大学時代に凄い人がいた。
仮にOさんとしておくが、Oさん自身は小柄で線の細い普通の女性なのだ。
だが、彼女の陰のあだ名は『最終兵器』
その由来には、幾つかのエピソードがある。
Oさんは高校時代にコンビニでバイトをしていた。
そのコンビニは『幽霊が出る』と噂され、多数の目撃情報もあり、夜間はまったく来客がなかった。
だが、Oさんがバイトに入った途端、幽霊が一切現れなくなった。
その功績(?)からか、Oさんは他のバイトよりも多めに給料をもらっていた。
Oさんの友人が肝試しから帰ってから、度々自室で男の幽霊を見るようになり、Oさんに泣き付いた。
Oさんが友人の部屋に一泊すると、幽霊が現れなくなった。
不動産会社を経営する叔父に頼まれて、マンションの一室で一晩過ごしたOさん。
翌日、叔父から謝礼として大金を渡されて、自分がいた部屋が自殺者が出た部屋だと知らされた。
旅行先で立ち寄ったお寺の住職が、Oさんを見るなり、
「あんたには龍神さんが加護としてついとる!」
と言われて、拝まれたという。
オカルト絡みのトラブルの最終兵器Oさん。
だが、彼女はその力を特に利用することもなく、現在は旅行会社のOLとして普通に働いている。