「 月別アーカイブ:2013年07月 」 一覧
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近所の引きこもり
家の近所に、30代後半の引きこもり男性と母親が二人で住んでる家がある。
越してきた当時、すでに引きこもってたので、男性の方はほとんど見た事無い。
お母さんの方はうちの母親と割合仲が良く、時折うちにお茶を飲みに来る。
品が良く物静かな人で、若い時は美人だったと思う。
先月バイトから帰ってくると、近所の人が大勢その家の前に集まっていた。
その家の息子さんが救急車で運ばれ、入院したらしい。
何があったのかと思って母に聞いたら、
「あそこの息子さんね、今朝足ぶつけたら指が取れちゃったんだって」
何年も何年も家に篭って好きなもの食べてたら、いつの間にか糖尿病発症。
それでも病院行かずにほっといたら、ちょっとした傷が一気に壊疽になってしまい・・・
それでもしつこくほっといたら、どこかにぶつけた拍子にポロッ、だとか。
お風呂もろくに入らず、三度の食事もお母さん任せで動かないから、ここまで進行してもあんまり支障が無かったらしい。
結局足は切断、糖尿治療のためしばらく入院する事に。
しかし指取れるほど腐ってるのに痛みは無いんだろうか。
人間てすごいと思った。
真似したくないけど。
で、ここまでが前振りなんだけど、入院騒ぎの後、そこのお母さんがうちの母経由で兄に頼みごとをしてきた。
緊急入院だったので、息子さんのPCが付けっぱなしのまま放置されている。
自分はPC全然分からないし、もし壊したら息子が怒る。
だから何とかしてもらえないかと。
確かにPC触った事無い人じゃ、電源の落とし方も分からんだろう。
そこで母が兄に行ってこいと言うと、妹(私)が付いてきてくれんと行かないとダダこねだした。
理由を聞いてみると、
「風呂も入らん男の部屋なんて絶対汚い!ゴキブリ出るに決まってる!怖いから一緒に来てくれ。そしていつもの様に退治は任せた!」
家の兄と父は虫恐怖症で、害虫退治は私と母が担当している。
しょうがないので、私もお邪魔する事になった。
行ってみると部屋は想像していたよりはましだった。
足の踏み場は無いけど、マンガやエロ同人誌がほとんど。
ちょっと生ゴミ臭いけど、生ゴミ自体は落ちてない・・・と思ったら、先にお母さんが生ゴミだけは片付けてくれたそうだ。
片付けてこれかとげんなりしながらPCを見ると、思わず兄と二人で
「うわぁ・・・」
と言ってしまった。
スクリーンセーバーが汁だく触手幼女エ○だよ!
それもあらゆる意味で濃いよこれ!
しかも2chの最中だったらしく、専ブラ開きっぱなしで書きかけ。
読んでみるとかなりエグい女叩き。
見てるスレもアレなものがぎっちり目白押し。
二人でこれは人に見られたら死ねるwと言ってると、ふっと背後から寒気がした。
下にいたと思ったお母さんが、後ろに立ってた・・・
能面みたいに表情無い顔でこっちを見てた。
覗き見するつもりも笑うつもりも無かったので、急いで謝った。
するとお母さん無表情なまま書き込み指差して、
「それ書いたのあの子?」
思わず二人でうなずくと、じーっと画面見つめたお母さん、
「こんな事思ってたんだ・・・足腐るほど部屋にいて・・・」
情けない話だけどこの時のお母さん、本気で怖かった。
二人でとにかく謝りまくって、電源落として家に走って帰った。
それからそこのお母さんに会いたくなくてバイトの時間ずらしたり、友人の修羅場合宿に付き合ったりして、なるべく家に帰らないようにした。
母にも、ちょっと気まずいから向うの話しないでと頼んだ。
兄もしばらく友人の家に泊まることにしていた。
そしてあっという間に一月経ったんだけど・・・
昨日、夏コミの修羅場から帰ったら、そこの家、空き家になってた。
母に聞いたら、訳あって急に引越しすることになったらしい。
「息子さんとお嬢さんにもよろしくと伝えて欲しいと言って、すごくいいお菓子も頂いたよ。でも病院にいる知り合いから聞いたけど、息子さんまだ入院してるらしいよ。ここしばらくお母さん来ないからいろいろ大変そうだって。足が不自由になったから、バリアフリーのマンションとか探してたんだろうね。退院してもあの家じゃ暮らしにくいだろうしね。」
・・・何か絶対違う気がする。
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子供投げ落とし事件
数年前。
マンションの高層階から小学生を投げ落として殺し、その後、マンション掃除の女の人を投げ落とそうとしたけど未遂に終わった事件があった。
その犯人が写った防犯カメラの映像が公開されたんだけど、画質が良くなくてブレてたせいか、犯人の顔がドクロのような不気味な顔になっていた。
「子供が異常に怖がるから、もうテレビであの映像を流さないでくれ」
とテレビ局に電話が何件も来たとか。
オカ板で霊能者(自称?)達が
「あの顔は死神が取り付いてる。死神は画像越しでもやって来るからあの映像は観ない方がよい。」
とか言い出して、すごく怖かった覚えがある。
犯人は子供も居る4、50代の普通の男だったと思うが、ある日突然見知らぬ人に高い所から投げ落とされて死ぬなんて絶対嫌だ。
怖すぎる。
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夜中の留守番電話
夜中にゲームしてたら携帯がなったんだ。
でも、ちょっと手が離せない状態だったんで、
まあ留守電もONになってるし・・・って考えて放置したんだわ。
ところがノンキな俺は、ついついゲームに没頭しちゃってそのこと忘れちゃったんだ。
で、寝る前に携帯の目覚ましセットしようとしてそのことに気が付いたんだ。
うわーやべー、と思って着信履歴みたら『非通知設定』
でもしっかりと留守電は残ってたので聞いてみたんだ。
時間は夜中の3時位だったかな?
「・・・」
無言なのね。
でもな~んか聞こえるような気もするので、音量上げてもう一回聞いてみた。
「・・・ぎゃ~・・・おぎゃ~おgy・・・ぎゃ~」
ぞっとしたね。
残ってたのは、か細い女の子の赤ん坊の声。
文章じゃこの怖さは伝わらないだろうけど、深夜1人で携帯から赤ん坊の声聞くのってけっこー、くるもんだぜ?
慌てて携帯投げ捨てたんだけど、もう一回、聞いてみたんだわ。
内容は同じ(当たり前か)赤ん坊の泣き声。
それが留守電きれるまで続いてた。
誓って言うがこの十月十日ほど、種を撒いたことはない(中田氏してない)
さすがに怖くなった俺は、キッチンから味塩とってきて携帯にふりかけ(間違えて最初に『味の素』をかけたのはナイショだ)さあこれで一安心と布団に潜り込んだ。
翌朝、冷静な頭で考えてみた。
昨日のアレは一体なんだったのだろうと。
可能性として高いのはイタズラ。
でも、あんな手の込んだイタズラするほどヒマな友人はいないので、別の角度から検証してみた。
『携帯電話のリダイヤル機能』これはありそうじゃね?
ガキが人の携帯いじってて偶然、リダイヤル機能を押した・・・ありそうだ。
早速、俺は子供持ちの友人知人に電話しまくった。
「昨日、俺に電話した?」
もともと電話嫌いな俺の番号知ってる奴は少ないし、その中でも子持ちって数名しかいないのですぐに結果が出た。
該当者『0』
次に俺は、俺から電話かけた奴、俺の携帯番号知ってる奴に、かたっぱしから電話掛けまくった。
結果は同じ。
該当者『0』
ここに至って捜査方法に手詰まりを感じ(ぶっちゃけ飽きてきた)ので、まあオカルト好きな知り合いに話して終わりにしようと思ったわけだ。
一通り黙って話を聞いて友人が一言。
「ねえあんた。本当に心当たりないの?」
「ねーなー」
「ん・・・でもあんたさ。きっと心当たりあるはずだと思うんだけど」
「なんでさ?」
「気が付いてないのかなあ。その話のおかしい所に・・・」
「???」
「あんた自分ではっきり言ってるんだよね。『女の子の赤ちゃん』って」
「あんたさ。赤ちゃんの声聞いただけで性別ってわかるの?」
・・・おおう、ぞっとした。
そういや何で俺、あの声聞いただけで『女の子』って断定出来たんだ?
おかしくね?
赤ん坊の声なんて男女の差ないよな?
俺、なんで『女の子』ってわかったんだ??
それ以来、夜は携帯きって寝てる。
また非通知からの着信があったらたまんねーからな。
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霊界の声
昔、小学生の時『ムー』についていた小冊子を見ていたら、
『君にもできる!オバケの声を録音!』
という阿呆な記事があって、阿呆な自分はその方法を実践したんだ。
当時はCDもなく、ラジカセの付属のマイクで、
「霊界の皆様、現世で言い残した事がありましたらこちらでお話下さい…」
と言ってカセットを空録音するという簡単な方法だったしね。
部屋を暗くして部屋から退室してオートリバースで60分。
隣の部屋にはアニキが勉強していたけど、邪魔をしてはいけないと思い、内緒でやっていた。
60分経ってA面を真面目に再生したが、ザーという音しかしない。
そりゃそうだ。
痺れを切らして頭出しボタンを押した。
何かが入っていれば、チュルル~て音するしね。
B面に入って半分…
『チュルルチュルルチュルル…』
恐る恐る巻き戻して再生したんだ。
『ザー、(ここでなぜかノイズが完全にクリアーになる)』
『ギギー(鉄のドアが開くような音)「ママー止めてー」(男の子?)「止めてよーママー」(女の子?)「助けてー?止めてよ!」(二人。)』
『(ママらしき人はここで書類のような物を数える)シャカシャカシャカシャカシャカシャカシャカシャカシャカシャカ。「ママー止めてー」(叫び続ける子供達)』
ギーーーガッシャーン………………ザーーー。
青ざめた俺は、アニキの悪戯と決めつけて隣の部屋に殴り込んだ。
テープを聞かせたらアニキも青ざめていた。
「お前?下にいたんだろ?(自分の部屋は2階)こんな大きな音聞こえたか?」
たしかに…ありえない音量で録音されている。
よく考えたら男の子と女の子の多重録音なんてラジカセじゃ無理だ…
二人いないと…
「この声はどうやったら吹き込めるんだ?」
当時はかぐや姫やらオフコースの心霊レコードが有名で、アニキと俺は話し合い『呪わしいから消却しよう』と結論して消却したんだ。
未だにあの会話の意味が解らずにいる。
みんなもふざけ半分で霊界の声を聞こうとかしないでな。
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騒いでる声
昔、母ちゃんと車で出かけた時に
「今日はどこかで運動会でもやってるのかねぇ」
て、唐突に話しかけてきたんよ。
俺は、何いってんだ?、て思いつつ、適当に
「どうだろうね~」
なんて答えてたんだ。
その日の夜は、親戚が集まってばあちゃんの家でワイワイやってたんだけど、
「今日ここに来るときに『ワーッ』て大勢の人が騒いでる声を聞いたんだけど、どこかで運動会でもあったのかね」
て、母ちゃんがみんなに聞いたんだ。
つっても今は夏休みだし、運動会をやるような場所は近くに小学校があるくらいで、もちろんそこで運動会もやってない。
(というか俺が通ってる学校だったから、何か行事があれば親も知ってるはず)
母ちゃんは相当気になってるのか
「おかしいねぇ、おかしいねぇ」
て繰り返すもんだから、詳しく話を聞いてみたんだ。
母ちゃんが言うには、婆ちゃんちに向かってる途中、少し小高い丘になってる所の横を通った時に大勢の人が
「ワァーッ!」
て騒いでる声が聞こえて、その日は人が集まるような行事があるなんて聞いてないし、声もただならない感じの叫び声だったからずっとおかしいと思ってたらしい。
親戚の人達も行事があるなんて心当たりもなかったから首をひねってたら、普段無口な婆ちゃんがポツリポツリ語り出した。
「昔、あの辺に汽車が通っちょってね。そん頃にそがぁし人が乗って走った時があったんよ。人も一杯で窓から乗り出したり色んな所に掴まったんまま乗っちょったから、坂道ん時に汽車が登れんごなってね。途中で逆に下り始めて、そん時、人が騒いで飛び降りたり押されて落ちたりして人が何人か死んだのよ」
婆ちゃんがいうには、戦前母ちゃんが声を聞いた場所のあたりで昔、汽車が乗客の重さに耐えられなくて山を逆走して、その時パニックになった乗客の何人かが落ちて亡くなったらしい。
母ちゃんが聞いたのは、多分その時パニックになった乗客の声だろうってさ。
これ見てる人もうすうすわかってると思うけど、その日はお盆だったからさ。
婆ちゃんはそれ以上何も言わなかったし、そこにいた親戚もちょっと引いちゃってその日はお開きになったんだ。
親はみんな家に帰って、俺は従妹たちと次の日みんなで遊ぶ予定だったから、婆ちゃんちに泊まったんだ。
そんで布団に入って少ししたら、玄関にドンドンッ!て何かぶつかる音がして俺は
何だろう?誰か忘れ物でもしたのかな?て、思って玄関に向かおうとしたら婆ちゃんが
「猪がきたねぇ…噛まれたら危ないから絶対に出たらいかんよ。そのうちどこか行くから出たらいかんよ」
て、見に行くのも止められてさ。
次の日起きてから見に行ったら、ススみたいな黒い物が手形みたいに玄関に沢山ついてた。
猪が鼻とか前足で押して砂がついただけなんだろうって思うようにしたけど、それ母ちゃんが帰るときに通った玄関だけにしかついてなくて、他の場所には一切ついてなかった。
婆ちゃんはもういないし、今となっては本当なのかどうかわからないんだけど、あの時外に出てたら何が起こってたんだろうって今でもぞっとする…