「 謎 」 一覧
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峠のお地蔵様
俺が工房だった頃、連れに族(笑)がいて、たまに一緒に峠とか走ってたんだわ。
で、まぁ族とかやってるような奴なんで頭は悪かった。
遠出してあんま土地勘のない山でちょっと一服ってことになった。
ちっちゃい地蔵が三体くらいかな?
並んでんのに気づいてね。
その族の連れが、おもむろに地蔵を蹴ったんだよ。
踏みつけるような感じで。
そしたらさ、地蔵の首とれちゃった。
苔の生えた地蔵だったから相当古かったんだろうね。
連れはテンションあがっちゃって、地蔵の首を崖の下に蹴り落としたんだ。
ひでーことすんなーと思ったが、俺も特に止めなかった。
祟りとか霊って信じてなかったし。
半年くらいたってその連れ、バイクで事故起こして帰らぬ人になった。
普段からラリってバイク乗るような奴だったから、遂に事故ったかくらいにしか思わなかった。
まぁ悲しい気持ちではあったけど、これだけなら別におかしな話ではない。
ただ、事故って崖から落ちた連れの首、とうとう見つからなかった。
もう一つ不思議なのは、地蔵の首が元通りになってたこと。
地蔵の正確な数は覚えてないし、もしかしたら首無しを撤去したのかもしれんが。
普通、撤去とかしないよな。
ちなみに俺には害はなかったですよ。
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でっかい女
私には双子の妹がいる。
まあ田舎で人数が少ないから当然なんだけど、双子というのは珍しく、学校には私たち含め二組しかいなかった。
しかも、そのもう一組は同い年で同じ双子ということもあってか、小学校の時からよく遊んでた。
家も近かったしね。
この双子の家は地元の旧家?で、結構でかくて古い屋敷に住んでた。
そして家系か知らんが、代々そういうものが見えるらしかった。
(らしい、というのは私ら双子が零感だからw)
以下、二人から聞いた話。
ある日、弟の方が部活から帰ってると(兄の方は帰宅部w)遠くの方に、こちらに向かって女が歩いてくるのが見えた。
至って普通の格好だったので、その時は何も感じなかったらしい。
が、だんだん近づいてくるにつれ、とてつもない違和感に襲われた。
その違和感は女がバス停を横切った時にわかった。
背がバス停の屋根超えとる。
ってことは、あの女3mぐらいある(しかもなんか変な歩き方しとるし…)
部活帰りで疲れてるせいもあり、一瞬目を疑ったが、やはりそいつはとてつもなくでかい。
その上、俯き気味でよく見えんが、こころなしか口元が笑っているように見える。
あまりの気味悪さと恐怖で道を引き返そうかと思ったが、瞬きをした一瞬の間に女は消えてしまった。
なにがなんやら、もう涙目状態でダッシュで帰宅。
大声でわめきながら帰ってきたので、 騒々しさに家の中から出てきてた親父と片割れに事情を話したところ、ふたりとも
「あーあれねw」
という感じだったらしい。
話によると、兄は既に遭遇済み。
親父によるとなんか知らんが前からおったと。
兄曰く、
「気持ち悪いのがきたなーってまじまじ見てたら、擦れ違う時急に大声でげらげら笑いやがったから、びびったよ。化けもんだよあいつw」
お前まじまじ見んなよwこええよw
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いたずら電話
いたずら電話ってあるよな。
電話番号を変える前、家にもよく掛かってきてたんよ。
もしもし言う前に切る奴、終始無言な奴、ハァハァ聞こえる奴、色々。
ナンバーディスプレイなんぞ無い時代だったし、対処のしように親は困ってたみたい。
でも、俺と姉はそんな暇なやつらを逆に面白がっててな。
無言電話なら、ずっと切らずに放置して電話代増幅してやろうぜwとか。
ハァハァ言う人にはわーっ!って大声出したりしてからかったりしてた。
そんで、その日もいたずら電話は掛かってきた。
姉が出て、「いつものいつものw」っていう。
どれー?って聞くと「無言!」ってうれしそうに返してきた。
俺たちは、クスクス笑いながら今度はいつまで保つかな?とか言ってたんだが、突然姉が押し黙っちまった。
どうしたん?ねぇ?って聞いても返事一つくれない。
そんで今度は突然「ぃや!」とか言って切っちまった。
なんだったの?って聞くと「気持ち悪い、ぴぴぴ・ぴぴって聞こえてきた」とか言い出す。
ぴぴぴ・ぴぴってのは何だろう?
俺も後に聞くことになるんだけど。
FC音源で音程がぴぴぴ↑・ぴぴ↓って感じ・・・・・・わかりにくいな。
しばらくしてまた電話が掛かってきた。
姉は、さっきのがそんなに恐かったのか出ようとしない。
じゃ僕がっ、て出ると、また無言電話。
姉は恐がって早く切れ早く切れって言うけど、俺には面白くしかないし、内心姉の聞いたぴぴぴが聞きたかった。
2分くらい粘ったかな?
ついに電話の向こうから小さくだけど、ぴぴぴが聞こえてきた。
一定のリズムで何度も何度もぴぴぴ・ぴぴ ぴぴぴ・ぴぴ ぴぴぴ・ぴぴ
徐々に大きくなってる気がする・・・
少し恐いけど好奇心の方が勝り、しばらくそれを聞き続けた。
そしたら
『う゛あぁああぁぁぁあ゛あ゛あ゛あ゛!!!!!』
「うわっ!!」
電話を思わず切った。
男の野太い声で苦しそうな叫び声。
今でも覚えてる。
その日の夜、親が帰ってきてから姉は電話を変えてと親に嘆願してた。
よっぽど恐かったらしい。
親も電話局に相談して電話番号を変える事と相成った。
おかげさまで俺んちの電話番号はどんな電話帳にも載ってない。
載せないように手筈されてるらしい。
まぁ今から考えれば、向こうの反撃以外何者でもなかったって、いやそれでおしまいな話だわな。
ただすっげぇ気持ち悪かった。
ぴぴぴも声も。
ぴぴぴはなんか吸い込まれるなんかを感じた。
姉によると、恐らくはぴぴぴ聞こえてる間、俺も姉と同じように無口になってたそうだ。
全然その気はなかった。
というか、姉の声なんかその時してなかったんだけどな。
なんだったんだろう。
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ジーサイ
中学校2年のときの話。
俺は家は漁師じゃなかったが海辺に住んでた。
というか、前の浜から背後の山までせまくて細長い土地の町だったんで、ほとんどの人が海辺に住んでると言えるんだけどな。
それで今でいうビーチ・コーミングを趣味としてた。
当時はそんな言葉はなかったけど、簡単にいえば漂着物の収集のこと。
日本海側の北の方だったから熱帯の貝やヤシの実なんてのはまず見られなくて、日本にない漢字やハングルが書かれた浮きなんかが多かったが、ときおり変わったものもあった。
ビーチグラスはもちろん、古い陶器の破片や変な形の魚の骨とかルアーとか。
あと流木は俺は興味なかったんだが、大きいのを家に持って帰ると、当時まだ生きてたじいさんが皮を剥いで磨きあげて置物にしてた。
中学校の仲間や小学生でもやってるやつがいたんで、そいつらより先にと思って朝の6時頃には浜にいて見て回ったりもした。
11月頃だったと思うけど、海が荒れた翌日で何か収穫があるかと浜に出てみたら、テトラポットの隙間に何か赤茶色の大きな物が引っかかってるのが見えた。
近づいていくと何かの像のような物で、自分の背丈よりも大きく見えた。
顔の方を下に沈めて背中が出てるんだけど、お寺で見る仏像とはまったく違って頭が大きくいびつな形をしてる。
木目が出ているとこがあるんで木彫りだと思った。
一人ではどうにもできないので、家に戻ってじいさんを呼んできた。
じいさんも初めて見るらしく、首をひねりながら人を集めて引き上げてみると言った。
俺はもう学校に行く時間になってたんで家に戻った。
どうなったか気にしながら学校から帰るとじいさんが待ってて、像を引き上げて町の神社脇の御神輿なんかをしまってる倉庫にとりあえず入れたとのこと。
神主にも見せたけど何ともわからなくて、県都の大学の先生に連絡したそうだ。
気になるだろうから今から見にいってみないかと。
じいさんと連れだっていってみると倉庫の鍵は開いてて、御神輿や消防団のポンプ車がある奥に今朝の像が立てかけてあった。
像は、貝や海藻なんかをこすりとってきれいになっていたが、あらためて見るとやっぱり奇妙な形をしてる。
頭が大きいと思ったのは兜で、のたくったような飾りがついてて、その下には目が落ちくぼんで長い顔がある。
日本の物ではないのかもしれないと思った。
胴の真ん中あたりが、ぐるりと何かでこすれたようにささくれだっている。
すごい物を見つけたのかもしれないと思ってちょっとワクワクした。
その夜、像を置いた倉庫から道をはさんだ向かいの家が火事になった。
せまい町なので消防車が走れば町の人はみんな外に出てくる。
気づくのが早かったせいか、火事はボヤ程度で済んだけれど原因は不明。
検証では外から火が広がっているとのことだったので、放火が疑われてるという話だった。
たまたま消防ポンプにも貯水池にも近かったんで他に延焼はなかった。
数日後に、火事を出した家の奥さんと高校の同期だった母親が奇妙な話を聞いてきた。
火事になった夜に洗濯物を居間に干していると、コツコツと縁側のガラス戸を叩く音がする。
何かと思って見にいってみると、暗闇の中からぬっと顔が出てきてサッシに外からはりついた。
顔は日本人には見えず、両目はぜんぶ白目だった。
その時に北国の厚いサッシごしなのに「さむい、さむい」という声が聞こえてきたそうだ。
あっと驚いて後ろに倒れたときに、車庫の前から火の手が上がってるのが見え、なんとか叫び声をあげて家人を呼び、119番通報をした。
消防にこの話をしたら、放火犯かもしれないからと警察もまじえて色々聞かれたそうだ。
ただ奥さんは母親に、あれはぜったい生きた人間じゃなかったと強調してたという。
それから数日して、初雪が降った日の夜に変な夢を見た。
腹のあたりがすごく痛くて、下を見るとぐるぐる縄で柱か何かに縛られていて身動きがとれない。
疾走感があって、潮風が風にあたるんで前を見ると荒れた海がある。
船の舳先に縛りつけられているんだとわかった。
両手は縛られていないんだけど、神社で拝むように手を合わせた形になってて動かせない。
なんとか手のひらを離そうと、もがいているうちにも波がどんどん通り過ぎていく。
背後で「ジーサイ、ジーサイ」と何人か叫んでいる太い声が聞こえる。
かなりの時間暴れていた気がするが、やっと手のひらがはずれてその拍子に目が覚めたと思った。
目を開けるとすぐ前に顔があった。
小さい電球しかつけてないのにはっきりと見えた。
顔はつるっとした坊主頭で濡れていて、大きな目はどっちも白目。
片方がぷちゅっとはじけて中から船虫が這い出してきた。
顔はだんだん下がって俺の肩のあたりにきて、耳もとに口を近づけて
「・・・さむい、さむい」
と言った。
そのときサイレンの音がして今度は本当に目が覚めた。
部屋を見回しても何もいなかった。
夜中の3時過ぎだった。
自分の部屋から下に降りると、家族も起き出してきてた。
俺はさっきの夢の話をするまもなく、防寒をして一緒に外に出た。
この前のボヤのときより騒然としていて、そうとう大事のような感じがした。
家族と気配がする方に歩いて行くと、通りにはぞろぞろ人が出ていて火事は神社だということを聞いた。
人の流れについていったら、高く煙が上がってるようだ。
さらに近づいたら火がちらっと見えたが、それ以上は規制されていて進めなかった。
後日わかったところでは神社は全焼。
それからあの像を置いていた倉庫にも燃え移り、近くの家にも被害があったが幸いなことに死傷者はなかった。
倉庫は完全に焼けていて、あの像も燃えてなくなってしまったのだと思う。
今回も放火の疑いが強いということで長い間捜査があったらしいけど、いまだに犯人は捕まってない。
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謎の西洋人
異世界から来た謎の西洋人の記事。
1.1990年代に存在しない国のパスポートを持った西洋人が飛行機で成田に到着。
2.男を拘束したら、男が激怒&当惑。
3.入管によれば、存在しない国のパスポート(フェイク)は存在するが、この西洋人が持っていたパスポートのページには、様々な国の入管の正式なスタンプが押されており、日本の入管のスタンプも押されていた。つまり、以前に日本に入国経験有りだが、入管には記録はない。
4.男曰く、男の出身国は1000年以上存在しているヨーロッパの国であり、様々なヨーロッパの紙幣と国際自動車免許証を所有し、数カ国語を喋れる。
5.男は、冗談で拘束されているんじゃないかと言い、抗議のため政府高官との面会を要求。
6.拘束から14時間後、男を空港からホテルへ移送。
7.入管は、男に指示があるまでホテルの部屋から一歩も出ないように命令。複数の警備員が監視。
8.翌朝、男が失踪。唯一の出口は、警備員が立っていたドアと階段などに繋がっていない部屋の窓のみ。尚、部屋は15階にあった。
7.入管は東京中を探すよう指令を出したが、結局見つからず打ち切りになった。