「 自宅での怖い話 」 一覧
-
-
天狗の夢
親戚の叔母さんからよく聞いた話。
今は70過ぎた叔母さんが10代の頃、仲のいい職場の友達とバス旅行に行く予定だったそうです。
ところが出発の前の晩、真っ赤な顔の天狗さんが山の上で仁王立ちになってる夢を見たそうです。
そして、いざ出発の日。
どういうわけか前日に用意した荷物がなくなり、どんなに探しても出てこなかったらしいです。
友達が誘いに来ましたが、事情を話しキャンセルし、また今度と見送ったんだそうです。
それから数時間後、友達の親が血相をかえて家に来ました。
バスが崖から転落したと駐在から連絡があったんだそうです。
友達の一人は亡くなったらしいです。
-
-
前の住人
俺が大学3年になる頃の話。
それまで大学のすぐ近くに住んでたんだけど、バイクを買って通学時間が短縮できるようになったのと、部屋が荷物で手狭になってきたこともあって、引っ越そうと思ってあれこれ部屋を探してたんだ。
そしたら隣町の不動産屋で、少し大学から離れるけれど、家賃はそのままでそれまでの倍ぐらいの広さの部屋を見つけた。
4階建てのマンションの4階で、屋根がちょっとカマボコ型のドームみたいになってロフトのついてる物件で、すごくお得だった。
家賃がすごく安いから、下見の時に不動産屋の人に
「自殺でもあったんじゃないんですか?」
って冗談めかして聞いてみたんだけど
「自殺があったらもっと安くしてますよ。それに前もお兄さんと同じ大学の学生さんに住んでもらってたんですよ」
って言われて特に怪しい感じでもなさそうし、とにかく安くていい物件だったから信用してそこに決めたのね。
で、あっという間に引越しの日になって、友達に手伝ってもらって荷物運び込んであれやこれや作業して、落ち着いたときにはすっかり夜中だった。
ホントは友達と新居で酒飲む話になってたんだけど、前日から徹夜で片づけしててあまりに疲れたので、その日は帰ってもらってぶっ倒れるように寝込んじゃった。
次の日も休みだったから、そのままとことん寝てやるつもりだったんだけど、3~4時間してに急に目が覚めた。
最初、自分がなんで目覚めたのかもわからずに「?」って感じで明け方の薄明るい部屋の中でぼさっとしてたんだけど、ちょっと目が冴えて来ると同時に、なにか屋根の上でごそごそ音がしてるのに気付いた。
さっきも書いたけどロフトがあって屋根裏みたいな空間になってるから、ちょっと音が響くわけよ。
ちょうどベランダの窓の上のあたりから、ごそごそ、かさかさ、ごそごそ、かさかさ、って聞こえてくる。
何の音か分からなくて気持ち悪かったんだけど、眠たい所邪魔されて少しイラッと来たのもあったから、思い切って窓開けてベランダに出てみた。
そしたらその瞬間、バサバサバサっ!って、でっかいカラスが2.3匹飛んでいった。
「なんだ鳥か」って思ってその時はまたすぐ寝ちゃったの。
で、そのまま何事も無く3日ほど過ごしてたんだけど、毎朝鳥が来てガサガサやるのは続いてた。
正直ウザかったけど、「家賃が安いしこういうのもしょうがないかな」って思って慣れるまで我慢することにした。
そして次の日に引越し手伝ってくれた友達と、あと何人か呼んで部屋で飲み会やったんだ。
いろいろ持ち寄ってワイワイやって、気がついたら明け方。
最後までいた2人もそろそろ帰るって事になって、俺が最寄り駅まで送っていったのね。
まだ誰もいない明け方の道をてくてく歩いて駅まで行って、またてくてく歩いてマンションの前まで帰ってきた。
中に入ろうとしたその時、ハッと上を向いて気付いたんだけど、うちのマンションの上だけカラスが10匹くらいいるんだよ。
それもほとんどが俺の部屋の真上。
それ見てすごく気味が悪くなった。
しかも、普通カラスってアンテナの上とかにいるじゃない?
でも、うちのマンションもアンテナの上にも2匹ほどいるんだけど、それ以外が全部俺の部屋の上にいるのね。
それでなんかガサガサやってんの。
ほろ酔い気分も一気に醒めて、速攻で家に帰って、部屋の中から物干し竿で天井ガンガンガンガン!って突いてやった。
そしたらまたバサバサバサって飛んでいったんだけど、やっぱりどうも気分が悪い。
で、朝になるのを待って、ちょっとキレ気味で不動産屋に電話した。
「天井にやたらカラスが来てうるさくて寝れない。なんとかならないか」って。
そしたら
「わかりました、一度業者を伺わせます」
って言って、結構あっさりそういう話になった。
2日後にヘルメットと作業着のオッサンが2人ウチにやってきた。
事情を話すと
「巣でもあるんでしょうかね?」
って言って、若い方のオッサンがベランダにロープと脚立出して、俺ともう一人が見守る中手際よく屋根に上って行ったのね。
上ってすぐだったと思う。
その若い方が嫌な顔して戻ってきてこう言うんだ。
「骨がある。良く分からないけど、多分人間の」って。
俺ももう一人のベテランの方のオッサンも「ハァ?」って感じで、今度はベテランの方が代わりに上ったのよ。
そしたらやっぱりすぐ戻ってきて、
「ありゃ子供の骨だわ、スイマセンちょっと会社に連絡します」って。
俺は最初、2人して俺が学生だからおちょくってるのか?とか思ってたんだけど、オッサンらの姿を見るとどう見てもマジなの。
で、結局不動産屋が来て、警察も来て、オッサンと俺とあれこれ聞かれて、俺はそのまま言われるままに警察署まで行った。
警察が言うには、詳しいことは鑑定してからだが、おそらく嬰児の白骨死体だと。
死後かなり時間が経ってるはずだから、最近引っ越してきたばかりの君を疑うつもりはないが、一応いろいろ聞かせてほしい、と。
そこまで聞いて、やっと自分の住んでた部屋の真上に人間の死体があったってことを脳が理解できた。
吐き気がしたよ。
結局その日、そのまま夜まで拘束されて、フラフラになって友達の家に泊めてもらった。
警察からの帰り際、警官はもう全員俺の家から引き上げたって聞いてたが、もちろん家に帰るなんて気持ち悪くて出来なかった。
次の日、朝一番で不動産屋に行って即時解約を申し込んだ。
契約では2ヶ月前に解約通知しないとダメってなってたけど、事情が事情だけに向こうも何も言わなかった。
敷金や手数料や当月の家賃など、一切の金を返却することも了承させた。
今回の引越し代と、次の引越し代も負担してもらえる事になった。
ただ不動産屋が言うには、騙して契約させたわけじゃないことだけは分かって欲しいとのことだった。
自分達もまさかそんな物が屋根の上にあるとは思わなかったし、鳥が多いのも把握してはいたけど、近くに食肉処理場があるから特に不自然には思わなかったとのこと。
まあ俺は金銭面で全面的に主張が通ったので、それ以上何かを言うつもりは無かった。
もちろんいい気分ではなかったけどね。
そんで早速家を出ることになって、当然そんなにすぐに新しい部屋の都合がつかないから、当面友達の家に居候することになった。
小さな荷物だけはそこに持っていって、大きい荷物はレンタル倉庫に預けることにした。
幸い何個かのダンボールは荷解きせずにそのままだったし、他のものも結構すぐ片付いたから、解約申し込んだ3日後には部屋の荷物を全部運び出し終えてた。
で、部屋がカラになったから、段取りどおり不動産屋を呼んで部屋の引渡し前の確認をしてもらった。
確認も終わって不動産屋と俺と順に部屋を出て鍵をかけて、さあ行きましょうという段になって、俺は玄関の表札をまだはがしてないのに気付いたんだ。
折りたたんだルーズリーフにサインペンで名前書いただけのお粗末な表札を表札入れから抜き取った時、もう一枚裏に紙が入ってるのに気付いた。
全く見覚えのないその紙はひっくり返すと、一面サインペンで塗りつぶしたようになっていた。
日に当てて透かして見ると「○○祐子」か「○○佑子」と書いてあったように見えたが、はっきりとは見えなかった。
不動産屋は
「前の人の書き損じですかね、多分表札の紙が薄いから、書き損じを裏に重ねて入れてたのを置き忘れていったんでしょう」
と言っていた。
俺は、自分の前に住んでいたのは「学生」と聞いていたので何となく男だと思い込んでたから、少し面食らったんだけど、
「そうですか」
とだけ言って、そのまま不動産屋と別れてバイクで友達の家に帰った。
「女が住んでいた」ってわかって、何となく嫌な気分はあった。
俺が家について友達に真っ先に尋ねたのは、1年ぐらい前に起こった暴行事件のこと。
実は、うちの大学の女子学生が帰宅途中に暴漢に襲われる事件があって、それ以来注意を喚起するビラが毎日のように配られてたのよ。
その学生は、結局事件のショックが尾を引いて大学をやめちゃったって噂で聞いたんだけど、事件が起きたのが確か、俺のマンションの最寄り駅の近くだった。
それことについて友達に尋ねてみると、
「確かにあの駅って書いてあった覚えがあるなあ」
って言っていた。
予想通りの返事を聞いて俺には思うところがあったけれど、その時は敢えてそれは口に出さなかった。
それからはマンションで起きたことについてほとんど話す機会もなかった。
周りの人も気を遣ってくれてたのかも知れないが。
ただ一つ不気味だったのは、この件に関してテレビでも、地元の新聞ですら、全く触れられていなかったこと。
大学の図書館に行って、あの期間の新聞をありったけ調べたが、何一つ記事が載っていなかった。
何らかの見えざる力が働いたのか、それ以上のことは調べる術もないわけだが、俺は8割か9割ぐらいで、多分、前の住人が我が子を屋根に遺していったんだと思っている。
確信はないんだけど。
-
-
ベランダの人
ベランダに干してあった私の下着を盗んだヤツが捕まった。
おまわりさんの話では、その下着泥は高校生で
「ベランダに立っていた髪の長い女の人に憧れていたので、つい盗んでしまった」
と、話したとのこと。
しかし、うちに住んでいるのはショートヘアの私と夫だけ。
高校生が見間違えたのだろうと思っていたが、後日きたセールスマンがチャイムに応えてドアを開けた私を見て
「あれ、いまベランダにいた髪の長い人が奥さんかと思った」
と言ったのでほんのり怖くなったよ。
おまけに上の階に引っ越してきた人と道端で話してたら、その人の子供がうちのベランダを指差して
「お姉さん、泣いてるよ?」
と言った。
見てみたが誰もいなかった。
いったいなにがいるんだ、うちのベランダ!
-
-
呪い
私は仕事がら転勤が多く、各地を転々としていました。
時にはアパート、時には貸家。
私が山口の萩というところに転勤になったときの話です。
安く家を貸してもらえるというので、しばらくの間、家を借りることになりました。
ただ問題だったのが、かなりの山奥で、大きい家なのですが、かなり古いものだということでした。
住み始めてから1ヶ月がたとうとするある日。
私の娘が庭で妙な箱を見つけてきました。
家の中も庭も、家に住み始めてから最初の連休のときにくまなく見て回ったはずでしたが、庭に箱などありませんでした。
そう思ったのは、何よりその箱が特徴がある箱で、見て判りそうな目立つ物だったからです。
私には霊感はほとんどないのですが、その箱は異常に不吉な感じがしました。
この時、私の選択が正しければ、恐怖を体験しなかったと思います。
私はこの不吉な箱を燃やしてしまったのです。
ただ一般人的な考えからは、必要無いものは燃やすか捨てるか、そういう選択しかなかったのです。
その当時は・・・
数日して悲惨なことが起こりました。
私の友人の一人が車で事故を起こしました。
車は炎上。
友人が病院に運ばれたときは全身火傷で、すでに息がなかったということでした。
その数日後。
またも私の友人が、家で焚き火をしている際に火が服に移り、右腕と右顔半分を火傷する大怪我を負いました。
病院に入院した友人に会い、事情を聞きました。
友人の話では『事故が起きる数日前、体が焼かれる夢を見た』とのことでした。
私は迷信など信じない性格でしたが、このとき『ひょっとしたら・・・』と思いました。
それから家に帰り、すぐ庭を調べました。
ごみを焼却するごみ穴を調べました。
あの箱は焼け残っていました。
箱を調べようと手を伸ばしたとき、ものすごい寒気が体を襲ったのを覚えています。
箱の中からは人形が出てきました。
全部で3体。
そのうち一体は丸焦げ、一体は半分が焼けた状態でした。
一体はまったく焼けていません。
人形はごく普通の日本人形で、着物を着た女の人形です。
焦げかけた人形を手に取ったとき、焦げた人形の和服がぼろぼろと落ちました。
その人形の裏を見たとき、恐怖のあまり腰を抜かしてしまいました。
そこには友人の名前が書いてあるのです。
クロ焦げの人形の方は名前が見えませんでしたが、大体判りました。
焼けなかった人形に、私の名前が書いてあったからです。
何もかもが不思議でした。
誰がなぜこんな事を。
私と友人もこれといって共通点はありません。
他にも友人はいるのですから。
誰かに恨まれる覚えはありません。
なぜこの家にそんなものがあるのか・・・
家に私を恨んでいた誰かが住んでいたのか・・・
私の知っている人間には山口に住む人はいません。
何もかもが不思議でした。
私はそれからすぐにその家を出ました。
あの人形は寺に預けました。
お寺の人の言葉が今でも心に残っています。
「供養しようと思った。でも供養できるものではない。この人形についた怨念は、人間のものではない」
-
-
前世での恋人
去年から飲み友達になったMの話。
Mはその日、いつものようにチャリでバイト先の居酒屋へ向かっていた。
すると突然チャリ(後ろの荷台の部分)をひっぱられ、あわてて振り向くと、髪の長い痩せた女が必死に掴まってたんだと。
夜道なだけにすごく恐ろしくて固まってしまい、逃げる事も声を上げる事もできずにいると、女は、
「あぁ、あなたも感じているんですね。会いたかった」
たどたどしい日本語でそんな事を言われ、何がなんだか…
そして女は抱きつこうとしていたらしいのだが、Mには首を絞めようとしている様に見え、女を振り払い、ペダルを踏み、そのまま振り切った。
バイト中、もしかしてこの居酒屋に来るのでは!?とプルプル したが、バイトは無事終了。
そして家に帰ろうと裏口を出た所に、さっきの女が立ってる…
居酒屋へ逃げようとするM。
カバンを掴まれるM。
女は泣きながら、
「私はあなたに会いに台湾かた来ました。話だけでも聞いてください」
女が普通の人間だとわかり強気なり、これ以上付きまとわれても嫌なので話だけ聞いてやった。
女は台湾人の23歳で、スナックで仕送りをしながら暮らしている。
台湾の大地震で頭を打ち3日間意識不明になり、その間、彼女は夢の中で前世の自分を見たそうだ。
女は中世の貴族の娘で……なんかロミジュリみたいな感じ。
女はその夢を見た後、占い師に
「運命の人を探しに行け、きっとこの辺にいるよ」
と、地図を指して言ったらしい。(アバウトな占い師だ!)
それを鵜呑みにした女は、わざわざ日本まで来て運命の人を捜していた。
そして、それがMなんだってさ。
大変ベッタベタな話でまったく信じれないんだけど、妙なことにMの事を言い当てたりした。
たとえば右膝が悪いとか、背中に細長いアザがあること、子供の頃に弟が死んじゃったこと、犬がダメなことなど…当たっているのでした。
とりあえず連絡先を交換してその日は終わったが、それからが恐ろしい。
Mと台湾女の戦いが始まった。
アパートの鍵を隠してある場所がバレ、かってにスペアキーを作られ、怒り狂ったマサオは女に油を投げかけ、火をつけたライターを持って追いかけ回し、アパートから追い出した。
Mがいない間に部屋に侵入。(いると殴られるから)
料理を作ったり、部屋に自分の物を置いたり、歯ブラシが増えていたので、すべて捨ててやったら、Mの歯ブラシをこっそり使った形跡が…。
ブチギレしたMは、ダーツを女に投げて刺した。
奇声を上げながら走り回る男と女。
近所に通報されるが、当時ストーカー法が無かったため痴話げんか止まり。
さらに…玄関を開けると、モジモジしながら裸で立っている女。
そのまま巴投げで追い出すM。(元柔道部、かなり強い)
暑くて窓を開けて寝ていると窓から入って来て(2F)、気づけば添い寝をしている女。
髪をひっつかんで窓から背負い投げした。(この辺からノイローゼぎみ)
そのまま走り去ったらしい…
そして何故か侵入するたび陰毛を大量に落としていく女。
笑うとき台湾語なのか女の癖なのか、
「イイイイイイイイ」
って笑うそうだ。
次に会ったらビール瓶で殴ろうと思っていた頃、強制送還されたのかパタリと来なくなったとさ。