「 謎 」 一覧
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猫
5年程前に、天国に行った猫の話。
ごく普通の猫だったんだけど、一つだけおかしなとこがあった。
それは、竹の子に異常に反応するところ。
キャットフードで育てたから、人間の食事に興味は無かったんだけど、竹の子にだけは、まとわりついて離れない。
調理した後も食卓に登る始末。
普段はそんなことしないのに。
でも食べるわけじゃなく、匂いを嗅ぐだけ。
そんな猫だったけど天寿を全うし、庭に埋めてあげた。
そうしたら、その年から庭に竹の子が生えるようになった。
竹はそれより以前に植えているから、偶然なのかもしれない。
でも、その竹の子を食べるたびに、一家全員
「お礼だな」「うん、お礼だ」
と、ごく自然に受け止めて、在りし日の姿を思い出す。
おいしい竹の子、ありがとう。
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B29を攻撃するモノ
これは祖父が、太平洋戦争時に体験したお話です。
現在祖父は95歳で、介護老人ホームに入所してます。
この話を聞いたときには、すでにすこしボケはじめていたのを了承ください。
祖父は当時、おそらく海軍の航空隊に所属しており、夜間攻撃機の操縦士を勤めていた。
はっきりは聞かなかったが、『月光』という夜間攻撃機らしい。
夜間に飛来するB29爆撃機を迎撃するのが、主任務だったそうです。
たしか、横須賀だったかに所属みたいな話をしてました。
昭和19年の終わりくらいから、首都圏も爆撃が盛んになってきて、明けた終戦の年の、昭和20年3月10日(俗にいう東京大空襲)でした。
前日の夜23時ころに空襲警報が発令されたが、なぜか解除され呆けてると、日付も変わり午前0時半ばころ、再び空襲警報と出撃命令が発令された。
祖父と電探士(レーダー操作のひと)ともう一人(なんのために乗ってるか不明)の三人で出撃。
高度を上げ東京方面に機首を向けると、すでに東京は火の海だったそうです。
空は火災の炎で真っ赤に染まり、煙は高度何千メートルにもおよび、上昇気流が凄まじく、首都圏上空は飛行困難でした。
祖父は必死で操縦と目視による索敵をはじめ、機首を西に向けたときです。
電探士が「レーダーに感あり」と祖父に告げました。
電探士の誘導にて操縦すると、首都圏から離れ東京湾上空に出ました。
しばらくすると、かなりの抵高度で、機関銃の曳光弾(夜でも光の尾を引く弾)を吐き出す機影を発見しました。
どうやら戦闘中らしいが、機影はその機体以外確認できない。
祖父は敵味方識別のため、接近を試みた。
あまり近づきすぎると、こちらが攻撃される可能性があるので、少し間を置く。
しかし、妙な事に気がついた。
間違いなく敵機B29であるのは確かであった。
四発あるエンジンのうち、三発から煙を吐いている。
満身創痍のようだ。
それよりおかしいのは、機体中央部から機関銃を上空に向けて撃っている。
そもそも敵機の上空には機影はない。
それ以前に、B29の機体中央部には、機関銃の砲塔は存在しない。
さらに接近を試みた。
そして祖父は見た。「見てしまった」と話していました。
B29は機体中央部を激しく損傷しており、天井装甲が剥離して中はまる見えであった。
おそらく、旋回砲塔から取り外した機関銃を、機内から米兵が何かに向けて撃っている。
銃口の先にはありえないモノがいた。
体は人間に似ているが、痩せこけて体毛は確認できない。
肌は浅黒く、顔は人とも獣ともつかない。
耳はとがり、まるで悪魔的な…背中には翼を生やし、まるでコウモリのようだ。
それよりおどろいたのは、その大きさだった。
目算で身長は約5m以上で、翼を広げた幅は20mはあろうか…
こいつは片手に首のない米兵の死体をぶらさげ、片手で機体にとりつき、機内の米兵を狙っているようだった。
祖父は電探士に意見を仰ぐも、「信じられない」の一辺倒。
もう一人の搭乗者は、その位置からは確認できず。
祖父は攻撃しようと(どっちを?)考えたが、月光の機関砲は機体真上の前斜めに設置されており、攻撃は背面飛行でもしないかぎり不可能である。
祖父はこれ以上関わるのは危険と判断し、離脱を決心した。
というより、逃げ出したそうです。
遠くに見えるB29は、どんどん高度が下がる。
しかし米兵は戦闘を諦めることはないようで、曳光弾の軌跡が上空に吐き出される…
最後まで見届けることはでかなかったそうです。
事後は都心部にむかい迎撃任務にもどるが、心ここにあらず。
早朝に基地に帰投したそうです。
早朝、帰投し報告を終える。
「戦果なし」
例の件は報告できなかった。
同乗者には口止めをした。
話したところで信用されないし、もの狂いと思われるのが関の山。
祖父は墓場までこの話を持っていこうと思っていたそうです。
おれが小学生の夏休み宿題のために祖父の戦時中の話を作文にするため、たまたま聞けたお話です。
これは自分の家族や親戚にも話したことはありません。
それは何のために日本上空で米軍機を襲っていたのか?
怖いというより疑問が残ります。
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ジャングルの奥地
かなり昔に雑誌で読んだ話。
割と有名な探険家(名前記憶に有らず)の恐怖体験は、遭難した事でも、探検中に怪我や病気をした事でもないと言う。
南米だかどこだかの、地元原住民さえ行かないジャングルの奥で、岩の上に赤いハイヒールがキチンと揃えて置いてあったそうな。
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宝くじ
大学のときに死んだ祖母が、よく小額(と言っても三十万とか五十万とか)のレベルで宝くじを当てていた人で、親に内緒でお小遣いとか貰って旅行に行ったりしてました。
そんな感じで相当な小金持ちだったはずの祖母だったんですが、突然死んだ時は悲しいと同時に、親戚連中の遺産の取り合いとかそういうのを軽く想像してしまって、かなり欝になりました。
ところが蓋を開けて見たら親戚連中、遺産を取り合うどころか、
「これはお前が持っておけ」
だの、
「いやいや、これはアンタの所の取り分だ」
だの、互いに形見の押し付け合い。
金銭も含めて、祖母が持っていた物は出来る限り受け取りたくないという雰囲気でした。
うちの親なんか、早々に相続放棄してたぐらいだし。
正直、あって困るものでもないんだから、受け取っておけばいいのにと思ってましたが、どうしても受け取れない(受け取りたくない?)理由が、親を含め親戚たちには何かあるようでした。
当時は相続税とか、そういう税金関係の負担が重いからだろうと勝手に思っていましたが、その後の三回忌で近所に住むおばさんが、
「過ぎた幸運は身を滅ぼすって、ばあちゃんにはあれほど言ったのに」
と、ぼそりと言うのにちょっと水を向けて見ると、どうやらばあちゃん、宝くじを当てるのに何かおまじない?だか占いだか、そんなのをやってたらしい。
その中には、ただのおまじない程度じゃすまないものもあって(なんか生き物を殺す系のものとかもあったようです)おばさんと母の兄=長男が叱っても意に止めない。
うちは地元でも古い方の家で、氏神さんとも結構な関わりがあったから、絶対いつか祟られると、皆、余計怖かったようでした。
なのでばあちゃんが死んだときも、うちの母含め、親戚連中は皆「バチが当たった」と思ったそうです。
遺産も「穢れたお金だから」と言う理由で、皆が受け取るに受け取れなかったとか。
「ああいうお金は身を滅ぼすのだから、身につけてはいかんのよ」
と溜息をついたおばさんに、そのお金で旅行したり服買ったりして遊んじゃったことがありますとは言えませんでした。
それ以来、ばあちゃんのご利益を期待して毎年買ってた宝くじから、なんとなく遠ざかってしまいました。
蓄財はやっぱり堅実な手段が一番だなと、今は思ってます。
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海の巨大生物
職場の後輩が、高校時代に体験した話。
後輩の高校は船乗り?の養成やってる学校で、実習で実際に船に乗って海にも出てたそうです。
これはグァムだかハワイだかへの遠洋実習のときの話です。
航海から何日かした早朝に突然、船が航行不能になりました。
船長、教官以下で原因究明したところ、機関には異常はないが、スクリューが動かないことが判明しました。
船尾から観察したところ、どうやらスクリューに異物が絡まったとのこと。
船尾から観察するかぎり、なにか大きいものがスクリューに巻きついて、よく見ると大型のイカからしかった。
巻きついていない触手が海に漂っているが、長さは少なく見積もっても15m以上はあった。(基準は船体で、約50mだったそうです)
イカの本体は船体の下に入って確認できず、おそらくすでに死んでいる。
スクリューを逆転させても触手は排除できず、直接取り除く以外ない。
結局、ロープとカラビナでダイバー要員が二人、ナイフとノコギリを持って潜行作業のため海中へと消えていきました。
2~3分でダイバーが一人浮上し、
「作業は困難で一時間以上はかかる」のと「絡まっているのは、見たこともないくらいの大型のイカ」と言った。
ダイバーは作業に戻り、浮き沈みしながら30分ほどたったころ、突然二人のダイバーが一緒に浮いてきて何か叫んでいます。
二人は
「はやくあげろ!」
と叫んでいました。
わけもわからず、船上で数人が二人のロープを引き上げました。
最中に、船に少し大きめの衝撃に続き、地震のような揺れがありました。
それはダイバーを引き上げた後も数秒続き、最後にまた大きな衝撃とともにおさまりました。
船上のいる者は一斉に海中を覗き込みます。
みな声を失いました。
船長以下が水面に見たものは、巨大なイカの本体部分と、それを咥えた有り得ない大きさの鮫の魚影でした。
水深約3mほどを、目算で畳六畳ほどのイカと体長20mほどの鮫の魚影。
シルエットでしか目視していないが、間違いなくホホジロザメに似た形。
それはそのまま海底へと消えていったそうです。
おれはこの話を聞いたとき、マッコウクジラかジンベイを見間違ったのではと疑いましたが、同乗していたベテランも当のダイバーも、間違いなくホホジロザメだと譲らないし、ジンベイがそんな大きいものは食さないとのこと。
結局スクリューは、シャフトを曲げられ作動不能になった。
おそらく鮫らしきものが、絡まったイカを無理やり引きちぎったのが原因らしい。
すったもんだして、救難信号で通りかかった日本行きのオーストラリアの商船に牽引してもらい、数日後には日本に帰国したそうです。
スクリューに絡まったイカの足は、ほとんど消えていたそうです。
さて、彼らの見たものはいったいなんだったのでしょう?
いったい船長はどう報告して航海日誌にはなにを書いたのか、興味が湧きます。
心霊とかじゃなくて、UMA系の話でした。