「 月別アーカイブ:2013年11月 」 一覧
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戻ってこない客
昔、綺麗なおねーちゃんの送迎ついでに白タクしてたんだわ。
客を乗せた時に、金無いから家にいったん取りに行くってマンション前でおろして、後ろのシート見たら血だらけだった。
30分ほど待ったけどおりてこなかったし、気持ち悪かったから帰ったよ。
次の日、警察がいっぱいいたから死んだんじゃね?
知らんけど。
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人形と遊んでいる子
うちの人形達は知らないうちに、向きが変わっていたり、立ち位置が入れ替わっていたりする事が時々ある。
他にはこれといった実害も無いし、一人暮らしな人形者の俺は、てっきり「中に何か霊的なものが宿ってるラッキー」と思っていた。
ある夜、人形の居る部屋で寝ていたら、複数の話し声がする。
半分寝てるような、うつらうつらした状態でそちらのほうをぼんやりと見ると、就寝用の豆電球のほのかな明かりの中、黒っぽい和服に赤帯のまったく知らない女の子が人形達を手にとって撫でたりして遊んでいた。
人形達もその子と楽しそうに話してた。
そのときはぼんやりしながらそのまま、再び寝ちゃったんだが、朝、起きて確認してみたらやっぱり何体かの人形達の立ち位置が変わってた。
実に不思議な体験だった。
人形達が楽しそうにしていたから、あの子は悪い存在だとは思って無いんだが今でも時々、人形の向きや立ち位置が変わる事があるが、あの子はいったい何者なんだろう?
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オコナイ様
東北の人形イベントで会った友人の話。
友人は街中に住んでいるが、引越しのため、かさばる人形は実家に置いておくことにした。
地震のとき、実家は壁にひびが入ったものの倒壊をまぬがれたそうだ。
地震の前日に、離れの部屋において居た人形の箱が倒れ人形が転がり出たのを、おばあさんがかわいそうに思い居間に飾っておいたらしい。
地震のとき人形のある居間はガラスも割れずに無事だった。
その後、おばあさんが人形に
「家の修復が困ったねぇ」
「娘は連絡つかないけど無事かねぇ」
と、何の気なしに話しかけてると保険で家の修繕費が下りたり、連絡のつかなかったおばさんと連絡がついたりという出来事が重なったそうだ。
「これはひょっとしてオコナイ様(神様)かもしれない」
と考えたおばあさんは、人形を神棚に置いて、いよいよ人形を大切に扱うことに。
友人は自分が遊んできた人形だけに否定的。
「神棚に置くのやめてよ!あれは大量生産品だって。偶然がかさなっただけだよ」
「偶然も重なるとね・・・それに実際にご利益があったし・・・」
「え、母さん何かあったの?」
「ネックレス無くしたのを見つかるようにお願いしたら次の日に見つかったのよ。しかも何度探してもなかったケースの中に」
「それこそ偶然だと思うけど」
それからも、父の海外転勤予定が人形へのお願いで急に本社勤務に変更になることなどがあり
(これも会社の部品生産の地震被害が少なかったという偶然らしいが・・・)
それからは、家族が人形趣味に理解を示すようになったり、おばあさんが人形用にと小遣いをくれるらしい。
(おばあさんは、大きな畑の地主とのこと)
そのことはご利益があったと言えるのだろうけど・・・
「でもね、私が人形に”彼氏ができますように”って言っても何もおきないのよね」
知人は今でも人形のご利益に否定的らしい。
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子供の頃の思い出
大学の同期に女の子が一人いた。
同じサークルで、結構仲よくやってた。
俺の幼なじみの友人とも気があって、三人でいることが多かった。
それで、何の時だったか、幼なじみと二人で昔の思い出話になったことがあった。
色々話してるうちに、もう一人、仲の良かった誰かがいたことを思い出した。
でも名前も顔も思い出せなくて、それでもいっしょに遊んだ記憶はあった。
なんだっけ、だれだっけなーって話をしてたところにその女の子がきた。
何の話?なんて聞かれて幼なじみと昔話しててーって経緯を話したんだよ。
それで幼なじみが橋から川に飛び込んでさー、とか。
下り坂で自転車のブレーキ壊れて田圃に飛び込んでさー、とか。
その子も、にこにこしながら聞いてたんだけど、段々怪訝な顔してきてさ。
それで、そう言えばあの時も、もう一人いたよなーって言ったら
「それ多分わたしだ…」って。
びっくりして話を聞いたらその子で間違いなかった。
遊んだ思い出のエピソードも、駄菓子屋で一緒に食ったじゃがいもばっかのおでんの値段も間違いなかった。
間違いなかったんだけど、その子はずっと東北に住んでて、俺らはずっと中部に住んでた。
それぞれ大学で初めて地元を離れた。
俺らはどこで出会ってどこで遊んでたんだろうか。
よく分からないけど今も仲は良いです。