「 月別アーカイブ:2013年07月 」 一覧
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担任
俺が小学5年生の時、クラスに貧乏な家の男の子D君がいたんだ。
彼は給食費を払うことができなかったらしい。
なぜなら担任が給食の時間、毎日のように
「D、ただ飯はうまいか?」
と言っていたからだ。
D君は引きつった様な顔でぺこりと頭を下げていた。
たまに給食を残したりしようものなら、
「お前は金を払わないのに食べれるんだから、残す事は許さない。」
と教師に言われ、掃除の時間中、後ろにずらされた机で黙々と食べていた。
これがクラスの悪ガキのいじめならば、誰か止めに入る事ができたのだろうが、担任のいじめとなるとどうしようもなかった。
その担任の教師は、自分のお気に入りの女子の生徒を膝の上に乗せたりしたり、嫌いな子にはビンタするという、ひいきを平気でするような先生だった。
そして事件が起きたんだ。
授業中にD君が飛び降りた。
3階からだったんだけど下が花壇で助かった。
D君の机の上に紙が置いてあった。
俺は隣の席でその紙の内容は知っていた。
『担任の先生に怒られて叩かれる。僕は駄目な人間だから死にます。』みたいな内容だった。
担任は、その遺書のようなものをサッとポケットに入れて、飛び降りた理由も僕を含めた五人の児童になすりつけた。
世の中悪が勝ち、正直者が泣くと思わされた思い出です。
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宅間事件のその後
宅間事件のすぐ後に、池田小学校にある内容の電話が殺到したのをご存知だろうか。
その内容は、以下のようなものである。
「子供が7人殺されたんですよね?それなら、定員分補充される筈ですよね!?うちの子供は入れられないんですか?」
国立である池田小学校には、定員がある。
その定員が減ったから我が子を入れられないか、というものである。
この話を聞いた時、事件の一報を聞いたときよりも寒気が走った。
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田舎の夜道
4年くらい前だったと思う。
当時俺は専門学校生で、実家から離れて暮らしてた。
夏休みになって帰省したんだけど、実家は田舎だからかなり暇だった。
夜の11時頃になって、暇と暑さに耐えかねて原付で近所のスーパーに出かけたんだ。
行ってはみたものの金はないし、特に欲しいものもない。
結局、そんなに時間が経たない内に帰ることにした。
真っ直ぐ帰っても暇なだけだから、少し遠回りして裏道通って帰ったんだ。
んで、家まであと少しってところで、道沿いに白い服着た人が二人歩いてくるが見えた。
「こんな夜中に珍しいな・・・」
とは思いつつ、だんだん人の方に近づいてくと、二人とも死装束みたいな白い和服着てた。
怖かったけど引き返せるスピードじゃなかったから、そのままスルーすることにした。
すれ違うときにチラッと顔を見てみたら、二人とも思いっきり睨んでた・・・
しかも、裸足みたいに見えた(サンダルかも)
家に帰ってからふと気付いたんだけど、その日は盆入りだった。
お墓から帰宅する途中の人?に遭遇しちゃった?
田舎で人が少ないだけに、生身の人間だとしても気味悪すぎる体験だった。
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生霊が見える友人
この前、職場の同僚Aと居酒屋で飲んでいたときの話。
偶然、前の職場の飲み会とカチ合った。
俺は特に問題があって辞めたわけじゃないし、前の職場の人とも仲が良かったので、合流はしなかったけれどなんか向こうの人が何人もこっちの席に来て注いでもらったり、唐揚げとか刺身とかをおごってもらったりとかしてた。
そのうち同僚Aが、気分が悪くなったって言い出して俺たちは一足先に店を出ることになった。
店を出て「だいじょうぶか?」なんて言ってたら、同僚Aが
「お前の前に勤めてた会社の課長、ほら、さっき酒注ぎに来てた人。あの人はもう駄目だな」
なんて言い出した。
「なんで?」
って聞いたら、Aは
「あの人、3人の生霊に憑かれてるよ。人間ああなっちゃあもう駄目なんだ。俺、それで気持ち悪くなっちゃったんだよ」だって。
「生霊?マジかよ、そんなのわかるの?」
って聞いたら、どうもAには分かるらしい。
「例えば、おまえでも初対面の人に会って3分話してみて、いや、一目見て嫌悪感を感じる人間っているだろ?見た目がキモイっていうレベルじゃなくってさ」
と、Aはそんなことを言い出した。
「そういう人間ってのは、なにかしら憑かれちゃってるんだよ。あの課長程の凄い憑かれ方のやつは俺も初めて見たけどな」
「そんなに凄く憑かれちゃってるのか?あの課長」
「うん、ああなっちゃうともう駄目だ。何をやってもね」
信じられなかった。
確かに、あの課長は尊敬できない人だったが、そんな強力な生霊が3人分も憑くものなのだろうか?
「生霊って、恨みみたいなもんなの?」
「ああ、恨みっていうより執念、いや、怨念かな?」
「じゃあ藁人形とか、そういうことをどこかの3人がしてるって事?」
「そうじゃないよ。思うだけでいいんだ。」
「相手を恨むには、自分も代償を払わなくちゃいけないってよく言われるけど?」
「そんなのは要らないんだよ。恨みを晴らす代償は、あの課長にされた色々な嫌がらせなり、セクハラなりパワハラなり、とても言葉では言えないような汚いことをされた事で前払いしてるんだから」
「ていうと、頭の中であいつ死ねとか思うだけで生霊が憑くってこと?」
「そうだよ。こわいねー」
まあ、そういうこともあるのかな、と俺は思った。
あの課長なら恨まれても納得だ。
ちょっと気になったので俺はAに聞いてみた。
「なあ、俺には生霊は取り憑いていない?」
「お前には、じーちゃんばーちゃんしかついてねーよ。これからもお年寄りを大切にしろ」
どうせなら、若いねーちゃんに憑いてほしかった。
最後に、一番気になることをAに聞いた。
「それでさ、あの課長に憑いていた3人って、どんな人なの?」
「一人は女の人だね。おとなしそうな感じだけど、よっぽどひどい目にあったみたい」
そうか、確かに前の会社は事務員さんがコロコロ変わっていた。
噂では、あの課長が気に入らなければ即クビになったそうだ。
「あとは男だ。ひとりはなんか思いつめてたなー。ああいうのが一番やばい。恨みに取り付かれると、今の自分の生活なんか関係なく恨みつづけるからね。そのせいで更に状況が悪くなっちまう。恨む事で自分の今の生活を駄目にしてるんだ」
なるほど、恨んでばかりいたら今の生活もままならないって訳だ。
こいつ、いい事言うじゃん、と俺は思ったね。
「3人めはね、お前だったよ」
俺かーwww
そうかもしれないね。
あの課長には本当に死んで欲しいと思ってるからね。
それにしてもAは凄い。
本物です。
本当に見えてるんだね。
それ以来、なんかそういう力を信じるようになりました。