怖っ!怖っ?怖い話

いろんな怖い話を集めています。

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「 田舎の怖い話 」 一覧

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田舎の夜道

4年くらい前だったと思う。

当時俺は専門学校生で、実家から離れて暮らしてた。

夏休みになって帰省したんだけど、実家は田舎だからかなり暇だった。

夜の11時頃になって、暇と暑さに耐えかねて原付で近所のスーパーに出かけたんだ。

行ってはみたものの金はないし、特に欲しいものもない。

結局、そんなに時間が経たない内に帰ることにした。

真っ直ぐ帰っても暇なだけだから、少し遠回りして裏道通って帰ったんだ。

んで、家まであと少しってところで、道沿いに白い服着た人が二人歩いてくるが見えた。

「こんな夜中に珍しいな・・・」

とは思いつつ、だんだん人の方に近づいてくと、二人とも死装束みたいな白い和服着てた。

怖かったけど引き返せるスピードじゃなかったから、そのままスルーすることにした。

すれ違うときにチラッと顔を見てみたら、二人とも思いっきり睨んでた・・・

しかも、裸足みたいに見えた(サンダルかも)

家に帰ってからふと気付いたんだけど、その日は盆入りだった。

お墓から帰宅する途中の人?に遭遇しちゃった?

田舎で人が少ないだけに、生身の人間だとしても気味悪すぎる体験だった。

【乙女恋愛】

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山に呼ばれた人の話

熊の湯温泉。

白神山地は熊の湯温泉の主人の話。

ある日の夕方、この熊の湯温泉の主人の元に『山菜採りが滑落遭難した』との一報が入った。

主人が現場に駆けつけると、既に地元警察や救助隊が駆けつけており、サーチライト点灯の準備をしていた。

そしてその横で、まだ五十手前の男が泣きながら

「早く女房を助けて下さい」

と懇願していたという。

その地点は白神ラインの天狗峠と明石大橋の中間地点で、ガードレール下は急峻な崖であった。

生き残った夫の話によると、夫婦で山菜採りに来ていたが、ふと目を離した隙に妻が悲鳴を上げていなくなったのだという。

白神山地はまだ寒く、サーチライト点灯を待つ救助隊員や警察官たちは焚き火にあたって暖を取っていた。

その横で遭難者の夫が

「火なんかに当たってないで早く妻を助けてくださいよ!」

と恨めしそうに懇願していた。

やがてサーチライト点灯の用意が出来て、強い光が谷底に投射された。

少しずつ光の輪を横にずらしながら、遺体の捜索が始まった。

やがて、「あっ」と誰かが叫び、サーチライトの光が止まった。

(なんてこった、まず生きてはいまい)

主人は内心そう思ったという。

ガードレールの下、はるか二百メートルほどの地点、岩が大きく張り出した谷の途中に女性が倒れていた。

救助隊員が拡声器で呼びかけたが、何の反応もなかったという。

絶命している。

主人だけでなく、救助隊の誰もがそう直感したそうだ。

しかし、発見地点は下手すれば二重遭難しかねない急峻な崖である。

主人と救助隊は谷底に降りる方法を相談し始めると、遭難者の夫が半狂乱になりながら救助隊に詰め寄ってきた。

「早く助けて下さい!!女房が呼んでるじゃないですか!!」

もう少し待ってください、慌てると碌なことがない、と救助隊員は必死になって男をなだめたが、男は聞く耳を持たない。

早く助けてくれと、もう少し待ってくれの押し問答が続いた、その時だった。

男が呻くように言ったという。

「あぁ……なんであんたたちには聞こえないんだ!女房が呼んでるのが聞こえないのか!?」

その瞬間だった。

男がバッと走りだしたかと思うと、あろうことかガードレールを飛び越えてしまった。

悲鳴が救助隊員を凍りつかせた。

男の体が岩に激突しながら落下する音が不気味に響いたという。

慌てて救助隊員たちが崖下を見ると、サーチライトの輪の中に、さっきの男が倒れていた。

不思議なことに、男の遺体は妻のすぐ側に倒れていて、まるで『助けに来たぞ』と言っているように見えたという。

「なんてこった……」

主人がそう呟いた時だった。

一台の車が現場にやってきて、三十代になるかならないかという男が駆け下りてきた。

「うちの親が落ちたって聞いたんですが」

遭難者の息子だった。

誰もが絶句し、

「今引き上げるところだから、下は見るな」

と誰かが言った、次の瞬間だった。

「そんなこと言ったって、うちの親父とおふくろが谷底から呼んでるじゃないですか」

救助隊が絶句していると、息子がガードレールに駆け寄ろうとした。

咄嗟に、それを警官の一人が取り押さえた。

「止めろ止めろ止めろ!でないとコイツまで連れてかれるぞ!」

その警官がそう怒鳴った瞬間、その場にいた警官が一斉に息子に跳びかかり、息子を取り押さえた。

「何するんだ!親父とおふくろが呼んでるのが聞こえないのか!?」

息子は半狂乱になってそう怒鳴るが、そんな声など息子以外の誰にも聞こえていなかった。

あまりにも暴れるので、結局、息子は警官に両脇を抱えられ、パトカーの後部座席に連行された。

まるで山岳救助の現場とは思えない、異様な光景であった。

しかし息子は「親父とおふくろが呼んでる」と唸り続けるわ、隙あらばパトカーの外に飛び出そうとするわで、ほとほと手を焼いた。

しかし数時間後、両親の遺体が谷底から引き上げられた途端、まるで憑き物が落ちたようにおとなしくなった。

息子は両親の遺体に縋って号泣していたが、先程までとあまりに違う息子の態度に、誰もが改めてゾッとしたという。

【でじほん!】

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ヨシユキ様

うちの地域では、俺の母親が子供の頃あたりまで男の子でも女の子でも3~4歳くらいになると必ずあやとりを覚えさせられた。

技は一種類だけで『蛾』と呼ばれるもの。

これはけっこう複雑な取りかたをするが、素早くできるようになるまで何度もくり返し練習させられたそうだ。

今は産業としては成り立たなくなっているが、ここいらは昔は養蚕が盛んで、集落の裏の山(四百Mほど)の中程に『蚕霊塔』と呼ばれる供養塔がある。

こういう供養塔は明治以降、製紙工場の近くに作られたのが多いが、裏山のはかなり古い時代のものらしい。

この山一帯には『ヨシユキ様』という妖異が棲んでいて、それは大きなカイコガの姿をしているという。

ただし普通の人間の目には見えない。

この山に子どもが入るときには必ず一本の紐を持たせられる。

母親の場合は白い毛糸の紐で、わざと切れやすいように傷がつけてある。

なぜそんなことをするかと言えば、山中では『ヨシユキ様』に祟られることがある。

背中に重しがのったようになって、かたわらの藪に突っ伏してしまうことがあったらそれは『ヨシユキ様』が後ろに乗っているせいだという。

こうなるともう声もたてられない。

バサバサという羽ばたきの音が聞こえてきて、だんだんと気が遠くなっていく。

そうなったら意識があるうちに素早くあやを取って蛾をつくる。

その形のまま力を込めてプツンと紐を切ると『ヨシユキ様』は離れていくらしい。

子どもだけの場合は、これ以外に逃れる方法はなく、寒い季節だと藪の中で発見されずに死んでしまう例もあったという。

この『ヨシユキ様』というのは、郷土史などでは南北朝の頃の南朝の皇子で戦乱の際に自害した悲運の皇族と書かれている。

それが妖異となって山中をさまよっているということらしいが、その方がなぜカイコガの姿とされているのかはよくわかっていない。

おそらく歴史の中で埋もれた話があるのだと思われる。

【テクノ】

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猟師の供養

以前、田舎に帰ったときに聞いた話です。

その地方の猟師の家系は子どもの頃から捕った獲物の数を数えて、それが千匹になるごとに簡単な塚を建てて供養しているそうです。

昨今は猟師自体が減っているのでそうそう塚が増えることもないのですが、今でも猟師を職業としている方はもちろんいますので、大々的な地域の供養(お祭り)の他に、猟師会や個人の供養式が行われることもあるそうです。

しかしこんなご時世ということもあり、昔じゃ考えられないことだったそうですが、オカルトはまったく信じない!というタイプの猟師が塚を一切建てなかったそうで、それでも普通なら家族の誰かが代わりに供養するものなのですが、一家揃ってそういうタイプの人間ばかりだったようで一切供養を行わなかったそうです。

(その家の祖父母はきちんと塚を建てていたそうですが早くに亡くなってしまいました)

その猟師さんは主に狐の毛皮を捕っていたということで、地域の人たちは動物霊の中でも特に強い狸や狐を甘く見てはいけない、絶対祟りがある、と口をそろえて言っていたそうです。

その猟師さんが3年前に肺炎をこじらせて亡くなったそうなのですが、晩年関節リウマチがひどく、手足は酷く変形し、猟にも出れずほぼ寝たきりだったので手足はやせ細り、最後までリウマチの痛みに苦しんでいたそうです。

そして棺桶に入ったその猟師を見た猟師仲間がぽつりと発した一言で、葬式の場にいた人たちはみな凍り付いたと言います。

「死に様がまるで撃たれた狐みたいじゃないか・・・。」

関節リウマチで変形した手は狐の手のように先細り、膝や手首も狐が手を下げているように不自然に曲がり、猟師仲間の言ったように、その遺体は狐の死体そのもののように見えたそうです。

遺族はその一言に恐怖を覚えたのか、その後立派な供養塚を建てて供養式もきちんと行ったそうです。

【でじほん!】

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巨頭オ

数年前、ふとある村の事を思い出した。

一人で旅行した時に行った小さな旅館のある村。

心のこもったもてなしが印象的だったが、なぜか急に行きたくなった。

連休に一人で車を走らせた。

記憶力には自信があるほうなので、道は覚えている。

村に近付くと、場所を示す看板があるはずなのだが、その看板を見つけたときあれっと思った。

『この先○○km』

となっていた(と思う)のが、

『巨頭オ』

になっていた。

変な予感と行ってみたい気持ちが交錯したが、行ってみる事にした。

車で入ってみると村は廃村になっており、建物にも草が巻きついていた。

車を降りようとすると、20mくらい先の草むらから、頭がやたら大きい人間?が出てきた。

え?え?とか思っていると、周りにもいっぱいいる!

しかもキモい動きで追いかけてきた・・・。

両手をピッタリと足につけ、デカイ頭を左右に振りながら。

車から降りないでよかった。

恐ろしい勢いで車をバックさせ、とんでもない勢いで国道まで飛ばした。

帰って地図を見ても、数年前に言った村と、その日行った場所は間違っていなかった。

だが、もう一度行こうとは思わない。