怖っ!怖っ?怖い話

いろんな怖い話を集めています。

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「 不気味 」 一覧

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訳あり団地の住人

オカルトじみてはいないんだけど、バイトで経験した自分とは縁遠い人達の話をひとつ。

俺は知人の紹介で、裁判所がらみのバイトをしていたんだけど、この仕事って言うのが、団地に住んでいて、何らかの理由で立ち退きを宣告された部屋の荷物を片付け、きれいに掃除をして明け渡すというもの。

仕事の流れとしては、

①裁判所の強制執行員が令状みたいなものを差し出して強制執行を告げ、住人を追い出す。
(すでに立ち退いて空家になっている場合も多い)

②同行している鍵師が新しい鍵に交換する。
(ピンポンを押しても反応がない場合は、裁判所の執行官立会いの下に鍵師が道具を使って鍵を開ける)

③執行官の号令の後、トラックで待機していた我々が、ダンボールをもって一斉に部屋内へ入り、家具からごみまで全て運び出す。

東京地検特捜部の家宅捜索とか良くテレビに映るけど、はたから見るとあれに近いかもしれない。

で、そんな訳ありの人達を相手にした仕事なので、いろんな衝撃事実を目にしてきたんだ。

ほとんどの場合、家賃の支払いが何ヶ月も滞ってて退去命令がでるケースが多いんだけど、中には団地住人の苦情なんかで退去命令が出ることもある。

今回は、そんなケースで退去させられた、一風変わった住人の話をいくつかしたいと思う。

①鳩男

執行官のゴーサインが出た後、我々は勢いよく階段を駆け上がり玄関のドアを開けた。

その瞬間、数羽の鳩が襲い掛かってきた。

「うわっ」とびっくりしたのもつかの間、さらに恐ろしい光景が・・・

部屋に入ると、部屋内には50羽はいると思われる大量の鳩。

さらに床一面は鳩の糞で真っ白。

もちろん、悪臭もそこらへんの臭さの比ではない。

床の鳩の糞はすでに10cmほど積もっており、乾いて化石化している。

次の部屋に入ろうにも、糞で底上げされた床が引っかかって、引き戸も開かない。

仕方がないので引き戸を取り外し、やっとの思いで居間にたどり着くと、そこにはさらに驚くべき光景が・・・

居間の中心に蚊帳が立てられており、蚊帳の中には布団が一枚。

その横には、トイレ代わりと思われるバケツがひとつ。

そう、ここの住人はこの蚊帳の中だけで生活し、周りは鳩だらけ、という生活を送っていたのだ。

何がしたくてこのような生活を送っていたのかは理解できないし、当の本人も見たことがないため、私には何とも言えない。

我々は愚痴をこぼしつつ、延々とスコップで鳩の糞をすくい続けるだけだった・・・

②暴力団関係者

意外と知られていないが、団地にはそっち系の人が多く住んでいるらしい。

公団の場合、暴力団と分かれば入居はできないのだが、下っ端の組員ともなると金も無いので、何らかの手を使って家賃の安い公団に住むらしい。

で、隠された銃を発見したこと数回。

日本刀の類はもう驚きもしない。

けど、そんな私でも腰を抜かしたものがある。

やくざ社会ではおなじみの『小指』・・・

冷蔵庫を空けると、『ごはんですよ』の瓶のようなものに、ホルマリン(アルコール?)が満たされていて、その中に沈んでいる小指が・・・瓶には丁寧にマジックで日付が書いてある。

驚くことに、そんな瓶が5個もあった。

さすがにその日は業務中止。

執行官が警察を呼んで、我々は解散となった。

ミスを犯した後輩の指を集めるのが趣味だったのだろうか・・・

そもそも立ち退きを喰らった本人は今何処に・・・(逃亡中?刑務所?あの世?)

③宗教関係者

立ち退きを喰らった人達の半分以上は、何かしらの宗教団体に入信している。

この仕事で部屋の荷物を片付けていると、たいてい宗教の本が出てくる。

国内でも巨大な某新興宗教団体がほとんどだ。

金がないから幸せを掴みたくて入信したのか?

それとも、入信した為に有り金を失ってしまったのか?

いずれにせよ、公団の家賃数万円が払えないほど金銭的に困っている人が、宗教団体に入信しているという事実だけは目の当たりにした。

④・・・

この仕事をやっていて、やはりこれ以上の衝撃は無いと言えるのが、そう『自殺』。

私は5回ほど遭遇したことがあるが、住人が死んでいた場合は、執行官がその時点で強制執行中止を告げるため、直接死体を見たことは無い。

ただ、数週間後に、死体が片付けられた部屋をきれいにするのは我々の仕事だ。

そんなケースの場合、事前にその旨を告げられ、苦手な人は事前に仕事を辞退する。

まず、玄関のドアを開けると、花瓶に花が置いてある。

一度、畳が赤茶けてシミになっていることがあったが、そのシミの輪郭が人の顔に見えて仕方が無いこともあった。

どんないきさつで、なぜ死を選んだのかは、私には分からない。

我々は、ただただ部屋の物をダンボールに詰め、箒で部屋を掃くだけだった。

この仕事は、同じ団地に何度も訪れることが結構ある。

最も切なかったのが、その自殺のあった約一年後、同じ部屋でまた自殺者が出たことだった。

さすがにこの時は、仲間一同無口になった。

偶然といえば偶然だが、何かあるのかもしれない。

この事実を知ってか知らずか、2度目の自殺があった数ヵ月後、すでに新しい住人が住んでいるようだった。

ここではあえて言わないが、2chのローカル心霊スポットスレでも、ここの団地はたまに名前が挙がる。

半年後、私は就職のためこのバイトをやめたが、3度目、4度目の自殺者が出ていないことをただただ祈るのみ。

団地にお住まいの皆さん。

隣近所に怪しい人はいませんか?

急に見かけなくなった人はいませんか?

団地は魑魅魍魎の世界ですよ。

お気をつけて・・・

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怒る人形

数年前の話なんだけど、ちょうど今くらいの時期に付き合ってた彼女との同棲が決まった。

とにかくテンション上がりまくりで、部屋決めたりなんだりしてた。

んで、メゾネットに決めて、2tトラック借りて自分らで引っ越しも終わって新しい生活がスタートしたのね。

んで、うちらには普通のカップルとは違う点がひとつ。

相手は×付きの子持ちだったってこと。

子供は5歳。

まぁ、やんちゃ盛りの可愛い男の子だったし、自分の子供だと思って接してた。

お母さんと一緒じゃなきゃ眠れなかった子も、一緒にいるうちに一人で眠れるようになってきて成長に驚いたりしてた、そんなある日。

夜中の2時くらいだったかな…

「怖い、寝れない」

って、隣の部屋で寝てた子供が俺らの寝室にきた。

「なにが怖いの?」

と聞いても、

「だって怒ってるもん、怖い」

と、繰り返すばかり。

らちがあかないので、横で寝てた彼女を起こして状況説明。

「ママに言ってご覧?」

と、なだめてしぶしぶ語りだした子供。

「電気の上の、屋根に乗ってる人形さんが怒ってる」

と、こう言うわけ。

子供の部屋のライトはぶら下げるタイプなので、屋根=ライトの傘なんだと思う。

たが当然、そんなとこに人形なんざ置いていない。

びびりながら二人で確認したけど、やはり人形なんてない。

でも隣で子供は、

「怒ってるよおおお」

と、号泣する始末。

何ががなんだかわからんし、でもどうすることも出来ないので、その日は3人一緒に、俺らの寝室で寝た。

それからというもの、俺と彼女の関係が徐々に崩れ出した。

些細なことで喧嘩になったり…

まぁ関係があったのかはわからないけれど。

で、1ヶ月程経った時に聞いてみた。

「まだ人形さんはいるの?」

って。

そしたら、

「うん、でも笑ってるから怖くないよ」

だって。

いるのかよ!ってツッコミいれたくもなったけど、なんで怒っていたのが笑ってるのかがわからない。

で、彼女とあれこれ話してたら、

「元カレとの子供かもしれない」

「???」だったのでよくよく話を聞いてみたら、以前、知らないうちに流産していたことがあったらしい。

生理と思ってナプキンで丸めてポイしたんだと。

ここで仮説を立てた。

流れた子供は幸せを疎ましく思ってるのかもしれない。

だから怒ってた。

最近仲が悪くなるばかり。

だから笑ってる。

「水子供養にいこう」

てわけで、近場で比較的有名な水子供養の寺に行って供養してきた。

これできっと!と思ったけれど、今度は俺にだけ変なことが起こり始めた。

寝てる時に、頭に何か小さいものを投げられた感じがあったり、靴紐が1週間で3回切れたり。

だんだん怖くなってきて、また子供に聞いたんだ。

「ずっと○○くん(俺のことね)の方を見てる、でも笑ってるからもう怖くないよ」

だいぶ関係も悪化してたし、ここにいたら駄目になると思って別れました。

実家に戻ってからは一切何も無い。

ただ、子供にしか見えない+俺が標的にされてそうで本当に怖かった。

余談だが、今でも当時の彼女は男に逃げられたりを繰り返してるそうです。

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机の引き出し

自分が実際に見たわけではないけど、ぞっとした話。

今年の3月、会社で人事の入替があったんだけど、ベテランのSさんが地方に移動になり、私のフロアには新人のT子が入ってきた。

ところが、そのT子があんまり要領のよくない子で、机の上をものすごい散らかしては、書類が無いと言って騒いでいた。

見かねて、処理済の物からファイリングして、引き出しに仕舞うように言ったんだけど、

「引き出しを開けると、顔が見えるので開けたくないんです」

って言う。

T子のデスクは、もともとSさんが使っていた場所。

年度末の忙しさもあって、くだらねえとあんまり話も聞かなかった。

直接の指導役ではなかったし、その後絡むことも無かった。

2週間くらい過ぎてから、T子に話しかけた。

机の上にはファイルが山積み、相変わらず引き出しは使っていないようだ。

冗談で、見られちゃヤバイものでも入ってるんじゃないのー?と引き出しを開けてみると、隣でものすごい叫び声がした。

T子はマジで怖がってて、震えてた。

「腐ってきてる…」

T子はそう言って、慌てて引き出しを閉め、ガムテープで目張りまでしだした。

でも何にも入ってないし、匂いもしないのに。

精神状態が悪いんじゃなかろうかと心配になった。

結局T子はすぐに辞めてしまった。

その後、Sさんが亡くなっていたと連絡が入った。

移動の後、程なく体調を崩し、会社を休んでいたらしい。

数日は連絡が来てたんだけど、そのうち休むTELも来なくなって、同僚が心配して何度か家に行ったらしいけど反応無し。

上司が大家に言って、中に入って発見したのが4月の頭頃。

その時には、死後2週間前後経っていたそうで、中はひどい匂いだったそうだ。

Sさんは湯船の中で亡くなっていて、発見した上司がしばらく鬱っぽくなる程、凄まじい状態だったみたい。

T子が見たのは、Sさんだったのだろうか?

T子はもういないし、確かめようが無いのが残念。

偶然にしては時期とか当り過ぎてて、ぞっとした。

結局、増員の予定は無くなっちゃって、机は倉庫に運ばれた。

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お婆さんの狙い

それはまだ、私が幼い頃です。

記憶は曖昧なのですが、確か妹がまだ赤子だったので、私は小学生の低学年だったと思います。

当時、妹はひどい小児喘息で、診察と常備薬を処方してもらう為、車で1時間程かかる遠方の病院に通っていました。

私は病気でもないのに、よくそれについて行きました。

何故なら、幼い頃は例え病院だろうと、遠くに行くだけで楽しかったですし、それに外食をする事もあったのです。

一方、手間がかかる私を連れて行くのを母は嫌がり、「家にいなさい」と言っていました。

私は、それでも無理を言って病院について行きました。

病院では、私はいつも妹が診察を受ける間、病院内をうろうろと歩いておりました。

いつものように、広い病院を探検する気持ちで歩いていると、いきなり、院内服を着た知らないお婆さんから話しかけられました。

「ぼく、飴いる?」

そのお婆さんは、真っ白な白髪にまばらに残る黒髪が印象的で、体格は小柄、それに酷く痩せていました。

顔色も悪くて、不健康そうに見えました。

思い詰めたように暗くて、疲れきったような表情に見えます。

何より、私を見る目が怖かったのを覚えています。

お婆さんは、「自分はここに入院している」のだと言いました。

前からよく病院内を歩く私を見て、話しかけたかったのだそうです。

「寂しいから友達になって欲しい」と言いました。

私は、お婆さんを怖いと思ったので嫌だと思い、黙って首を横にふり、母の元に逃げました。

お婆さんが、そろそろと私の後をついてくるのがわかりました。

私は妹を抱く母を見つけると、泣きながら駆け寄り、お婆さんを指差しながら

「変なお婆さんがついてくる」と言いました。

お婆さんはいつの間にか僕のハンカチを持っていて、

「落としましたよ」と言いました。

母は「すいません」と謝りハンカチを受け取ると、私には「失礼な事を言うな」と叱りつけました。

お婆さんは「いいんですよ」と母に近寄り、そこで驚いたように口を開けると、涙を流しはじめました。

お婆さんは母を見て言いました。

「娘にそっくり」

お婆さんには10年以上昔、母にそっくりな娘がいたそうで、その娘さんを病気で亡くされてたそうなのです。

母は、そんなお婆さんを可哀想な顔で見ておりました。

それからお婆さんは、母と妹が病院に行く曜日には、入り口で待つようになりました。

そうして、妹と僕にお菓子や玩具をくれるのです。

「死んだ娘といっしょにいるようだ」

と、喜ぶお婆さんを、母は断れないようでした。

いつの時間に行っても、入口にいるお婆さんが気味悪くなり、私は病院へは、ついて行かないようになりました。

そうして何ヵ月か経ったころでしょうか。

母の方から私に、「病院についてこない?」と誘うようになりました。

私は不思議に思いながらも、帰りに美味しい物をごちそうしてくれるかもと思い、了承しました。

病院に着き、妹の診察が済んで母と受付を待っている時、今日はお婆さんはいないんだ、もう退院したのかもしれない、と思っていると、背後から声がしました。

「見つけた」

振り返ると、例のお婆さんが笑って立っていました。

母の顔はひきつっています。

お婆さんは院内服ではなく、私服を着ていました。

「○○(母)ちゃん、最近月曜日に見ないから寂しかったのよ。通院する曜日変えるなら教えてよ」

お婆さんは、私を見て笑いました。

「久しぶりね○○くん。今日はおばさんがご飯に連れて行ってあげるね」

断る母を強引に説き伏せて、お婆さんは私達を近くのファミレスに連れて行きました。

食事の間、お婆さんはずっと笑っていました。

お婆さんと母が、変な会話をしていたのを覚えています。

「ふたつあるんだから、いいじゃないの」

「いい加減にしてください」

「いいじゃないの」

「警察を呼びますよ」

「じゃあこれを読んで」

お婆さんは母に封筒を渡しました。

その日の帰りの車は、いつもとは違う道を走ったのを覚えています。

それと、車の中で母が変な質問をしてきた事も。

「Y(妹)ちゃんを可愛いと思う?」

「……うん」

「あなたはお兄ちゃんなんだから、何かあったらYちゃんを守らないといけないよ」

「うん」

「来週からYちゃんと一緒に病院に来て、そばから離れたらいけないよ」

「うん」

当時は、何故母がそんな事を言うのかわかりませんでした。

それから毎回病院でお婆さんと私達は会いましたが、ある日を境に急に見なくなりました。

それから十年以上経ち、母に

「そういえば、あのお婆さんどうしてるんだろうね?」

と尋ね、返ってきた答えに私は震えました。

「あの人は多分亡くなったよ。それに、お婆さんじゃなくて私と同じ年なの」

私は驚きました。

当時の母は30才代ですが、お婆さんはどう見ても60才は、いってるように見えたのです。

母から聞いた話はこうです。

退院してからも、いつも病院で会うおばさんを不思議に思い、母は知り合いの看護師に、お婆さんはそんなに悪い病気なのかと尋ねたそうです。

おばさんは病気ではなく、自殺未遂で入院していたというのです。

娘が亡くなったショックで自殺未遂をしたお婆さんの外見は、みるみる老けていきました。

(亡くなった娘というのは、まだ赤ちゃんだったそうです)

それなら母と似ているはずがありません。

そういえば、お婆さんが母に向かって「娘にそっくりだ」と言った時、妹が母に抱かれていた事を思いだしました。

お婆さんは妹に向けて言っていたのです。

最初は優しかったお婆さんは、次第に母に妹を譲るよう懇願してきたらしいのです。

もちろん母は断りました。

妹をさらわれる、とお婆さんが怖くなった母は、私を見張り役として病院に付き添わせてたそうです。

そして、封筒の中の手紙を見せてくれました。

短い文でした。

『近く娘の所に行きます、あなたのせいです、ずっと恨みます』

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間違い電話

自分は数年前に、アパートに電話回線を引く事にしました。

電話回線ってどうやって引くのか、と同僚に聞いたところ、家電量販店で安く契約できると聞き、近場の量販店で契約をしました。

一週間ほどで量販店から電話番号を教えてもらい、使用可能に。

使えるようになったはいいのだけど、なんだか間違い電話がやたらと掛かってきます。

後で知ったのですが、電話番号ってのは使い回しになっている物らしい。

自分は電話帳にも載せていなかったので、前の使用者と、どうやら間違えて掛けてきてるようでした。

間違えて掛けてきた人が、呼び出す名前はいつも一緒。

仮にAさんとします。

このAさん宛ての電話が、毎日のように掛かってきます。

相手するのも面倒になってきたので、常時留守録状態にしてほったらかしてました。

そんな日が2~3ヶ月ほど続き、会社から帰って、いつものようにメッセの確認をしていたところ、

『こちら○○ファイナンスですが。Aさんお早めにご連絡をお願いします』

おやおや、Aさんはお金でも借りてたのかね~?とか、余り気にもしませんでしたが、翌日も、

『○○ファイナンスです。昨日ご連絡を頂けませんでしたので、急ぎ連絡を願います』

その翌日でした。

野太い男の声が録音されています。

『おい!A!!連絡よこせ!いい加減にしろよ、明日までに連絡をよこさなければ・・・』

ここで切れました。

それから数日して、仕事から帰ると留守録が入っています。

友人かと思い、再生すると聞こえてきたのは、

『・・ブクブク・・プク・・オカケニナッタ・・・ブクブク・・・プク・・・ダシテ・・・ツカワ・・・』

ん?何か泡のような音。

音量が大きくなったり小さくなったり。

えらく遠い所で、何かメッセージが流れている気がするけど?

おかけになった電話は現在使われておりません?かな、とか思いましたが、自分に掛かってきた電話に、そんなのが録音されているはずは無い。

ま、何かの間違い電話でしょっと、気にせずに放置。

翌日も同じ留守録。

その翌日もまた同じ・・・そのまた翌日も・・・

何度か聞いているうちに、どうにも水の中でしゃべっているような、そんな声に聞こえてきてしまいました。

『ブクブク・・オカゲデナッタ・・ブクブク・・・ココ・・ダシテ・・モウツカワ・・・』

なんだか気味が悪いったら。

翌日もまた留守録が入っています。

2件でした。

『Aさん、連絡がなくなって二週間です。会社の人も心配しています。早く連絡を願います』

Aさんの友人のようです。

連絡が無い?二週間前から?二週間前と言うと、丁度あの野太い男の声の留守録があった翌日です。

その後に、また例の留守録が入ってました。

なんだか気味が悪いを通り越して、嫌な想像をしてしまいます。

気にしないようにと眠りました。

翌日は仕事は休み。

普段は出かけるのですが、気になるので電話に出てやろうと、今日は部屋にいる事にしました。

いつも掛かってくる時間は15時過ぎでした。

そして15時過ぎ、呼び出し音がします。

当然、電話を取りました。

「もしもし、どちら様でしょうか?」

『ブク・・オマエオカゲブクブク・・・ココ・・ダシテ・・・モウツカワナイ・・・』

「誰なんです!毎日毎日!!いたずらはやめてください!」

ツーツーツー・・・

オマエノオカゲって言われた気がする・・・

また呼び出し音が鳴りました。

気持ち悪くて取る事が出来ずにいると、留守電に変わりました。

『Aさん、昨日も連絡を頂けませんでした。会社では、失踪として警察に届ける事になりました。』

慌てて電話を取りました。

「もしもし。うちはAさんの家ではありませんよ」

『あ、間違えました。すいません、番号は*******ですか?』

「そうですよ、良くAさん宛ての電話がかかってきて困ってるんです」

『失礼しました。会社に登録されている番号が同じですので、皆にも連絡しておきます。では』

間違い電話の正体は掴めたようです。

でも、例の水の中からの声のような電話は?

この後から、しばらく例のメッセは録音されていませんでしたが、それでも数ヶ月に一回程度の割合で、例のメッセが録音されています。

あいにくと、こちらの正体は掴めていませんが、

借金(これも想像)・・・

男の声・・・

失踪・・・

日付の一致・・・

水の中のような声・・・

嫌な想像をせずにはいられません。

『オマエノオカゲ・・・』

怖いと思うから聞こえてしまうのでしょうが、気になっています。