怖っ!怖っ?怖い話

いろんな怖い話を集めています。

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「 自宅での怖い話 」 一覧

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お母さんですよ

携帯買ったばっかりの頃、非通知着信がやたらと多かった。

ある日の朝方、また非通知から電話が掛かってきたらしく今度は留守録が残ってた。

再生したらおばさんっぽい声で、

「あなたのお母さんですよ。あなたのお母さんですよ。あなたのお母さんですよ。あなたのお母さんですよ。」

って、時間一杯に入ってた。

もちろん、かーちゃんに聞いてもそんな事やってないと言われる。

留守録は、その日のうちにまた入れられてた。

今度は、

「宮城のお母さんですよ。玄関が開いていませんよ。宮城のお母さんですよ。玄関が開いていませんよ。」

延々これ。

そんでその日、学校が終わって家に帰ったら玄関脇に停めてあった兄貴の自転車のカゴに、

「来ました」

とだけ、書かれたメモが入れられてた。

今でも何だったか謎。

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肉塊

小さい頃住んでた借家が薄気味の悪い家でね。

近くにお墓がいっぱいあった。

近所では事故や火事が沢山おこっててね。

近くのタバコ屋やってたばあちゃんの家も火事になった。

築何百年かという大きい茅葺き屋根のお屋敷でね。

その家にはタバコ屋のばあちゃんと、その子供のおばちゃんの2人が住んでたんだけど、2人とも火傷程度で難を逃れたのだけれど、焼け跡から巨大な肉塊が発見されたんだ。

その焼けたお屋敷にはどうやら座敷牢があったらしく、消防団が中に入った時には、中でものすごい勢いで燃えてたらしいんだ。

弟の友達のお父さんが消防団やってて、一番に入って行ったから後で聞かせてもらった。

新聞にはその肉塊の事は載ってなくて、居なかった事にされちゃったんだけど、タバコ屋は駄菓子も売ってて、俺が小学生の頃、よくお菓子買いに行ってて、ばあちゃんが古い漫画をくれたんだよね。

ばあちゃんが読まないような少女漫画ばっかりだったから、この本誰のだろうって疑問はあったけど、漫画が結構面白かったから、いつももらってた。

今思えば、その漫画を通して唯一世間と繋がってたのかなって、、、

んで、火事から数週間が過ぎた時に事件がおこった。

火事から数週間過ぎた頃に、その焼け跡に車が突っ込んだのね。

直線道路なのに、どうやったらそこでハンドル切るんだろうって謎な事故で、運転してた20歳の男の人は即死だった。

座敷牢の人に呼ばれたのかなって思った。

それから、そのお屋敷跡の前の道路で事故がまぁ起こる起こる・・・

1年で8件の事故がおこった。

そして周辺で火事も多発し始めて、警察も気がついたのかどうか知らないけれど、座敷牢の人について、聞き込みをしていた時期があったんだ。

ある日、神主さんが焼け跡と近所の無縁仏のお祓いをしてて、そのしばらく後に道路が拡張される事になった。

事故が多発した為だろうけど、その拡張工事がどうにもおかしいんだ。

拡張工事が始まる少し前に我が家は引越したのだけど、近所に住んでた友達の家に遊びに行く時に、数年ぶりにその道路を自転車で通った。

そしたら焼け跡にはアパートが建ってて、普通の光景だったんだけど、その横にトタンで覆われたエリアが道路のど真ん中にあるわけ・・・

それは無縁仏のあった場所で、2車線の道路がいきなりそこで1車線になって、道路の真ん中にポツンと存在してるんだよ。

んで、その前後に道路標識の『黄色にビックリマーク』という意味のわからんのが、10本くらい立ってて、まあ、一目見て異様な光景だったんだ。

だったというのは、現在はそのエリアも取り壊されて普通の2車線道路になってる。

あまりにも気持ちが悪い光景だったので、写真でも撮っておこうかと、使い捨てカメラを持って友達と冗談半分で写真を撮ろうとしてた時に、たまたまそれを見てた近所のおじさんが、ものすごい勢いで怒鳴りつけてきた。

怒鳴りつけてきたおじさんが怖すぎて、俺も友人も一目散に逃げたのだけど、

おじさんは『祟られるぞ!!』って怒鳴ってた。

んで、その後に友人と話をしてて、タバコ屋の火事の話になって、タバコ屋にもうひとり人がいたの知ってる?って聞いたら、どうやらそいつも小学生の時にタバコ屋で駄菓子を買った時に漫画をもらったらしい。

肉塊の噂はお互い知ってたから、あの人の漫画だと思う?って聞いたら、そいつその時になって初めて気づいたみたいで、顔が真っ青になって、漫画はまだ家の本棚にあるからお祓いしてもらわないとって事になった。

んで、友人の家にいって漫画の事を親に話して、近所の神社にお祓いに行く事になった。

そんで神主さんに友人の親が電話で事情を話して、俺と友人は神社に着いた時には神主さんが待ってて、事務所みたいなとこでしばらく待たされている間に、神社に警察がやってきた。

俺も友人も、近所であった事故と火事の事を、覚えている限り、根堀り葉掘り尋ねられた。

神主さんが警察を呼んだのだろうけど、どうやら肉塊の事を聞き出したいのはわかった。

案の定、その話になって、俺も友人も存在は聞いたけど、見たことは無いし、この漫画がその人の物かどうかはハッキリとわからないとしか答えられなかった。

その1週間くらい後に、友人から聞いたんだけど、タバコ屋の横にあった古い無縁仏のお墓に、どうやら肉塊が埋葬されたという話を親がしてたそうだ。

どういう繋がりで、どういう人物なのかは知らないのだけれど、そういう一族がタバコ屋のばあちゃんのお屋敷に居たというのは間違いないらしい。

そして、友人がその後、怖い事を言い始めた。

トタンに覆われたその無縁仏の墓を覗いて、名前を見たという。

タバコ屋のばあちゃんの苗字は『W』

無縁仏は『T』苗字が違う。

身内ではなかったというのは、そこではっきりしたが、俺も友人も、それが誰なのか知りたくて知りたくてしょうがなかった。

当時中学生だったので、好奇心が恐怖よりも先にきて、変わった苗字だったので調べてみることにした。

俺と友人はまだ中学生だったので、役所で謄本を調べるとかはちょっと無理だと思ったので、市立の図書館で色々と調べてみたのだけれど、その苗字の手がかりは掴めなかった。

2週間くらい、郷土資料館やらも合わせて調べてみたのだけれど、全く成果が無くて結局謎のまま有耶無耶になってしまったのだけれど、それから10年以上過ぎて遂にその苗字を耳にする日がきた。

その変わった苗字を耳にするというより、本人を見つけてしまった。

仕事の関係で会った人なのだけど、どうやらこの人が肉塊の謎を解く重要人物かもしれないと、このチャンスを逃したら一生、肉塊の謎は解けないと思い、近づいてみることにした。

が、今思えば迂闊だった・・・

肉塊一族で間違いはなかった。

無縁仏のあった場所は、現在では直線道路になっていて、お墓はどこか他の場所へ移されているのだが、それが『T』さんの元にあるのは恐らく間違いないと思う。

道路を最初に拡張する時に、さっさと公共墓地にでも移せばいいものを、それをしなかったということは、身内の存在があって何か衝突でもしてたのだろう。

今思えば、警察がわざわざ神社にやってくるなど余程の事だ。

あの時、警察は『T』さんを知っていたのではないだろうか。

そして現在、肉塊は『T』さんの元で供養されているはずなのだ。

俺がもっと早くにこの事に気づいていれば、肉塊の祟りを受けることも無かったかもしれない。

『T』さんに探りを入れたのが間違いだったのだろう。

当たり障りないように、

「変わった苗字ですが、地元の方ですか?」

と聞いた瞬間、顔色が変わったのがわかった。

中学生の時まで地元にいたという話だけで、後ははぐらかされた。

『T』さんと会ったのはそれが最後で、仕事先でも会う事はなかった。

が、どうも俺はその時、『T』さんと一緒にいた肉塊の霊を連れてきてしまったようで、奇妙な事が身の回りに起こり始める。

それまで金縛りにあったことは無かったのだが、肉塊を連れてきたであろうその晩、金縛りになった。

低い声が聞こえて、仰向けの俺の腹の上に黒い何かが乗っている。

体がぴくりとも動かず、油汗をかきながらウンウンとうなっていた。

体が疲れていて、脳だけが覚めている状態で金縛りは起こるらしいが、そういうものではなく、体を何かが押さえつけている感覚だった。

この時、初めて金縛りにあったのだけど、小学生の時、まだ薄気味の悪い借家にいた時、俺の母親も同じものを見た話を思い出してゾッとした。

小学生だった時のある晩、母親が血相を変えて、俺と弟が寝ている部屋へ飛び込んできて、さらにそこで「エーっ?!」という悲鳴をあげたことがあった。

何があったのかと聞くと、母親の枕元に誰かが近づいてきて、そこで座って動かないものだから、俺か弟のどちらかが、いつまでも寝ずにウロウロしていると思い、早く寝なさいっ!と叱りつけたら誰もおらず、慌てて俺と弟を見に行ったら二人とも熟睡している。

枕元に黒い何かが座ったと言ってたのだが、俺の元に現れたのもそいつなのだろう。

母親が黒い影を見たのは、肉塊が死んだ少し後の事だった。

俺は初めて金縛りにあった翌日、交通事故を起こした。

仕事先に向かう途中で、見通しの良い直線道路で時速は50キロ程度だったのだが、体が重くなり、あっと思った瞬間、民家の壁へ突っ込んでいた。

俺はそこで気を失ってしまったのだが、目が覚めてまっ先に肉塊の事を思い出した。

あのお屋敷の前で起こり続けた不可解な交通事故を、自分が起こしてしまった。

ここで俺は肉塊に取り憑かれている事を確信して、肉塊に連れて行かれるのではと怯えた。

事故で頭と胸を打撲していて、右足にもケガをしていたが、俺はとにかくこれはマズイと、その足でお祓いを受けに行く事にした。

事情をよく知っているであろう、あの神主の元を訪ねてみた。

神主はもう亡くなっていて、当時の事情を知る人はいなかった。

火事の事、無縁仏の事を伝えてみたが、誰も知らなかったが、地縛霊のようなものに取り憑かれていると伝えると、お祓いを簡単にしてくれた。

それがとても簡単すぎるものだったので、俺はこれはダメなんじゃないかと不安になったが、案の定駄目だった。

それからも黒い影が度々俺の元に現れた。

事故のケガはさほど重症でもなかったが、胸がとにかく苦しく、黒い影がひどい時には4時間ほど俺の体を押さえつけて、精神がすっかりまいってしまって仕事には出られず、会社も辞めてしまった。

お祓いというよりも、供養が必要なのではないかと思って『T』さんにどうにか連絡を取ろうとしたが、辞めた会社は取り合ってくれなかった。

とにかく供養をしなければと、部屋にはお清めの塩を盛り、線香を3本立て、成仏してください成仏してくださいと唱え続けたが、黒い影は現れ続け、お寺の住職に相談してみたところ、霊が生前に好きだったものをお供えして供養してあげてくださいと言われた。

俺は肉塊が生前、何を好きだったかなんて知らないし、肉塊になったほどだから、やはり肉なんだろうかと、牛肉をお供えしてみたがその夜も金縛りにあった。

肉塊が好きだった物、そうだ、漫画が好きだったに違いない!

タバコ屋のばあちゃんはあんな少女漫画読まないだろうし、肉塊が座敷牢で読んでいた漫画をお供えしてみよう、俺はそう思って本屋へ少女漫画を買いに行った。

俺が小学生の時、タバコ屋でもらった肉塊の少女漫画。

全部で20冊くらいはもらったはずなのだが、タイトルを忘れてしまっていた。

だけどその中に、俺がすごく面白いと思ったものがあって、パパと私という漫画をよく覚えていてた。

片親の大工のお父さんが子供のミヨちゃんにお弁当を作ったり、裁縫をしたり、ほのぼのとした少女漫画があった。

肉塊はこういう少女漫画が唯一の社会との接点で、外の世界を知るには漫画しか無かったのだろうと思うと、俺は取り憑かれているにも関わらず、本屋でパパと私を手にした時、涙がこぼれて止まらなくなってしまった。

パパと私の話の中に、晩御飯はカレーにしましょうという話があって、大工のお父さんが悪戦苦闘してカレーを作るのだけど、俺はその話をよく覚えていたので漫画と一緒にカレーの材料を買って来て、カレーを作ってあげることにした。

肉も多めに入れておいた。

そして、漫画とカレーをお供えに、線香をあげて供養をした。

不思議というか、やはりというか、その日の夜から黒い影は現れず、金縛りにもあわなくなった。

俺は肉塊を供養することに成功したのだろう。

それ以来、一度も彼女には会っていない。

あれだけ苦しめられた肉塊の存在が、何故か最後の日は少女漫画のミヨちゃんのように思えて、俺のそういう思いが伝わって成仏してくれたのだろうと信じる。

俺はあれ以来、カレーを作ると肉塊の行方が気になってしょうがない。

無事に成仏できず、この世を彷徨っているとしたら、また誰かの元に黒い影となって現れているのかもしれない。

もしあなたが金縛りにあったり、黒い影に取り憑かれたらカレーを作って、どうか肉塊の事を少しだけ思い出して、心の片隅で供養してあげてほしい。

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やってくる

漏れにはちょっと変な趣味があった。

その趣味って言うのが、夜中になると家の屋上に出てそこから双眼鏡で自分の住んでいる街を観察すること。

いつもとは違う、静まり返った街を観察するのが楽しい。

遠くに見える大きな給水タンクとか、酔っ払いを乗せて坂道を登っていくタクシーとか、ぽつんと佇む眩しい自動販売機なんかを見ていると妙にワクワクしてくる。

漏れの家の西側には長い坂道があって、それがまっすぐ漏れの家の方に向って下ってくる。

だから屋上から西側に目をやれば、その坂道の全体を正面から視界に納めることができるようになってるわけね。

その坂道の脇に設置されてる自動販売機を双眼鏡で見ながら、

「あ、大きな蛾が飛んでるな~」

なんて思っていたら、坂道の一番上の方から物凄い勢いで下ってくる奴がいた。

「なんだ?」

と思って双眼鏡で見てみたら、全裸でガリガリに痩せた子供みたいな奴が、満面の笑みを浮かべながらこっちに手を振りつつ、猛スピードで走ってくる。

奴はあきらかにこっちの存在に気付いているし、漏れと目も合いっぱなし。

ちょっとの間、あっけに取られて呆然と眺めていたけど、なんだか凄くヤバイことになりそうな気がして、急いで階段を下りて家の中に逃げ込んだ。

ドアを閉めて、鍵をかけて、

「うわーどうしようどうしよう、なんだよあれ!!」

って怯えていたら、ズダダダダダダッって屋上への階段を上る音が。

明らかに漏れを探してる。

「凄いやばいことになっちゃったよ、どうしよう、まじで、なんだよあれ」

って心の中でつぶやきながら、リビングの真中でアイロン(武器)を両手で握って構えてた。

しばらくしたら、今度は階段をズダダダダッって下りる音。

もう、バカになりそうなくらいガタガタ震えていたら、ドアをダンダンダンダンダンダン!!って叩いて、チャイムをピンポンピンポン!ピポポン!ピポン!!と鳴らしてくる。

「ウッ、ンーッ!ウッ、ンーッ!」

って感じで、奴の呻き声も聴こえる。

心臓が一瞬止まって、物凄い勢い脈打ち始めた。

さらにガクガク震えながら息を潜めていると、数十秒くらいでノックもチャイムも呻き声も止んで、元の静かな状態に……。

日が昇るまでアイロンを構えて硬直していた。

あいつはいったい何者だったんだ。

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屋上の物音

いわゆる団地の5階に住んでる。

お金がなくて、築、結構行った5階立ての5階が、空き部屋になっていたので借りた。

もちろんエレベーターなんかもない。

住み始めて1年、住み始めた当初は気づかなかったが、いつ頃からか屋上をパタパタ人が歩いている足音がする。

昼でも夜でも。

ふと、気づくとパタパタ歩いていく音が聞こえる感じ。

別に気にしては無かった。

昨日、この前の強風のせいでアンテナの調子が悪くなったらしく、屋上へ上がるために脚立を持った業者さんがやって来た。

団地住んでる人は分かるかな?

屋上へ通じる丸穴があって、その下に脚立置いて上がるんだけど、音立てそうだからって、わざわざ業者さんが俺の家にも挨拶に来てくれた。

だから冗談のつもりだったんだけど、

「前から屋上で足音がするので、何か見つけたら教えて下さいね」

と伝えた。

業者さんは苦笑いしながらも、怖いこと言わないで下さいよ、と。

作業は無事終了したらく、特に何もありませんでしたよと言って帰っていった。

問題はその日の夜、つまり昨夜なんだけど、屋上の足音がいつもと違った。

俺がトイレに立つと、まるで後をつけるようにパタパタ音がする。

今までは俺とは無関係に、あっちこっちへ歩いて行くような音だったのに。

トイレに着いて、なんか怖いのでいつも換気用に開けっ放しにしている窓をすぐに閉めた。

そしたら、曇りガラスに明らかに上から頭を下げたシルエットが。

マジでびっくりして、すぐトイレから出て、大家の非常連絡先に電話して状況を伝えたが、全然信じてもらえない。

もう本当に怖い。

明日にでも引っ越したい。

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チャイムが鳴る

ある蒸し暑い夏の夕暮れ時、俺は2階で昼寝をしていた。

「ピンポ~ン、ピンポ~ン」

誰か来たようだ。

俺以外、家には誰もいないし、面倒くさいので無視して寝ていた。

「ピンポ~ン、ピンポ~ン」

「ピンポ~ン、ピンポ~ン」

それから、しばらく一定のリズムをつけつつ、鳴り続けるチャイム。

なんだよ、しつこいなあ。

一体誰が来たんだ?

2階の俺の部屋から、玄関をそっと見ると、白っぽい服を着た40歳位のおばさんが、麦藁帽子を被ったお揃いの白い服を着た女の子を連れて、チャイムを押しているようだ。

最近流行りの子連れ宗教勧誘か?

全く面倒くさいなあ、とりあえず出てやるかと思い、下に下りて玄関を開けると誰もいない。

なんだよ、もう行ったのか。

せっかく出てやったのに。

もう1回寝ようと、再び2階の自分の部屋で横になった。

すると、

「ピンポ~ン、ピンポ~ン」

また鳴った。

窓から見ると、またあの親子だ。

なんなんだ一体!

俺は半分キレぎみで下へ駆け下りた。

その間も、ず~と一定のリズムで鳴り続けるチャイム。

玄関のドアをバ―ンと開けて、怒鳴りつけようとして・・・・誰もいない。

ドアを開ける直前まで、確かに鳴っていたのに。

隠れる場所なんてどこにもないし、どんなに足が速くても、一本道の突き当たりにある家から見えなくなるはずがない。

しばらくポカ~ンとその場で立っていると・・・

「ピンポ~ン、ピンポ~ン」

目の前のインターホンには誰もいないのに、チャイムが鳴り響いた・・・

俺はダッシュで家に入り、鍵を閉め、部屋にカーテンをして、布団に入って震え続けた。

それからしばらくチャイムは鳴り続けた。

もう1回窓から玄関を見下ろす事は、どうしても出来なかった。

次の日の朝、親に叩き起こされた。

「あんたに手紙。女の人からみたいよ」

にやにやしている。

新聞を取りに行って、見つけたらしい。

白い封筒に名前は書いていない。

なんで、これで女だって分かるんだよ!

とりあえず開けて見ると、綺麗な文字で

「なにかがあなたの家へ入ろうとしています」