怖っ!怖っ?怖い話

いろんな怖い話を集めています。

*

「 学校での怖い話 」 一覧

no image

もう一人

電車での話。

毎朝俺は、いつもC線のH駅からS駅まで電車で通勤する。

途中、M駅で特快に乗り換えて行くんだけど、その日は少し寝坊して1本遅い電車になってしまった。

1本ずれると、当然M駅で特快に乗れなくなり時間がかかる。

乗り合わせの電車も遅れる。

仕方ないので駅の端へ行き、電車が来るのを待っていた。

そこに中学生の女の子が、同じように待っていた。

俺が通勤用の小説を読もうとカバンを漁っていると、目の前の子がふらふら・・・と線路側へ寄っていく。

すでにホームには特快通過のアナウンスもなっているし、遠くだが電車が来るのも見える。

反射的においおい!と思って、彼女の手をつかんだら、物凄い力で体ごと引きずられはじめた!

俺は弓道をやっているから、腕力と下半身の安定には自信があったんだけど、それでも引きずられてしまう。

ヤバイ、何かに捕まったかと思って、声を出して助けを呼ぼうにも声も出ない。

そうこうしているうちに、電車は目の前。

思いっきり警笛も鳴らされている。

が、彼女の体はもう半分ホームから出ている。

今手を離せば・・・と思うと離せなかった。

もう駄目だ・・・そう思ったら、誰かが肩を掴んで思いっきり引いてくれた。

勢い良くホーム側に倒れこむ俺達。

幾人かの悲鳴とともに、急ブレーキをかけて電車は止まった。

で、ここからが不可解なんだが、みんな「やっちまった・・・」と言う顔。

運転手も青ざめて降りてきた。

俺は彼女を助けられて(気失ってるのか倒れたままだが)良かった風に思ってたんだが、どうも周りの様子が変だ。

運転手や駅員、他の客がホームの下を眺めている。

そのうち駅員が、倒れている俺達の方にやってきて、

「もう1名の方の特徴はわかりますか?」って聞くんだよ。

俺はわけもわからず、?な感じだったんだが、俺の肩を掴んで引いてくれた年配の男の人が、

「ショートカットでメガネをかけていて、紺色の服の女性です」って言うんだよ。

俺にはそんなもの見えなかった。

「カバンにしがみついている人を、線路から引き上げようとしていたんじゃないのか!?」と言われた。

中学生の彼女の右手を掴んでいたが、カバンは左手に握られていただけだったはず。

結局、散々探したのに、線路には何も残っていなかった。

電車も、そのまま発車してしまった。

中学生の彼女は、駅の改札を抜けてからのことを全然覚えていない。

警察でも同じように話して、結局お咎め無しになった。

3年程前の、忘れらない出来事です。

no image

不思議な友達

この話は、私が直接体験した訳ではありません。

ただ、良くある友達の友達が~といった、真偽に疑問が残る話ではありません。

紛れもなく真実です。

何故なら体験者は、私の妹なのですから。

私と妹は、四つ歳が離れています。

私が小学五年生の時、妹は小学一年生でした。

入学当初の妹は、うまく友達が作れず寂しそうでした。

学校に行きたくないという妹を、私は心配していたのですが、何週間か経ってやっと妹に友達が出来ました。

同じクラスのHちゃんです。

Hちゃんは不思議な子でした。

目の前にいても、その存在に気付かないような、とても静かな子でした。

その顔は、いつも無表情で何を考えているのかわからない、暗い印象の、例えるなら、まるで人形のような子でした。

Hちゃんは、何度も我が家に遊びに来ました。

しかし、私はHちゃんが喋っているのを、見た事がありませんでした。

妹と遊んでいる間も、ずっと黙って、ただ妹の話を聞いているだけです。

私はHちゃんを、最初のうちは大人しい子なのだと思っていたのですが、次第に薄気味悪くなってきました。

というのも、Hちゃんが妹を見るその目は、どこか怪しく、とても友達に向ける目ではなかったのです。

妹がHちゃんと仲良くするのは、止めたらいいのにと思っていました。

何ヵ月か経ち、妹もHちゃん以外に友達が出来ました。

自然に妹はHちゃんと一緒にいる時間が減っていき、元々妹以外に友達のいなかったHちゃんは、クラスで孤立していったといいます。

そんな時、事件は起きました。

妹のクラスでは、亀を飼育していました。

その亀が、ある日いなくなったのです。

ある生徒が、Hちゃんが持って帰るのを見たと言いましたが、Hちゃんは何も言わず、ただ黙っていたそうです。

これを境にHちゃんは、亀泥棒、とクラスで仲間外れにされるようになりました。

当のHちゃんは気にした様子もなく、妹に近寄るので、妹は次第にHちゃんを鬱陶しいと思うようになり、露骨に避けるようになりました。

そんな妹を、Hちゃんは突然自宅に誘いました。

しつこく誘うHちゃんに根負けし、妹は仕方なくHちゃんの家に行ったそうです。

Hちゃんの家は団地でした。

とても古く、中は汚れ放題でゴミが散乱していたそうです。

そして、物凄い悪臭が籠もっていたそうです。

悪臭の原因を知って、妹は驚きました。

Hちゃんは当たり前のように、畳の上で尿を足したのです。

呆然とする妹に、Hちゃんは

「私たち友達だよね?これから毎日おいで」

と言ったそうです。

妹は、

「嫌だ、もう友達じゃない」

と断り、家から飛び出しました。

翌日学校に行くと、机の上に甲羅を割られ、潰れた亀が置いてあったそうです。

Hちゃんだと直感した妹は、Hちゃんを怖がるようになりました。

妹いわく、その日からHちゃんは、人が変わったように喋るようになったといいます。

その内容が酷いのです。

「○○ちゃん(妹)のお母さんは、男の人とエッチしてお金を貰っている。あたしは見た。」

「○○ちゃんのお父さんは昔、人を殺して、おうちに埋めた」

「○○ちゃんもエッチしてお金を貰うようになる」

そんな事を繰り返し言うのです。

妹は次第に学校を休むようになりました。

事態を知った親が学校に苦情を入れると、Hちゃんの家庭で驚く事が明らかになりました。

なんと、Hちゃんは一人で住んでいたというのです。

両親は行方不明という事でした。

結果、Hちゃんは転校しました。

施設に入ったのか、親戚に引き取られたのかはわかりません。

妹は、再び学校に通いだしました。

問題は解決したと思われました。

ただ疑問が残るのです、果たして小学一年生が、一人で生活出来るものなのか。

あの大人しいHちゃんが、どこでエッチという言葉を知ったのか。

意味はわかっていたのか。

何しろ小学一年生です。

妹も意味がわかっていませんでした。

そして、私がゾッとしたのは後日、妹が言ったこの言葉です。

「Hちゃんのお父さんいたよ」

妹は確かに、Hちゃんのお父さんを見たというのです。

全然Hちゃんと似てなかったといいます。

ずっと薄笑いを浮かべていたそうです。

そのお父さんは、Hちゃんが畳の上で、おしっこをするのを注意せずに、ただじっと見ていたそうなのです。

そして妹を見ると、Hちゃんに何かを耳打ちしたそうです。

そうしてHちゃんは言いました。

「わたしたち友達だよね?これから毎日おいで」

その男は何者だったのでしょうか。

妹の錯覚では無いとしたら。

もしも、妹が家から飛び出さなければ……

私は今でも時折、Hちゃんの無表情な顔を思い出します。