これは旧友のチンピラに聞いた話なんだが、そいつとある組の若い衆とで、良く若い女を街でさらっては交尾をしていたんだそうだ。
まあナンパ仲間と云った所だな。
ある日も、チンピラは何時もの様に若い奴に誘われて、街中に繰り出そうとしていたそうだ。
だが、どうも急に体調が悪くなり、今日の所は止めといて、一人自宅で寝込んでいたそうだ。
で、若い衆の方は単身街に繰り出したと。
それで、上手く上玉の女子を引っ掛ける事に成功したそうだ。
嫌がる娘を押さえつけ、まあ打つ物を打って、ぐったりした娘と無理矢理性交して楽しんでいたそうだが、明け方、その女子の容態が急変し、あっさり死んでしまったらしい。
死因は、暴力と薬物の過剰摂取といったところだろう。
娘は、そう云う物をやるのは初めてだったらしい。
警察沙汰になるのだけは避けようと、早朝からそいつは自分の組に、その娘の死体を持って行き、若頭に泣きついた。
しかし、その娘の顔を見た若頭が凍り付く。
どうやらその娘、ある名のある組長の関係者で、その筋の人々が手を出すのはヤバい。
さらに輪をかけて、ご法度の粉にまで手を付けていて、娘にも投与してしまっている。
体中に青々と暴力の後も残っている。
これはまずいという事で、組員数名で取り急ぎ、その娘を奥多摩の山中に埋めに向かった。
しかし、その道中はそれだけの目的ではなかった。
察しの通り、若頭は失態を晒した若い衆も一緒に埋めようと考えていたわけだ。
娘を埋める穴を苦労して掘った後、疲れた様子の若い衆の四肢をガムテープで縛り、生きたまま娘の隣に放り込んだ。
激しく暴れるが、構わず土を順調に振りかけていき、生き埋めに。
組に帰り、この事を組長に伝えた。
しかし、その組愛用の廃棄所は、新しく道路が通るとかで、工事が来月にも始まる予定で、既に使ってはいけない所だったらしい。
大急ぎで山に取って返し、場所を移さなければならない。
組員数名で現場に着いて、まだ柔らかい先程の土を掘り返すと、少しずつ男女の抱き合っているような死体が姿を現す。
すでに男も息絶えている様子だった。
しかし、何かおかしい。
先程は女の死体を放り込んだ後、その上から男を生きたまま放り込んだ。
ところが掘り返すと、横に抱き合っているような形になっている。
何よりも奇妙なのは、死んでいたはずの女の両手が男の首に絡み付いていて、赤黒い指の跡が男の首に浮き出ていたそうだ。
どうやっても、女の両手が男の首から外れず、結局その場で焼き捨てたそうだ。
男の死因はどちらだったのだろうか。