2001年4月30日午前10時35分頃、短大生のAさん(当時19歳)はブラジリアン柔術大会に出場する友人の応援をするために台東リバーサイドスポーツセンターに向かう途中であった。
たまたまAさんの後を追うようにレッサーパンダの帽子を被った男も、同じ道を進んでいた。
交差点でAさんがレッサーパンダ帽の男を確認した際に驚いた顔をしたため、この男は自分が馬鹿にされたと思い込み、Aさんを狭い路地に引き込んで胸や腹、背中などを包丁で刺し、失血死させる事件が発生。
現場近くでレッサーパンダ帽を被った男が何度も目撃されていたことから、捜査機関はこの男を犯人と見て捜査を開始。
5月10日、東京都代々木でレッサーパンダ帽男のY(当時29歳)が逮捕された。
事件直後から、レッサーパンダ帽という装いの異様さに注目したマスコミ、特に週刊誌は、この事件を大々的に取り上げようとしていたが、Yが養護学校卒で軽中度の知的障害者と判明した後は事件を取り上げることをしなかった。
17歳の時に母が病死し、家出や放浪を繰り返し、Yには窃盗など4件の前科があった。
レッサーパンダの帽子は函館市で購入しているが、Yはこの帽子を犬の顔と思っていた。
裁判ではYに知的障害があったため、検察側と弁護側が責任能力で対立。
2004年11月26日、東京地裁は「弁護側が主張するように、被告が広汎性発達障害に当たるとしても、完全な責任能力を有していたことは明らか」としてYに無期懲役を言い渡した。
2005年4月1日、Yは控訴を取り下げ、無期懲役が確定した。