怖っ!怖っ?怖い話

いろんな怖い話を集めています。

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「 月別アーカイブ:2013年07月 」 一覧

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メガテン

女神転生の不可解な怪奇現象。

・ゲーム中断しようとしたら電源落ちない。

・開発途中、電源切っていたプリンタから意味不明な言葉を羅列した紙が延々プリントアウトされた。

・攻略本に将門公紹介の頁を作る際、将門公の右手が頁中央で切れてしまうような配置にしたら右手を粉砕骨折した。

・現実世界との奇妙なリンク(井の頭公園バラバラ殺人事件)

・今から行きますの電話を最後に失踪したスタッフ。

【乙女ゲー】

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山の祭り

何処かわかってしまいそうなので、方言などは省かせていただきます。

子供の頃の話です。

私が住んでいた山奥の村では、年に一度、奇妙な祭りがありました。

松明を持って、村の大人(男の人達)が山に入っていくだけの祭りです。

この祭りの日は、子供は外に出てはいけないことになっていました。

一度外に出ようとして、すごく怒られたのを覚えています。

ばあちゃん曰く、

「知らんでいい」

だそうです。

私には、B君という幼馴染が居ました。(私をAとしておきます)

B君とは、よく親と一緒に川に行って泳いだり、近所の山にいって野苺とかを食べたりして遊んでいました。

B君はとてもやんちゃな子でした。

いつも危ない所や、行ってはいけないと言われている所に行こうとするので、私はいつも

「あそこは行っちゃダメだって言われてるから、怒られる」

と言って止めていました。

実際、山や川は都会のように整備されておらず、マムシが出てくることも多かったので、大人の言っていたことは正しかったのだと思います。

あそこの山はマムシがよく出る、崖が多い、あそこの川は昔子供が溺れた、流れが速い・・・等々、どれもちゃんとした理由があるものばかりでした。

しかし、一つだけはっきりとした理由を教えてもらえないまま、行ってはいけないとされている場所がありました。

それが祭りのときに大人が入っていく山でした。

あえて理由を探すなら、ばあちゃんの忠告くらいでしょうか。

ある日、B君が綺麗な水晶のたくさん付いた石を見せてくれました。

どこで取ってきたのかと聞くと、

「あの山で採ってきた」

と言い、また明日にでもその場所に行くから、Aちゃん(私)も付いてくるといいよと言ったのです。

大人たちからはハッキリとした理由を聞かされずに行ってはいけないとされている山だったことと、何より綺麗な水晶を羨ましく思った私は、嬉々としてその言葉に頷き、次の日に山へ行くことを約束しました。

翌日、大人たちにバレないように、野苺を食べに行くとかそんな理由で家を出ると、水晶の採れる場所までコソコソと向かいました。

山に入ってからしばらくすると、目的の場所に着きました。

雨で崩れ、山肌が露出した場所です。

私たちは手を傷だらけにしながらも、綺麗な水晶をたくさん見つけていきます。

そして、だんだん何処に大きな水晶があるかわかってきました。

それに従うように、どんどんと場所を移動していると、森の奥に少し開けた場所を見つけました。

ちょうど、お腹のすいていた私は野苺でもあるだろうと、B君を誘ってその場所へと足を向けました。

鬱蒼と茂る森の奥に、それはありました。

少し苔むした祠のような物で、周りに岩を幾つも置いている、そこだけ特別だと一目でわかる場所です。

そして、これがあの祭りに関係している物だということもすぐにわかりました。

「これって祭りの・・・」

「そうだと思う」

何の祭りか聞かされていなかった私達は、その祠に興味津々でした。

「ここって開けられそう」

「開けたら怒られると思う」

そう言って私が止める間も無く

「何が入ってるんだろう?」

そう言って、B君は祠を開けてしまいました。

中には、白や茶色の石のようなものがたくさんありました。

後になって知るのですが、それは子供の歯でした。

「何?これ。気持ち悪い」

「もう帰ろう?怒られるよ・・・」

私が帰りたいと言っても、B君は

「もっと調べるから」

と言って、祠の周りを漁りだしました。

その時、急に寒気を感じました。

肌を刺すような痛みと、呼吸ができない程の息苦しさ。

いつの間にか、周りから聞こえていた蝉の声が聞こえなくなっています。

「・・・ダ・・・オッタ・・・」

そんな声が聞こえたので慌ててB君を見ると、B君は気味の悪い満面の笑みで

「???コノ??????モウ???(憶えてません。何かの唄かも)」

と言うと、森の奥へと走り去っていきました。

途端に怖くなった私は、泣きながら急いで山を駆け下りました。

そして、山から出ると、運良く近所のおっちゃんに見つかりました。

山から出てきた私を見つけるなりオッチャンは

「なんで山に入った!?」

と怒鳴りつけてきました。

「祠でB君がどこか行った」

と、私がしどろもどろ伝えるなり、おっちゃんは真っ青になりながら

「・・・お前はオッチャンと一緒に家に帰ろう。Bはすぐに皆で探す。絶対に一人でいるな。家に帰ってからもだぞ!」

そう言うと、おぶって家に連れて行ってくれました。

家に着くと、オッチャンはすぐにBの家、そして近所へと知らせに行きました。

私はなんとか両親と祖父母に先程の出来事を伝えると、父はすぐに山へと向かい、母は泣き出してしまいました。

「Aは何を見た!?」

とばあちゃんが聞くのですが、私はもう母の動揺ぶりを見て泣き止まない状態。

それを見かねたじいちゃんは、家の奥からペンチを持ってきて、いきなり私の歯を抜きました。

もう私は訳がわからず泣き喚くばかり。

「もうAは大丈夫」

とだけ言い、じいちゃんはそれを持って家の外へ出て行きました。

もう空は赤く染まり始めていましたが、村じゅうの大人達がB君を探しにあの山へ向かいました。

ようやく泣き止んだ私は、ばあちゃんと母にすがるように家の前でB君の帰りを待ちました。

何時間たったかわかりません。

もう日が沈んで随分経った頃、道の奥が騒がしくなりました。

B君が見つかったのです。

それがわかるとすぐ、ばあちゃんと母は嫌がる私を家へと押し込もうとしました。

家に押し込まれる間際、私はB君を見ました。

大人たちに引きずられるB君は、縄で手足を縛られて全身血まみれでした。

しかも、それはB君自身がつけた傷で、B君は自分の体を食べようとしていたのです。

B君の母は泣き喚いて、B君の父は呆けたようにしてB君を見ていました。

B君は手当てをされた後、お寺に連れていかれたそうです。

その後、私は両親と一緒に違う土地へ引っ越しました。

B君がどうなったのか、知りたくないというのが本音です。

もう私は村へ帰ることはできなくなりましたし、あれ以来、山が怖くなってしまいました。

後日談として、つい最近、祭りとあの山について教えてもらえました。

以下、父の話を思い出しながら書きます。

あの山には昔、人食いの化け物(?)がいたそうです。

村にたびたび下りてきては子供を攫っていき、山で食べていたらしいのです。

それをどうにかしたいと思った村人達は、旅の偉いお坊さんに化け物を殺してもらうことにしました。

そしてお坊さんと村人達は、なんとか化け物を殺します。

しかし、お坊さんは

「これはまだ自分が死んだとわかっていない。だから本当の意味で死んでいない。これからもこれを殺していかなくてはならない。それでもし死なないなら、それでも子供を救う手はある」

と、その方法を教えたそうです。

子供を救う手というのは、じいちゃんがやった歯を使うやり方だそうです。

アレは骨や歯を食べなかったそうで、その食べない部分を見せることで、

「お前はもうこの子を食べた」

と思わせていたようです。

普通は、自然に抜けた乳歯をあの祠に持って行くんだそうです。(そういえば、抜けた乳歯はばあちゃんに取り上げられていました)

私はアレに姿を見られていたので、もう一度歯を抜かれ、そしてもう一度見られない為に村を離れることになったというわけです。

そして、あの祭りはアレを殺した時の再現なんだそうです。

しかし、殺すというより封じると言ったほうが良いかもしれません。

B君の件で、若い村人達(といっても全然若くない)もアレの存在が伝承ではないと知ったようです。

なにより、まだ人を食おうとしているのですから。

本当なら、この話は乳歯が全て永久歯に生え替わった時点で聞かされる話だったようです。

知らない方が山に関わるまいとのことらしいですが・・・

私は土地の人間ではないことになっていたので、最近になってやって聞けました。

そして話の中で、父から村の過疎化を聞かされました。

もしかしたら、近い内に廃村になるかもしれない、とも。

もし誰もアレを殺す人が居なくなったら、アレはまた人を食おうとするのでしょうか?

止めてはならない祭りというのもあるのだと、そう思いました。

【ブレイク】

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子供の声

今から2、3年前かな?

大阪梅田の某風俗街に友達と二人で遊びに行った時の話。

その日はしこたま飲んで、「風俗行くぞ~!」って流れに。

んで、適当にぶらぶらして案内所とか物色してたら、キャッチの兄ちゃんに声かけられて「安くするから!」ってことで、あるヘルスへ行ったんだ。

その店は、あるラブホの一室を使用して営業してる店みたいで、女の子とは指定された部屋で待ち合わせってシステム。

うきうきしながら、女の子の到着を待ってたんだけど、今思えば部屋が妙に変な空気だったなぁ。

少しして、女の子が登場。

俺はもともと霊感ゼロだから、部屋の違和感なんてそっちのけでウホウホモードに。

とりあえず、時間もたっぷりあるし適当に喋ってたのね。

そしたら、どこからか小さな女の子?のような感じの笑い声が聞こえたんだ。

最初は、外からかな?って感じで、あまり気にもならなかったんだけど、お相手の女の子が一言。

「あ~、この部屋いてるわ~…」

ん?何が?

君は何を言ってるの?

ってくらい、一瞬理解出来なかった。

そんな俺に気付いたのか、ご丁寧に

「あたし子持ちやから、お母さんと思ってきたみたい。」

確かに、時間は夜中の1時前ぐらいだったし、ホテルの部屋も3階くらいだったから、外の音も聞こえないし。

それからの時間は、俺&Jr.はしょんぼりしてしまい、おっぱいを少し揉み揉みして早めに部屋出て帰りましたよ…

大阪梅田の太○寺近辺って、何かあるのかしら?

それとも、敏感な人と一緒にいたから、たまたま?

後にも先にも唯一の不思議体験。

【体験談】

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知らないセーブデータ

正月に、凄く怖かった体験した。

正月明けからバイトが連勤で目茶苦茶忙しくて、家に居る時間があまりありませんでした。

バイト→帰って5時間程寝る→バイト…のループで本当忙しくて…

んで一週間前ぐらいからやっと地獄のループから抜け出す事ができて、2連休になったから家でゆっくりしようかなって思って、2連休の前日に近くのスーパーに買い出しに行きました。

今思うと、この辺りから変だなって思ってたのかも。

っていうのも、近くのスーパーだからサンダルで行こうかなと思って、下駄箱開けたらサンダル無くて、下駄箱の上にもう一段下駄箱があるんだけど、その中にサンダル入ってた。

その下駄箱は普段から、履かなくなった靴とか入れておく用にしてあるやつで、結構頻繁に履いてたサンダルが、なんでそっちにしまってあるんだろ?って。

まぁバイト連勤中に俺が無意識に入れたのかも知れませんが。

そんでスーパー行って買う物買って家着いて、冷蔵庫開けたら賞味期限がまだまだの卵(パックのまま)とかパンとか牛肉とか入ってる。

もちろん俺は買ってきて無いです。

なんでだろ?と思って、取り敢えず買ってきた物冷蔵庫に入れて、その日はテレビ見てパスタ作って食って寝ようかなと思って、レトルトのカルボナーラのパックあったかな?って思ってシンク下の棚開けたら驚愕。

レトルトのカルボナーラやらミートソースやらカップ麺やらが、雪崩みたいにくずれてきた。

「はぁ?俺こんなに買ってねぇよ?」

と普通に声に出して言ったw

だって明らかにおかしいんですよ。

量も量だし、俺が良く買ってくるレトルト系の商品。

好きなカップ麺とか買い置きされてるんやもん。

オカンでも来たんかとか思うでしょ?

でも俺オカン居ないんスわ。

おとんならおっけどさ。

でも、おとん田舎やし、来る時は絶対携帯に電話してくる筈やし。

元カノとかの線も考えたんですが、かれこれ2年彼女居ませんw

まぁそれは置いといて、なんか気持ち悪くなったんで床に散らばった商品とかを戸棚にガサガサ入れて、ちょっと不審に思ったんで家ん中調べてみる事に。

寝室は特になにも無かった。

本棚とかDVDラックとか調べたけど異常無し。

次はリビング。

俺が1番寝たり喰ったりで良く使う部屋。

なんか違うかな~っ?て思ったけど、実際長い間家具とか触ってなかったりすると違ってるとことかわからんw

良くPS2するんで、一応ソフトとかに異常ないかとか調べてみたら、微妙におかしい。

俺、新しく買ったやつを上に、古いやつは下にって感じでゲーム積んでるんスわ。

(因みに、1番最近購入したのはウイイレの新しいやつw)

んで、おかしいのは積み方。

新しいのも古いのもバラバラに積んであった。

ウイイレは下の方。

んでRPG系のが上に来てる感じ。

基本PS2の中にソフト入れっぱなしな俺は、一応ディスクトレイを確認してみた。

最後にやったのがウイイレだから、ウイイレが入ってる筈。

ディスクトレイ開いたらロー○ギャラクシーが入ってた。

また、「はぁ??」な俺。

これかなり前にクリアして、積んであるソフトの最も最下層にある筈のゲームなんだけど。

積んであるソフトに目やったら、ロー○ギャラクシーは上から2番目。

やった記憶なんかないです。

んで、ふとある事に気付きました。

気付いた事ってのが、PS2のメモリーカード管理の事。

ほら、ディスク何も入れずに起動したらあの画面いけますよね?

そんで、メモリーカードの中見たんですよ。

もうわかりましたよね?

PS2って最近起動したゲームごとにそのゲームのデータが上にくるじゃないですか。

そしたらロー○ギャラクシーやら他の古いゲームが上にあって、ウイイレのデータは、だいぶ下の方にありました。

もちろん確認しましたよ。

最終データ更新日みたいなの。

ウイイレは正月中にやっててそのままだから当然日付も、[1/2 18:32]みたいな感じで。

んで肝心の上の方にあるゲームのデータ見てたら[1/20 22:30][1/22 1:40] とか。

1/22?

昨日やん…

もちろん俺やってませんよ。

昨日の1時とか思いっきりバイト中なんで。

マジで、「はぁ??」ってなって段々怖くなってきましたよそりゃ。

誰だよってw

もうそれ確認してから頭の中が???になった。

俺のバイトは大体朝11時から夜3時位まで。

連勤最後の方は家に帰るの面倒臭かったんで、バイト先の店長の家に泊まったりが多かった。

友達が俺んちに居たのかなとか、でも俺友達に合い鍵渡したっけ?ってなって友達にすぐ連絡したら

「知らんよw」

まぁそりゃそうだわなと思って、一応合い鍵あるか確認しようと思って車の中探したら鍵無かった。

(スペアキーは車の中に置いてる)

もうドキドキしながら部屋戻って、部屋に鍵ある筈と思って寝室行って鍵探してました。

まぁ普段車に置いてある鍵がこんなとこにある訳無いって思いながら。

んでやっぱり無くって、もう一回車の中探そうと思って車戻ってダッシュボードやら後部座席の下やらを必死に探してました。

無い。。。

落としたなコリャと思い、部屋に戻ろうとしたその時。

アパートに見知らぬ厨房っぽい子供が歩いて行きました。

??

このアパート家族居たっけ?とか思いながら厨房を目で追ってったら、階段昇ってって(俺の部屋は3F)あぁ同じ階の子供か、と思ってたら俺の部屋のドアの前でなんかしてる。。

厨 房 鍵 あ け や が っ た。

俺んちに普通にin。

ダッシュで部屋戻りました。

ちゃっかりドアに鍵かけてました厨房。

俺が鍵を勢い良く『ガッチャッ!』って開けると、部屋から『バタバタッ!』って音が聞こえて、玄関のドア閉めて

「なにやっとんじゃ糞ガキャ!!!!!」

叫んで中入ると、リビングに居ました厨房。

リュックサックを持ってベランダから逃げようとしてる。

ここ3Fなんだけど…。

携帯で警察に事情説明したらすぐに来てくれて、少年と俺は警察へ。

警察ついたら少年は2階連れていかれて、俺は1階で事を説明してました。

1時間位経った頃、30過ぎのセレブっぽい女の人が駆け込んできた。

「○○!○○はどこに居ますか!?」

って取り乱してた。

○○は多分厨房の名前かと。

その人は厨房の親でした。

んで厨房の親が俺と俺が話してた刑事さんのとこに来て、一緒に事情を聞く事になった。

○○は冬休み前から虐めにあって不登校になっていた。

○○は正月明けから家出をしていた。

○○に携帯を持たせていたが着信拒否にされていた。

どうやら○○は正月に手に入れたお年玉を利用して家出→ネカフェ、カラオケBOXなどを点々としていたらしい。

そこで偶然、俺の家の近くのコンビニで朝飯を買いに行く途中で、バイト先に遅刻しそうになる俺が車へ走るのを目撃。

ここで鍵を落としたらしい。

厨房鍵拾う→アパート全部屋の鍵が合うかどうか試す→俺の部屋が空く→侵入→ゲームしたりバレない用にキッチン使ったりを繰り返してたんだって。

それだけでも恐いが、俺が帰って来た時は押し入れの天井裏で寝てたらしい。

んで、俺が出掛けたのを確認してゲームしたりキッチン使ったり。

洒落になんねぇよ、ゆとりと思った。

で、どうやらレトルトの食品やカップ麺とかは元から入ってたやつを見て、居させて貰ってるお返しにって同じ物大量に買って入れといたんだと。

冷蔵庫の食料とかも。

そんなんで許されたらどんだけ平和な世界だよw

その一件があってから、鍵はキチンと部屋の中に置いてあります。

厨房は住居不法侵入で書類送検。

後日、申し訳ありませんでしたって言う手紙が届いたよ。

セレブ母からはご迷惑を掛け本当に申し訳ありませんでしたとの事で、喫茶店で会う事になって30万お伏せが。

馬鹿みたいな話だけど実話ね。

お陰で連休はパーだし、またバイト連勤続いてて忙しいです。

とにかくゆとりは恐いよ。

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排水管の向こう側

自分がまだ小さい頃のこと。

近所では沢山の猫を見かけたんだ。

町営の団地に住んでいて排水溝などの設備もあった。

高低差がある場所などはコンクリで覆ってあって、地面から1メートル以上も高くなっている事もあった。

小さい自分は、そのコンクリの壁をよく見上げたものだ。

ある時、近所の猫を後ろから追いかけていた。

そして、コンクリの壁に開いている配水管に猫が入っていくのを自分はそのまま追いかけた。

排水管を覗き込むと、猫がこちらを振り返って見ている。

目線を送り、配水管の向こう側をみると地面があり、草も生えていてまるで春のような感じの場所があった。

小さい自分は、その光景を目にして「ああ、いいなあ…ここをくぐれたら行きたい」と思った。

ずっとその事が気になったまま時だけが流れ、最近になってふいっとその場所に通りかかる事があって、そうだ、あれはどうなっているのだろうかと確認すると…

排水管の先は真っ暗で何も無かった。

排水管は地中に埋まっていて、覗き込んでもただ暗いだけなのだ。

しかし、未だにあの光景を忘れる事が出来ない。

ひょっとしたら、猫だけが行ける世界があるんじゃないかと。

今でも、心の中でひっそりと信じている。

【お持ち帰り】