「 子供に纏わる怖い話 」 一覧
-
-
日本刀
祖母から聞いた話。
祖母が15,6歳くらいの時、日本刀の展示販売会みたいなのに祖母の父に連れていかれて、特に興味も無くフラフラとしてたら、ある日本刀がふと目についた。
全然興味が無いけど、確かに日本刀って美しい。
買う人の気持ちが分からなかったけど、確かに美しい。
美しい。
美しいのは欲しい。
もっと近くで見たい。
自分が刃に映るのが見たい。
欲しい…
見たい欲しい…
欲しい!!!
祖母は祖母の父をつかまえて、これがいい、もう何も要らないからこの刀が欲しい、これを買って欲しいと必死に頼んだらしい。
今まで刀に全く興味の無かった娘が突然に狂ったように頼むので、ビックリした祖母の父はお金を取りに戻るからと嘘をついて、祖母を引っ張って家に戻ってきた。
祖母は、欲しい…欲しい…と繰り返してたけど、会場を離れた途端に無言になって、ちょうど家の隣にあった菓子屋の前を通った時
「かりんとうを買いましょう」
と言い、祖母の父は
「良かった治った!」
と安堵したらしい。
その刀は、切腹の時などに首を切り落とす為の刀だったそうだ(刀に詳しくないので名称知らない)
小さい頃から耳にタコができるほど繰り返し聞かされた話。
-
-
でっかい女
私には双子の妹がいる。
まあ田舎で人数が少ないから当然なんだけど、双子というのは珍しく、学校には私たち含め二組しかいなかった。
しかも、そのもう一組は同い年で同じ双子ということもあってか、小学校の時からよく遊んでた。
家も近かったしね。
この双子の家は地元の旧家?で、結構でかくて古い屋敷に住んでた。
そして家系か知らんが、代々そういうものが見えるらしかった。
(らしい、というのは私ら双子が零感だからw)
以下、二人から聞いた話。
ある日、弟の方が部活から帰ってると(兄の方は帰宅部w)遠くの方に、こちらに向かって女が歩いてくるのが見えた。
至って普通の格好だったので、その時は何も感じなかったらしい。
が、だんだん近づいてくるにつれ、とてつもない違和感に襲われた。
その違和感は女がバス停を横切った時にわかった。
背がバス停の屋根超えとる。
ってことは、あの女3mぐらいある(しかもなんか変な歩き方しとるし…)
部活帰りで疲れてるせいもあり、一瞬目を疑ったが、やはりそいつはとてつもなくでかい。
その上、俯き気味でよく見えんが、こころなしか口元が笑っているように見える。
あまりの気味悪さと恐怖で道を引き返そうかと思ったが、瞬きをした一瞬の間に女は消えてしまった。
なにがなんやら、もう涙目状態でダッシュで帰宅。
大声でわめきながら帰ってきたので、 騒々しさに家の中から出てきてた親父と片割れに事情を話したところ、ふたりとも
「あーあれねw」
という感じだったらしい。
話によると、兄は既に遭遇済み。
親父によるとなんか知らんが前からおったと。
兄曰く、
「気持ち悪いのがきたなーってまじまじ見てたら、擦れ違う時急に大声でげらげら笑いやがったから、びびったよ。化けもんだよあいつw」
お前まじまじ見んなよwこええよw
-
-
彼のトラウマ
私の彼は、長い黒髪の女にフェラされるのが嫌いです。
なんでもごくごく幼い頃の記憶に、長い長い黒髪の女に無理矢理しゃぶられた記憶があるからだそうです。
どこかの薄暗い小屋のようなところで、古いストーブの上に座らせられ、足元に跪いた黒髪の女が一心不乱におちん×んに吸い付いている・・・
彼は、なぜその女がそんなことをするのか理解できず、しかしなぜか(泣くと殺される!)という思いがあり、黙って我慢していたそうです。
途中で女が、ふっと顔を覆っていた縮れた黒髪をかきあげ、隠れていた顔が露出しました。
女の顔は異様に小さく、まるで骸骨の上に直接皮膚を貼り付けたような面立ちだったそうです。
なにより怖かったのが、女に眉毛がなかったこと。
そして眼球が絶えずぴくぴく上下に動いていたことだとか…
女の顔を見た直後、知らないおじさんが入ってきて女を殴り飛ばし、彼を救出して家まで送ってくれたところまでで記憶は途切れているそうです。
彼は長い間、その出来事が夢だと思っていました。
家族の誰に聞いても、そんな眉なしの女のことは知らなかったからです。
しかし20数年が過ぎ、仕事でN市に行った時、彼はその眉なし女に再び会ってしまったんです。
N市の古い住宅街に行った彼は、その町並みが妙に懐かしく思えたそうです。
それもそのはず、N市にはかつて彼の親戚が住んでおり、小さい頃によく遊びにきていたのでした。
懐かしさのあまりその辺を散策していた彼は、大きな公園に行きつきました。
そこの運動場で確かに従兄弟と遊んだ記憶があったので、彼はふらりとその運動場に立ち寄りました。
そこに、あの眉なし女がいたのです。
薄汚れたベンチに腰掛け、運動場で遊ぶ小さな男の子達をじーっと見つめる女・・・
髪はほとんど白くなり、顔は小じわだらけでしたが間違いなくあの女でした。
彼は恐ろしくなり、すぐに公園から逃げ出したそうです。
幼い日の記憶が夢ではなかったことがわかって、彼はますます長い黒髪の女が嫌いになりました。
私は仕事上、髪を短くすることができないので、彼の前では絶対に髪を解かないようにしています。
-
-
さっちゃん
一年前、私達と友人家族は、とある湖の近くでキャンプをしました。
昼の1時にチェックインし、テントの設営などを終え、夕食までの時間、大人は休憩タイム。
子供達は周辺で遊んでいました。
そろそろ夕食をと思い、子供達を呼んだところ、当時小1の娘だけ見当たりません。
子供達に聞いても、さっきまで一緒に遊んでいたと言うのみでわかりません。
時期がずれていたのと、マイナーなキャンプ場だったからか、キャンプ客は私達グループともう二組のグループのみでした。
見通しもよい場所なのですぐに見つかると思ったのですが、なかなか見つかりません。
すべて探し尽くし他に隠れるような場所はないはずなのに、見つからないのです。
キャンプ場の管理人さんも、こんなことは始まって以来だ、考えられないと首をひねるばかりです。
日も暗くなり、もしや湖の底に・・・と不安になり、然るべき機関に協力を要請しようと話し合っていたとき、ひょっこりと娘が現れたのです。
一体、何処にいたのか問い詰めると、さっちゃんと遊んでたと言うのです。
さっちゃんというのは、いつの頃からか名前を口にしている娘の空想の友達です。
最初は人形にさっちゃんと名付けて遊んでいるのかと思ってたのですが違ったようで、さっちゃんと人形で遊んでいたのです。
その後も思い出したように名前が出てくる程度で、このくらいの歳だと空想遊びするし、実害がなければいいかと思い放置していたのでした。
さっちゃんのことは気になりましたが、とりあえず、御迷惑をおかけした方々にお詫びと御礼をし、娘も無事に戻ってきたのでキャンプを続行しました。
キャンプから帰ってきてからの娘は普段通りで、聞けばさっちゃんの話はするものの現実の友達との遊びが忙しいためか、自ら進んで話をすることはなくなりました。
こうやって空想より現実の世界の比重が高くなるのかとホッと一安心していたある日の事です。
息子が、お姉ちゃんが知らないおじさんと部屋で遊んでいると言いに来たのです。
え?家の中に不審者が??
と、恐る恐る二階の子供部屋に行くと、娘は一人でお人形遊びをしているだけで誰もいません。
「この部屋に誰か居た?」
娘に尋ねると、
「あー、さっちゃんの事?遊んでっていうから、さっきまで一緒に遊んであげてたよ。」
なんとさっちゃんというのは、おじさんのことだったのです。
しかも娘だけでなく、息子にも見えた??
空想じゃなくて誰かが家に忍び込んだのか?
何年も前から?
パニックになりつつ、とにかく子供達にはそのおじさんとは絶対に遊ばないように言い聞かせました。
夫にその話をしたところ、そういえば子供にしか見えないおっさんの話があったよなと言い始めました。
確かに昔、そんな話があった気がします。
口裂け女系の都市伝説で細かい事は忘れましたが、子供にしか見えないおじさんがいて、ついていったら帰ってこれなくなるとかそんな話です。
その話と今回のこととの関連もわからず、当然解決法も思いつきません。
結局、どうすることもできず、不安と気持ち悪さを感じながら毎日を過ごしていました。
そして、それからしばらくたった頃の話です。
夜中に目が覚め、ふと目をやると真っ暗なリビングの滑り台をスーと娘が滑っていました。
少し説明すると、我が家はリビングに併設している和室に布団を敷いて家族で寝ていて、リビングには子供用のジャングルジムと滑り台が一体化した遊具を置いています。
あまりにもびっくりして、声をかけずにその光景を眺めていました。
よくみると娘の隣に人影がみえます。
暗くて良く分からないのですが、大人のようです。
夫は隣で寝ています。
これがさっちゃんなんだと確信して、思わず娘に、
「こっちに来なさい」
と叫んでしまいました。
急に声をかけられ、びっくりした娘がこちらに来ようとしましたが、その人影は娘の手を掴むと暗闇の方に引っ張り始めました。
私は慌てて布団から飛び出ると娘を抱きかかえ、その人影の手を振り解きました。
しかし、振り解いても振り解いても掴まれるのです。
よく見ると腕は一本だけではなく、5、6本あるようでした。
驚きすぎると声が出せないようで、無言でその手と格闘しました。
後で考えると、すぐそばに夫がいたので助けを呼べたはずなのですが、全く念頭にありませんでした。
人影は1つで、顔をあげたらすぐそこにあったのですが、見てしまったら最後のような気がして顔をあげることができず、結局さっちゃんの顔を見ることはできませんでした。
ようやく手を振り解いて布団の方へ戻りました。
幸い影は追いかけて来ず、暗闇に留まっていました。
1時間、ひょっとしたら10分くらいだったかもしれません。
ふっと気配がなくなり影は消えてしまいました。
そうなってやっと夫の存在を思い出し、叩き起しました。
夫は口には出しませんが、私達2人が寝ぼけていたと思っているようです。
私自身、ひょっとしたら夢だったのかもと思うこともあります。
ただ、娘も私も同時に寝ぼける事があるでしょうか?
あの腕の感触は夢ではないはずです。
あれから、さっちゃんは娘の前には現れていないそうです。
なんとなく、もう娘の前には現れないと確信しています。
-
-
池へ伸びる紐
20年以上前、小学校低学年の頃の体験談。
両親の田舎が瀬戸内海にある島なんだけど、毎年夏休みになると帰省してた。
東京育ちの自分には、綺麗な海やら山やらで遊ぶのが物凄く楽しかった。
一番楽しみだったのは、東京ではデパートくらいでしかお目にかかれないカブトムシやらクワガタやらを近くの山でザクザク捕まえられる事。
その山には結構大きめの池があって、子供だけで行く事を禁止されてたんだけど、貴重なお盆休みの、しかも早朝から虫取りなんかに付き合ってくれるような大人がいなかったんで、その日も朝4時前から一つ年上の従兄弟と一緒に山に突撃。
暫く二人で夢中になって虫取りしてたら、どこからかシュッシュッて感じの音が聞こえる。
最初はなんか虫とか鳥の声だろと気にしてなかったけど、よく聞いてみると、どうも子供のすすり泣きっぽい。
同じように虫取りにきた子供かな?
まだ薄暗いから転んでケガでもしたのかな?
と思って、従兄弟と一緒に泣き声のする方向に向かっていったら、池の淵で3~4歳くらいの子供がシクシク泣いてる。
周りには誰もいない。
流石にこんな小さい子が一人でいるっておかしいだろ?
と子供心に思ったんだけど、それより妙だったのが、その子の腰の辺りに括られた帯みたいなヒモが池の中にまで延びてる。
そのヒモを目で追ってみると、何かがプカプカ浮いてる。
そこからもヒモが延びてて、少し先に同じように浮いてる物に繋がってる。
そんな感じで、数珠繋ぎに1.5m間隔くらいで合計6個の何だかわからん物が連なって池に浮いてる。
なんだこりゃ?
と思ってたら、それまで弛んでたヒモがピン!と張って、子供が池に引っ張られてく。
あっ!と思ったその瞬間、体が動かなくなった。
視界の端で、従兄弟も同じように固まってるのが分かる。
金縛りとかって概念がなかったから、軽くパニクってた。
やばいやばい、あの子何に引っ張られてんだ?
もしかしてワニ?
ワニって日本にいたっけ?
じゃ妖怪だ!助けて鬼太郎!
そんなアホな事考えてるうちにも子供はどんどん池に向かってるんだけど、その動き方に何か違和感を感じる。
人間が歩くときって当然足が動くはずなのに、その子は一切足を動かしてない。
氷の上を滑るように、ゆっくり池に向かってる。
アホな自分は『やっぱ妖怪パワーで引っ張られてる!』
という結論に達したんだけど、流石に従兄弟は一つ年上だけあって、リアルでこの世の者じゃないと気付いたんだろう。
「南無阿弥陀仏、南無阿弥陀仏」
と唱え始めてた。
結局、子供が完全に池の中に消えたと同時に体が動くようになり、一目散に山を下りてった。
家に帰って、大人達にさっき見た光景を話したんだけど、興奮してるもんだから要領を得ない。
大人達も、最初はどっかの子供が溺れたんじゃないかと思って慌てて消防団とかに連絡しかけたんだけど、
オレが「妖怪の仕業だ妖怪の仕業だ」って妙な事言うから少し落ち着かせて、オレから細かい話を聞き出した。
そしたら信じられないって顔しながらも、何か思いあたる節があるのか、オレと従兄弟を庭に連れ出して塩を振りかけ始めた。
一応、消防団には連絡して人を見に行かせたらしいけど、特に何もなかったらしい。
結局その後は、大人達にどうだったか聞いても、寝ぼけて夢でも見たんだろってはぐらかされるだけ。
何年も後にようやく聞き出したのは、件の池で何十年も前に、ある一家が入水自殺をしたって事。
時間帯はやっぱり3時~4時位だった事。
(近くの民家の人が、子供の泣き声を聞いたらしい)
その人数が7人だった事。
その際に、全員がヒモで体を繋いでた事。
地元の人達の間では、その池は別名『七人心中の池』って呼ばれてる事。