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中古の人形
ホビー・○○で綺麗なバービー人形みたいなのが、525円で売ってたから買ったんよ。
姉の娘にあげようと思って。
で、姉の家行って5歳の娘にあげたら、すっげー喜んでくれて、娘は俺が帰るまでその人形とずっと話してた。
姉も「ありがとー!こんな綺麗な人形、高かったでしょ!?」とか言っててさ。
だけど次の日、姉から電話来て「何、あの人形!?冗談やめてよ!!」ってすげーキレてた。
話によると人形の口の所、歯の部分がギザギザの鉄で出来てたんだって。
(買った時は口を閉じながら笑ってる状態)
真夜中に子供の凄い泣き声が聞こえたから見に行ったら、娘が「人形が噛んだ」って、歯が食い込んだ傷が手や足に四、五ヶ所あったらしい。
その時、人形の歯はムキ出しになっていて、旦那が外のゴミ出し場に捨てに行ったら、旦那も親指を噛まれたもんで、ビックリして投げ捨てたとか。
口の部分なんて3センチくらいだったと思うから、中がどうなってるかなんて気にもしなかったんだけど。
やっぱ使用済みの人形とか絶対買ったらダメだね…。
それ以来、中古の品を買うのは敬遠するようになった。
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半分よこせ
俺がまだ小学生の頃の話だ。
俺んちは両親が共働きで「鍵っこ」というか、夕方までは俺一人だった。
その日もいつもと同じように、居間でコタツに入って寝てたんだよ。
母の帰りを待ちながらね。
玄関の鍵が開いた。
ああ、母親が帰ってきたんだな。
そう思った俺は「お帰りなさあい」と言おうした。
声が出ない。
よく考えたら身動きも取れない。
金縛りにあってるんだね。
玄関からぺたぺたとスリッパの音。
家でスリッパ履くのは母親だけだから、母親には違いないんだろうけど、なんか微妙に違う。
居間のドアが開いた。
お母さん?と思ったが、この角度だと首が回らず顔が見えない。
でも音はするんだ。
スリッパを脱いだらしく絨毯をすり足で歩いている。
ずりっ、ずりっ。
「ダイチャン。」
「ダイチャン。デカケルワヨ。」
話す声の主は母親なんだが抑揚がない。
ずりっ、ずりっ。
声の主は、さらに近づいてきた。
もうちょっと、あと2、3歩でその正体が見えるかな、というその時、玄関が開く音がもう一度して「ただいまー」って母の声が聞こえたんだ。
その瞬間、金縛りは解けた。
もーワケ分かんなくって、ガクブルいいながら、母親んとこに駆け寄ったよ俺は。
「なんか、おかあさんだけど、おかあさんじゃない人が来たー」ってさ。
そしたら母親の顔色が変わってさ。
晩飯食いながら聞いたんだけど、どうやら母親は双子だったそうなんだ。
貧しいからと母親の母方(俺のおばあちゃん)の実家に生まれてすぐ片方だけ預けられ、残った双子の姉は、栄養失調で亡くなったそうだ。
で、さらに聞くと俺は生まれてすぐ、原因不明の高熱で死ぬところだったらしいんだ。
医者も見離し(2、3箇所まわったって言ってた)どうしようもなく、寺だか神社に相談に行ったら、
「あなたの片割れの姉が、連れて行きたがっています」と。
俺は二人目の子供だから、私にも半分よこしなさいよって事なんだろうけどさ。
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うれしそうな顔
金曜日の夜に、仕事のキリを良くしたいと思い、少し残業をしていると携帯電話が鳴った。
友人からで、今日暇か?という内容でした。
何気に時計を見ると、11時を少し過ぎており、あぁ、まだ会社だから帰るの12時過ぎるわと返事。
終電が近い事もあり、さっさと片付けて帰宅する事に。
社内には私しか残っておらず、戸締りをして部屋から退出。
ビルのセキュリティ上、22時を過ぎると通常エレベーターが停止するので、貨物用エレベーターの↓を押し、薄暗い廊下で上がってくるランプを見つめていました。
ポーン。
少し古びた貨物用エレベータは、少し引っかかるように、ゆっくり開きました。
B1のボタン、次に閉のボタンを押し、エレベーターの壁に少し寄りかかると、閉まり始めたドアが、ガガッ。
ドアが開きなおしました。
あぁ、ぼろいエレベーターだなぁと再び、閉のボタン。
ガガッ、再びドアが開きました。
あぁぁ?なんじゃ?
ふっと足元をみると、ドアの間に上向きで、ものすごくうれしそうな顔の黒髪の女が、こっちをじっと見ていました。
一瞬、理解ができず、目がばっちり合った状態で固まっていると、首だけがズリュッと少しだけ伸びて、まるでエレベータの中に入ってこようとしている。
恐怖のあまり思いっきり踏みつけると、ダァァンと金属音。
エレベータの扉は閉まり、静かにB1に。
明日から会社に行くのが、嫌です。。。
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日暮里駅の階段23段目
人と怪談話してて、その友人が知人から
「日暮里駅の改札出て、右手に行くとある階段を登る時に、23段目あたりで振り返って見たら面白いものが見える」
って聞いたって話が出て、その後、罰ゲームで夜の2時前に、俺一人で原付で日暮里駅に行ってきました。
その階段に着いたら、左手にはコンビニとかあるし、全然怖くないわけ。
なんだ、つまんねーのって思いながら、スタスタと23段目まで登ろうとしたら10段目あたりで、背中からすごい寒気を感じてきて鳥肌が一気にきた。
我慢しながら、23段目まで登って、振り返ろうとしたんだけど、なんかわからんけどスゲー怖くて振り返られない。
罰ゲームの証拠の写真とる為に、デジカメの電源入れてから満を持して振り返った。
そしたら、下から5段目くらいのあたりに黒い塊があって、ん?と思っている間に、どんどん黒いのが鮮明になってきて、よく見ると、黒髪の女の子が体育座りで階段に座ってて、俺の方を振り返った。
と思ったら、立ち上がって俺の方に階段を登ってきた。
俺は全く身動きができずにいて、俺の手前2mくらいまで女の子は来たんだけど、顔だけが、すごいぼやけてよくわからんけど、口だけ笑みを浮かべた感じで、何かを言っているような気がする。
俺は幽霊なんて信じてないし、これが幽霊かと感動すら感じているものの、やっぱり恐怖で身動きができなかった。
そのとき、背後から「帰れ、帰れ」って声がして階段の上を振り返ると、おばさんがいて「帰らんといけんよ」って言われて、背後の女の子がふわっと消えたような気がして、俺は「うぉぉー」って軽く叫びながら、おばさんのとこまで走って登って、おばさんのとこで振り返るとやっぱり女の子はいなかった。
おばさんに「あれは何ですか?」って聞くと、
「知らんでええから、はよ帰り」って言われて、無人の階段をデジカメに撮って友人のところに帰った。
で、友人にこの話をしたけど全く信じてもらえなくて、かなり哀しい。
幽霊なる存在を全否定してきたけど、今回ので一気に肯定派になりました。
誰か日暮里の階段に関する情報を知っていますか?
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呻き声
実家に帰省した時、深夜に姉と自分が聞いた怖い話を語り合っていた。
いくつか話し終わった時に俺が、
「それでも、実際に体験した事は無いから100%は信じられないよな」
って言ったら、姉の後ろの方から、
「ああ゛っ」と、おっさんの呻き声のようなものが聞こえた。
「え?今の聞こえたよね?」と聞くと、
姉も「うっ…うん」と少し間を置いて応えた。
怖かったけど、初めての心霊体験に少し嬉しくなり、調べに行こうとすると、ガッっと姉に腕をつかまれた。
顔を伏せたままの姉に「何だよ?…」と聞くと、
姉は…
「今の…私の屁…」と恥ずかしそうに言った。