祖母から聞いた話。
祖母が15,6歳くらいの時、日本刀の展示販売会みたいなのに祖母の父に連れていかれて、特に興味も無くフラフラとしてたら、ある日本刀がふと目についた。
全然興味が無いけど、確かに日本刀って美しい。
買う人の気持ちが分からなかったけど、確かに美しい。
美しい。
美しいのは欲しい。
もっと近くで見たい。
自分が刃に映るのが見たい。
欲しい…
見たい欲しい…
欲しい!!!
祖母は祖母の父をつかまえて、これがいい、もう何も要らないからこの刀が欲しい、これを買って欲しいと必死に頼んだらしい。
今まで刀に全く興味の無かった娘が突然に狂ったように頼むので、ビックリした祖母の父はお金を取りに戻るからと嘘をついて、祖母を引っ張って家に戻ってきた。
祖母は、欲しい…欲しい…と繰り返してたけど、会場を離れた途端に無言になって、ちょうど家の隣にあった菓子屋の前を通った時
「かりんとうを買いましょう」
と言い、祖母の父は
「良かった治った!」
と安堵したらしい。
その刀は、切腹の時などに首を切り落とす為の刀だったそうだ(刀に詳しくないので名称知らない)
小さい頃から耳にタコができるほど繰り返し聞かされた話。