自分は数年前に、アパートに電話回線を引く事にしました。
電話回線ってどうやって引くのか、と同僚に聞いたところ、家電量販店で安く契約できると聞き、近場の量販店で契約をしました。
一週間ほどで量販店から電話番号を教えてもらい、使用可能に。
使えるようになったはいいのだけど、なんだか間違い電話がやたらと掛かってきます。
後で知ったのですが、電話番号ってのは使い回しになっている物らしい。
自分は電話帳にも載せていなかったので、前の使用者と、どうやら間違えて掛けてきてるようでした。
間違えて掛けてきた人が、呼び出す名前はいつも一緒。
仮にAさんとします。
このAさん宛ての電話が、毎日のように掛かってきます。
相手するのも面倒になってきたので、常時留守録状態にしてほったらかしてました。
そんな日が2~3ヶ月ほど続き、会社から帰って、いつものようにメッセの確認をしていたところ、
『こちら○○ファイナンスですが。Aさんお早めにご連絡をお願いします』
おやおや、Aさんはお金でも借りてたのかね~?とか、余り気にもしませんでしたが、翌日も、
『○○ファイナンスです。昨日ご連絡を頂けませんでしたので、急ぎ連絡を願います』
その翌日でした。
野太い男の声が録音されています。
『おい!A!!連絡よこせ!いい加減にしろよ、明日までに連絡をよこさなければ・・・』
ここで切れました。
それから数日して、仕事から帰ると留守録が入っています。
友人かと思い、再生すると聞こえてきたのは、
『・・ブクブク・・プク・・オカケニナッタ・・・ブクブク・・・プク・・・ダシテ・・・ツカワ・・・』
ん?何か泡のような音。
音量が大きくなったり小さくなったり。
えらく遠い所で、何かメッセージが流れている気がするけど?
おかけになった電話は現在使われておりません?かな、とか思いましたが、自分に掛かってきた電話に、そんなのが録音されているはずは無い。
ま、何かの間違い電話でしょっと、気にせずに放置。
翌日も同じ留守録。
その翌日もまた同じ・・・そのまた翌日も・・・
何度か聞いているうちに、どうにも水の中でしゃべっているような、そんな声に聞こえてきてしまいました。
『ブクブク・・オカゲデナッタ・・ブクブク・・・ココ・・ダシテ・・モウツカワ・・・』
なんだか気味が悪いったら。
翌日もまた留守録が入っています。
2件でした。
『Aさん、連絡がなくなって二週間です。会社の人も心配しています。早く連絡を願います』
Aさんの友人のようです。
連絡が無い?二週間前から?二週間前と言うと、丁度あの野太い男の声の留守録があった翌日です。
その後に、また例の留守録が入ってました。
なんだか気味が悪いを通り越して、嫌な想像をしてしまいます。
気にしないようにと眠りました。
翌日は仕事は休み。
普段は出かけるのですが、気になるので電話に出てやろうと、今日は部屋にいる事にしました。
いつも掛かってくる時間は15時過ぎでした。
そして15時過ぎ、呼び出し音がします。
当然、電話を取りました。
「もしもし、どちら様でしょうか?」
『ブク・・オマエオカゲブクブク・・・ココ・・ダシテ・・・モウツカワナイ・・・』
「誰なんです!毎日毎日!!いたずらはやめてください!」
ツーツーツー・・・
オマエノオカゲって言われた気がする・・・
また呼び出し音が鳴りました。
気持ち悪くて取る事が出来ずにいると、留守電に変わりました。
『Aさん、昨日も連絡を頂けませんでした。会社では、失踪として警察に届ける事になりました。』
慌てて電話を取りました。
「もしもし。うちはAさんの家ではありませんよ」
『あ、間違えました。すいません、番号は*******ですか?』
「そうですよ、良くAさん宛ての電話がかかってきて困ってるんです」
『失礼しました。会社に登録されている番号が同じですので、皆にも連絡しておきます。では』
間違い電話の正体は掴めたようです。
でも、例の水の中からの声のような電話は?
この後から、しばらく例のメッセは録音されていませんでしたが、それでも数ヶ月に一回程度の割合で、例のメッセが録音されています。
あいにくと、こちらの正体は掴めていませんが、
借金(これも想像)・・・
男の声・・・
失踪・・・
日付の一致・・・
水の中のような声・・・
嫌な想像をせずにはいられません。
『オマエノオカゲ・・・』
怖いと思うから聞こえてしまうのでしょうが、気になっています。