先日、祖父の一回忌の時に聞いた叔父の体験談。
叔父はイカ釣りが好きで、よく釣りに行っては沢山釣り上げて、俺もその度に何杯か分けて貰って食ってたりしてた。
んで何気なしに叔父に、最近釣りどうなの?て聞いてみたんだ。
そしたら叔父の顔がちょっと変わって、こんな事を話し出した。
叔父には自分だけのイカが集まる釣りポイントがあるらしく、夜中のうちにソコに行っては日の出まで釣るというスタイルで、そのポイントは人目につきにくい、山を下ったゴロゴロした瀬の間だったそうだ。
いつもの様に瀬に座って釣りを始めるが、その日は一杯も上がらない。
イカがよってこない日もたまにはあるらしく、あー今日はダメかと諦めかけていると後ろの山の方で暗闇の中、光るモノが見えたそうだ。
釣り人が来たのかとも思ったが、このポイントを知ってる人がはたして居るのかじっと見てると、その光るモノは輪郭がハッキリするところまで近づいてきた。
それは女だったそうだ。
異様に細長い、2メートルはあろうかという長身の若い女。
目は細めで髪の長く、背が高いと言うよりは普通の寸借で上下に引き伸ばしたような・・・
そんな感じの細長い女が、淡く発光しながらスーっと近づいてきたらしい。
驚いた叔父は、釣り道具も放り出して元来た山を駆け上がった。
後ろを振り返ると、女は細長い体をグニグニとさせながらスーっと追いかけてきている。
ただでさえ歩きにくい山を死ぬほど走りきり、止めてあった車に飛び乗ると急発進させた。
少し離れた所でバックミラーを見ると追いかけるのをやめたのか、女は車の止まってた所に立っていてグニグニと揺れていたそうだ。
以来、イカ釣りは陽のあるうちに、近くに民家のある堤防でやるようにしたとの事。
釣れる量は激減したが、もうあの場所は二度と行かんし夜釣りもせんって言ってた。