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泊まりがけの行事
自分が小学校4年~中学校2年になるまでに体験した不可解なこと。
自分の学校には、移動教室なる泊まりがけの行事があった。
泊まる所は毎年同じ所だった。
その施設に初めて行った小4の時からそれは始まった。
初日の就寝後のことだった。
ふと気がついたら、自分は電気のついてないトイレで、洗面台の鏡をずっとのぞき込んでいたのだ。
水はジャージャー流れてるし、知らない内に顔を洗っていたのかびしょびしょだし。
一体どの位そこにいたのかわからなくて、慌てて部屋に逃げ帰った。
翌日になって、寝ぼけていたんだろうと自分に言い聞かせてみた。
だけど、次の日も電気のついていないトイレで鏡を見ていた。
自分は怖くなって、泣きながら先生の所に行った。
以来、中2まで、その施設に行くたび同じ経験をした。
本当に謎だった。
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屋上へのエレベーター
3年くらい前の夏。
当時勤めていた会社のビルでの出来事です。
会社はビルの7階(たぶん)にあり、エレベーターに乗って帰ろうとエレベーター乗り場に行きました。
夜9時半くらいのことで、周りは非常灯程度の明るさでした。
9階で止まっていたエレベーターが7階に着き、乗ろうとしたその時、中に40代~50代くらいの女の人が乗っていました。
あれ?9階で止まったままだったし、8階で止まった様子もなかったよな?
と思いましたが、疲れていたし早く帰りたかったので、まあいいやと思い、エレベーターに乗り込み、1階のボタンを押しました。
すると、その女性に話しかけられました。
「これって、屋上へは行かないの?」
驚いて彼女を見ると、泣いています。
何でこんな時間に屋上・・・?それに何で9階でずっと止まってたんだ?
と思いましたが、とりあえず
「この時間はたぶん閉鎖されてると思いますよ」
と返事をしました。
するとさらに泣き出しました。
え?まさか自殺志願?なになに、どうしよう困ったな。
と思いつつ、他に何もできず、ひたすら彼女を慰め励ましていました。
こんな年(当時23歳)の、しかも見ず知らずの小娘の言う励ましが、どの程度彼女に届いたかはわかりませんが、彼女はビルの出口までついてきて、泣きながら
「ありがとう、あんたいい子だね。あんたにはきっといいことがあるよ」
と、お礼のようなことを言ってきました。
なんとなく不安だったので、タクシーにのせるか、駅まで一緒についていくかしたかったのですが、彼女に頑なに拒否され、入り口に彼女を置いて帰ることになりました。
翌日、会社の先輩にその話をしたところ、
「私、あなたの帰ったすぐあとに帰ったけど、そんな人見なかった」
と言われました。
まあ、それは彼女が私の帰った直後にそこを去っていれば、当たり前のことなのですが・・・。
でも気になるのは、なぜ9階で止まったままのエレベーターに乗っていたのか。
また、泣いていたのは、屋上に行きたがっていたのはなぜなのか。(やはり自殺・・・?)
そして、彼女は今どこでどうしているのか。
この季節になると思い出します。
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入れ替えろ
数年前、親父が死んだ。
食道静脈瘤破裂で血を吐いて。
最後の数日は血を止めるため、チューブ付きゴム風船を鼻から食道まで通して膨らませていた。
親父は意識が朦朧としていたが、その風船がひどく苦しそうだった。
その親父がかすれた声で、
「鼻を入れ替えろ、鼻の名前を入れ替えろ」
と言った。
名前?
俺や家族は、『チューブを通す鼻の穴を入れ替えろ』という意味だと思ったんだが、『名前』というフレーズの意味が分からない。
結局、「意識も混濁してるようだから、言い間違えくらいあるだろう」という結論になった。
親父はその次の日亡くなった。
慌しく葬式の用意。
その用意中、献花の配置がおかしいことにお袋が気づいた。
遠縁の親戚からの花が真ん中にあって、親父の勤めてた会社社長からの花が端っこに追いやられてたのよ。
そして葬儀屋に言った訳だ。
「すいません、あの二つの花を入れ替えてください。大変でしたら、花に付いてる名前を入れ替えてください」
その時、俺と祖母が同時に気づいた。
「お袋・・・今、なんて言った?」
「『鼻』の名前を入れ替えろ」
「『花』の名前を入れ替えろ」
親父はこのことを言いたかったのだろうか?
お世話になった会社社長に失礼を働くのが嫌で、こんな予言を残したのだろうか?
もう真実は分からない。
その社長は、とてもとても良い人で、母子家庭になった我が家を助けてくれた訳だが、それはまた別の話。
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話しかけてくれた人
夏の修学旅行に行った時に、俺は転校したて+人見知りが激しくて友達いなかったので、一人寂しく外に抜け出して花火をしてた。
そしたら地元の子か知らないけど、ぼーっと一人で花火をしてる俺の横にいつの間にか座っていて、こう言った。
「こんなところ(海岸の崖から海に向かって花火してた)で花火なんて珍しいですね」と。
人見知りの激しかった俺はずっと無視してたんだけど、その子はずっと俺に話しかけててくれて、次第に俺も慣れてきたのか、こっちからも話しかけようとした。
しかし、そのときにはもうその子はいなくなってた。
でも、見知らぬ人とも会話しようとしてたので、今なら慣れない人との会話が出来そうな気がしたので、すぐにホテルに帰った。
そしたら、いつもモジモジしながら話してた俺が、結構すらすらと会話できるようになって、その修学旅行のうちに、クラスの殆どのヤツと友達になれた。
その子のことをずっと無視してて悪かったけど、おかげで友達が出来るようになった。
今度バイクの免許でもとって、その旅行で行ったところにもう一度足を運んでみようと思う。
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幽霊が追いかけてくる
母親の実家の話。
段々に連なる下の家で、夏の夕方になると時々騒ぐ声が聞こえてくる。
その家で「幽霊だ~ゆうれい!」と逃げまどっているらしい。
一家6人が「追いかけてくるー」と母の実家にも飛び込んでくるのだが、指さす方向を見ても、他の家の者には何も見えなかったらしい。
一家全員が「あそこに、あそこにいる!」と指し示すのだが、納戸の暗がりには何も見えなかったそうだ。
夏になると10回ほどそんなことがあるので、近所ではだれも相手にしなくなったらしい。