怖っ!怖っ?怖い話

いろんな怖い話を集めています。

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硫黄島の星条旗

先日、現役のアメリカ海兵隊士官さんと仕事の都合で話をしたんですが、その時に聞いた話。

新兵を訓練する際に何度も出る話だそうですが、いわゆる戦闘慣れした頃に陥る自信過剰って奴の1つで、敵方が逃げ出し始めた時に、戦線を崩して追いかけ始めてしまう奴が出るんだそうです。

戦線と言うより戦列と言うべきなんですが、銃を構えた兵士が横一列に並ぶのは味方同士が打ち合わない為に非常に重要な事なんだそうです。

そりゃ、だれだって味方に打たれて戦死なんていやですからね。

パープルハート勲章も貰えないし。

時は1945年。

小笠原諸島の南に浮かぶ絶海の孤島。

硫黄島。

この島を巡って血で血を洗う激戦が行われたのは皆さんもよく知る所でしょうが、私が話をした士官さんはおじいさんが従軍されたそうで、その時のエピソードをよく聞いたそうです。

曰く『どんなに不利だと思っても日本兵は投降しない』

とか、或いは

『日本兵は最後の一人まで勇敢だったとか』

んで、その中に出てくる話ですり鉢山攻防戦ってのがあるんだそうですけど、あれです、映画、父親達の星条旗のあのシーンの山です。

最後の数名が頑強に抵抗するすり鉢山を包囲して、慎重にすり潰しながら前進し、最後の一兵が手榴弾で応戦している中、十字砲火を浴びせたそうですけど、その後に星条旗を立てて占領をアピールしたんだそうです。

ところが、翌朝になるとその星条旗が倒れてる。

だからもう一回立てる。

ついでに、星条旗を立てるシーンを写真に撮ったり記録映画撮ったりしながら。

でも、翌朝になるとまた倒れている。

しかも、旗ざおが折れている。

鉄製なのに。

で、事件はおこります。

ある晩、業を煮やした若手士官が小銃を持って星条旗のすぐ近くで歩哨に立ったんだそうです。

見張りですね。

何度も何度も星条旗を倒されては海兵隊の名折れ。

責任もって犯人を射殺しろって命じられてたんだとか。

その晩、歩哨にたった士官は真夜中に足音を聞いたんだとか。

複数名の足音が、慎重に距離をとって接近して来るんだそうです。

正直「来たな!」と思って、小銃の安全装置を解除し、近くに着たら斉射してやる!と銃を構えたんだとか。

ところが、指呼の間に接近した所で足音が止まってしまい、士官は「気付かれた!」と慌てたとか。

息を殺してジッと待っていると、何事かの会話が日本語でなされ、バタバタと斜面を駆け下りる足音が聞こえたそうです。

士官はその足音の方向へ数発射撃し、自分も身を晒して足音を追いかけたんだとか。

追撃戦って非常に危ないんですが、逃がすのも癪だと思ったんだそうですよ。

一緒に歩哨に立っていた海兵隊の兵士も走ったそうです。

走って走って射撃しながらまた走って、弾を撃ちつくして次の5発を押し込んでまた撃って走って。

で、前方で『ギャー!』と悲鳴が聞こえて、しめた!当たった!と思いつつ、日本語で『トマレ!』と叫んだんだそうです。

余談ですが、大戦中の米軍士官は「トマレ」「ジュウヲステロ」「トウコウシロ」など、簡単な日本語指示を学んでいたんだそうです。

ところが、今度はその敵側から凄い勢いでバンバンと撃たれ始めたんだとか。

士官の左右をシュンシュンと音を立てて銃弾が通過したんだそうです。

コリャヤバイ!と振り返り、斜面を走りながら逃げたらしいんですが、途中で何かに躓いて倒れたら、そこが日本軍守備隊の掘った塹壕だったそうで、 頭から落ちて側頭部を痛打。

昏倒状態になっていたら、下からバリバリと射撃しながら海兵隊が斜面を登ってきたそうです。

で、一緒に追跡していた筈の海兵隊兵士と同士討ち。

翌朝、明るくなってから調べたら30人近く死んでたとか。

その日から星条旗は夜間になると取り外され、麓の前線本部で管理される事になったらしいですが、 朝になって山頂部へ星条旗掲揚へいくと、かならず足跡が残っていたんだそうです。

それも、登ってくる足跡だけ。

硫黄島では1945年9月に最後の日本兵を収容したそうですが、終戦後まで散発的抵抗は続いていたんだそうです。

死霊とか幽霊とかそう言う話も恐ろしいですが、生きてる人間の執念とかも充分恐ろしいなぁと。

そんな話でした。

【ブレイク】

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エレベーターの向こう側

建築法だか何だかで、5階(6階かも)以上の建物にはエレベーターを設置しないといかんらしい。

だから、俺が前住んでいた高速沿いのマンションにも、当然ながらエレベーターが一つあった。

六階に住んでいた俺が階段を使うことは全くといっていいほどなかった。

まあ、多分誰もがそうだろう。

来る日も来る日もエレベーターのお世話になった。

階段は下りるならともかく、昇るのはなかなかにツライ。

だが、ツライのは分かっていても、今の俺は専ら階段しか使わない。

大学の講義がない平日の昼頃、俺はコンビニでメシを買ってこようと部屋を出た。

1階に下りるのには当然エレベーターを使う。

エレベーターは最上階の8階に止まっていて、今まさに誰かが乗るか降りるかしているところのようだった。

俺は階下のボタンを押し、エレベーターが下りてくるのを待った。

開いたエレベーターのドアの向こうには、中年のおばさんが一人いた。

ちょくちょく見かける人だったから、多分8階の住人だったんだろう。

軽く会釈してエレベーターに乗り込む。

1階のボタンは既に押されている。

4階で一度エレベーターが止まり、運送屋の兄ちゃんが乗ってきた。

3人とも仲良く目的の階は1階だ。

だが。

エレベーターは唐突に、3階と2階の間で止まってしまう。

一瞬軽いGが体を押さえつけてきた。

俺を含めた室内の3人は、3人とも顔を見合わせた。

何だ。

故障だろうか。

停電ではないようだ。

エレベーター内の明かりには異常がない。

「どう……したんすかね」

俺がぼそりと呟く。

おばさんも運送屋も首を傾げる。

暫く待っても動く気配がない。

と、運送屋が真っ先に行動した。

彼は内線ボタンを押した。

応答がない。

嘆息する運送屋。

「一体どうなってんでしょう」

運送屋の疑問は俺の疑問でもあった。

多分数字にしてみれば、大した時間じゃなかった筈だ。

沈黙は3分にも満たないくらいだったろう。

それでも、漠然とした不安と焦りを掻き立てるには十分な時間だった。

何となくみんなそわそわし始めた頃、エレベーターが急に稼動を再開した。

おばさんが短く

「わっ」

と声を上げる。

俺も突然なんでちょっと驚いた。

しかし、だ。

押しているのは1階のボタンだけだというのに、どういうわけか下には向かわない。

エレベーターは上に進行していた。

すぅっと4階を抜け、5階、6階……7階で止まり、がらッとドアが開いた。

俺は訝しげに開いたドアを見る。

全く、何なんだ。

一体なんだっていうんだこれは。

「なんか不安定みたいだから」

おばさんがエレベーターを降りながら言った。

「なんか不安定みたいだから、階段で降りる方がいいと思いますよ。また何が起こるか分からないし」

「そりゃそうですね」

と、運送屋もエレベーターを降りた。

当然だ。

全く持っておばさんの言うとおりだ。

今は運良く外へ出られる状態だが、次は缶詰にされるかもしれない。

下手をすれば、動作不良が原因で怪我をする可能性もある。

そんなのはごめんだ。

俺もこの信用できないエレベーターを使う気などはなく、二人と一緒に降りようと思っていた。

いや、待て。

何かがおかしい気がする。

エレベーターの向こうに見える風景は、確かにマンションの七階のそれである。

だが……やけに暗い。

電気が一つも点いていない。

明かりがないのだ。

通路の奥が視認できるかできないか、というくらい暗い。

やはり停電か?

そう思って振り返ってみると、エレベーターの中だけは場違いなように明かりが灯っている。

そうだ。

動作に異常があるとはいえ、エレベーターは一応は稼動している。

停電なわけはない。

どうも何か変だ。

違和感を抱きつつ、俺はふと七階から覗ける外の光景に目をやってみた。

なんだこれは。

空が赤い。

朝焼けか、夕焼けか?

だが今はそんな時刻ではない。

太陽も雲も何もない空だった。

なんだかぞくりとするくらい鮮烈な赤。

今度は視線を地に下ろしてみる。

真っ暗、いや、真っ黒だった。

高速やビルの輪郭を示すシルエット。

それだけしか見えない。

マンションと同じく一切明かりがない。

しかも普段は嫌というほど耳にする、高速を通る車の走行音が全くしない。

無音だ。

何も聞こえない。

それに動くものが見当たらない。

上手くいえないが、『生きている』匂いが、眼前の風景から全くしなかった。

ただ空だけがやけに赤い。

赤と黒の世界。

今一度振り返る。

そんな中、やはりエレベーターだけは相変わらず明るく灯っていた。

わずかな時間考え込んでいたら、エレベーターのドアが閉まりそうになった。

待て。

どうする。

降りるべきか。

それとも留まるべきか。

今度は特に不審な動作もなく、エレベーターは大人しく1階まで直行した。

開いたドアの向こうはいつもの1階だった。

人が歩き、車が走る。

生活の音。

外は昼間。

見慣れた日常。

安堵した。

もう大丈夫だ。

俺は直感的にそう思って、エレベーターを降りた。

気持ちを落ち着けた後、あの二人のことが気になった。

俺は階段の前で二人が降りてくるのを待った。

しかし、待てども待てども誰も降りてこない。

15分ほど経っても誰も降りてこなかった。

階段を下りる程度で、ここまで時間が掛かるのはおかしい。

俺はめちゃくちゃに怖くなった。

外へ出た。

何となくその場にいたくなかった。

その日以来、俺はエレベーターに乗りたくても乗れない体質になった。

今は別のマンションに引越し、昇降には何処に行っても階段を使っている。

階段なら『地続き』だから、あっちの世界に行ってしまう心配はない。

だが、エレベーターは違う。

あれは異界への扉なんだ。

少なくとも俺はそう思っている。

もうエレベーターなんかには絶対に乗りたくない。

【お持ち帰り】

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昔住んでた市営団地

3才から20才くらいまで住んでた市営団地の話。

4階建て団地の最上階に住んでたんやけど、各階左右に部屋があって、自宅は左側。

右側の部屋はずっと空いてた。

小6くらいの時に、最上階だけ左右の部屋を繋げて間取りを広くする工事があった。

間取りが2倍になるんで『自分の部屋が手に入る!』と、妹とはしゃいでた。

で、リビングと台所と自分の部屋は左側(元々住んでた方) 両親の部屋、妹の部屋、トイレとお風呂は右側(増築分) って感じで部屋割りが決まったんやけど、どうも増築した側がおかしかった。

明らかに寒い…というか空気が違う感じ。

まぁ増築側の部屋は畳やし、水場もあるし気のせいやろと思ってたんやけど、変な現象が次々と…

妹がベットで寝てたらベットがガタガタと揺れたり、誰も住んでないはずの隣の部屋から話し声が聞こえたり(妹の部屋)

この時は妹がほぼ不登校な感じだったので、精神的な問題かなぁと思ってたんやけども…

そのうち自分も金縛りにあったり、ベランダ(増築側)のガラスに謎の顔(仏像的な)をみたり…

特に害は無いんやけども、一番嫌やったのは謎のハイヒール。

夜中の2時とか3時に、階段を上がってくるハイヒールの音が聞こえるんやけど、4階まで上がってきて音が途切れる…

降りる音は聞こえない…

これがほぼ毎日。

これは気持ち悪かった…

おかんが水商売やってたし、おとんはよく飲みにいってたし、そういう関係の幽霊を連れてきてたんかな?

まぁ一番洒落にならんのは、なんやかんやで両親離婚&家出。

妹は家出して妻子持ちと不倫、結婚。

一人取り残された俺は、バイトクビからの電気ガス水道停止、食料無し…

まぁ、今では皆幸せに暮らしてますけどね。

たまに団地の前を通るのですが、10年近くたった今でも誰も入居してません。

…やっぱり何かあるんですかね?

【裏ワザ】

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ダメな土地

うちの祖母は、いわゆる視える人なんだが、近所の大きな駐車場が宅地造成されて分譲されるって聞いたら

「あの土地はダメだ!悪い事が起こる!」

ってスッゲー激怒。

何でダメなのか聞いても

「あの土地はダメなんだ」の一点張り。

確かに、その駐車場に隣接している家にはマジ基地が何人もいる。

駐車場敷地内の大木が切り倒された頃、うちの祖母が入院した。

見舞いに行っても意識が無い状態が続き、駐車場の事を話さないまま他界してしまった。

その後、周辺では祖母が言った通り事故事件が多発している。

駅で人身事故。

殺人。

乳児遺棄夫婦の逮捕。

そして女子中学生誘拐…

マジ怖いんだけど(´;ω;`)

【ブレイク】

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失明公園

俺が子供のころ近所に失明公園っていう公園があった。

その公園で遊んでいると失明するっていう噂があってそう呼ばれてたんだけど、その噂をしってる人は近寄らなかった。

実際に失明した人がいるのかは知らないけど、目が痛くなったっていう人は同級生にたくさんいた。

だから学校の先生もその公園で遊ばないようにって言ってた。

いろいろ心霊的な噂はあったけど、結局、数年後に失明公園の隣の団地に住んでるおっさんがレーザーポインターあててたってことで逮捕されてた。

【ブレイク】