「 子供に纏わる怖い話 」 一覧
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深夜の帰り道
深夜、仕事から家に帰ってたら変な人がいた。
髪がまるで貞子みたいに長く前髪が顔を隠していて、格好も貞子みたいな白いだぼだぼの服。
そんな人が電柱に寄り掛かり、辺りを見回している。
俺は見た瞬間、回れ右して立ち去ろうとしたら、その女、異常に速い歩きで俺に近づき、
「私の子供知らない私の子供知らないねえ知らない?」
と言ってきた。
俺はめちゃくちゃビビり、
「知らない知らない警察に言え」
と喚いても女は
「子供知らない?」
の一点張り
俺はもう適当に
「あっちの一キロ先の公園にいる!」
と叫んだら女は
「本当に本当に」
と言いながら公園に向かった。
俺はその後すぐその場を離れたが、何か女に悪い事したかなと思いながら歩いてたら、パトカーに遭遇。
手をあげ声あげたりしてパトカーを止めさせ、降りた警官に先程の事を話し、精神が壊れた女を保護してやって下さいと頼んだ。
警官は俺の話を聞いた後、凄く真剣な顔で俺に
「忘れろ。それに関わるな。明日からは今から言う道で帰れ」
と言って地図を書いて俺に渡した。
なにこの展開と思ってたら、もう一人の警官が青ざめた顔で俺に
「二度と夜は今日通った道で帰るな」
と厳命した。
俺はその日以来、警官に教えられた道しか帰らないようにしている。
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ベイスターズファンの子供
3月、姉の引っ越しの手伝いで関東地方へ。
引っ越しはスムーズに進んであっさりと仕事終了。
やることねーなー暇だなーとなったので、プロ野球のオープン戦でも見ようかと計画。
調べたところ、西武ドームで埼玉西武ライオンズVS横浜DeNAベイスターズの試合があるとのこと。
次の日に、これを見に行くことにした。
当日、西武ドームに余裕で入ることができたので、屋台で食べる物買ってのんびりと食べながら選手の練習を観察。
観客も増えてきたことを実感。
ちなみにプロ野球の試合を見に来る人は、だいたいがチームのファンか家に近いから見に来るか。
俺みたいにどちらのファンでもない人間が、ぼっち観戦というのはまあまあ珍しいこと。(俺は中日ファン)
この日は埼玉西武ライオンズのホームグランドのため、多くがライオンズのファン。
その中にチラホラとベイスターズファンも。
西武の活気すごいなーと、ドームをキョロキョロしていたら突然後ろから声を掛けられた。
「お兄さん、どっち応援するの?」
振り向くと、そこにはベイスターズのユニフォームを着た子供が立っていた。
俺は
「中日ファンだから別にどっちも応援しないよー」
と言ってからまた前を向いた。
だが、この子供は結構しつこかった。
あー、中日かー、監督が不安だよねー。今年は上手くいけばうちが中日越せるかもー。ブランコもいるし、番長とか藤井がきちんと投げてくれればなぁ…(略
うるせぇ。
しばくぞくそガキ。
そんな感じで少しイライラしてきた反面、こいつ野球詳しいなと感心もした。
内容は忘れたけど、こんな感じで野球の知識を俺の耳元でペラペラ話す子供。
野球好きすぎだろ、てかベイスターズ好きすぎだろ。
ベイスターズはここ数年、リーグでも最下位ばっかだし、よく応援してられるなー。
そう思った瞬間
「早く優勝してくんねーかなぁ」
急に子供の声がおっさんのようなドスの効いた低い声になり、耳元に響いた。
え!?
驚いて振り向いたら子供はもういなかった。
その時は、じわ怖くらいのもんだったんだけど後で気付いた。
その子供、着てるユニフォームが15年くらい前のベイスターズが優勝した時のものだったんだよね。
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失明公園
俺が子供のころ近所に失明公園っていう公園があった。
その公園で遊んでいると失明するっていう噂があってそう呼ばれてたんだけど、その噂をしってる人は近寄らなかった。
実際に失明した人がいるのかは知らないけど、目が痛くなったっていう人は同級生にたくさんいた。
だから学校の先生もその公園で遊ばないようにって言ってた。
いろいろ心霊的な噂はあったけど、結局、数年後に失明公園の隣の団地に住んでるおっさんがレーザーポインターあててたってことで逮捕されてた。
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異世界
幼稚園ぐらいのとき、当時小学生だった姉の学校へ母親と迎えに行った。
親は姉が来るまで、他の子の親としゃべっていたので退屈していたら同じくらいの子がいて仲良くなって、ちょこっと学園内を探検しに行く事にした。
ちょっと歩いてたら(その時の感覚ではそんなに親から離れて無いとは思うけど)急に別世界のような場所に来た。
鮮明に覚えてるんだけど、古ーいヨーロッパの町みたいな感じ。
そのときは身体も小さいのもあるだろうけど、そこにある何もかも巨大だった。
それで、レンガ作りの家?があって、でっかい木造りの扉もあるから入ってみようとした。
その時は身体も小さく力も無いはずなのに、でっかいドアを身体で押すような感じで開ける事が出来た。
そんで内部を見ると、薄暗いまさにヨーロッパ調の高級な部屋で、巨大なソファーと巨大な暖炉があった。
暖炉の火がパチパチと音を立てて燃えていたのは鮮明に覚えてる。
で、なんか怖くなってそこから逃げたら母親の元に戻った。
ちなみにその同じくらいの子は誰だったのかは覚えてない。
実はそんな子いなかったとかそういう類いのものではないと思う。
その学校というか、学園は家から近くて今でも行くんだけど、もちろんそんな場所は無い。
ここと見間違えたのかな?と推測するような事はするけど、当時の記憶からしても絶対に違う。
思い返すとすごいファンタジーな体験。
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子供の頃の思い出
大学の同期に女の子が一人いた。
同じサークルで、結構仲よくやってた。
俺の幼なじみの友人とも気があって、三人でいることが多かった。
それで、何の時だったか、幼なじみと二人で昔の思い出話になったことがあった。
色々話してるうちに、もう一人、仲の良かった誰かがいたことを思い出した。
でも名前も顔も思い出せなくて、それでもいっしょに遊んだ記憶はあった。
なんだっけ、だれだっけなーって話をしてたところにその女の子がきた。
何の話?なんて聞かれて幼なじみと昔話しててーって経緯を話したんだよ。
それで幼なじみが橋から川に飛び込んでさー、とか。
下り坂で自転車のブレーキ壊れて田圃に飛び込んでさー、とか。
その子も、にこにこしながら聞いてたんだけど、段々怪訝な顔してきてさ。
それで、そう言えばあの時も、もう一人いたよなーって言ったら
「それ多分わたしだ…」って。
びっくりして話を聞いたらその子で間違いなかった。
遊んだ思い出のエピソードも、駄菓子屋で一緒に食ったじゃがいもばっかのおでんの値段も間違いなかった。
間違いなかったんだけど、その子はずっと東北に住んでて、俺らはずっと中部に住んでた。
それぞれ大学で初めて地元を離れた。
俺らはどこで出会ってどこで遊んでたんだろうか。
よく分からないけど今も仲は良いです。