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山の子供

今から15年程前、私が小5のとき祖父と従妹の三人で、山に山菜取りに付いて行ったときの話です。

山で従妹と遊んでいると、10歳位の男の子が1人でいたので、この子も家族と一緒に山菜取りに来たんだろうと思い、仲良くなって、その子と従妹と三人で一緒に遊んでました。

ケンイチという名前の子でした。

夕方頃、下の方で祖父が

「そろそろ帰るぞ」

というので、その子に

「じゃぁバイバイ」

と言うと、その子は木の枝に掛けてあった祖父のラジオ(熊避け用)を手に取ると、バリバリと食べ始めました。

ラジオは粉々になってました。

その子の口は犬の様に付き出していて、目は真赤に変化してました。

そしてブツブツと何か言ってました。

「ゲルマニウムが・・・」

というのが聴き取れました。

怖くなり、従妹を連れて下の方に居る祖父のもとに一心不乱に逃げました。

その子はラジオをバリバリ食いながらこっちを見てました。

祖父もタダ事ではないと判断し、急いで私達を連れ車に戻り逃げました。

数日後、その話を聞いた猟友会の方々がその山に入りましたが、ラジオのダイヤルだけ見つかり、他は何も怪しい物はみつからなかったそうです。

【お持ち帰り】

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