俺が工房だった頃、連れに族(笑)がいて、たまに一緒に峠とか走ってたんだわ。
で、まぁ族とかやってるような奴なんで頭は悪かった。
遠出してあんま土地勘のない山でちょっと一服ってことになった。
ちっちゃい地蔵が三体くらいかな?
並んでんのに気づいてね。
その族の連れが、おもむろに地蔵を蹴ったんだよ。
踏みつけるような感じで。
そしたらさ、地蔵の首とれちゃった。
苔の生えた地蔵だったから相当古かったんだろうね。
連れはテンションあがっちゃって、地蔵の首を崖の下に蹴り落としたんだ。
ひでーことすんなーと思ったが、俺も特に止めなかった。
祟りとか霊って信じてなかったし。
半年くらいたってその連れ、バイクで事故起こして帰らぬ人になった。
普段からラリってバイク乗るような奴だったから、遂に事故ったかくらいにしか思わなかった。
まぁ悲しい気持ちではあったけど、これだけなら別におかしな話ではない。
ただ、事故って崖から落ちた連れの首、とうとう見つからなかった。
もう一つ不思議なのは、地蔵の首が元通りになってたこと。
地蔵の正確な数は覚えてないし、もしかしたら首無しを撤去したのかもしれんが。
普通、撤去とかしないよな。
ちなみに俺には害はなかったですよ。