怖っ!怖っ?怖い話

いろんな怖い話を集めています。

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「 山 」 一覧

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足音

中学時代の先生から聞いた話。

先生が大学時代に、友人とW県のとある村にキャンプをしに行った。

河川敷にテントを張って日が落ちるまでの間、テントの中で準備をしていたそうだ。

日没後、先生は友人と話をしていると、外で何かを引きずっているような音がする。

勿論友人はテント内にいるし周りに人影も見えない。

その『何か』はテントの周りをずっと歩いている。

先生が外を見ると何もいない。

しかし中に戻ると足音が聞こえる。

気味が悪くなった先生たちは一度テントから出て、ライトで外をガンガンに照らしながら夕食の準備を始めた。

夕食も終わり片付けをしたあと、先生たちは眠りについた。

ぐっすりと眠っていると、また外で何かを引きずるような音がする。

隣で寝ていた友人も音に気づき起きていたようで、二人ともその音を聞いていた。

またもその足音はテントの周りを何回も何回も歩いている。

怖くなった二人は寝袋に潜り込んでそのまま眠ってしまった。

翌朝起きると音は無くなっていた。

先生たちも起きるなり足早にテントを片付け始めた。

片付けている途中、川下で人だかりが出来ていて警察も来ている。

友人が聞いてくると、どうやら老婆の水死体があがったらしい。

その水死体は片方の草履を履いていなかった。

ますます気味が悪くなった二人は、最後にテントを片付けた。

すると、テントの下から草履が出てきた。

友人は真っ青になって一言。

「これ・・・さっき水死体が履いてた草履や・・・」

先生は「もしかしたら、あの足音は草履を探し回っていたおばあちゃんやったんかもしれんな」って言ってました。

【でじほん!】

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裸足

十年以上前の話。

自分は男。

地元で有名な自殺の名所といわれる滝に、バイト仲間男女八名ほどで肝試しに行った。

午前3時過ぎ。

完全に真っ暗で、明かりは自分が持っていた懐中電灯がひとつだけ。

山道を100メートルほど歩くと滝があった。

手前に低い柵があり、そこから先は大きな岩盤が滝つぼまで20メートルくらい。

なだらかな階段状になっていた。

自分はひとりで柵を越え、岩場を降り、水をさわるとすぐにみんなの元に引き返した。

懐中電灯で2、3メートル先を照らしながら濡れた岩場を上っていると、怖かったのか、ひとかたまりになって待っているみんなの足もとが光の中に見えたのだが、そのなかにひとり裸足の奴がいた。

ごつい男の足がはっきり見えた。

季節は秋。

結構寒かったので『なんでこいつ裸足??』と思って、懐中電灯の光をなめるように少し上げると、テロテロの安っぽい灰色のスラックスが見えた。

中年オヤジっぽいセンスのやつ。

その瞬間、つまずいて懐中電灯の光がぶれた。

すぐに同じ場所を照らしたが、裸足はいなかった。

「裸足になってる奴は誰だ?」と、みんなに聞いたが、もちろん誰もいなかった。

気持ち悪い冗談言うなと怒られたので、もうそれ以上なにも言わなかった。

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黒い塊

長野でキャンプしてた。

テントで三人で寝てたんだけど、夜中の4時頃目が覚めたんだ。

俺は端っこで寒かったし、しばらく寝つけなくてぼぉっとしてたら、反対側の入口のとこのテントとフライの間になんかいんの。

黒っぽい塊なのね。

微かに外が明るくなってきてて、なんとなく見える。

向こう側はゴミ置いてるし、猫が来たかなぁと思ってたら、塊が下のジッパーをジジジッっと開けた。

びっくりして固まってたら、寝てると思ってた塊に一番近い奴と目があった。

起きてた。

口と目見開いて震えてるの。

金縛りっぽい。

塊がずっと入ってきた。

俺はたまげて声上げて、枕元のヘッドライトで照らしたんだ。

ひゅっとテントの外に消えました。

怖かったから、全員で起きてテントの中で飯食ったのだけど、端っこの奴の脅えかたは普通じゃなかった。

俺が見たのは只の黒い塊だったけど、そいつは腐った人の顔の周りに髪と指が絡み付いたようなものだったって。

俺達は怖かったけど、次の日もそこで寝た。

もうなんも起こらなかった。

後日、そのキャンプ場の小屋で腐乱したばらばら死体が出たのをニュースで見た。

なんも起こらなかったけど、怖かったなぁ

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深夜の山道で

不愉快な話なので見たくない人は注意。

数年前、某県の山道を飛ばしていた時の事。

突然、目の前に若い女性がふらふらと出てきた。

急いで急ブレーキをかけたので無事だったけど、時刻は深夜で山の中。

死ぬほど驚いてよく見ると、幽霊ではなくて生きた女性だった。

見かけは派手だったけど歳は自分と同じくらいだし、疲れきっている様子だったので話を聞いてみると、彼氏とドライブ中に喧嘩して置いていかれたらしい。

携帯も財布も彼の車の中だし、山中で人もいないので困っていたそう。

気の毒に思って一緒に乗せていってあげようと思い、助手席側のドアを開けて気が付いた。

彼女は学生時代に私を虐めていた張本人だった。

向うも間近で顔を見て気づいたのか、急にニヤニヤとして、

「やだ!あんた○○?あーやっぱり○○だ!」

とはしゃぎだした。

ずかずか入ってきて、これあんたの車?○○の癖に良いの乗ってるねとか、こんな時間に一人って彼氏いないの?いるわけないよね○○だしwと言いたい放題。

私はこいつのせいで今でも悪夢を見るほど苦しんだのに、こいつは幸せに生きて虐めた私の事なんか綺麗に忘れてたんだな。

そう思ったとたんに腹が立ってきて、彼女を怒鳴りつけて外へ追い出した。

私が反抗したのを見て最初は驚いていたけど、非常用のハンマーかざして脅したら、急に泣き出した。

今更泣かれてもどうでもいいので、そのまま彼女を置き去りにしてその場を離れた。

それっきりまた悪い夢を見たと思って忘れていたんだけど、最近になって彼女が数年前に亡くなっていた事を知った。

某県の山中で複数の人間に強姦され、殺された後捨てられていた。

地方紙にも載ったので調べてみると、事件が起きたのはあの日の後だった。

犯人はまだ見つかっていない。

自分があの日乗せていってあげたら、彼女は生きていたんだろう。

でも可哀想とは思えず罪悪感も湧かない。

それどころか犯人ありがとうと思ってしまう。

悪いとは思えないけど、自分がひどい人間になったのは分かる。

一生誰にも言う気はないし、懺悔もしない代わりにここへ吐き捨てていく。

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さえがみさん

俺は、子どもの頃は超がつくド田舎に住んでいた。

山々に囲まれた閑静な農村地帯だった。

その村では一年のうちで、ある月の満月の日の前後一週間は、絶対に山に入ってはいけないという決まりがあった。

村の子どもたちは、その期間は山の神様が降りてこられる日だからと聞かされていた。

その期間は、山の入り口の所にある道祖神様(俺らは「さえがみさん」って呼んでた)の祠の前で山から村に入る道に注連縄を張って道祖神様を御祭りしていた。

このお祭りの間は、子どもだけでなく大人たちも決して山に踏み入ることは許されなかった。

村の子どもたちは物心ついたときから厳しく戒められているのと、山に入っても楽しい時期でもなかったこともあって、わざわざ叱られるのを覚悟で山に分け入るやつはいなかった。

とはいえ、腕白盛りの子どもたちのことだから、それでも数年に一人か二人は無謀にも山に入ろうとする馬鹿が現れるのが常だった。

隠れて山に入ったのが見つかったやつは、厳しく叱られて頭を丸坊主にされて学校を休まされた上で隣村にある神社で泊り込みで一週間修行させられるというお仕置きが待っていた。

それを見た村の子供たちは、お仕置きを恐れて期間中は山に入らないが、世代交代した頃にまた馬鹿が現れる。

お仕置きを見て自重。

忘れた頃にまた。。。ということが繰り返されていた。

ここまでの話だと、田舎によくあるわけのわからない風習で終わってしまうのだけど、俺が小学6年のときにその事件は起こった。

起こったといっても俺自身が『何か』を見たというわけではないし、『それ』自体も単なる村の風習と精神錯乱で、オカルトとは関係ないと言われればそれまでかもしれない。

ただ、村の禁を破って山に入った俺の従兄弟の妹が精神に異常をきたしてしまい、その兄も責任を感じてかその後おかしくなってしまったという事実だけが残っている。

その年は、従兄弟の親父さんがお盆に休みを取れないということで、お盆の帰省の代わりに季節外れのその時期に一家四人(両親と兄と妹)で里帰りしてきた。

普段だったら誰も訪れないような時期のことである。

そして、それが全ての間違いの元だった。

村の子どもたちは、その時期に山に踏み入ってはいけないと厳しく教えられていたが、従兄弟たちは普段はこの時期には村には帰ってきていないのでそのことは知らなかった。

祖父と祖母が従兄弟たちにそのことを教えたが、都会育ちの従兄弟たちにとってはイマイチ理解できていなかったのかもしれない。

あるいは、古風な村の風習だということで迷信だと馬鹿にしていたのかもしれない。

今となっては知るすべもないことではあるが。

従兄弟たちが普段帰省してくる夏休み中であれば、俺たちも学校が休みなので一日中つきっきりで遊びまわれるが、あいにくとその時期は平日で、俺たち村の子どもたちは学校に行かなくてはいけなかった。

学校が終われば俺たちは従兄弟たちと一緒に遊ぶわけだが、少なくとも午前中は従兄弟たちは彼ら兄妹だけで遊ぶことになる。

俺たちが学校に行っている間は、祖父母が山に入らないように見てたりするわけだが、さすがに常につきっきりというわけにはいかない。

それでもまぁ、3日目くらいまでは従兄弟たちはおとなしく祖父母の言いつけを守っていた。

少なくともそう思わせていたわけだ。

問題が起こったのは従兄弟たちが村にやってきて4日目のことだった。

さえがみさん(道祖神様)の御祭りも丁度中日でその日が満月の日だった。

俺たちが学校に行っている午前中に、祖父母に隠れて従兄弟の兄(Sとする)が妹(Y子)を連れ出してこっそり山に入ってしまったらしい。

Sは祖母に

「妹と川で遊んでくる」

と言って出かけたそうだが、俺たちが昼頃に家に帰って(土曜日だった)川にSを探しに行ったら姿が見えなかった。

最初はもしかして事故かと思ったけど、川に行くときにいつも自転車を止めさせてもらうことになっている友人Dのおばちゃんに聞いたら

「朝から来てない」

とのことで、俺は友人たちと一緒にSたちを探すことにした。

そうしたら、友人のTが山の入り口の近くの木陰にSの乗っていた自転車(祖父の家のやつ)が隠すように老いてあるのを見つけた。

あいつら、隠れて山に入ったのかと思って追いかけようとしたけど、厳しく山には入るなと言われていたこともあって、その前に祖父に知らせることにした。

家に帰って祖父に知らせたところ、祖父は

「それは本当か!」

と普段は温和な祖父らしくない形相で聞いてきた。

それを聞いた祖母は血の気の引いた顔をしていた。

叔父(Sの父親で俺の親父の弟)も心なしか顔色が悪かった。

叔母(Sの母親)は何が起こっているのか理解できていない様子だった。

祖父は俺から話を聞いてすぐにどこかに電話していた。

その後はもう大変だった。

村の青年団がさえがみさん(道祖神様)の社のある山の入り口に集合して、長老たちが集まって何事か話し合っている。

いくら村の決まりごととはいえ、子どもが山に入ったくらいでこれはないやろと思ったのを覚えている。

その後のことだけど、青年団が山の入り口に集まってしばらくした頃に、Sが何かに追いかけられるかのような必死の形相で山道を駆け下りてきた。

それを見た祖父が、さえがみさん(道祖神様)の所に供えてあった日本酒と粗塩の袋を引っ掴んで酒と塩を口に含んでから、自分の頭から酒と塩をぶっ掛けて、それからSのところに駆け寄ってSにも同じように頭から酒と塩をかけていた。

その後でSにも酒と塩を口に含ませていた。

酒と塩を口に入れられたSは、その場でゲェゲェと吐いていた。

Sが吐き出すもの全部吐き出してから祖父がSを連れて戻ってきた。

祖父とSが注連縄を潜るときに、長老連中が祖父とSに大量の酒と塩をぶちまけるようにぶっかけていた。

その後、Sは青年団の団長に連れられてどこかへ連れて行かれた。

(後で聞いたところによると隣村の神社だったらしい)

妹のY子だけど、何故か祖父も含めて山に入って探そうとはしなかった。

不思議に思って父に聞いたら

「今日は日が悪い」

と言って首を横に振るだけだった。

叔母が半狂乱になって

「娘を探して!」

と叫んでいたが、悲しそうな諦めの混じったような表情の叔父がそれを宥めていたのが印象に残っている。

結局、Y子はそれから4日後に山の中腹にある山の神様の祠で保護された。

後で聞いた話では、そのときにはもうY子は精神に異常をきたしていたそうだ。

発見された後でY子は何故か病院ではなく、兄と同じく隣村の神社に送られたらしい。

このとき村の長老たちの間で一悶着あったらしいと、かなり後になって父から聞いた。

後日談だけど、Y子は今でも隣村の神社にいるらしい。

表向きは住み込みで巫女をしているということになっているけど、実際は精神の異常が治らずに座敷牢みたいな所で監禁に近い生活を送っているそうだ。

このことは一族内でもタブーとされていて、これ以上詳しいことは聞き出せないんだ。

監禁の件は、親父を酒に酔わせてやっと聞き出せたくらいだし。

Sの方だが、彼は一時期は強いショックを受けていて錯乱気味だったけど、その後は心身ともに異常はなく普通に生活を送っていたそうだ。

あの事件以降は、叔父一家は帰省しなくなったので俺が直接Sに会うことはそれ以降なかったわけだが、その後Sは妹をおかしくしてしまったのは自分の責任だと思い詰めて精神に異常をきたしたらしい。

おかしくなったSは、18歳のときに妹が見つかったという山の神様の祠の前で自殺したと聞いた。

そのときには俺は進学で村を出ていたので、その話を聞いたのは成人して成人式で村に帰省したときだった。

以上、体験した俺も何が何だかわからない話です。