「 田舎の怖い話 」 一覧
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空き家の女
小学校低学年の頃。
両親の用事で、俺は知り合いのおばちゃんちに一晩預けられた。
そこの家は柴犬飼ってて、俺は一日目の暇つぶしにそいつを連れて散歩に出かけた。
土地感のないところをやたらめったら歩き回ったんで、迷子になってしまった。
シャイボーイだった俺は、他人に話し掛けることもできないし、連れてる犬は役に立たないしで、ウロウロしてるうちに夕暮れ近くになってしまった。
しかも、ある場所を通りかかったとき、急に犬が足を踏ん張って動かなくなってしまい、俺はそいつ抱えて歩き出したんだけど、異様にクソ重たい犬だったような気がする。
そうやって立ち往生してた場所の右手に、2軒つながりのような形の空家があった。
当時、昆虫集めに凝ってた俺は、いい虫(カマキリとか)でもいないかと、犬をひきずってそこんちの草ぼーぼーの庭に入り込んだ。
んで、しばらく草をかき分けてるうちにいいかげん暗くなってきて、こりゃやばいと顔を上げた。
空家のほとんどの窓は雨戸閉まってたんだけど、俺と玄関をはさんで向こう側の窓の雨戸だけが少しだけ開いてて、そこから女の人が顔を突き出してるのが見えた。
顔つきとか覚えてないけど、確か女で、両目閉じたまま顔を左右に振ってたと思う。
とにかくキショイ動きだった。
俺は「ギョエェェェーー!!」と、思ったわりに声も出ないまま腰ぬかしたけど、一目散に空家から飛び出した。
それからどうやっておばちゃんちまでたどり着いたのか忘れたけど、おばちゃんに半泣きで空家の女のこと言ったら、おばちゃん怒り出して、なんでか分からんけど、すぐさま頭をバリカンで丸坊主にされた。
その後、知らないおっちゃん連れてきて、呪文みたいなの聴かされた。
それに、出かけてたはずの両親も急遽呼び出されたり、結構大事になった。
以来、おばちゃんちには一度も行ってないけど、犬は結局帰ってこなかったと思う。
すんません、おばちゃん。
つか、これ最近思い出したことなんだけど、あれは一体なんだったんだろう。
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幽霊に気に入られる
俺の親父が今の会社に勤めて間も無い頃。
その事務所で働いていた女が海で入水自殺した。
漁師をしていた母の友人の知り合い(Aさんとする)が、漁師仲間に服を脱がされていたその女の死体を見て不憫に思い、自分の上着をかけてやったら、それに心打たれた女の幽霊が、Aを道連れにしようと13年間付きまとったって話がある。
漁師仲間は木の棒でスカートをまくり上げたり、下着を脱がしていたそうです。
何十回と霊媒氏に見てもらっても、出てくるのは先祖の霊ばかりで、本体が出てきたのは霊障が始まって13年経ってからだったそうです。
漁をしていると、何度も海に引きずり込まれそうになったり、昼夜を問わず視界の端々に姿を現し、霊媒氏の所へ行こうとすると鏡が倒れてきたりと、家の中はめちゃくちゃだったそうです。
Aさん自身は悪いことをしたと思っていなかったそうで、全然心当たりがなかったそうです。
優しくするのも怖いもんだと、その話を聞いて思いました。
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心霊スポット
これは、俺の友達が経験した実話。
そいつのことを仮にSとするけど、Sは肝試しとか好きで、よく地元のツレとかと一緒に心霊スポットに行ってたらしい。
ある秋の夜、いつものノリでツレ二人と、R寺というスポットにSの車で赴いたんだ。
R寺は県内でもそこそこ有名な場所で、特にその寺に続く下り坂がヤバいらしいんだが、S達がその坂にさしかかって車を停めたんだが、何ともない。
雰囲気も普通で、全開にした窓から秋の涼しい風が吹き込んできて心地いいくらい。
あまりにも期待外れだったので、Sは車のエンジンを切り、ライトも消してツレと談笑しはじめた。
数分後、後部座席に座っていたやつが、急に寒くなったと言い出した。
まぁ秋も深まる季節だし不自然ではなかったし、Sは大して不振には思わずに
「脅かすなら上手くやれよw」
とか言っていた。
だが、後部座席のやつが寒い寒いとあまりに言うものだから、切り上げて帰るかということになった。
そして、車を発車しようとキーを回す。
が、セルが回る音がするだけでエンジンがかからない。
何度も何度も試すがかからない。
さすがに肝を冷やしたが、Sは冷静に考えてバッテリーがあがってるか確認しようとドアレバーを引く。
しかし、ロックは解除されているにも関わらずドアが開かない。
慌ててガチャガチャやっている間に車内の体感温度がどんどん下がってくる。
もう車内はパニック状態で、後部座席のやつなんかは失神しそうな勢いだった。
そしてSが、ヤバい!!と思った瞬間、後ろから強烈な光に照らされた。
次の瞬間、エンジンがかかったんだが、後ろから照らしてきたタクシーの運転手が降りて、慌てて駆け寄ってくる。
そして運転手はしきりに
「大丈夫か?なんともないか?」
と聞いてきた。
タクシーの運転手の慌て様があまりにもすごかったのでSは
「な、何が大丈夫なんですか?」
とか聞いちゃったらしい。
すると運転手が神妙な顔でこう言った。
「今、あんたらの車の後部座席の窓から、車内に入ろうとしてる女がいた…」と……
もう一目散に逃げ帰って、心霊スポット探索は自重したそうな。
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お寺での生活
私の叔母さんは、お寺の跡取りさんと結婚して、離島に一軒しかないお寺に住んでいた。
今は旦那さんに先立たれて、子供もいなかったので、最近私たちの家の近くに引っ越してきた。
お寺といえば、よく怖い話とかじゃ心霊写真だの、いわくつきのものを預かったりとかいうから、伯母さんのところはどうだったの?と聞いた。
「そりゃ、預かったことあるわよ」
と軽く言われ、
「怖くないの?」
と聞いたら、
「慣れるよ」と。
「でもどんどんたまってくでしょ?」
「おたきあげするから」
なるほど~って感じだった。
そんな伯母さんが、一度だけ怖いと感じたことがあって、それは一本の日本刀を預かった時だったそうな。
その刀は抜くと不幸なことがあるという刀で、持ち主は捨てるに捨てれないし、預かってほしいと言ってきたそうだ。
その頃は結婚してお寺に住んでいたが、亡くなった伯父さんではなく、伯父さんのお父さんが住職だった時で、その方が預かったんだそうだ。
住職さんが、預かった後どんな刀だろうと面白がって、止めたけど抜いてしまったそうだ。
そうしたら、その後すぐ喀血して亡くなった。
で、こっからが私が一番怖いと思ったことだけど、
「その後、刀どうしたの?」
って聞いたら、
「なんか知らないけど無くなった」
確かにそうなってもおかしくない。
田舎のお寺で、地域の人が無断でどんどん入ってくるんだよ。
しかも、お寺と自宅がつながってるから、家にまで入ってきちゃう。
私は仕事で行けなかったけど、学生だった妹がお葬式とか整理を手伝いに行ったとき、ドア開けたら廊下に知らない人が立ってて、マジでびっくりしたって。
そんなんだから、よく物がなくなるんだよ。
うちの母は
「まあ結局必要なところに行くのよ」
とか訳の分からんことを言ってたけど、必要なところってどこよ・・・
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雨乞い
俺が、小学校低学年の辺りのマジ話。
平成7年辺り(めっちゃうろ覚え)、日照り&水不足が続いて大変だった年があったじゃないですか。
俺がその日(土曜日)学校から帰って来ると、近所の妖怪お婆様連中がぞろりぞろりと、山から手押し車をカラリガラリと押しながら帰って来ますた。
家に着いてからお母様に、
「婆さんがだ何やってらっけんず~?」
と聞いてみた所、
「○○婆さんが昼寝してたら神様が夢に出て来て、○ヶ岳の頂上で褌女相撲を見せれば雨降らせるってお告げが出たんだとさ」
この時点で俺は驚愕。
『か、神様…お告げですか?神様はまだしも、褌女相撲…』
うちのお婆様も参加して居たので(orz)、詳しく話を聞いてみると、60~72までのお歴々が裸に赤褌一丁で、本気相撲をやったらすぃ。。。
次の日から、まるで
「ババァ共、汚ねぇ裸晒してんじゃねぇぞゴルァ(゚д゚#)」
と言わんばかりに雨が降りますたとさ。