長野でキャンプしてた。
テントで三人で寝てたんだけど、夜中の4時頃目が覚めたんだ。
俺は端っこで寒かったし、しばらく寝つけなくてぼぉっとしてたら、反対側の入口のとこのテントとフライの間になんかいんの。
黒っぽい塊なのね。
微かに外が明るくなってきてて、なんとなく見える。
向こう側はゴミ置いてるし、猫が来たかなぁと思ってたら、塊が下のジッパーをジジジッっと開けた。
びっくりして固まってたら、寝てると思ってた塊に一番近い奴と目があった。
起きてた。
口と目見開いて震えてるの。
金縛りっぽい。
塊がずっと入ってきた。
俺はたまげて声上げて、枕元のヘッドライトで照らしたんだ。
ひゅっとテントの外に消えました。
怖かったから、全員で起きてテントの中で飯食ったのだけど、端っこの奴の脅えかたは普通じゃなかった。
俺が見たのは只の黒い塊だったけど、そいつは腐った人の顔の周りに髪と指が絡み付いたようなものだったって。
俺達は怖かったけど、次の日もそこで寝た。
もうなんも起こらなかった。
後日、そのキャンプ場の小屋で腐乱したばらばら死体が出たのをニュースで見た。
なんも起こらなかったけど、怖かったなぁ