うちの爺さん(イギリス人)が若い頃こんな夢を見た。
近くの山のなかを歩いていたら、カーンカーンという音とともに、
「トンネルの中で、なすすべもなく叫ぶ哀れなものどもに捧ぐ」
という声がして、複数の人がドッと笑ったところで目が覚めた。
不吉な夢だと思って震えていたら、親が部屋にやってきて、
「トンネルが崩れた。救助に行くからお前も来い」
といわれて、助けに行ったんだけれども、誰も助けられなかったらしい。
崩れたトンネルは最近出来たばかりで、近くの町に行くのには便利なんだけれども、地元の年寄りの話では、かつて残虐非情な盗賊の一味を捕まえてリンチにかけたところだったので、よくない噂がささやかれた場所であったらしい。
あと、トンネル作りに奔走した村の若い役人が、ショックで夜になると叫ぶようになって、村のみんなが暗い気分になってしまった。