「 自宅での怖い話 」 一覧
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深夜の不審者
深夜の不審者
学生時代に、女の友人のアパート(1階部分)に泊まった時の話。
午前3時頃、女同士の長いおしゃべりに疲れてコタツでザコ寝していたら、外からガタンガタンという音がした。
隣の家の物音だと思い無視していたが、音は止まない。
その部屋は1ルームの部屋で、外に面して大きな出入り出来るような窓がある。
大きな窓だったのでちょうど良いサイズのカーテンが見つからず、下の部分が20cmくらい空いていた。
暗闇の中、目が慣れてきて窓の所を見ると、誰かが必死で窓を外から開けようとしているのが見えた。
怖すぎて声が出なかったが、ずっと必死に窓をこじ開けようとしているズボン部分が見える。
開かないのがわかると、カーテンが足りない部分の窓から部屋の中を覗き込んだ。
その覗いた人物は、ミッキーマウスのお面をかぶっていた。
寝ている私の目の高さと、ミッキーマウスのお面の中の目が会った時に思いっきり叫んだ。
友人をたたき起こし警察に電話した。
あれ以来、ミッキーマウスがトラウマになってます。
その後、貧乏な友人は引っ越す事が出来ず、どうにか不審者を撃退しようと、ベランダ部分に外から見えるように、大きな白い紙に赤い筆文字で、
『不審者に告ぐ、覗けばお前を末代まで呪う。』
と書いて貼ってました。
実話っす。
その頃『ザザンボ』とか『バリゾーゴン』とかいう、変な日本の怖い映画のポスターを街で見かける事が多く、近所の小学生にその友人宅は、『ザザンボ屋敷』と呼ばれてました。
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エレベーターの向こう側
建築法だか何だかで、5階(6階かも)以上の建物にはエレベーターを設置しないといかんらしい。
だから、俺が前住んでいた高速沿いのマンションにも、当然ながらエレベーターが一つあった。
六階に住んでいた俺が階段を使うことは全くといっていいほどなかった。
まあ、多分誰もがそうだろう。
来る日も来る日もエレベーターのお世話になった。
階段は下りるならともかく、昇るのはなかなかにツライ。
だが、ツライのは分かっていても、今の俺は専ら階段しか使わない。
大学の講義がない平日の昼頃、俺はコンビニでメシを買ってこようと部屋を出た。
1階に下りるのには当然エレベーターを使う。
エレベーターは最上階の8階に止まっていて、今まさに誰かが乗るか降りるかしているところのようだった。
俺は階下のボタンを押し、エレベーターが下りてくるのを待った。
開いたエレベーターのドアの向こうには、中年のおばさんが一人いた。
ちょくちょく見かける人だったから、多分8階の住人だったんだろう。
軽く会釈してエレベーターに乗り込む。
1階のボタンは既に押されている。
4階で一度エレベーターが止まり、運送屋の兄ちゃんが乗ってきた。
3人とも仲良く目的の階は1階だ。
だが。
エレベーターは唐突に、3階と2階の間で止まってしまう。
一瞬軽いGが体を押さえつけてきた。
俺を含めた室内の3人は、3人とも顔を見合わせた。
何だ。
故障だろうか。
停電ではないようだ。
エレベーター内の明かりには異常がない。
「どう……したんすかね」
俺がぼそりと呟く。
おばさんも運送屋も首を傾げる。
暫く待っても動く気配がない。
と、運送屋が真っ先に行動した。
彼は内線ボタンを押した。
応答がない。
嘆息する運送屋。
「一体どうなってんでしょう」
運送屋の疑問は俺の疑問でもあった。
多分数字にしてみれば、大した時間じゃなかった筈だ。
沈黙は3分にも満たないくらいだったろう。
それでも、漠然とした不安と焦りを掻き立てるには十分な時間だった。
何となくみんなそわそわし始めた頃、エレベーターが急に稼動を再開した。
おばさんが短く
「わっ」
と声を上げる。
俺も突然なんでちょっと驚いた。
しかし、だ。
押しているのは1階のボタンだけだというのに、どういうわけか下には向かわない。
エレベーターは上に進行していた。
すぅっと4階を抜け、5階、6階……7階で止まり、がらッとドアが開いた。
俺は訝しげに開いたドアを見る。
全く、何なんだ。
一体なんだっていうんだこれは。
「なんか不安定みたいだから」
おばさんがエレベーターを降りながら言った。
「なんか不安定みたいだから、階段で降りる方がいいと思いますよ。また何が起こるか分からないし」
「そりゃそうですね」
と、運送屋もエレベーターを降りた。
当然だ。
全く持っておばさんの言うとおりだ。
今は運良く外へ出られる状態だが、次は缶詰にされるかもしれない。
下手をすれば、動作不良が原因で怪我をする可能性もある。
そんなのはごめんだ。
俺もこの信用できないエレベーターを使う気などはなく、二人と一緒に降りようと思っていた。
いや、待て。
何かがおかしい気がする。
エレベーターの向こうに見える風景は、確かにマンションの七階のそれである。
だが……やけに暗い。
電気が一つも点いていない。
明かりがないのだ。
通路の奥が視認できるかできないか、というくらい暗い。
やはり停電か?
そう思って振り返ってみると、エレベーターの中だけは場違いなように明かりが灯っている。
そうだ。
動作に異常があるとはいえ、エレベーターは一応は稼動している。
停電なわけはない。
どうも何か変だ。
違和感を抱きつつ、俺はふと七階から覗ける外の光景に目をやってみた。
なんだこれは。
空が赤い。
朝焼けか、夕焼けか?
だが今はそんな時刻ではない。
太陽も雲も何もない空だった。
なんだかぞくりとするくらい鮮烈な赤。
今度は視線を地に下ろしてみる。
真っ暗、いや、真っ黒だった。
高速やビルの輪郭を示すシルエット。
それだけしか見えない。
マンションと同じく一切明かりがない。
しかも普段は嫌というほど耳にする、高速を通る車の走行音が全くしない。
無音だ。
何も聞こえない。
それに動くものが見当たらない。
上手くいえないが、『生きている』匂いが、眼前の風景から全くしなかった。
ただ空だけがやけに赤い。
赤と黒の世界。
今一度振り返る。
そんな中、やはりエレベーターだけは相変わらず明るく灯っていた。
わずかな時間考え込んでいたら、エレベーターのドアが閉まりそうになった。
待て。
どうする。
降りるべきか。
それとも留まるべきか。
今度は特に不審な動作もなく、エレベーターは大人しく1階まで直行した。
開いたドアの向こうはいつもの1階だった。
人が歩き、車が走る。
生活の音。
外は昼間。
見慣れた日常。
安堵した。
もう大丈夫だ。
俺は直感的にそう思って、エレベーターを降りた。
気持ちを落ち着けた後、あの二人のことが気になった。
俺は階段の前で二人が降りてくるのを待った。
しかし、待てども待てども誰も降りてこない。
15分ほど経っても誰も降りてこなかった。
階段を下りる程度で、ここまで時間が掛かるのはおかしい。
俺はめちゃくちゃに怖くなった。
外へ出た。
何となくその場にいたくなかった。
その日以来、俺はエレベーターに乗りたくても乗れない体質になった。
今は別のマンションに引越し、昇降には何処に行っても階段を使っている。
階段なら『地続き』だから、あっちの世界に行ってしまう心配はない。
だが、エレベーターは違う。
あれは異界への扉なんだ。
少なくとも俺はそう思っている。
もうエレベーターなんかには絶対に乗りたくない。
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昔住んでた市営団地
3才から20才くらいまで住んでた市営団地の話。
4階建て団地の最上階に住んでたんやけど、各階左右に部屋があって、自宅は左側。
右側の部屋はずっと空いてた。
小6くらいの時に、最上階だけ左右の部屋を繋げて間取りを広くする工事があった。
間取りが2倍になるんで『自分の部屋が手に入る!』と、妹とはしゃいでた。
で、リビングと台所と自分の部屋は左側(元々住んでた方) 両親の部屋、妹の部屋、トイレとお風呂は右側(増築分) って感じで部屋割りが決まったんやけど、どうも増築した側がおかしかった。
明らかに寒い…というか空気が違う感じ。
まぁ増築側の部屋は畳やし、水場もあるし気のせいやろと思ってたんやけど、変な現象が次々と…
妹がベットで寝てたらベットがガタガタと揺れたり、誰も住んでないはずの隣の部屋から話し声が聞こえたり(妹の部屋)
この時は妹がほぼ不登校な感じだったので、精神的な問題かなぁと思ってたんやけども…
そのうち自分も金縛りにあったり、ベランダ(増築側)のガラスに謎の顔(仏像的な)をみたり…
特に害は無いんやけども、一番嫌やったのは謎のハイヒール。
夜中の2時とか3時に、階段を上がってくるハイヒールの音が聞こえるんやけど、4階まで上がってきて音が途切れる…
降りる音は聞こえない…
これがほぼ毎日。
これは気持ち悪かった…
おかんが水商売やってたし、おとんはよく飲みにいってたし、そういう関係の幽霊を連れてきてたんかな?
まぁ一番洒落にならんのは、なんやかんやで両親離婚&家出。
妹は家出して妻子持ちと不倫、結婚。
一人取り残された俺は、バイトクビからの電気ガス水道停止、食料無し…
まぁ、今では皆幸せに暮らしてますけどね。
たまに団地の前を通るのですが、10年近くたった今でも誰も入居してません。
…やっぱり何かあるんですかね?
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ダメな土地
うちの祖母は、いわゆる視える人なんだが、近所の大きな駐車場が宅地造成されて分譲されるって聞いたら
「あの土地はダメだ!悪い事が起こる!」
ってスッゲー激怒。
何でダメなのか聞いても
「あの土地はダメなんだ」の一点張り。
確かに、その駐車場に隣接している家にはマジ基地が何人もいる。
駐車場敷地内の大木が切り倒された頃、うちの祖母が入院した。
見舞いに行っても意識が無い状態が続き、駐車場の事を話さないまま他界してしまった。
その後、周辺では祖母が言った通り事故事件が多発している。
駅で人身事故。
殺人。
乳児遺棄夫婦の逮捕。
そして女子中学生誘拐…
マジ怖いんだけど(´;ω;`)
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佐清
私の母は、海外に在住の友達(以後、母友)とほぼ毎日Skypeでテレビ通話をしている。
私も母友さんの事を良く知ってるし、英語を教えて貰ったり日本語を教えたりの仲だった。
そんなある日、母友さんが急遽引っ越す事になった。
んで、暫くして格安のアパートを見つけたんだが…
まぁ、所謂『曰く付き物件』だったそうだ。
と言うのは私の母のみで、母友さん自身は気付いてないらしい。
具体的に何があったかというと、
・Skype通話中に画面全体が謎の発光現象。(母友さん側のLIVEカメラは普通にこちらが映っている)
・Skype通話中、母友さんがお手洗いに立ち、誰も映らない筈のLIVE画面に、物凄いスピードで横切る白い人影と、此方を覗きこんでくる性別不詳の白い顔。
・母友さん不在時に謎のSkype着信。
…というのが、入居当日から立て続けに起こったらしく、母は完全にガクブル。
仕方ないから、Skype通話中は私も同席する事になった。
んで、ついこないだ。
いつものようにSkype通話に同席しようと母の部屋を訪れたら、母は私の顔見て大爆笑。
実はこの時、私はクリーム状のフェイスパックをしており、さながら『スケキヨ』のような顔だったらしく、それが母のツボに入ったらしい…
「スケキヨ、スケキヨ」と連呼する母に憤る私を、更に面白がった母は母友さんにも見せようと、私の頭を掴むなりLIVEカメラに顔を押し付けてきた。
当然、母友さんのLIVEカメラには私のドアップが映ったのだが、タイミング良く母友さんは退席中で、誰も居ない部屋が映っていた。
「不発だったかぁ…」
と母は残念がっていたが、私は見てしまった。
白い半透明の人影が「ファッ?!」とでも言いたげなオーバーリアクションで飛び上がる様を…
それ以降、白い影は全く出なくなったとの事。
おかげで、母には「スケキヨ除霊師」と呼ばれてる。
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