怖っ!怖っ?怖い話

いろんな怖い話を集めています。

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「 幽霊 」 一覧

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屋上の物音

いわゆる団地の5階に住んでる。

お金がなくて、築、結構行った5階立ての5階が、空き部屋になっていたので借りた。

もちろんエレベーターなんかもない。

住み始めて1年、住み始めた当初は気づかなかったが、いつ頃からか屋上をパタパタ人が歩いている足音がする。

昼でも夜でも。

ふと、気づくとパタパタ歩いていく音が聞こえる感じ。

別に気にしては無かった。

昨日、この前の強風のせいでアンテナの調子が悪くなったらしく、屋上へ上がるために脚立を持った業者さんがやって来た。

団地住んでる人は分かるかな?

屋上へ通じる丸穴があって、その下に脚立置いて上がるんだけど、音立てそうだからって、わざわざ業者さんが俺の家にも挨拶に来てくれた。

だから冗談のつもりだったんだけど、

「前から屋上で足音がするので、何か見つけたら教えて下さいね」

と伝えた。

業者さんは苦笑いしながらも、怖いこと言わないで下さいよ、と。

作業は無事終了したらく、特に何もありませんでしたよと言って帰っていった。

問題はその日の夜、つまり昨夜なんだけど、屋上の足音がいつもと違った。

俺がトイレに立つと、まるで後をつけるようにパタパタ音がする。

今までは俺とは無関係に、あっちこっちへ歩いて行くような音だったのに。

トイレに着いて、なんか怖いのでいつも換気用に開けっ放しにしている窓をすぐに閉めた。

そしたら、曇りガラスに明らかに上から頭を下げたシルエットが。

マジでびっくりして、すぐトイレから出て、大家の非常連絡先に電話して状況を伝えたが、全然信じてもらえない。

もう本当に怖い。

明日にでも引っ越したい。

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後女

中1の夏でした。

私の祖母の一番上の兄、Tさんが亡くなりました。

といっても、私はTさんとは殆ど面識がなかったのですが、夏休みという事もあり、両親と共にお葬式に出掛ける事になり、私はその時初めてTさんの屋敷を訪れたのでした。

そこは某県の山奥、大自然に囲まれた、まさしく田舎といった場所で、屋敷と呼ぶにふさわしい、古いながらも、とても大きな家構えでした。

敷地内には鶏小屋があり、たくさんの鶏が飼育されていました。

Tさんの娘にあたるおばさんが、売りには出せない小さな卵を私や親戚の子供達にくれたので、大人達が集まるまでの時間、私は子供達と一緒に、その卵を使って、おままごとなどをして過ごしました。

そのうち、お葬式が始まり、私は足の痺れと眠気と闘いながら、あまり面識のないTさんの遺影を見つめていました。

そしてお葬式も滞りなく終わり、両親や親戚のおじさんおばさん達は、ビールや寿司を囲みながら、Tさんの思い出話や子供たちの話、世間話などで盛り上がり、私もおじさん達にビールを注いだりと愛想をふりまきながら、やがて田舎の涼しく心地よい風を感じる夕暮れ時となっていました。

ふと尿意を感じた私は席を立ち、ひとり便所へと向かいました。

かなりの田舎という事もあり、便所は少し変わった作りをしていました。

扉を開くと裸電球の下、まず男用の小便器があり、そこにまた扉があります。

それを開くといわゆる、ぼっとん便所が奥にあるのです。

ですが、電気は始めの個室の裸電球しかなく、私はふたつめの扉を開けたまま、薄暗いぼっとん便所で用を足す事になりました。

田舎の夏の夕暮れの独特な雰囲気と、慣れない木造の便所で少し気味が悪かったのですが、鼻歌を歌い、気を紛らわしながら用を足し、服を整えて振り返りました。

それはいました。

ひとつめの個室の裸電球の下、白い服を着て、真っ黒な長い髪を無造作に束ねた女のうしろ姿。

私は恐怖で体が痺れたようになり、厭な汗が体中から噴き出しているのを感じました。

どれぐらいの時間でしょう。

長いような短いような。

女の頭から目を離せずにいた私の耳に

「コォォーーーーー……」

という、かすれた音のような、声のようなものが聞こえてきました。

それと同時に、私は少しずつ視線を下へと落としていきました。

私の目に飛び込んできたものは、異様に爪の長い女の手の甲…そして足の…指…?

こっちを向いてる……!!

うしろ姿だとおもっていた女は、まぎれもなく正面を向いていました。

髪をすべて前へ下ろし、あごのあたりでひとつに束ねていたのです。

女の顔は全く見えない…見えないけれど見える…見えない…。

「ひぃぃ…ひぃぃ…」

私はガタガタ震えながら、泣いていました。

そして女はゆっくりと両手をあげ、髪を束ねている紐に手をかけようとしました…。

そのとき「ガタッ」と扉の開く音と同時に、父の姿が見えました。

グルッ

女が扉の方へ振り返り、そこで私は気を失いました。

目を覚ますと、私は布団に寝かされていました。

両親が、心配そうに私の顔を覗き込んでいました。

「変な女がおったんよ!!怖かった…怖かった…。」

また泣きそうになる私を見て、二人はうんうんと頷いていました。

父は、あの女の姿を見てはいないようでした。

少し落ち着きを取り戻した私に、おばさんが一冊の古びた冊子を持ってきました。

それは、亡くなったTさんの覚え書きのようなものでした。

そのうちの、黄ばんだ1ページに墨で描かれていた絵は、私が便所で見た女そのものでした。

「うちのお父さんな、こんなおそろしいもん、よう見とったみたいなんよ。」

「この覚え書きは、お父さんが死んでしもてから見つけたんやけど、なんやいつもえらい怯えとったんやわ。」

「それやのに、全然気付いてあげれんかった…。」

そう言っておばさんは涙ぐんでいました。

その覚え書きを見せてもらうと、Tさんはあの女のことを後女(うしろ女?)と呼んでいたようでした。

鶏の飼育についてや、森での狩りなどの覚え書きの合間合間に、後女について記してありました。

今となっては、あまり覚えていませんが、最後のページにはこう書いてあったと思います。

「後女の真の面、真の背、目にしたとき我は死すか」

私は後女が振り返ったあの時、女の後頭部を見たような気もするし、見なかったような気もします。

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祖母と少年

もう30年近く前、俺が幼稚園に通ってた頃の話です。

昔はお寺さんが幼稚園を経営してるケースが多くて、俺が通ってた所もそうだった。

今にして思うと、園の横は納骨堂だったし、その隣は古い墓地だった。

夕方、幼稚園の遊具で遊んでいた。

外には俺一人だった。

室内には何人も人が居たんだと思う。

でもその時は、何故か俺一人だった。

ジャングルジムの上に人が座っていた。

男の子だった。

黒の半ズボンに、黒い金ボタンの上着を着ていた。

裸足だった。

坊主頭で、小学生くらいだったんだろうか。

すぐ自分より2つ3つ年上の子だと分かった。

その子はじっと俺の方を見ていた。

特に怖いとか、ビックリした記憶は残って無い。

ただ、何故か無性に寂しくなったのを覚えている。

その子は黙ってジャングルジムから下りると、納骨堂の横を通って墓地の方へ歩いて行った。

俺は、その子の後について行った。

墓地と言っても、園の隣で見慣れた景色だったし、日頃かくれんぼをして遊ぶ場所だったので、特に怖いとは思わなかった。

その子を目で追ってたつもりだったが、何故か今思い出そうとしても、その時の光景が思い出せない。

だが、その時見た苔の生えた小さな墓だけは、鮮明に脳裏に焼きついている。

古い墓地によくある巨木が夕日を遮っていたので、辺りは薄暗かった。

その薄暗さを意識した瞬間、すごく怖くなって走って園に戻った。

時間にして1~2分の出来事だったんだろうが、今思うとすごい長い時間だった様な気がしてならない。

しばらくして、祖母が迎えに来てくれた。

今思うと、祖母が迎えに来てくれたのは、その時が最初で最後だった。

何故か、その時の祖母の顔を見た瞬間の安堵感を覚えている。

そして祖母は、墓の方を物悲しい顔でしばらく見ていた後、

「○○ちゃん(俺)。何も心配せんでよか・・・ばあちゃんがちゃんとしてやっけんね」

と、俺の顔をまじまじと見ながら言った。

二人で手を繋いで家に帰った。

途中、駄菓子屋の前を通りかかった時、俺は無性に寄り道したかったが、

「今日はあかん!今日はあかん!早よ帰らんばあかん!」

と、祖母にたしなめられた。

祖母が死んだのは、その日の深夜だった。

何故か俺には、祖母の死が記憶としてハッキリ残っていない。

葬儀で親戚やら知人やらが家に大挙して、慌しかったのは覚えているが、祖母が死んだ悲しさが、全く記憶から消えている。

翌年、俺は小学生になった。

小学校も幼稚園と道を挟んで隣接していたが、俺はその後、一切近寄らなかった。

正確に言えば近寄れなかった。

意識すると頭の中に、苔にまみれたあの小さな墓が浮かぶからだ。

中学2年になった時、町内のボランティアで、再び幼稚園のあるその寺を訪れることになった。

墓地は整備され、古い無縁仏や墓石は撤去されて、以前の面影は残っていなかった。

幼稚園も新築され、当時とは全く景色が変わっていた。

寺の本堂が改築されるらしく、古い荷物やらゴミやらの掃除がボランティアの仕事だった。

住職が、寺に持ち込まれた物を整理している。

その中に遺影が何十枚もあった。

俺と友人は、それを外に運び出すよう言われた。

黄ばんだ新聞紙に包まれた遺影の中に、一枚だけ裸の遺影があった。

俺はその遺影を手に取って見た瞬間、全身の血が凍った。

あの時見た少年の遺影だった。

そして、その少年の背後から、その少年の首を、この世の物とは思えない形相で絞めている祖母の顔が写っていた。

俺は気を失い、目が覚めた時は病院だった。

父も母も、恐怖で顔が尋常ではなかった。

後に、写真は住職が供養して、焼却処分したと聞いた。

父が住職に聞いた話では、その少年は戦時中、土地の地主が養子に引き取った子で、かなり冷遇を受けた後、病死したらしかった。

祖母は若い頃、その地主の家で手伝いをしていたらしく、かなりその子を可愛がっていたそうです。

その少年は多分、俺を連れて行く為に現れたんだろうと、住職は言っていたそうです。

祖母はそれをさせまいとして、その結果があの写真だったのだろうと言っていました。

その後、すぐ引っ越したのですが、今でも思い出します。

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色情霊

高校生の時、部屋でうつぶせで昼寝してたら、はじめての金縛りにあった。

目は開けられそうだったけど、見ちゃいけないモノを見そうで開けなかった。

しばらく藻掻いていたら、いきなり後ろから、両おっぱいを鷲掴みにされた。

!?ってなって、抵抗したかったけど、金縛りで動けない。

声にならない声で「ん”ー?」って、しばらく藻掻いてたら金縛りが解けた。

バッ!って後ろを振り返ったけど、誰もいない。

家にも、私しか居なかった。

これを話すと、そういう願望があったんじゃない?とか言われる。

・゜・(ノД`)・゜・。

それからしばらくして、また部屋でDSやって遊んでたら、何か、ゆらゆら揺れるモノが視界に入ってきた。

見てみると、部屋に干してあったブラの肩ひもが、一本だけ揺れている。

風が当たるような物はないし、風だとしても、それ一本だけ揺れるなんておかしい。

多分、おっぱい好きのおばけだったんだ。

それ以来、何もない。

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半分よこせ

俺がまだ小学生の頃の話だ。

俺んちは両親が共働きで「鍵っこ」というか、夕方までは俺一人だった。

その日もいつもと同じように、居間でコタツに入って寝てたんだよ。

母の帰りを待ちながらね。

玄関の鍵が開いた。

ああ、母親が帰ってきたんだな。

そう思った俺は「お帰りなさあい」と言おうした。

声が出ない。

よく考えたら身動きも取れない。

金縛りにあってるんだね。

玄関からぺたぺたとスリッパの音。

家でスリッパ履くのは母親だけだから、母親には違いないんだろうけど、なんか微妙に違う。

居間のドアが開いた。

お母さん?と思ったが、この角度だと首が回らず顔が見えない。

でも音はするんだ。

スリッパを脱いだらしく絨毯をすり足で歩いている。

ずりっ、ずりっ。

「ダイチャン。」

「ダイチャン。デカケルワヨ。」

話す声の主は母親なんだが抑揚がない。

ずりっ、ずりっ。

声の主は、さらに近づいてきた。

もうちょっと、あと2、3歩でその正体が見えるかな、というその時、玄関が開く音がもう一度して「ただいまー」って母の声が聞こえたんだ。

その瞬間、金縛りは解けた。

もーワケ分かんなくって、ガクブルいいながら、母親んとこに駆け寄ったよ俺は。

「なんか、おかあさんだけど、おかあさんじゃない人が来たー」ってさ。

そしたら母親の顔色が変わってさ。

晩飯食いながら聞いたんだけど、どうやら母親は双子だったそうなんだ。

貧しいからと母親の母方(俺のおばあちゃん)の実家に生まれてすぐ片方だけ預けられ、残った双子の姉は、栄養失調で亡くなったそうだ。

で、さらに聞くと俺は生まれてすぐ、原因不明の高熱で死ぬところだったらしいんだ。

医者も見離し(2、3箇所まわったって言ってた)どうしようもなく、寺だか神社に相談に行ったら、

「あなたの片割れの姉が、連れて行きたがっています」と。

俺は二人目の子供だから、私にも半分よこしなさいよって事なんだろうけどさ。