たしか小5か6のときの話で、もう10年ちょい前の話。
俺には2個離れた姉がいる。
ある日の夜、姉あてに、リカ(たしかそんな名前だった気がする)って女の子から電話がきた。
電話の向こうではクラブっぽい賑やかな音がしてたのを覚えている。
で、俺は姉の仲いい人は全員と言っていいほど知ってたから、リカなんていう友達いたっけ?と思いながら、姉に電話を代わった。
今考えれば、あのとき姉は中1ぐらいだからタメの友達でクラブにいるなんておかしい。
そんで案の定、姉はリカなんて友達は居ないし、あなたのことも知らない、かけ間違いじゃないですか?て喋ってた。
でも、リカてやつは姉の名前(Kとする)を知ってて、電話を代わったとき、名前を呼んできたらしい。
そこで考えられるのは、姉の幼稚園のときの友達だった。
うちは姉が小学生一年生になると同時に引っ越したから、幼稚園時代の友達の名前を忘れてる可能性があった。
でも姉が、あなたなんて人知りませんて言った後、リカってやつは、でもKちゃんは○○めぐみちゃん(姉の親友)の親友でしょ?って言ってきたそうだ。
もうその時点で、幼稚園時代の友人の可能性は無くなった。
リカはさらに続けて、小学生のころよく三人で遊んだじゃん!今度2人で遊ぼうよって言ってきたそうだ。
もうここで、姉はテンパり始めちゃって、様子に気付いた両親も電話の近くに寄ってきた。
母親に、誰から電話きたの?て聞かれたので、リカって女の子からって答えた。
母親も、ん?誰?みたいな顔をしてた気がする。
で、姉があたふたしていると、リカって人はまた電話するね!って一方的にしゃべって電話を切ったらしい。
その日は家族四人で、夜20時にそんな騒がしい所にいるリカっていう中学生は誰なのか、話し合った。
姉と母親は少々ビビってたけど、一応イタズラ電話てことで、また電話来てもすぐに切るようにってことで話はついた。
でも、イタズラにしては、姉の親友の名前を出してきてるし、なんだか気持ちが悪かった。
それから3週間ぐらい経って、そんな電話のことを忘れていたころに、またリカって人から電話が来た。
そのときも俺が出たんだが、姉がちょうど居なかったので、冷静に対処して切る。
その後も忘れたころに電話が来るようになって、3ヶ月くらい経ったときに、不思議な?ことが起こった。
その日、買い物?か外食?をしてから家に帰ると、たしか3件ぐらいの留守電が入っていた。
1、2件目は、なにかの勧誘?だったらしく、留守電入ってすぐに切れてた。
そんで、3件目…
リカからだった。
その日もテンション高いまま、
「買い物行って服買ったの!こんど遊ぶときに着ていこうと思ってね!」
的なメッセージだった。
そのあとも何か言ってたけど忘れた。
で、怖かったのが最後の言葉。
「じゃあまた電話するね!リカでした!ばいばーい」
リカでした!までは普通に女子中学生の甲高い声。
その次の「ばいばーい」これが、なんかとてつもなく怖い声。
よくテレビでスローモーションのシーンで、声が低く太くなるじゃん?
あの声で録音されてたの。
でも、「ばいばーい」て単語がスローで入ってたわけじゃなくて、普通の速度で入ってたんだ。
あの声だけは未だに脳裏に焼き付いてる。
家族もスゴイ気味悪がって、すぐ消した。
その後、リカからは一切電話来なくなった。