怖っ!怖っ?怖い話

いろんな怖い話を集めています。

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「 月別アーカイブ:2015年09月 」 一覧

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タクシーの運転手

タクシーの運転手 

まぁ、後輩の体験した話なんだけどね。

そいつ、すげー優しいやつで人見知りもない。
羨ましいくらい女の子にふつーに話しかけられるんだわ。
当時は中学生で、中学生って思春期じゃん?俺としては変に意識しちゃって話しかけきれないわけよ。
コイツはダンスで知り合った後輩で、顔もいいし話も上手い。まぁイイヤツだ。
で、その日も練習してたわけ。
夜10時ともなれば補導やらなんやらめんどくさいんで練習も終わり。
みんな帰るんだけど、そいつだけ家が遠いんだ。
で、最悪なことにその日は朝から天気も悪くて、日が落ちる頃には大雨だった。
俺らは傘もってなかったんだけど、家が近いんで濡れて帰るんだけど、そいつはタクシーでかえるっつってた。

で、まぁ、こっからは後輩の話なんだが。
タクシー乗って帰ったらしんだが。
俺らの地元に城跡があんだよ。
けっこう有名なんだけど。
そこ出るって話も有名。
いや、もう地元自体がヤバイ。

で、そこの前を後輩が乗ったタクシーは通ったらしいんだわ。

ふと何気無く外の歩道を見たら、女の人が歩いてる。傘もささずにずぶ濡れで。
先でいったとおりコイツは優しい上に人見知りもない。
タクシーの運転手に「あの女の人を乗せてやってくれ」
そう言ったらしい。

運転手は無言。

聞こえなかったと思って、ハッキリ大きい声で言ったらしい。

あの女の人を乗せてやってくれ。お金はちゃんと持ってるから。

アイツはいいんだ。

最近何言ってんだ??
って感じだったそうだ。

へ?あの!お金は払いますんで。あの人乗せてあげて下さい。

下心はなかったと言ってた。ホント優しいやつだよ。

「アイツはいいんだ。」
コイツふざけてんのか!?ってキレそうになったそうだ。
で、そうこうしているうちに女の人うあ通り過ぎちゃって、ムカムカしてたらしいんだけど。
運転手が淡々と呟いたそうだ。

ほら。
にいちゃんが優しい言葉かけるから。ついてきちゃってるよ。

はっ!とした後輩が振り向いたら

トランクの上にずぶ濡れの女がへばりついてたんだと。

悲鳴上げたらニヤつきながら消えたらしいんだけど。

まぁ、優しくするなら人間とそうじゃない奴の区別はつけないとだな。

アイツはいいんだ

そこ、すげー出るって話も有名。いや、そこ周辺がヤバイ。

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パワーストーンの呪力

パワーストーンの呪力 

私はいわゆるパワーストーンや、占いが大好きなスイーツ脳の女で、ソレ関係の本も出版しているライター。

自称、霊感有りだが、本当にあるのかどうかはわからない。

取材もかねて、パワーストーンやヒーリング、フラワーエッセンスや、霊感アロマなどの取材を趣味と実益を兼ねて首を突っ込みまくっている。

最近、女向けの雑誌で「パワーストーン」「ワークショップ」なんて単語を目にすることがあると思う。

ああいうののチョーチン記事を書くのが仕事。

その日も、ある山間の、ヒッピーの店のような場所で、ワークショップが開かれるというので首を突っ込んでみた。

ヘンプとか自然食とか売っている店で、見るからに怪しい。

だけども、そこが癒しのスポットに見えるらしいんだわ、スイーツには。

そのワークショップってのが、石を使って相談者のハイヤーセルフ(高次元の存在・守護霊みたいなもの)とコンタクトをとるというものだった。

ワークショップの主催は、細っこい中年女性で、「すぴこん」などに出入りしてそうな人。

第一印象は悪くなかった。

私は、そういう広義の意味での占いみたいなことをする人には、引っかけとしてわざと「OLです」なんて嘘を吐いてみるんだけど、それすらも見破れない程度の霊感の持ち主だったので「ああ、これは空振りだったかも」と諦めモードに入ってしまった。

仕事の内容も、過去私がやり尽くしたことを霊視するだけで、未来視はゼロ。

肝心のハイヤーセルフからのメッセージも、「?」と思うような内容。

石とコンタクトを取ったり、天使が見えたり、妖精を呼んだりできるらしいけど、どうも眉唾っぽい。

しょうがないから自分から「私、スピリチュアル系のライターやってて、仕事で悩んでて、その相談に来ました」というと、ものすごく食いついてきた。

「是非お友達になりましょう!是非!是非!」なんて、しつこいぐらい食い下がられて、メルアドだけは教えてしまった。

そのとき、なんか嫌~な予感がして、自分の仕事の方のペンネームは教えず、本名と生年月日だけしか教えなかったんだわ。

その後も、そのワークショップ主催者から何回かメールがあったんだけど、なんとも言えない気持ちの悪さを感じて、メルアドを変えてしまったんだ。

その人のパワー入りの水晶のブレスなんかをお礼にもらったんだけど、何だか嫌な感じがして付ける気にならなかった。

メルアドを変更して、二、三日経った頃の話だ。

私の部屋はフローリングで、荷物はすくなく、ベッドもなく、床に布団を敷いて寝ているんだが、夜中、いきなり目が覚めた。

案の定金縛り。

自分の体が疲れている金縛りなのか、霊由来なのかの区別ぐらいはつくので「おおう久しぶりに霊が来たぜネタにしてやろう」とドキドキしていたら、こいつがとんでもない奴だった。

ずず、ずず、と、布団の周りを何か重たいものを引きずる音がする。

どうやら腕だけを使って這い回っているらしい。

それでも私は自衛隊の匍匐前進を思いだし、怖いどころか、ちと笑ってしまった。

真上を向いて金縛られているので奴の姿は見えない。

笑いを堪えながら金縛りに耐えていると、「○○さーん、○○さーん」と、私の名前を呼ぶ声がする。

拾った霊にしては、私の名前なんか呼びやがってなれなれしい奴だな、と思ってると「どうして返事くれないのー」なんて言いやがる。

あ、あのワークショップのあいつか。

ワークショップなんて開いて、占い師のまねごとなんかするぐらいだから、他人の所に想念を飛ばすぐらい屁でもないんだろうな。

眼球だけは動くので、あいつかどうか確かめようと思って、ちらりと顔を覗き込んだ。

あいつかどうかはわからなかった。

だって包帯で顔中ぐるぐる巻きだったから。

それでもって、ちょうど目の位置に当たる部分だけ、赤い血の染みが浮き出ているんだ。

それで、真っ赤な目に見える。

「血の染みは嫌だなあ、サイレントヒルみたい(まだ余裕)」とか思っているうちに、すーっと気を失ってしまった。

で、翌朝。

目が覚めると、なんか部屋中がクッサイの。

血なまぐさいとは違う、生命由来の嫌な臭いで、あまりの臭さに目が覚めた。

布団の周りには、でっかいムカデが何匹も死んでた。

ただ死んでるだけじゃなく、なにか重いものですりつぶして、私の布団の周りをぐるぐると引きずったような跡があるわけ。

これには参った。

資料として読んでいて、開きっぱなしのページの上にも、私が脱ぎ捨てた服の上にも、全部にムカデの体液。

臭いのなんのって。

それが朝起きたらすでに乾きかけてるの。

悔しいやら気持ち悪いやら吐きそうになるわ、泣きながら雑巾で刮ぎ取った。

服は洗っても洗っても臭いが取れないから捨てた。

後日、ライター仲間に、そのワークショップの主催者について聞いてみると、ライター仲間でも知っている人がいた。

「天使」「妖精」「水晶のパワー」とか言っているわりに、とにかく上昇志向の強い人で、なにがなんでも売れたいという気持ちがすごい人として、ライターの間ではよくない方に有名だったらしい。

そのライターさんに、体験した話をすると、「そう言えばその人、足と目が不自由なんだよ」ということだった。

ああ、だから匍匐前進で、顔を包帯でぐるぐる巻きにして目から血を流しているんだってわかったよ。

「ハイヤーセルフからのメッセージっても当たらないんだけどねアハハ」みたいに笑って話していたけど、ハイヤーセルフや守護霊のメッセージは受け取れなくても、すごい呪いをかけることができる、呪術師としての才能の方がある人なんだなーと思ったわけ。

そんな奴にペンネームなんか教えたら、仕事にどんな影響を及ぼされていたかと思うと気が気じゃない。

今、パワーストーンブレスとか流行ってるでしょう。

ああいうのにパワー込めるとか、天使がナントカとか妖精がナントカと言っている奴の中には、こうやって得体の知れないパワーを込めている奴もいるから注意して欲しい。

もし、自分が悪霊の立場だったとして、このスピリチュアルブームに便乗しない手はないと思うからさ。

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亡者たちが通り過ぎる家

亡者たちが通り過ぎる家 

私たち家族は昨年まで千葉県にある高層マンションに住んでいました。
私たちがそのマンションから引っ越すきっかけとなった、恐ろしい体験についてこれから話します。

私たちが住んでいたのは三十階建てマンションの二十九階で、二年前にそこに移り住んだ当初は、リビングの窓からの見晴らしのすばらしさと、以前住んでいたマンションに比べて間取りが格段に広くなったことで、とても満足感でいっぱいでした。

ところが、昨年の夏ごろから奇妙なことが連続して起こりはじめたのです。
最初は二人の娘たちのまわりで起こりました。

ある日の夜、みんなが寝静まった夜中の三時ぐらいでしょうか、上の娘が私たち夫婦の寝室に突然やってきて、こう騒ぎだしたのです。

「トイレの中におじいさんがいる・・・・・無表情で痩せたおじいさんがいるの・・・・・・・」

私たちは驚いて、すぐトイレまで見に行きました。
しかし、老人の姿などどこにもありません。
その時でした。
今度は下の娘が子供部屋から飛び出してきたのです。

「ベッドの横に、おばあさんが立ってた・・・・腐ったおばあさんが立ってた・・・・・・」

「腐ったおばあさん?・・・・・」

私たちはすぐに子供部屋へ行ってみました。
しかし、おばあさんの姿などどこにもありません。

「二人とも悪い夢でも見たんだろう。さあ、部屋に戻って早く寝なさい」

しかし子供たちは怖がって部屋に戻ろうとしませんでした。
結局、子供たちはその日は私たちの寝室で一緒に寝ることになりました。
それ以降も、何度か子供たちが恐怖で身体を震わせながら、私と妻に、

「おじいさんがいた・・・・・」、「おばあさんがいる・・・・・・」と訴える日がありました。

しかし、私たちがいくらトイレや子供部屋を調べても、そんな老人の姿など見ることができませんでした。
あまりに何日もそういうことが続いたので、私と妻は、娘達の精神状態がおかしくなったのではないかと心配し、知り合いの精神科医に相談したこともありました。
しかし、そういうことはさほど異常なことではなく、思春期前の女の子にはよくみられる事例なので、しばらく様子を見てから判断しようといわれました。

ところが、それから数日後、今度は妻が妙なことを言い出したのです。
台所で洗い物をしていると、横の壁を人の影が動いていくというのです。

それも一人や二人ではなく何十人もの影で、どの影も骨と皮だけの老人だと言います。
そしてその影は、真横に動くのではなく、後方の壁から天井のほうへ階段を上がっていくように動いていくのだそうです。

私は、最初は妻も精神状態がおかしくなったのかと心配しましたが、とりあえず本当にそんな影が現れるのかどうかをたしかめようと、何日間か台所で壁を観察してみることにしました。
しかし、私の前ではその影は現れず、何も見ることはできませんでした。

ところがその3~4日後、とんでもないことが起こったのです。
いま思い出しても、本当にこんなことが起こったのか自分でも信じられないくらいです。
深夜の二時ごろのことでした。

ベッドに入ろうと寝室の明かりを消したときでした。
寝室はツインベッドで、妻はすでに奥のほうのベッドで横になっていました。
そのとき、妻のベッドの向こう側の壁に、うっすらと老人の影が浮かび上がり、ゆっくりと動きはじめたのです。

私はあまりの恐怖にその場から一歩も動くことができませんでした。
その時でした。
娘たちの部屋から、また悲鳴が聞こえたのです。
私は急いで妻を揺さぶり起こし、影のことは気になりましたが、娘に何か起こってるのではないかと心配になり、とりあえず娘たちの部屋へ飛んでいきました。
すると、信じられない光景が目の前に現れたのです。

下の娘が、骨のように痩せた老人に腕をつかまれ、壁の中に引きずりこまれようとしていたのです。

私は何が起こっているのか何もわからない状態のまま無我夢中で娘を抱き上げ、こちら側に引っぱり戻しました。
すると、ボキッという枯れ枝が折れるような音とともに老人の腕が折れ、私と娘はその反動で反対側の壁のほうへ倒れ込みました。
床に落ちた老人の腕は、まるで砂のように崩れていき、あとには灰のようなものが残るだけでした。
そして気がつくと、老人はどこかへ消えていなくなっていました。

その老人は何者だったのか、なぜ私たちの部屋だけでこのようなことが起こるのかを早急に解明しなくてはと思い、さまざまな人たちに調査をお願いしました。
風水学の専門家や家相の権威、また、霊媒師などいろいろな人に調べてもらいましたが、結局納得できる理由は何も見つかりませんでした。

私たちは連続して起こるそのような怪現象について堪えきれずそのマンションを出ることにしました。

ただ、霊媒師の一人が、この部屋は冥界へ続く階段のような通路と重なっている、と言っていたのが、
今となっては非常に印象に残っています。

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小さな老婆

小さな老婆

ある4人家族がとある地方の旅館に宿泊。
深夜に娘か母親がトイレで惨殺されているのが発見された。

全身を刃物で滅多刺しにされ、顔面は誰だか判別がつかなくなる程斬り付けられていた。
死体には舌がなかった。
トイレには格子のついた幅30・、高さ10・程の窓と小さな通風孔があったが、とても人の入れる大きさではない。
カギもかけられていた。誰がどこから侵入してきたのか・・・。

警察はその旅館を経営している夫婦、その息子、近辺の変質者などを聴取したが、
現場が密室だったこともあり、迷宮入りになるかと思われたが、
ある日、旅館経営者夫婦に付き添われたその息子が署に出頭。
「近所の目もあり、なかなか正直に話すことができなかったが、
とんでもないことになったので、お話します」

「息子は盗撮が趣味で再三注意していましたが、事件当夜もビデオカメラで天井裏から個室を撮影していていたのです。
撮影していると格子のはまっている小窓のガラスが開き、ガラスの破片を持った小さな・・・、いや、
このビデオテープに一部始終がはいっていますので・・・。」

息子はビデオテープについて訪ねられると、恐怖が蘇ったのか半狂乱に。
精神に異常をきたすほどの何かがこのテープに入っているのかと思い、
捜査員達もテープを再生するのを恐れた。

そのテープには排尿する女性を俯瞰で撮影した映像が収っていた。
和式便器にしゃがんでいた女性が立ち上がろうとしたその時、
小窓からガラスの破片らしきものを握った小さな、15~20・程の老婆が音もなく飛び込んできた。
女性は悲鳴をあげる間もなく咽を掻き斬られ、そして顔中を、体中を斬り付けられ・・・。
 女性が息絶えると、小さな老婆は死体から舌と頭皮の一部を切り取り、天井を見上げ、
「次はおまえだよ」
と言って小窓から出て行った・・・。舌と、髪の毛のついた頭皮とを持って。

捜査員の中には、嘔吐するもの、泣き出すもの、恐怖の余り失禁する者もいたという。
結局事件は未解決のままだが、警視庁に、件のビデオテープが今なお保管されていると言う。

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藁人形

藁人形 

俺は建設会社で現場作業員をしています。

ある年の年末に、道路工事の現場で働いている時のことでした。
1日の作業を終えてプレハブの現場事務所へ戻ると、
ミーティングなんかに使う折り畳み式のテーブルの上に、新聞紙が拡げてありました。
真ん中が微妙にふくらんでいて、何か置いた上に新聞紙を被せてあるような感じ。
なにコレ?とか思って、何気なく新聞紙の端を持ってめくりました。
藁人形でした。しかも髪の毛付き。
「っじゃー!!」
けったいな声を上げた俺を見て、人が集まってきました。
「なんやなんや」「うわぁ!これワラ人形やんけ」「こんなん始めて見たわ」「やばいなー」
いつの間にか人だかりができて、ちょっとした騒ぎになりました。

そこへ、近くの砂防ダムの現場で働いているオッさんが入ってきました。
この現場事務所は、道路工事と砂防ダム工事の共用だったんです。
「ああ、コレな。松本んとこのオッさんが、木切ってるときに見つけたらしいわ」
松本というのは、下請けの土建屋だったんですが、
そこの作業員が見つけたのを、捨てるのも気持ち悪いということで、事務所まで持ち帰ったのです。
「山に行ったら藁人形かて、タマ~にあるらしいぞ。ワシも何回か見たことあるで」
「人形は、明日にでも近くの神社へ持っていく段取りだ」という話でした。

翌朝、朝礼に出るために現場事務所へ行くと、入口のあたりに人が集まっていました。
「どないしたん?」
「夜のうちに誰かが事務所に入ったらしいわ」
見ると、入口のサッシが開いています。
そこから中を覗くと、荒らされている室内の様子がわかりました。
人里離れたところにある事務所だったし、セコムは付いていなかったしで、
朝イチのオッさんが第一発見者でした。
入口には鍵が掛かっていたのですが、無理矢理こじ開けられていたようです。
事務所の中には、パソコンや測量道具など値の張るものが置いてあったのですが、
そういったモノは何も無くなっていませんでした。
ただ、例の藁人形だけがどうしても見つからないそうです。

「ちょっとアレ見てみ」
俺の前にいたオッさんが指差す方を見ると、
床や壁の至るところに、泥だらけの足跡や手形が残っています。
「あの足跡な、あれ、素足やな…」
それを聞いて、俺は背筋が急に寒くなるのを感じました。