「 謎 」 一覧
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血まみれの手紙
知り合いの旦那が失踪して居なくなった。
原因はよくわからないが、その奥さんが言うには、旦那失踪当日に届いた血まみれの手紙。
その日の朝に新聞を取りに行ったら、ポストに入ってたらしい。
宛名が旦那宛て、直ぐに旦那を叩き起こして見せたら、中身を見る前に真っ青に青ざめて、何を聞いても答えてくれなかったそうです。
警察にも失踪届を出してるけど、まだ見付からない…。
何が怖いかって言ったら、警察の方にもこの事を言ったけど、取り合って貰えなかったと…。
旦那が失踪して10日位たったある日の朝、旦那の両親の位牌(旦那の両親は他界してる)が、縦にまっ二つに折れていた事。
その次の日には、奥さん宛てに例の手紙。
手紙は、直ぐに警察呼んで見て貰おうと思ったら、突然燃えた。
警察も、突然燃えた手紙に驚いていたみたいだが、悪質な悪戯で手紙に燃える様に仕掛けがあったと、無理矢理つじつまを合わせたみたい。
結局、旦那は見付からない。
奥さんは精神的におかしくなり、奥さんの実家のある街の病院に入院だそうです。
その奥さんの友人から聞いた話です。
最近、その友人が激痩せし、連絡つけても体調が悪いからって直ぐに電話を切られるし、
正直自分にも不安になって来た…後から、友人の旦那さんから電話を貰って、激痩せの原因は、肝臓が悪くて激痩せしたと連絡貰ったけど…。
友人の旦那さんも、例の失踪事件の事を凄く気にかけてました。
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海の生物
女房の祖父が昔、貨物船の船乗りで、おもしろい話をいくつか聞いています。
そのひとつ、『肉』というやつを。
その名の通り、肉の塊らしいんですけれども、直径3~5メートルぐらいで、表面に毛がびっしりと生えていることもあれば、象かカバのような皮膚のようなこともある。
顔も何も無く、ただの円形の肉布団のようなこともあれば、顔のようなものがついていて、1メートル近い長い鼻がついていることもある。
ただ波間に漂っていることもあれば、明らかに意思を持って泳いでいたりする。
祖父はパナマやキューバの方で、10回ぐらい見たことがあるそうです。
もうひとつ、『ブヨブヨ』というのも聞きました。
これは半透明のブヨブヨした感じの物体で、空に浮かんでいるそうです。
大きさはコンビニ袋ぐらいのものから、直径2メートルぐらいまで色々。
夜だと、ほんのりと光っていることもあるそうで。
これまた、何をするわけでもないんだそうですが、祖父は一度捕まえようとして触れてみましたが、プヨプヨとした触感だけで、ツルンと逃げられてしまったそうです。
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夜中の留守番電話
夜中にゲームしてたら携帯がなったんだ。
でも、ちょっと手が離せない状態だったんで、
まあ留守電もONになってるし・・・って考えて放置したんだわ。
ところがノンキな俺は、ついついゲームに没頭しちゃってそのこと忘れちゃったんだ。
で、寝る前に携帯の目覚ましセットしようとしてそのことに気が付いたんだ。
うわーやべー、と思って着信履歴みたら『非通知設定』
でもしっかりと留守電は残ってたので聞いてみたんだ。
時間は夜中の3時位だったかな?
「・・・」
無言なのね。
でもな~んか聞こえるような気もするので、音量上げてもう一回聞いてみた。
「・・・ぎゃ~・・・おぎゃ~おgy・・・ぎゃ~」
ぞっとしたね。
残ってたのは、か細い女の子の赤ん坊の声。
文章じゃこの怖さは伝わらないだろうけど、深夜1人で携帯から赤ん坊の声聞くのってけっこー、くるもんだぜ?
慌てて携帯投げ捨てたんだけど、もう一回、聞いてみたんだわ。
内容は同じ(当たり前か)赤ん坊の泣き声。
それが留守電きれるまで続いてた。
誓って言うがこの十月十日ほど、種を撒いたことはない(中田氏してない)
さすがに怖くなった俺は、キッチンから味塩とってきて携帯にふりかけ(間違えて最初に『味の素』をかけたのはナイショだ)さあこれで一安心と布団に潜り込んだ。
翌朝、冷静な頭で考えてみた。
昨日のアレは一体なんだったのだろうと。
可能性として高いのはイタズラ。
でも、あんな手の込んだイタズラするほどヒマな友人はいないので、別の角度から検証してみた。
『携帯電話のリダイヤル機能』これはありそうじゃね?
ガキが人の携帯いじってて偶然、リダイヤル機能を押した・・・ありそうだ。
早速、俺は子供持ちの友人知人に電話しまくった。
「昨日、俺に電話した?」
もともと電話嫌いな俺の番号知ってる奴は少ないし、その中でも子持ちって数名しかいないのですぐに結果が出た。
該当者『0』
次に俺は、俺から電話かけた奴、俺の携帯番号知ってる奴に、かたっぱしから電話掛けまくった。
結果は同じ。
該当者『0』
ここに至って捜査方法に手詰まりを感じ(ぶっちゃけ飽きてきた)ので、まあオカルト好きな知り合いに話して終わりにしようと思ったわけだ。
一通り黙って話を聞いて友人が一言。
「ねえあんた。本当に心当たりないの?」
「ねーなー」
「ん・・・でもあんたさ。きっと心当たりあるはずだと思うんだけど」
「なんでさ?」
「気が付いてないのかなあ。その話のおかしい所に・・・」
「???」
「あんた自分ではっきり言ってるんだよね。『女の子の赤ちゃん』って」
「あんたさ。赤ちゃんの声聞いただけで性別ってわかるの?」
・・・おおう、ぞっとした。
そういや何で俺、あの声聞いただけで『女の子』って断定出来たんだ?
おかしくね?
赤ん坊の声なんて男女の差ないよな?
俺、なんで『女の子』ってわかったんだ??
それ以来、夜は携帯きって寝てる。
また非通知からの着信があったらたまんねーからな。
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霊界の声
昔、小学生の時『ムー』についていた小冊子を見ていたら、
『君にもできる!オバケの声を録音!』
という阿呆な記事があって、阿呆な自分はその方法を実践したんだ。
当時はCDもなく、ラジカセの付属のマイクで、
「霊界の皆様、現世で言い残した事がありましたらこちらでお話下さい…」
と言ってカセットを空録音するという簡単な方法だったしね。
部屋を暗くして部屋から退室してオートリバースで60分。
隣の部屋にはアニキが勉強していたけど、邪魔をしてはいけないと思い、内緒でやっていた。
60分経ってA面を真面目に再生したが、ザーという音しかしない。
そりゃそうだ。
痺れを切らして頭出しボタンを押した。
何かが入っていれば、チュルル~て音するしね。
B面に入って半分…
『チュルルチュルルチュルル…』
恐る恐る巻き戻して再生したんだ。
『ザー、(ここでなぜかノイズが完全にクリアーになる)』
『ギギー(鉄のドアが開くような音)「ママー止めてー」(男の子?)「止めてよーママー」(女の子?)「助けてー?止めてよ!」(二人。)』
『(ママらしき人はここで書類のような物を数える)シャカシャカシャカシャカシャカシャカシャカシャカシャカシャカ。「ママー止めてー」(叫び続ける子供達)』
ギーーーガッシャーン………………ザーーー。
青ざめた俺は、アニキの悪戯と決めつけて隣の部屋に殴り込んだ。
テープを聞かせたらアニキも青ざめていた。
「お前?下にいたんだろ?(自分の部屋は2階)こんな大きな音聞こえたか?」
たしかに…ありえない音量で録音されている。
よく考えたら男の子と女の子の多重録音なんてラジカセじゃ無理だ…
二人いないと…
「この声はどうやったら吹き込めるんだ?」
当時はかぐや姫やらオフコースの心霊レコードが有名で、アニキと俺は話し合い『呪わしいから消却しよう』と結論して消却したんだ。
未だにあの会話の意味が解らずにいる。
みんなもふざけ半分で霊界の声を聞こうとかしないでな。
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山の祭り
何処かわかってしまいそうなので、方言などは省かせていただきます。
子供の頃の話です。
私が住んでいた山奥の村では、年に一度、奇妙な祭りがありました。
松明を持って、村の大人(男の人達)が山に入っていくだけの祭りです。
この祭りの日は、子供は外に出てはいけないことになっていました。
一度外に出ようとして、すごく怒られたのを覚えています。
ばあちゃん曰く、
「知らんでいい」
だそうです。
私には、B君という幼馴染が居ました。(私をAとしておきます)
B君とは、よく親と一緒に川に行って泳いだり、近所の山にいって野苺とかを食べたりして遊んでいました。
B君はとてもやんちゃな子でした。
いつも危ない所や、行ってはいけないと言われている所に行こうとするので、私はいつも
「あそこは行っちゃダメだって言われてるから、怒られる」
と言って止めていました。
実際、山や川は都会のように整備されておらず、マムシが出てくることも多かったので、大人の言っていたことは正しかったのだと思います。
あそこの山はマムシがよく出る、崖が多い、あそこの川は昔子供が溺れた、流れが速い・・・等々、どれもちゃんとした理由があるものばかりでした。
しかし、一つだけはっきりとした理由を教えてもらえないまま、行ってはいけないとされている場所がありました。
それが祭りのときに大人が入っていく山でした。
あえて理由を探すなら、ばあちゃんの忠告くらいでしょうか。
ある日、B君が綺麗な水晶のたくさん付いた石を見せてくれました。
どこで取ってきたのかと聞くと、
「あの山で採ってきた」
と言い、また明日にでもその場所に行くから、Aちゃん(私)も付いてくるといいよと言ったのです。
大人たちからはハッキリとした理由を聞かされずに行ってはいけないとされている山だったことと、何より綺麗な水晶を羨ましく思った私は、嬉々としてその言葉に頷き、次の日に山へ行くことを約束しました。
翌日、大人たちにバレないように、野苺を食べに行くとかそんな理由で家を出ると、水晶の採れる場所までコソコソと向かいました。
山に入ってからしばらくすると、目的の場所に着きました。
雨で崩れ、山肌が露出した場所です。
私たちは手を傷だらけにしながらも、綺麗な水晶をたくさん見つけていきます。
そして、だんだん何処に大きな水晶があるかわかってきました。
それに従うように、どんどんと場所を移動していると、森の奥に少し開けた場所を見つけました。
ちょうど、お腹のすいていた私は野苺でもあるだろうと、B君を誘ってその場所へと足を向けました。
鬱蒼と茂る森の奥に、それはありました。
少し苔むした祠のような物で、周りに岩を幾つも置いている、そこだけ特別だと一目でわかる場所です。
そして、これがあの祭りに関係している物だということもすぐにわかりました。
「これって祭りの・・・」
「そうだと思う」
何の祭りか聞かされていなかった私達は、その祠に興味津々でした。
「ここって開けられそう」
「開けたら怒られると思う」
そう言って私が止める間も無く
「何が入ってるんだろう?」
そう言って、B君は祠を開けてしまいました。
中には、白や茶色の石のようなものがたくさんありました。
後になって知るのですが、それは子供の歯でした。
「何?これ。気持ち悪い」
「もう帰ろう?怒られるよ・・・」
私が帰りたいと言っても、B君は
「もっと調べるから」
と言って、祠の周りを漁りだしました。
その時、急に寒気を感じました。
肌を刺すような痛みと、呼吸ができない程の息苦しさ。
いつの間にか、周りから聞こえていた蝉の声が聞こえなくなっています。
「・・・ダ・・・オッタ・・・」
そんな声が聞こえたので慌ててB君を見ると、B君は気味の悪い満面の笑みで
「???コノ??????モウ???(憶えてません。何かの唄かも)」
と言うと、森の奥へと走り去っていきました。
途端に怖くなった私は、泣きながら急いで山を駆け下りました。
そして、山から出ると、運良く近所のおっちゃんに見つかりました。
山から出てきた私を見つけるなりオッチャンは
「なんで山に入った!?」
と怒鳴りつけてきました。
「祠でB君がどこか行った」
と、私がしどろもどろ伝えるなり、おっちゃんは真っ青になりながら
「・・・お前はオッチャンと一緒に家に帰ろう。Bはすぐに皆で探す。絶対に一人でいるな。家に帰ってからもだぞ!」
そう言うと、おぶって家に連れて行ってくれました。
家に着くと、オッチャンはすぐにBの家、そして近所へと知らせに行きました。
私はなんとか両親と祖父母に先程の出来事を伝えると、父はすぐに山へと向かい、母は泣き出してしまいました。
「Aは何を見た!?」
とばあちゃんが聞くのですが、私はもう母の動揺ぶりを見て泣き止まない状態。
それを見かねたじいちゃんは、家の奥からペンチを持ってきて、いきなり私の歯を抜きました。
もう私は訳がわからず泣き喚くばかり。
「もうAは大丈夫」
とだけ言い、じいちゃんはそれを持って家の外へ出て行きました。
もう空は赤く染まり始めていましたが、村じゅうの大人達がB君を探しにあの山へ向かいました。
ようやく泣き止んだ私は、ばあちゃんと母にすがるように家の前でB君の帰りを待ちました。
何時間たったかわかりません。
もう日が沈んで随分経った頃、道の奥が騒がしくなりました。
B君が見つかったのです。
それがわかるとすぐ、ばあちゃんと母は嫌がる私を家へと押し込もうとしました。
家に押し込まれる間際、私はB君を見ました。
大人たちに引きずられるB君は、縄で手足を縛られて全身血まみれでした。
しかも、それはB君自身がつけた傷で、B君は自分の体を食べようとしていたのです。
B君の母は泣き喚いて、B君の父は呆けたようにしてB君を見ていました。
B君は手当てをされた後、お寺に連れていかれたそうです。
その後、私は両親と一緒に違う土地へ引っ越しました。
B君がどうなったのか、知りたくないというのが本音です。
もう私は村へ帰ることはできなくなりましたし、あれ以来、山が怖くなってしまいました。
後日談として、つい最近、祭りとあの山について教えてもらえました。
以下、父の話を思い出しながら書きます。
あの山には昔、人食いの化け物(?)がいたそうです。
村にたびたび下りてきては子供を攫っていき、山で食べていたらしいのです。
それをどうにかしたいと思った村人達は、旅の偉いお坊さんに化け物を殺してもらうことにしました。
そしてお坊さんと村人達は、なんとか化け物を殺します。
しかし、お坊さんは
「これはまだ自分が死んだとわかっていない。だから本当の意味で死んでいない。これからもこれを殺していかなくてはならない。それでもし死なないなら、それでも子供を救う手はある」
と、その方法を教えたそうです。
子供を救う手というのは、じいちゃんがやった歯を使うやり方だそうです。
アレは骨や歯を食べなかったそうで、その食べない部分を見せることで、
「お前はもうこの子を食べた」
と思わせていたようです。
普通は、自然に抜けた乳歯をあの祠に持って行くんだそうです。(そういえば、抜けた乳歯はばあちゃんに取り上げられていました)
私はアレに姿を見られていたので、もう一度歯を抜かれ、そしてもう一度見られない為に村を離れることになったというわけです。
そして、あの祭りはアレを殺した時の再現なんだそうです。
しかし、殺すというより封じると言ったほうが良いかもしれません。
B君の件で、若い村人達(といっても全然若くない)もアレの存在が伝承ではないと知ったようです。
なにより、まだ人を食おうとしているのですから。
本当なら、この話は乳歯が全て永久歯に生え替わった時点で聞かされる話だったようです。
知らない方が山に関わるまいとのことらしいですが・・・
私は土地の人間ではないことになっていたので、最近になってやって聞けました。
そして話の中で、父から村の過疎化を聞かされました。
もしかしたら、近い内に廃村になるかもしれない、とも。
もし誰もアレを殺す人が居なくなったら、アレはまた人を食おうとするのでしょうか?
止めてはならない祭りというのもあるのだと、そう思いました。