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後部座席

2年前に免許を取って、おぼつかない運転をしていた頃です。

私は、多分、下手だから車体をすぐこするだろうと思い、中古車の軽自動車を70万ほどで買いました。

新品同様でとても気に入ったのです。

ドアが事故って替えてあるのか、ちょっと閉まり具合が悪かったですが・・・

3ヶ月は何も無かったんですが、深夜のある時、ふと後部座席に誰かいるような気配を感じるようになりました。

慌ててバックミラー越しに覗くと誰もいません。

心臓が波打ちました。

今から車を替えるお金もないので『気のせい』と言うことにして乗っていました。

ある雨の夜、普段なら通らない道を通って間違えて細い道に入ってしまいました。

仕方なく前へ進むと橋があったので、

「あ、ここか。ここ渡れば広い道出れる」

と思い前へ進みました。

橋の手前で雨はざーざー激しくなって、視界が悪くなってきました。

その時、また後部座席からすごい視線を感じ、私は焦りアクセルをふかしました。

気が動転してかアクセルとブレーキを間違え、急ブレーキをかけて見事にエンストを起こし、車は『ばっこん』と止まりました。

何だかなぁ・・・こんな激しい雨の中で。

ふと車が立ち止まった前を見ると、橋の先が見えないのです。

いくら雨で視界が悪いとは言え・・・。

念のため仕方なく車を降りると、橋は途中でぷっつり壊されていて道が無いのです。

このまま直進してたらあの世逝きでした。

逆U字にカーブしてる橋で、橋げたから下までかなりの距離があったので、ひざも足もガクガクして、その場をバック走行して逃げ去るまで酷く時間を費やしました。

後部座席のうっすら気配のする人物は、男かも女かも分かりません。

車はその後、エンジントラブルで走行中に煙を出し、見事1年も乗らないうちに廃車になりました。

【お持ち帰り】

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