「 月別アーカイブ:2013年08月 」 一覧
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廃墟でサバゲーやったときの事
リアル工房の頃、十数人でサバゲをやったときの話。
場所は良くある荒れはてたホテル跡で、人家からかなり離れているので誰も来ないし、出るという噂からヤンキーすらあまり来ない。
それに、ゲームに興奮するあまり嫌な気分は吹き飛んでいたし、怖いと言うと馬鹿にされる風潮が仲間内にあった。
さんざ遊んだ後、五階の大部屋でみんな集まって装備の手入れをしていると、誰ともなしに
「遊んでいる最中に気配を感じる」
と言い出した。
狙い狙われる遊びだから気配がするのは当然なんだけど、それとはちょっと違うと言う奴が殆どだった。
かくいう俺もそうだった。
そんな話をしていると、下階から誰かが上がってくる足音が響いた。
車やバイクが来た音がしないので、肝試しにきた集団ではないようだった。
みんな強力なライトをもっているので窓から下を照らしたけど、自分達が乗ってきたバイク以外は何も無かった。
付近に民家はないし、数十分の山道を歩いて登ってきたとは思えない。
頭の片隅に噂話が渦巻いていたけど、強がりたい年頃だったし気分だけは兵士なので、足音の存在を確かめようとした。
部屋から顔を出して階段の方をライトを照らしながら、
「警察の方ですか?僕達遊んでいるだけですけど」
とか、
「肝試しですか」
と呼びかけても返事無かった。
その間も足音は段々と近づいてくる。
「何か用ですか?」
「お邪魔だったら帰りますけど」
と、幾ら話し掛けても一向に返事が無い。
このころになると本気で怖くなってきた。
ヤバイ帰ろうという事になり、荷物を手早くまとめ、「大声を出すな」とか「走り出すの禁止」と言い合って廊下に出た。
そして足音のする階段とは別の階段から降りることになり、下る前にもう一度足音のする方をみんなで見た。
嫌なことに、足音はこの階まで達して廊下にまで響いているけど、ライトの光の輪に中に誰も居ない。
そして足音がだんだんと早くなって早足になると、先の取り決めを忘れてみんな走りだした。
階段を駆け下りでいると上で物凄い音がしたけど、もしかしたら足音が反響しただけかも知れない。
でも十分怖かった。
「ヤバイヤバイ本気でヤバイ」
と言いながら駆け下り、バイクに乗って、エンジンのかかりの悪い奴を罵倒しつつ、誰もがホテルから目が離せないでいる。
そして全員のエンジンがかかると、我先にと走り出した。
麓のコンビニまで行くと、これで安心と言う気がしてきた。
そして店の前で話していると、俺は気が付かなかったけど、数人が走り去りながら窓から顔が見えたと言った。
さらに真っ先に走り出した奴が、廊下で男女ともわからない青白い顔がとつぜん見え、体が透けていたと語った。
コンビニの駐車場から山の上を見つつ、もう行かないと決めた。
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崩れたトンネル
うちの爺さん(イギリス人)が若い頃こんな夢を見た。
近くの山のなかを歩いていたら、カーンカーンという音とともに、
「トンネルの中で、なすすべもなく叫ぶ哀れなものどもに捧ぐ」
という声がして、複数の人がドッと笑ったところで目が覚めた。
不吉な夢だと思って震えていたら、親が部屋にやってきて、
「トンネルが崩れた。救助に行くからお前も来い」
といわれて、助けに行ったんだけれども、誰も助けられなかったらしい。
崩れたトンネルは最近出来たばかりで、近くの町に行くのには便利なんだけれども、地元の年寄りの話では、かつて残虐非情な盗賊の一味を捕まえてリンチにかけたところだったので、よくない噂がささやかれた場所であったらしい。
あと、トンネル作りに奔走した村の若い役人が、ショックで夜になると叫ぶようになって、村のみんなが暗い気分になってしまった。
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山の子供
今から15年程前、私が小5のとき祖父と従妹の三人で、山に山菜取りに付いて行ったときの話です。
山で従妹と遊んでいると、10歳位の男の子が1人でいたので、この子も家族と一緒に山菜取りに来たんだろうと思い、仲良くなって、その子と従妹と三人で一緒に遊んでました。
ケンイチという名前の子でした。
夕方頃、下の方で祖父が
「そろそろ帰るぞ」
というので、その子に
「じゃぁバイバイ」
と言うと、その子は木の枝に掛けてあった祖父のラジオ(熊避け用)を手に取ると、バリバリと食べ始めました。
ラジオは粉々になってました。
その子の口は犬の様に付き出していて、目は真赤に変化してました。
そしてブツブツと何か言ってました。
「ゲルマニウムが・・・」
というのが聴き取れました。
怖くなり、従妹を連れて下の方に居る祖父のもとに一心不乱に逃げました。
その子はラジオをバリバリ食いながらこっちを見てました。
祖父もタダ事ではないと判断し、急いで私達を連れ車に戻り逃げました。
数日後、その話を聞いた猟友会の方々がその山に入りましたが、ラジオのダイヤルだけ見つかり、他は何も怪しい物はみつからなかったそうです。
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古典SFにはまっていた頃のお話
その頃俺は、昔のSF小説にはまってた。
ノリが良くて勧善懲悪なところが、何かスカッとして面白くて、復刻版の文庫を買ってきては読んでいた。
ある晩、本を読みながら眠ってしまった俺は、ふと気配を感じて目を覚ました。
部屋の隅に人が居た。
30過ぎくらいの女で、夏なのにセーターと長くて分厚いスカート。
壁にもたれて座り、本を読んでいる。
ものすごく驚いたが、寝ぼけているせいか不思議と怖くなかった。
おばさんだが、よく見ると前に見た『アメリ』って映画の主人公に似ていて結構見られる。
何となくぼーっと見ていると、女がこっちを向いて笑った。
「こういうの好きなら○○に聞いてごらん。まだあるから」
そう言って、持ってた本をこちらに見せた。
寝る前に読んでた『スペースオペラ』だった。
そこで目が覚めた。
朝になってた。
変な夢だなーと思ったが、部屋の隅を見てびっくりした。
俺のSF本が数冊重ねて置いてあった。
そして、一番上に寝る直前まで読んでた本がきちんと置いてあった。
マジかよ、としばらく頭を抱えたが、ふと気になった。
女が言っていた○○って誰だ?
俺の周りで○○って名前は父親だけだ。
他に思い当たる相手もいないし、早速仕事から帰ってきたら聞いてみた。
一応夕べの文庫本と、姉から『アメリ』のDVDも借りておいた。
最初、父は『お前大丈夫か?』という顔をしていたが、本とDVDを見た途端に態度が変わった。
「姉ちゃんか・・・そういやもうじき盆だったな。よし、今度の休み墓参りに行くぞ。お前も来いよ」
その姉ちゃんというのは、正確には父の従姉だったそうだ。
父より10歳近く年上で、良く面倒を見てもらったらしい。
何か変わった人で、本と香水と古い香水ビンが大好きで、35で死ぬまで独身だったそうだ。
だけどすごく優しくて、父も周りの人にも好かれていたそうだ。
母とも仲が良かったらしく、そういえば何か話を聞いた覚えもある。
母が宝物にして飾ってあるビンのコレクションが、その人の形見だったとか。
絶版品で貴重品とか言ってて、昔姉が勝手に触って怒られていた。
「何で俺のとこに出てきたんだろう?」
と聞くと父は、
「嬉しかったんだろ。姉ちゃんこういう話好きだったからな」
それから休みになって父の実家に行くと、父の言葉通りに物置からどっさり本が出てきた。
その中に昔のハヤ○ワSF文庫の初版も山ほど混ざってた。
俺の読んでた本もそこにあった。
時々、この人が生きててくれたら、今頃どんな本を読んでたのかと考える。
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何かと縁がある
祖父がどこぞの恐い組の方だったらしい。
組長が殺されて解散したらしいけど、どうも私はそっち系のお方と縁がある。
祖父の家系は、飛び飛びで裏の人に縁があるとかないとか。
彼氏は教職。
真面目人、私も元ヲタで、むしろそっちの人とかなり縁遠い人なのだが、高校生になって脱ヲタしたら、そっち系の男の人から
「そういう臭いがする」
と声を掛けられたりするようになった。(容姿は黒髪、化粧はナチュラルだったのに)
上京してバイトをはじめると、バイト先の店長が実はそっち系の人だったり、(バイト先はお水系ではない)
帰り道、友達の元彼氏に(いわゆる少年グループみたいな感じのDQN)、
「お前が俺の彼女と仲良くするからふられたんだ」
と、わけのわかんない因縁付けされ泣いてたとき、たまたま通りすがったそっち系の偉い方に助けてもらえたり。
(あとからパトロンになると言われたけど断った)
居酒屋で飲んでたとき、変なキャバ店員の兄さんに絡まれたときにも、たまたま隣に座ってたそっち系のお方が助けてくれたり。(あとから店内で喧嘩が始まってしまい逃げたが)
友人には、「真面目そうに見えるのにね」とよく言われる・・・
来年からは就職だけど、そこの社長さんもなんだかそんな雰囲気だった。
普通のパソ関係の仕事だけど、なんだか・・・怖いです。