怖っ!怖っ?怖い話

いろんな怖い話を集めています。

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「 謎 」 一覧

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最終兵器

大学時代に凄い人がいた。

仮にOさんとしておくが、Oさん自身は小柄で線の細い普通の女性なのだ。

だが、彼女の陰のあだ名は『最終兵器』

その由来には、幾つかのエピソードがある。

Oさんは高校時代にコンビニでバイトをしていた。

そのコンビニは『幽霊が出る』と噂され、多数の目撃情報もあり、夜間はまったく来客がなかった。

だが、Oさんがバイトに入った途端、幽霊が一切現れなくなった。

その功績(?)からか、Oさんは他のバイトよりも多めに給料をもらっていた。

Oさんの友人が肝試しから帰ってから、度々自室で男の幽霊を見るようになり、Oさんに泣き付いた。

Oさんが友人の部屋に一泊すると、幽霊が現れなくなった。

不動産会社を経営する叔父に頼まれて、マンションの一室で一晩過ごしたOさん。

翌日、叔父から謝礼として大金を渡されて、自分がいた部屋が自殺者が出た部屋だと知らされた。

旅行先で立ち寄ったお寺の住職が、Oさんを見るなり、

「あんたには龍神さんが加護としてついとる!」

と言われて、拝まれたという。

オカルト絡みのトラブルの最終兵器Oさん。

だが、彼女はその力を特に利用することもなく、現在は旅行会社のOLとして普通に働いている。

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なんでわかった!?

こないだ久しぶりに会った、20年来の幼馴染から聞いた話。

幼馴染(A男)は、ある女子高で英語の教師をやっていた。

Aはいつも、英語を教えるクラスの生徒に配るプリントを、校内のコピー機で刷っていたのだが、担当クラスは1学年に4つあって、全員分刷ると結構な枚数になるそうだ。
一気に4クラス分を刷ると、時間かかるわ、紙無くなるわで色々と面倒なので、Aはクラス人数分ごとの数量指定で、授業前にいちいちコピーするようにしていたらしい。

しかし、なぜかあるクラスだけ、数が違って出来上がるんだそうだ。

32名分32枚刷ったのが、いつも33枚出来上がっているという。

最初はAも、『ただ数を間違ったんだろう』と思って気にしなかったそうだが、いつもとなるとなんだかおかしい。

他のクラスではそんなことないのに。

Aは、教室に並ぶ机の一番前の席1列の生徒に、

「うしろに廻してね」

と言ってプリントを配る。

すると手元に必ず1枚余るそうなのだ。

前に、それを見た生徒に、

「先生、なんでいつも1枚あまるの?」

と聞かれ

「これは先生の分だから」

と答えたそうなのだが、そんなつもりで刷っているわけじゃないのは自分がよく知っている。

だいたい自分の分は、既にきちんとファイルに入っているのだ。

いよいよ不思議に思ったAは、自分がちょっとおかしくなっているのでは?と思い、コピー機の前で数を数えてみることにしたんだって。

プリントをセットして、枚数を31と入力する。(31枚+原本=32枚)1枚、2枚、どんどん出てくる。

Aは目を離さずにそれを数えていたそうだ。

とうとう31枚出てきたところで、コピー機は止まった。

原本を足して再度数えてみたところ、やはり32枚で間違いない。

しかし、そのきちんと数えたプリントを、そのまま例のクラスに持って行き配ったところ、やはり手元に1枚余ってしまったそうなのだ。

Aはこの時初めて、ぞおおおおっとしたらしい。

Aは慌てて生徒の数を数えたが、休みの生徒もなく、ちゃんと32人居る。

余るはずがないのだ。

でも余ってる。

Aは呆然としてしまい、生徒たちに、

「このクラス32人だよな」

と聞いてみた。

するとクスクスと笑われ、先生寝ぼけてるよーなどと野次られた。

でもそのあと、

「33人居ないよな?」

と生徒たちに念を押したAの顔がマジだったからか、先生マジでやめてよ、とか冗談きついよとか、教室内がもうすごい騒ぎになってしまった。

これはいけないとAは気を取り直して、

「何でもない、やっぱり俺の気のせいだ」

と言って教室内の沈静化を図ろうとした時、

「なんでわかった!?なんでわかった!?なんでわかった!?なんでわかった!?」

って、すげー声で叫びだした奴が居たんだって。

そんでAはもう恐ろしさからか気が遠くなって、気がついたら校長室のソファーで寝てたらしい。

で、まあAは、その学校にもう居なくて、既に教師でもない。

学校やめて地元に戻ってきたんだよね。

今は実家でブラブラしてる。

ちなみに俺んちの2軒隣。

Aが戻ってきたとき、なんで先生やめたのか言葉を濁してたから、ずっと聞きづらかったんだけど、こないだ酒の勢いで聞いたらこの話をしてくれた。

何が一番怖いって、Aが学校を去ることになったとき、やたら避けられていた問題のクラスに居た生徒を捕まえて聞いたら、

『なんでわかった!?』って叫んでたのは、なんとA自身だったらしい。

でもAは、声は聞こえてたけど、俺が言った覚えなんてないんだって…

やっぱAがおかしいのかなぁ?

やだな、すげえ心配。

【 エヴァ 】

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パンク

昔、当時の彼女と、同棲してた時の話。

同棲に至った成り行きは、彼女が父親と大喧嘩して家出。

彼女の父親は、大工の親方してる昔気質。

あまり面識はなかったが、俺も内心びびりまくりの存在だった。

仕方ないから、彼女と俺の有り金かき集めて、風呂無しぼろアパートで同棲。

しかし最悪のアパートで、ゴキブリは出るし、畳は湿気ですぐ腐るし、上の階に住むバンドマン風の若者は、毎晩、大声で歌の練習するし、隣に住む老人は薄気味悪いし、、、

まぁそんな最悪な環境にも、だんだん適応しながら同棲生活を送り、俺は建築現場でバイト、彼女はカラオケボックスの夜勤で生計を立てていた。

住み始めて半年くらいして、変なことが起こり始めた。

ある朝、バイトに行くために自転車に跨ったんだが、違和感を覚えてタイヤを確認するとパンクしていた。

その日は歩いて仕事に行き、休日に自転車屋に行って修理してもらった。

その店のパンクの修理は、タイヤに穴が多い程、金額が上乗せされるんだが、確か5~6箇所は穴があいてたと思う。

自転車屋に、誰かのイタズラだろうねって言われた。

クギか何かで刺したらしい。

それから風呂無しアパートなんで、毎晩、彼女と近くの銭湯に通っていたんだが、自転車の二人乗りで銭湯まで行って、風呂入ってまた二人乗りで帰ってくる。

ある日の銭湯からの帰り、二人で銭湯の前に止めてある自転車まで来て、サドルに座ると、また違和感が。

案の定、パンクしてた。

後日、自転車屋さんに修理してもらうと、また凄い数の穴があいていた。

また別の日、彼女が自転車に乗って、一人で夕飯の買い物に行った時も買い物中にパンク。

重い自転車を押して帰宅。

他にも、二ケツで駅まで行って、自転車を駐輪場に止め、電車で遊びに行った時も、遊び終えて駐輪場に戻るとパンク。

いずれも多数の穴。

そんな事が定期的に続き、パンク修理のしすぎで、タイヤがボコボコになってしまい買い替え。

最後の方は、もう3台目くらいの自転車になってたかな。

自転車屋曰わく、タイヤごと外して新品のタイヤに変える作業に費用払うのと、安い自転車買うのとでは金額的にあまり変わらないって事だったんで、タイヤがボコボコになって乗れなくなったら買い換えていた。

それにしても、無差別のいたずらにしては被害に遭う回数が多すぎるし、ストーキングでもしない限り、こんなに何度も何度も俺たちの自転車を狙えない。

俺も彼女もイラつきのピークだった。

二階のバンドマン、隣の部屋の薄気味悪い老人、誰も彼も疑って疑心暗鬼。

極めつけが、レンタカー借りて、二人で遠くまで旅行に行った帰り道での事。

高速道路のサービスエリアにあったレストランで夕食を食べた。

食べ終えて、車に乗り込み、、、ん?と、また違和感を覚えた。

何かこの車、傾いてない?

車から降りて、恐る恐るタイヤを確認すると、右前後、二つのタイヤがパンク。

この時ばかりは、彼女も俺も、怒りよりも恐怖を覚えた。

犯人は、俺達の旅行の予定まで知っていて、タイヤをパンクさせる為に高速にまで乗る。

いったい、どんだけ恨まれてるんだよ俺達と。

盗聴器を疑い、部屋中のコンセントを分解した事もあったが、それらしき物は何もなかった。

そんなある日。

建築現場のバイト中に、俺は怪我をした。

不注意で、クギを思いっ切り踏んでしまって、病院へ。

クギが錆びていた可能性もあるって事で、結構な事態になってしまった。

家に帰り、彼女に一連の事を話した。

彼女は俺の傷を心配した後に、何かに気付いて急に暗い顔に。

しばらくして、暗い顔のまま言った。

●●君がもしタイヤだったらパンクしてたね、、、

俺もそれを聞いて初めて、この怪我と一連のパンクを結びつけた。

それまで考えてもいなかった。

しかし万が一、俺の怪我も一連のパンクと関係あるとしたら、犯人はもはや人間ではないのでは?

そうなったら、もう呪いや悪霊の類だ。

彼女は、今にも泣きそうな顔をしてる。

「考えすぎだろ」と俺は言った。

言ったものの、内心、怖くて仕方なかった。

嫌な事ばかり考えてしまう。

例えば、このぼろアパートが呪われてるのでは?とか。

けど、一番怖いのは、彼女に被害が及ぶ事。

俺は今回、怪我をしたが、幸い彼女の身にはまだ何もない。

数週間考えて、話し合い、彼女は家出した実家へと戻る事になった。

一人で、このぼろアパートに住むのは怖かったが、俺の実家は遥か地方だし帰れない。

新しいアパートを借りる余裕もない。

足の怪我で、ろくに仕事もできない。

仕方なかった。

しかし意外なことに、彼女が実家に帰ってから、なぜか自転車のパンクは全くなくなった。

同棲生活は終わっても彼女との交際は続いていたし、彼女も首を傾げていた。

それからは何事もなく月日が経っていったが、ある日、葬式があった。

彼女の父親の葬式。

その葬式の時に、彼女と彼女の母親と俺の三人で話す機会があり、その席で妙な話を聞いた。

死んだ父親は、俺の事を相当憎んでいたらしい。

大事な娘を奪った男という認識だったようだ。

彼の仕事は大工。

大工という仕事は、木材にクギを打ち付ける機会が多い。

彼は俺への恨みを込めて、木材にクギを打ち込んでいたらしい。

わら人形にクギを打つように。

「そうすると、気分がスッキリするって、あの人、言ってたわ」

そう言って彼女の母親は笑った。

ブラックジョークのつもりだったのか?

彼の行動と、自転車のパンクや俺の怪我に因果関係があるとは思えないが、それを聞いてからは彼の遺影を直視出来なかった。

【 愛テク 】

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揺れる大木

2年ほど前の話。

その年の夏、俺は大小様々な不幸に見舞われていた。

仕事でありえないミスを連発させたり、交通事故を起こしたり、隣県に遊びに行って車にイタズラされた事もあった。

原因不明の体調不良で10キロ近く痩せた。

そして何より堪えたのは、父が癌で急逝したこと。

そんなこんなで、お祓いでも受けてみようかな・・・・・なんて思ってもない独り言を呟くと、彼女(現在嫁)が、

「そうしようよ!」

と強く勧めてきた。

本来自分は心霊番組があれば絶対見るくらいのオカルト大好き人間なんだけど、心霊現象自体には否定的(こういう奴が一番多いんじゃないか?)で、お祓いが利くなんて全く信じちゃいなかった。

自家用車に神主が祝詞をあげるサマを想像すると、シュールすぎて噴き出してしまう。

そんなものを信用するなんて、とてもじゃないが無理だった。

彼女にしてもそれは同じ筈だった。

彼女は心霊現象否定派で、なお且つオカルトそのものに興味がなかった。

だから俺が何の気なしに言った『お祓い』に食いついてくるとは予想外だった。

まぁそれは当時の俺が、いかに追い詰められていたかという事の証明で、実際今思い返してもいい気はしない。

俺は生来の電話嫌いで、連絡手段はもっぱらメールが主だった。

だから彼女に神社に連絡してもらい(ダメ社会人!)お祓いの予約を取ってもらった。

そこは地元の神社なんだけど、かなり離れた場所にあるから地元意識はほとんどない。

ろくに参拝した記憶もない。

死んだ親父から聞いた話では、やはり神格の低い?神社だとか。

しかし神社は神社。

数日後、彼女と二人で神社を訪ねた。

神社には既に何人か、一見して参拝者とは違う雰囲気の人達が来ていた。

彼女の話しでは午前の組と午後の組があって、俺たちは午後の組だった。

今集まっているのは皆、午後の組というわけだった。

合同でお祓いをするという事らしく、俺たちを含めて8人くらいが居た。

本殿ではまだ午前の組がお祓いを受けているのか、微かに祝詞のような声が漏れていた。

所在なくしていた俺たちの前に、袴姿の青年がやって来た。

「ご予約されていた○○様でしょうか」

袴姿の青年は体こそ大きかったが、まだ若く頼りなさ気に見え、(コイツが俺たちのお祓いするのかよ、大丈夫か?)なんて思ってしまった。

「そうです、○○です」

と彼女が答えると、もう暫らくお待ち下さい、と言われ、待機所のような所へ案内された。

待機所といっても屋根の下に椅子が並べてあるだけの『東屋』みたいなもので、壁がなく入り口から丸見えだった。

「スイマセン、今日はお兄さんがお祓いしてくれるんですかね?」

と、気になっていた事を尋ねた。

「あぁ、いえ私じゃないです。上の者が担当しますので」

「あ、そうなんですか(ホッ)」

「私はただ、段取りを手伝うだけですから」

と青年が言う。

すると、待機所にいた先客らしき中年の男が青年に尋ねた。

どうやら一人でお祓いを受けに来ているようだった。

「お兄さんさぁ、神主とかしてたらさ、霊能力っていうか、幽霊とか見えたりするの?」

その時待機所に居る全員の視線が、青年に集まったのを感じた(笑)。

俺も、そこんとこは知りたかった。

「いやぁ全然見えないですねぇ。まぁちょっとは、『何かいる』って感じることも、ない事はないんですけど」

皆の注目を知ってか知らずか、そう笑顔で青年は返した。

「じゃあ修行っていうか、長いことその仕事続けたら段々見えるようになるんですか?」

と俺の彼女が聞く。

「ん~それは何とも。多分・・・」

青年が口を開いた、その時だった。

シュ、シュ、シュ、シュ、シュ、シュ、シュ、

入り口にある結構大きな木が、微かに揺れ始めたのだ。

何事だと一同身を乗り出してその木を見た。

するとその入り口の側に、車椅子に乗った老婆と、その息子くらいの歳に見える男が立っていた。

老婆は葬式帰りのような黒っぽい格好で、網掛けの(アメリカの映画で埋葬の時に婦人が被っていそうな)帽子を被り、真珠のネックレスをしているのが見えた。

息子っぽい男も葬式帰りのような礼服で、大体50歳前後に見えた。

その二人も揺れる木を見つめていた。

シュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュ、

と音を鳴らして、一層激しく木は揺れた。

振れ幅も大きくなった。

根もとから揺れているのか、幹の半分くらいから揺れているのか不思議と分からなかった。

分からないのが怖かった。

ビュン!ビュン!ビュン!ビュン!ビュン!ビュン!ビュン!ビュン!ビュン!ビュン!ビュン!ビュン!ビュン!ビュン!ビュン!ビュン!ビュン!ビュン!ビュン!ビュン!

木はもう狂ったように揺れていた。

老婆と男は立ち止まり、その木を困ったように見上げていた。

すると神主の青年が、サッと待機所から飛び出すと、二人に走り寄った。

「△△様でしょうか」

木の揺れる音のため、自然と大きな声だった。

うなずく男。

「大変申し訳ありませんが、お引取り願いませんでしょうか。我々ではどう対処も出来ません」

こちらに背を向けていたため、青年の表情は見えなかったけれど、わりと毅然とした態度に見えた。

一方老婆と男は、お互いに顔を見合わし、うなずき合うと、青年に会釈し引き上げていった。

その背中に青年が軽く頭を下げて、小走りで戻ってきた。

いつの間にか木の揺れは収まり、葉が何枚か落ちてきていた。

「い、今の何だったの!?」

と中年のおじさん。

「あの木何であんなに揺れたの?あの二人のせい?」

と彼女。

俺はあまりの出来事に言葉が出なかった。

興奮する皆を、青年は落ち着いて下さい、とでも言うように手で制した。

しかし青年自体も興奮しているのは明らかだった。手が震えていた。

「僕も実際見るのは初めてなんですけど、稀に神社に入られるだけで、ああいった事が起きる事があるらしいんです」

「どういう事っすか!?」

と俺。

「いや、あの僕もこういうのは初めてで。昔居た神社でお世話になった先輩の、その先輩からの話しなんですけど・・・・」

青年神主の話しは次のようなものだった。

関東のわりと大きな神社に勤めていた頃、かつてその神社で起きた話しとして先輩神主が、さらにその先輩神主から伝え聞いたという話。

ある時から神主、巫女、互助会の組合員等、神社を出入りする人間が、『狐のお面』を目にするようになった。

そのお面は敷地内に何気なく落ちていたり、ゴミ集積所に埋もれていたり、賽銭箱の上に置かれていたりと、日に日に出現回数が増えていったという。

ある時、絵馬を掛ける一角が、小型の狐のお面で埋められているのを発見され、これはもうただ事ではないという話しになった。

するとその日の夕方、狐のお面を被った少年が、家族らしき人達とやって来た。

間の良いことにその日、その神社に所縁のある位の高い人物が、たまたま別件で滞在していた。

その人物は家族に歩み寄ると、

「こちらでは何も処置できません。しかし○○神社なら手もあります。どうぞそちらへご足労願います」

と進言し、家族は礼を言って引き返したという。

「その先輩は、『神社ってのは聖域だから。その聖域で対処できないような、許容範囲を超えちゃってるモノが来たら、それなりのサインが出るもんなんだなぁ』って、言ってました」

「じゃあ今のがサインって事か?」

と、おじさんが呟いた。

「多分・・・・まぁ間違いないでしょうね」

「でもあのまま帰しちゃって良かったんですかね?」

という俺の質問に青年は、

「ええ、一応予約を受けた時の連絡先の控えがありますから。何かあればすぐに連絡はつきますから」

「いやぁでも大したもんだね、見直しちゃったよ」

と、おじさんが言った。

俺も彼女も、他の皆もうなずいた。

「いえいえ!もう浮き足立っちゃって!手のひらとか汗が凄くて、ていうかまだ震えてますよ~」

と青年は慌てた顔をした。

その後、つつがなくお祓いは済んだ。

正直さっきの出来事が忘れられず、お祓いに集中出来なかった(多分他の皆も)。

しかしエライもので、それ以後体調は良くなり、不幸に見まわれるような事もなくなった。

結婚後も彼女とよくあの時の話しをする。

あの日以来、彼女も心霊番組を見たりネットで類似の話しはないかと調べたりしているみたい。

やっぱり気になっているのだろう。

もちろん俺だってそうだ。

しかし、だからといってあの人の良い青年神主に話しを聞きに行こう、という気にはならない。

「もしもだけどさぁ、私たちが入った途端にさ、木がビュンビュンって、揺れだしたら・・・・もう堪んないよね~」

彼女が引きつった笑顔でそう言った。

全くその通りだと思う。

あれ以来神社や寺には、どうにも近づく気がしない。

【 エヴァ 】

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謎の書き込み

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860 名前:あなたのうしろに名無しさんが・・・ 投稿日:2001/02/28(水) 20:59

僕はいつも学校に行くためにバスに乗ってるんですけど、そのバスは右に曲がった。

そのいつも乗ってるバスで、ある日おかしな事があったんです。

だって、いつものような、おばあさんもがいるから、最後まで行ったんです。

痛いから。

それで、そこまでは別に良かったんですけど、めちゃくちゃ大きい紙袋の紙じゃない版みたいなのがあって、ボールみたいなのもあって、シルクハットをかぶってる人もいっぱいいたんです。

おかしいですよね?

普通の道を通ってるのに。

それでもバスはずうっと普通に進んでたんですけど、ある道を左に曲がった所で、いきなり急ブレーキをしたんですよ。

それで、本当に急にキー---って止まったんで、中に乗ってた人が、バランスを崩してこけそうになったんです。

僕は席に座ってたんで大丈夫だったんですけど。

でも、本当におかしい事は、学校に行く直前に起こったんです。

そのバスはいつも、大きな公園の横を通って行くんですけど、その頃、ちょうどそのいつもの道は工事してたんで、ちょっと遠回りして、トンネルがある方の道から行ってたんです。

それで、そのトンネルのちょうど真中ぐらいまで通ったところで、そのバスが”ガチャ”とか言いながら止まったんです。

僕はもちろんおかしいな、と思いました。

で、気づくと、バスは既に学校前のバス停に着いてました。

僕は、あれ?おかしいなぁ?とか思いながらバスを降りて、その日も普通に学校に行きました。

そのバスに乗ってた人はもうみんな死んだんですけど。

861 名前:あなたのうしろに名無しさんが・・・ 投稿日:2001/02/28(水) 21:30

>860

あなたの文章、とても恐いです。

意味が全然わかりません。

このスレで一番こわい・・・・・・・。

その数年後、関連すると思われる興味深い話が投下された。

友人から聞いた話です。

彼は神奈川のある高校にバスで通っていたんですけど、そのバスによく乗ってくる奇妙なおばあさんがいたそうです。

別に見た目が奇妙とか、気が狂っているとか、そういう奇妙さじゃなくてなんというか、不気味な気配が漂っているけど何が変なのかはわからない、そんな感じのおばあさんだったそうです。

見た目は良家の未亡人風というか(「ジョジョの奇妙な冒険」という漫画の第二部に出てくるジョジョのばあちゃんみたいな感じだといっていました)毅然とした感じの寡黙なタイプで、でもこの世の人ではないような、そんなおばあさんだったそうです。

彼は霊感があるわけでもなく、それまでに怪談めいた体験をしたわけでもないのですが、このおばあさんがバスに乗ってくると、いつも『これから何かあるんじゃないか』という言い知れぬ恐怖感に襲われたと以前からよく言っていました。

冬のある日。

いつものようにバスで高校に行く途中、おばあさんが乗ってくると既にバスに乗っていた乗客の一人がおばあさんに話しかけました。

話しかけたのは帽子をかぶってシルバーシートに座った、老紳士といった感じの人で、その人の連れらしい、同じような恰好の40代くらいの男性が二人大きな鞄を持ってそばに立っていました。

老紳士とおばあさんが何を話したのかは友人には聞こえませんでしたが、ふたことみこと会話を交わしていたようです。

そして突然老紳士のほうが、

「それだけはさせません!!」

とバスの中で大きな声をあげました。

見ていた友人だけでなく、周りの人たちも何があったのかとそっちを一斉に振り向きましたが、そのときには老紳士の連れの人が鞄から何か丸いボールのようなものを取り出していました。

それがなんなのかはわからなかったそうですが、とっさに友人は自爆テロでバスが爆破されるというようなニュースを思い出し、まさかそういうような恐ろしいことが起きるのかと思いましたが、しばらくは何も起きず、老紳士とおばあさんはにらみ合いをしたまま黙っていたそうです。

そのまま何分か何秒かはわかりませんが、バスの中で気まずい沈黙が流れていたところ、突然バスが急ブレーキをかけました。

運転手さんがアナウンスで、

「急ブレーキで大変ご迷惑様です。この先緊急工事ですので迂回いたします」

みたいなことを言って、いつもと違う道に入りました。

しばらく行くと急に外が暗くなって、『あれ、トンネルかな?』と思ったところでふと記憶が途切れ、気がつくと病院のベッドだったそうです。

実は友人は、道で倒れているのを通行人に通報され、友人は意識のないまま病院に運ばれたようなのですが、友人が入院したのは小さな病院でバスに乗っていた他の客が入院したらしい様子もなく、結局バスはどうなったのか、僕にも友人にもよくわからないままでした。

翌日の新聞で、それらしい事故が載っていないか探したのですがとくに見当たらず、それっきりになってしまい、無理に探すのはあきらめました。

というのも、実は意識のもどった友人は脳に障害が残ったのか、ちょっと何を言ってるかわからないような感じになっていて、この事故のエピソードも二日に分けて根気よく聞きだして判ったものを僕がまとめたもので、本人の口から聞いただけでは何がなんだかわからずじまいでした。

直後にいったんは退院して、あちこちにこの話をして彼なりに詳細を確かめようとしたみたいですが、

「インターネットでも相手にされなかった」

というようなことを言っていました。

(このとき彼と話をした人、この板にはいないかなぁ。交通関係の掲示板とかかな)

その後、また日に日に具合は悪くなり、去年の夏くらいに亡くなりました。

僕が大学で、オカルト好きの別の友人にこの話をしたら、おばあさんが悪霊とかで老紳士のほうは拝み屋の類だったんじゃないかと言ってましたが、それもまた考えすぎな気もします。