「 子供に纏わる怖い話 」 一覧
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連れて行く
知り合いから聞いた話です。
彼女の弟は霊感が強いらしく、小さい頃からよく
「そこで男の人が見てる」
と泣き出すようなことがあったそうです。
そんな話を聞いた叔父さんが、
「そんな奴、叔父さんがみーんな連れていっちゃうから安心しろ!」
と笑いながら言いました。
叔父さんが帰るとき、弟は窓から帰っていく叔父さんをずっと見ていたそうです。
そして後から
「何か見えてたの?」
と聞くと、
「叔父さんが歩いてる先に髪の長い女が立っていて、髪をクシでとかしながらずっと叔父さんを笑いながら見てた。叔父さんがその女の横を通り過ぎても、女は叔父さんの後姿をずっと見てたよ。それと…」
そこで言葉を切って
「叔父さんの後ろにはズラーって行列ができてて、本当にみんな叔父さんの後ろについていってた。」
その叔父さんは、それからすぐに身体を壊し入院したそうです。
その知らせの電話がかかってきた時、弟はうつむいてすぐ部屋に行ってしまい、それから弟はもう自分が見えることを家族にも話さなくなったと言っていました。
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猫ばあちゃん
子供の頃、近所に『猫ばあちゃん』って呼ばれている優しいお婆さんがいたんだ。
当時80才くらいかな?
なぜ猫ばあちゃんなのかと言うと長くなるが、まず、実はこのお婆さん全く言葉が喋れない。
ただ猫みたいにニャーニャーと奇声を発する。
いつもニコニコして俺たちと公園で遊んでくれた。
言葉が喋れない代わりに、まるで猫のように喉をゴロゴロ鳴らしていた。
んでヨボヨボのくせに、メチャクチャ木登りが早かった!(今考えるとありえないスピード)
…だが、やがてファミコンブームが来てあまり外で遊ばなくなってからは、猫ばあさんとも会わなくなった。
そして数年が経ち、ふと懐かしくなって猫ばあちゃん元気かな~?ってなにげなく親に聞いてみた。
しかし!親は不思議そうに、
「そんな人は知らない」
と言うのだ。
友人の親達も全員、やはりそんな人は知らないし存在しないと言う。
…じゃあ一体、俺たちと遊んでくれたあのばあちゃんは何なの!?
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時空のおっさん
20年近く前の話になります。
当時、私は小学4年生でした。
近所にすり鉢状の滑り台がある公園があり、それはとても変っているので小学生には大人気で、学校終わってすぐ行かないと取り合いや順番待ち、横暴なジャイアン的上級生の圧政など、面倒なことが増えます。
なので、その日も学校が終わったら、親友のT君とその公園で会う約束をして、走って帰りました。
家に帰るとランドセルを放り投げ、自転車に乗り猛烈に漕ぎました。
最初は何も考えてなかったのですが、何か変だと思い停まったのです。
すると、さっき渡ったはずの信号が、遠くの方にみえました。
というより、今自分が停まってる所はさっき通った所なんです。
どこから同じ道だったのかわかりません。
ただ、その公園へは毎日のように行ってたので、道を間違えるはずもなく、景色も覚えています。
なのに、『はい、今からさっき通ったとこ』という瞬間がわかりませんでした。
いつのまにか同じ道だったのです。
そして、おかしいのが全く人気がないのです。
何の変哲もない住宅街ですが、いつもなら立ち話する主婦、道路で遊ぶ子供、大きい道に抜ける車、なにかしら人の動きがある道です。
それが全くない。
家の中は見えませんが、家自体に人の気配がないのは、子供ながらに感じました。
騒音も全くありませんでした。
とにかく、数百メートル先の信号まで行くことにしました。
でも、漕いでも漕いでも何故か近づけないのです。
はっきりとは見えませんが、信号がだいぶ先に固定されていて、信号のちょっと手前の風景だけが流れている感覚。
どんだけ漕いでも着かないので、遂に疲れ果て、漕ぐのを止めました。
そしてだんだん心細くなって、泣き出したのです。
わんわん泣いていると先の角から、年の頃は40ぐらいのおっちゃんが歩いてきたのです。
今思うと、携帯電話で話しながら歩いてきました。
(当時は携帯電話はなく、トランシーバーだと思った)
そして泣いてる私を見つけると、
「いた、いたわ」
と言い近づいてきて、
「よしよし、怖かったな、お家に帰ろうな」
と言い、頭をなでられた瞬間、いつの間にか騒音もいつも通り。
なんかよくわからん内に、何もかも元に戻ってました。
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知らない女の子
俺の親父は教師で、俺は小学校二年まで教員住宅に住んでたんだ。
俺の家の裏は林になっていて、そこに『そこなし沼』って俺らの間で呼ばれてた沼があったんだ。
ほんとはちょっとした水溜りのようなもんだったんだけど、その周りではクワガタがたくさん捕れるんで、よく友達と遊びに行ってた。
ある日の事、いつものように友達とクワガタ捕りに行くと、その沼の奥になにやら白い人影が見える。
白いワンピース着た中学生くらいの女の子。
普段人気のまったくない所だし、道なき道を泥まみれになりながら進まないと来れないような場所だったんで、不信に・・・は思わなかったw
小学生だしね。
「遊ぶ?」
って尋ねると、その女の子は
「ちょっといい所しってるんだ。カエルがいっぱいいて面白いよ」
って言って、俺の手を引っ張って工事現場みたいな所に連れて行かれた。
近くには田んぼがあって、確かにカエルがウヨウヨいた。
その女の子とカエル捕まえたりして遊んでるうちに遅くなったんで、その子と別れて家に帰る事にした。
初めて来た場所とはいえ『そこなし沼』からはそう離れてなかったし、沼までたどり着けば後は勝手知ったる土地。
暗くなり始めてはいたけど、10分もあれば着けるだろと思ってた。
そして沼も通りすぎて我が家が見えてきた。
「ただいまー」
いつものように玄関を開けると、なんだか様子がおかしい。
いつもはまだ帰ってきてないはずの父がいる。
いつもの我が家とは違う変な空気。
「お前・・・何処行ってたの!!!」
突然母に怒鳴られた。
わけがわからない。
「探したんだから!近所中で!」
時計を見てみると、なんと深夜の二時。
外を見て愕然とした。
闇。
とても林の中を歩いてきたとは思えないくらい真っ暗。
さっきまで、ちょっと日が落ちかけたくらいだったのに・・・
結局その後、さんざん怒られて、この事は俺が道に迷ったって事でかたがついた。
あまりに不思議な出来事だったんで、俺と一緒に遊んでた友達にも聞いてみた所、
「昨日お前と遊んでないじゃん」
と言われた。
確かに思い出してみても、友達との記憶は沼までで途切れてるんだよね・・・
そこからは、なぜか俺と女の子との記憶しかない。
沼から帰ってきた時も一人。
最近この話思い出したんで、親にも聞いてみた。
「全然知らなかった・・・気持ちわる・・・あの時さぁビービー泣くと思ってたんだよ。怒った時さ。でもあんた、なんかボーっとしてるんだよね。確かにちょっと気味悪かったよ。それに、あそこ工事現場も田んぼもないよ。ただの山だもん」
俺が深夜遅く一人で帰って来て、様子が変だったって所までは事実っていえるんだけど・・・その他の記憶はいったいなんなんだ。
冷静に考えると、俺は一人で沼に行って、一人で深夜二時頃まで沼で遊んで帰ってきた、って事になるんですよね・・・
ほんとどうしちまったんだ俺?ですよ。
何度思い出しても寒気がします。
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子供投げ落とし事件
数年前。
マンションの高層階から小学生を投げ落として殺し、その後、マンション掃除の女の人を投げ落とそうとしたけど未遂に終わった事件があった。
その犯人が写った防犯カメラの映像が公開されたんだけど、画質が良くなくてブレてたせいか、犯人の顔がドクロのような不気味な顔になっていた。
「子供が異常に怖がるから、もうテレビであの映像を流さないでくれ」
とテレビ局に電話が何件も来たとか。
オカ板で霊能者(自称?)達が
「あの顔は死神が取り付いてる。死神は画像越しでもやって来るからあの映像は観ない方がよい。」
とか言い出して、すごく怖かった覚えがある。
犯人は子供も居る4、50代の普通の男だったと思うが、ある日突然見知らぬ人に高い所から投げ落とされて死ぬなんて絶対嫌だ。
怖すぎる。