男の子だった。

黒の半ズボンに、黒い金ボタンの上着を着ていた。

裸足だった。

坊主頭で、小学生くらいだったんだろうか。

すぐ自分より2つ3つ年上の子だと分かった。

その子はじっと俺の方を見ていた。

特に怖いとか、ビックリした記憶は残って無い。

ただ、何故か無性に寂しくなったのを覚えている。

その子は黙ってジャングルジムから下りると、納骨堂の横を通って墓地の方へ歩いて行った。

俺は、その子の後について行った。

墓地と言っても、園の隣で見慣れた景色だったし、日頃かくれんぼをして遊ぶ場所だったので、特に怖いとは思わなかった。

その子を目で追ってたつもりだったが、何故か今思い出そうとしても、その時の光景が思い出せない。

だが、その時見た苔の生えた小さな墓だけは、鮮明に脳裏に焼きついている。

古い墓地によくある巨木が夕日を遮っていたので、辺りは薄暗かった。

その薄暗さを意識した瞬間、すごく怖くなって走って園に戻った。

時間にして1~2分の出来事だったんだろうが、今思うとすごい長い時間だった様な気がしてならない。

しばらくして、祖母が迎えに来てくれた。

今思うと、祖母が迎えに来てくれたのは、その時が最初で最後だった。

何故か、その時の祖母の顔を見た瞬間の安堵感を覚えている。

そして祖母は、墓の方を物悲しい顔でしばらく見ていた後、

「○○ちゃん(俺)。何も心配せんでよか・・・ばあちゃんがちゃんとしてやっけんね」

と、俺の顔をまじまじと見ながら言った。

二人で手を繋いで家に帰った。

途中、駄菓子屋の前を通りかかった時、俺は無性に寄り道したかったが、

「今日はあかん!今日はあかん!早よ帰らんばあかん!」

と、祖母にたしなめられた。

祖母が死んだのは、その日の深夜だった。

何故か俺には、祖母の死が記憶としてハッキリ残っていない。

葬儀で親戚やら知人やらが家に大挙して、慌しかったのは覚えているが、祖母が死んだ悲しさが、全く記憶から消えている。

翌年、俺は小学生になった。

小学校も幼稚園と道を挟んで隣接していたが、俺はその後、一切近寄らなかった。

正確に言えば近寄れなかった。

意識すると頭の中に、苔にまみれたあの小さな墓が浮かぶからだ。

中学2年になった時、町内のボランティアで、再び幼稚園のあるその寺を訪れることになった。

墓地は整備され、古い無縁仏や墓石は撤去されて、以前の面影は残っていなかった。

幼稚園も新築され、当時とは全く景色が変わっていた。

寺の本堂が改築されるらしく、古い荷物やらゴミやらの掃除がボランティアの仕事だった。

住職が、寺に持ち込まれた物を整理している。

その中に遺影が何十枚もあった。

俺と友人は、それを外に運び出すよう言われた。

黄ばんだ新聞紙に包まれた遺影の中に、一枚だけ裸の遺影があった。

俺はその遺影を手に取って見た瞬間、全身の血が凍った。

あの時見た少年の遺影だった。

そして、その少年の背後から、その少年の首を、この世の物とは思えない形相で絞めている祖母の顔が写っていた。

俺は気を失い、目が覚めた時は病院だった。

父も母も、恐怖で顔が尋常ではなかった。

後に、写真は住職が供養して、焼却処分したと聞いた。

父が住職に聞いた話では、その少年は戦時中、土地の地主が養子に引き取った子で、かなり冷遇を受けた後、病死したらしかった。

祖母は若い頃、その地主の家で手伝いをしていたらしく、かなりその子を可愛がっていたそうです。

その少年は多分、俺を連れて行く為に現れたんだろうと、住職は言っていたそうです。

祖母はそれをさせまいとして、その結果があの写真だったのだろうと言っていました。

その後、すぐ引っ越したのですが、今でも思い出します。

no image

色情霊

高校生の時、部屋でうつぶせで昼寝してたら、はじめての金縛りにあった。

目は開けられそうだったけど、見ちゃいけないモノを見そうで開けなかった。

しばらく藻掻いていたら、いきなり後ろから、両おっぱいを鷲掴みにされた。

!?ってなって、抵抗したかったけど、金縛りで動けない。

声にならない声で「ん”ー?」って、しばらく藻掻いてたら金縛りが解けた。

バッ!って後ろを振り返ったけど、誰もいない。

家にも、私しか居なかった。

これを話すと、そういう願望があったんじゃない?とか言われる。

・゜・(ノД`)・゜・。

それからしばらくして、また部屋でDSやって遊んでたら、何か、ゆらゆら揺れるモノが視界に入ってきた。

見てみると、部屋に干してあったブラの肩ひもが、一本だけ揺れている。

風が当たるような物はないし、風だとしても、それ一本だけ揺れるなんておかしい。

多分、おっぱい好きのおばけだったんだ。

それ以来、何もない。

no image

中古の人形

ホビー・○○で綺麗なバービー人形みたいなのが、525円で売ってたから買ったんよ。

姉の娘にあげようと思って。

で、姉の家行って5歳の娘にあげたら、すっげー喜んでくれて、娘は俺が帰るまでその人形とずっと話してた。

姉も「ありがとー!こんな綺麗な人形、高かったでしょ!?」とか言っててさ。

だけど次の日、姉から電話来て「何、あの人形!?冗談やめてよ!!」ってすげーキレてた。

話によると人形の口の所、歯の部分がギザギザの鉄で出来てたんだって。

(買った時は口を閉じながら笑ってる状態)

真夜中に子供の凄い泣き声が聞こえたから見に行ったら、娘が「人形が噛んだ」って、歯が食い込んだ傷が手や足に四、五ヶ所あったらしい。

その時、人形の歯はムキ出しになっていて、旦那が外のゴミ出し場に捨てに行ったら、旦那も親指を噛まれたもんで、ビックリして投げ捨てたとか。

口の部分なんて3センチくらいだったと思うから、中がどうなってるかなんて気にもしなかったんだけど。

やっぱ使用済みの人形とか絶対買ったらダメだね…。

それ以来、中古の品を買うのは敬遠するようになった。

no image

半分よこせ

俺がまだ小学生の頃の話だ。

俺んちは両親が共働きで「鍵っこ」というか、夕方までは俺一人だった。

その日もいつもと同じように、居間でコタツに入って寝てたんだよ。

母の帰りを待ちながらね。

玄関の鍵が開いた。

ああ、母親が帰ってきたんだな。

そう思った俺は「お帰りなさあい」と言おうした。

声が出ない。

よく考えたら身動きも取れない。

金縛りにあってるんだね。

玄関からぺたぺたとスリッパの音。

家でスリッパ履くのは母親だけだから、母親には違いないんだろうけど、なんか微妙に違う。

居間のドアが開いた。

お母さん?と思ったが、この角度だと首が回らず顔が見えない。

でも音はするんだ。

スリッパを脱いだらしく絨毯をすり足で歩いている。

ずりっ、ずりっ。

「ダイチャン。」

「ダイチャン。デカケルワヨ。」

話す声の主は母親なんだが抑揚がない。

ずりっ、ずりっ。

声の主は、さらに近づいてきた。

もうちょっと、あと2、3歩でその正体が見えるかな、というその時、玄関が開く音がもう一度して「ただいまー」って母の声が聞こえたんだ。

その瞬間、金縛りは解けた。

もーワケ分かんなくって、ガクブルいいながら、母親んとこに駆け寄ったよ俺は。

「なんか、おかあさんだけど、おかあさんじゃない人が来たー」ってさ。

そしたら母親の顔色が変わってさ。

晩飯食いながら聞いたんだけど、どうやら母親は双子だったそうなんだ。

貧しいからと母親の母方(俺のおばあちゃん)の実家に生まれてすぐ片方だけ預けられ、残った双子の姉は、栄養失調で亡くなったそうだ。

で、さらに聞くと俺は生まれてすぐ、原因不明の高熱で死ぬところだったらしいんだ。

医者も見離し(2、3箇所まわったって言ってた)どうしようもなく、寺だか神社に相談に行ったら、

「あなたの片割れの姉が、連れて行きたがっています」と。

俺は二人目の子供だから、私にも半分よこしなさいよって事なんだろうけどさ。

no image

うれしそうな顔

金曜日の夜に、仕事のキリを良くしたいと思い、少し残業をしていると携帯電話が鳴った。

友人からで、今日暇か?という内容でした。

何気に時計を見ると、11時を少し過ぎており、あぁ、まだ会社だから帰るの12時過ぎるわと返事。

終電が近い事もあり、さっさと片付けて帰宅する事に。

社内には私しか残っておらず、戸締りをして部屋から退出。

ビルのセキュリティ上、22時を過ぎると通常エレベーターが停止するので、貨物用エレベーターの↓を押し、薄暗い廊下で上がってくるランプを見つめていました。

ポーン。

少し古びた貨物用エレベータは、少し引っかかるように、ゆっくり開きました。

B1のボタン、次に閉のボタンを押し、エレベーターの壁に少し寄りかかると、閉まり始めたドアが、ガガッ。

ドアが開きなおしました。

あぁ、ぼろいエレベーターだなぁと再び、閉のボタン。

ガガッ、再びドアが開きました。

あぁぁ?なんじゃ?

ふっと足元をみると、ドアの間に上向きで、ものすごくうれしそうな顔の黒髪の女が、こっちをじっと見ていました。

一瞬、理解ができず、目がばっちり合った状態で固まっていると、首だけがズリュッと少しだけ伸びて、まるでエレベータの中に入ってこようとしている。

恐怖のあまり思いっきり踏みつけると、ダァァンと金属音。

エレベータの扉は閉まり、静かにB1に。

明日から会社に行くのが、嫌です。。。