「 不思議体験 」 一覧
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風俗店の女性
私の会社の上司の話です。
その方はもともと霊感が強いようで、過去にも何回か見た事があると聞いていますが、約2年前に名古屋へ出張し、客と軽く飲んだ後にJR名古屋駅前のヘルスビル内にあるヘルスへ行ったそうです。
深夜11時頃で12,000円ポッキリとなかなか安い店だったようですが、部屋に入ると1人の女性が愛想良く出迎えてくれたそうです。
ところが部屋を開けた扉の隣に、もう1人の女性が座ってこちらを見つめていたそうです。
もちろんこの店は3Pコースはなく、2人いるとは考えにいのですが…
しかし、このとき上司は不思議とその女性に話しかける気がおこらず、愛想の良い女性と2人ですぐシャワーに入ったそうな。
すると…もう1人の女性がすでに風呂釜で立っているのです。
さすがに驚いたそうですが、そのときは『見習いの娘かな?』と思い、シャワーを出てすぐに愛想の良い女性に
「あの娘なんなん?研修?それかサービスで3P?」
と聞くと
「はぁ?何言ってはるん?」
と真顔で言われたそうです。
上司も驚いて、すぐにシャワー室を覗き込んだのですが誰もいなかったそうな....。
過去に何度か見た事はあるというものの、これだけはっきり見えたのは初めてだったそうです。
酔ってただけでは?
もしくは3Pがあったんでは?
と言いましたが、軽く飲んだくらいで酔うような人でもなく、又その女性とは全く話もしておらず、普通なら言葉の一言二言はかわすはずとしており、できるなら夢であってほしいと上司も話してました。
ちなみにその店はまだあります。
JR名古屋前のビッ●カメラの裏手通りあたりのビルです。
店の名前は覚えていなくてすいません。
今度もう一度聞いときます。
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仏壇の目
叔母さんが久々に俺の家に遊びに来て、つい先日見たテレビの恐怖特集の話になって、
「そんな幽霊とかいるわけねーじゃん!」
みたいな会話をしてた時だった。
その叔母さんが、昔お客さんから聞いた話を教えてくれたんだ。
俺の叔母さんは、ちっちゃい小料理屋・居酒屋をやってた。
その居酒屋ってのは、郊外の辺鄙な場所にあるもんで、常連さんが多いのは当然なんだ。
たまに新しいお客さんが飲みに来るのは珍しい。
その中に、月に2、3度来るようになったオバサンがいるんだけど、このオバサンが酒を飲みながら叔母さんに語った話。
オバサンは結婚して20年くらいになる亭主がいたんだけど、この亭主がえらくダメなヤツだったそうで。
もう子供達は大きくなって家を出ていたんだけど、亭主はオバサンに毎日のように、金をせびってフラフラ遊んでばかり。
おかげでオバサンは少なくない借金を抱えていたそうだ。
さらに亭主は精神病の気もあって、たまに昂ぶって暴れたりすることもしばしば。
亭主は、借金の話になるともう手がつけられなかったそうだ。
でもそんなことがあったかと思えば、死人のように暗い顔をして、部屋にこもっていたりもする。
このオバサンは毎日、パートから疲れて帰ってきては亭主と口論、そんな毎日を送っていた。
そんなある日、いつにも増して激しい口論の末、亭主はオバサンをしたたかに殴りつけた後、ヒステリーを起こして暗い戸外へ出て行ってしまった。
家の外から、オバサンを罵倒するような大声が遠ざかっていくのが聞こえていた。
またこれだ。
いつになったらこんな生活から開放されるんだろう。
いっそのこと死んでくれれば・・・
いや、殺してやろうか・・・?
そんなことを考えながら、オバサンは仏間に行って布団を敷き、もう寝ることにしたんだそうだ。
仏間には扉のしまった仏壇と、布団が一枚、敷いてあるだけ。
明かりが消され、豆電球の弱々しい光が部屋の中をぼんやりと照らしていた。
どれくらい経っただろうか。
急に「ドン ドン ドン ドン」大きな音でオバサンは目を覚ました。
こんな時間に誰かがたずねて来たのか?
それとも亭主が帰ってきたのか?
そんなことを思いながら上半身を布団の上に起こすと、おかしなことに気付いた。
音は扉の閉まった仏壇からしている。
「ドン ドン ドンドンドンドンドン」
どんどん音は大きくなってくる。
何かが仏壇の中から、観音開きの扉を叩いている。
オバサンはあまりのことに動けなくなって、じっと仏壇の扉を見つめている。
「ドンドンドンドンドンドンドン!」
もう仏壇全体が揺れるくらいの、凄い力だ。
するとその振動と音がピタッと止んだ。
静寂の中で、仏壇を見つめているオバサンはあることに気付いた。
閉まっていた仏壇の扉が、3、4センチ程、僅かに開いている。
そしてその隙間の暗闇から、目玉が二つ縦に並んで、こっちを睨んでいるのがうっすらと見えた。
オバサンが「ウワッ!!」と叫ぶと、その目玉はふっと消えた。
明かりをつけると、仏壇はズレたままだし、扉も開いたままだ。
怖くてしょうがないオバサンは、家中の電灯をつけて、居間で朝が来るのを待ったんだって。
翌日の正午近く、オバサンの家に近所の人と警察が尋ねてきた。
なんと亭主が、家から数分の雑木林で首を吊っているのが見つかったらしい。
どうやら死んだのは昨日の深夜。
オバサンが仏壇の異変を目の当たりにしたその時刻だ。
借金を苦にしての自殺とされ、その後は事後処理にもう大騒ぎだったんだけど、オバサンは昨夜の体験を誰にも話さなかった。
亭主が死んで数年たって、ようやくこの奇妙な体験を人に話すようになったそうだ。
「人が死んで喜んではいけないとは思うけど、死んでくれて、本当によかったよ。」
オバサンは、ママである叔母さんにこう語った。
あの日、仏壇から覗いていた目は亭主のものだったんだろうか?
この話を聞いた自分はそう思ったんだけど・・・
「そんなこともあるんだねぇ」
で簡単に済ませちゃう叔母さんにどんな怪談より、そういう霊的な何かの存在を信じさせる説得力を感じた。
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ジーサイ
中学校2年のときの話。
俺は家は漁師じゃなかったが海辺に住んでた。
というか、前の浜から背後の山までせまくて細長い土地の町だったんで、ほとんどの人が海辺に住んでると言えるんだけどな。
それで今でいうビーチ・コーミングを趣味としてた。
当時はそんな言葉はなかったけど、簡単にいえば漂着物の収集のこと。
日本海側の北の方だったから熱帯の貝やヤシの実なんてのはまず見られなくて、日本にない漢字やハングルが書かれた浮きなんかが多かったが、ときおり変わったものもあった。
ビーチグラスはもちろん、古い陶器の破片や変な形の魚の骨とかルアーとか。
あと流木は俺は興味なかったんだが、大きいのを家に持って帰ると、当時まだ生きてたじいさんが皮を剥いで磨きあげて置物にしてた。
中学校の仲間や小学生でもやってるやつがいたんで、そいつらより先にと思って朝の6時頃には浜にいて見て回ったりもした。
11月頃だったと思うけど、海が荒れた翌日で何か収穫があるかと浜に出てみたら、テトラポットの隙間に何か赤茶色の大きな物が引っかかってるのが見えた。
近づいていくと何かの像のような物で、自分の背丈よりも大きく見えた。
顔の方を下に沈めて背中が出てるんだけど、お寺で見る仏像とはまったく違って頭が大きくいびつな形をしてる。
木目が出ているとこがあるんで木彫りだと思った。
一人ではどうにもできないので、家に戻ってじいさんを呼んできた。
じいさんも初めて見るらしく、首をひねりながら人を集めて引き上げてみると言った。
俺はもう学校に行く時間になってたんで家に戻った。
どうなったか気にしながら学校から帰るとじいさんが待ってて、像を引き上げて町の神社脇の御神輿なんかをしまってる倉庫にとりあえず入れたとのこと。
神主にも見せたけど何ともわからなくて、県都の大学の先生に連絡したそうだ。
気になるだろうから今から見にいってみないかと。
じいさんと連れだっていってみると倉庫の鍵は開いてて、御神輿や消防団のポンプ車がある奥に今朝の像が立てかけてあった。
像は、貝や海藻なんかをこすりとってきれいになっていたが、あらためて見るとやっぱり奇妙な形をしてる。
頭が大きいと思ったのは兜で、のたくったような飾りがついてて、その下には目が落ちくぼんで長い顔がある。
日本の物ではないのかもしれないと思った。
胴の真ん中あたりが、ぐるりと何かでこすれたようにささくれだっている。
すごい物を見つけたのかもしれないと思ってちょっとワクワクした。
その夜、像を置いた倉庫から道をはさんだ向かいの家が火事になった。
せまい町なので消防車が走れば町の人はみんな外に出てくる。
気づくのが早かったせいか、火事はボヤ程度で済んだけれど原因は不明。
検証では外から火が広がっているとのことだったので、放火が疑われてるという話だった。
たまたま消防ポンプにも貯水池にも近かったんで他に延焼はなかった。
数日後に、火事を出した家の奥さんと高校の同期だった母親が奇妙な話を聞いてきた。
火事になった夜に洗濯物を居間に干していると、コツコツと縁側のガラス戸を叩く音がする。
何かと思って見にいってみると、暗闇の中からぬっと顔が出てきてサッシに外からはりついた。
顔は日本人には見えず、両目はぜんぶ白目だった。
その時に北国の厚いサッシごしなのに「さむい、さむい」という声が聞こえてきたそうだ。
あっと驚いて後ろに倒れたときに、車庫の前から火の手が上がってるのが見え、なんとか叫び声をあげて家人を呼び、119番通報をした。
消防にこの話をしたら、放火犯かもしれないからと警察もまじえて色々聞かれたそうだ。
ただ奥さんは母親に、あれはぜったい生きた人間じゃなかったと強調してたという。
それから数日して、初雪が降った日の夜に変な夢を見た。
腹のあたりがすごく痛くて、下を見るとぐるぐる縄で柱か何かに縛られていて身動きがとれない。
疾走感があって、潮風が風にあたるんで前を見ると荒れた海がある。
船の舳先に縛りつけられているんだとわかった。
両手は縛られていないんだけど、神社で拝むように手を合わせた形になってて動かせない。
なんとか手のひらを離そうと、もがいているうちにも波がどんどん通り過ぎていく。
背後で「ジーサイ、ジーサイ」と何人か叫んでいる太い声が聞こえる。
かなりの時間暴れていた気がするが、やっと手のひらがはずれてその拍子に目が覚めたと思った。
目を開けるとすぐ前に顔があった。
小さい電球しかつけてないのにはっきりと見えた。
顔はつるっとした坊主頭で濡れていて、大きな目はどっちも白目。
片方がぷちゅっとはじけて中から船虫が這い出してきた。
顔はだんだん下がって俺の肩のあたりにきて、耳もとに口を近づけて
「・・・さむい、さむい」
と言った。
そのときサイレンの音がして今度は本当に目が覚めた。
部屋を見回しても何もいなかった。
夜中の3時過ぎだった。
自分の部屋から下に降りると、家族も起き出してきてた。
俺はさっきの夢の話をするまもなく、防寒をして一緒に外に出た。
この前のボヤのときより騒然としていて、そうとう大事のような感じがした。
家族と気配がする方に歩いて行くと、通りにはぞろぞろ人が出ていて火事は神社だということを聞いた。
人の流れについていったら、高く煙が上がってるようだ。
さらに近づいたら火がちらっと見えたが、それ以上は規制されていて進めなかった。
後日わかったところでは神社は全焼。
それからあの像を置いていた倉庫にも燃え移り、近くの家にも被害があったが幸いなことに死傷者はなかった。
倉庫は完全に焼けていて、あの像も燃えてなくなってしまったのだと思う。
今回も放火の疑いが強いということで長い間捜査があったらしいけど、いまだに犯人は捕まってない。
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池へ伸びる紐
20年以上前、小学校低学年の頃の体験談。
両親の田舎が瀬戸内海にある島なんだけど、毎年夏休みになると帰省してた。
東京育ちの自分には、綺麗な海やら山やらで遊ぶのが物凄く楽しかった。
一番楽しみだったのは、東京ではデパートくらいでしかお目にかかれないカブトムシやらクワガタやらを近くの山でザクザク捕まえられる事。
その山には結構大きめの池があって、子供だけで行く事を禁止されてたんだけど、貴重なお盆休みの、しかも早朝から虫取りなんかに付き合ってくれるような大人がいなかったんで、その日も朝4時前から一つ年上の従兄弟と一緒に山に突撃。
暫く二人で夢中になって虫取りしてたら、どこからかシュッシュッて感じの音が聞こえる。
最初はなんか虫とか鳥の声だろと気にしてなかったけど、よく聞いてみると、どうも子供のすすり泣きっぽい。
同じように虫取りにきた子供かな?
まだ薄暗いから転んでケガでもしたのかな?
と思って、従兄弟と一緒に泣き声のする方向に向かっていったら、池の淵で3~4歳くらいの子供がシクシク泣いてる。
周りには誰もいない。
流石にこんな小さい子が一人でいるっておかしいだろ?
と子供心に思ったんだけど、それより妙だったのが、その子の腰の辺りに括られた帯みたいなヒモが池の中にまで延びてる。
そのヒモを目で追ってみると、何かがプカプカ浮いてる。
そこからもヒモが延びてて、少し先に同じように浮いてる物に繋がってる。
そんな感じで、数珠繋ぎに1.5m間隔くらいで合計6個の何だかわからん物が連なって池に浮いてる。
なんだこりゃ?
と思ってたら、それまで弛んでたヒモがピン!と張って、子供が池に引っ張られてく。
あっ!と思ったその瞬間、体が動かなくなった。
視界の端で、従兄弟も同じように固まってるのが分かる。
金縛りとかって概念がなかったから、軽くパニクってた。
やばいやばい、あの子何に引っ張られてんだ?
もしかしてワニ?
ワニって日本にいたっけ?
じゃ妖怪だ!助けて鬼太郎!
そんなアホな事考えてるうちにも子供はどんどん池に向かってるんだけど、その動き方に何か違和感を感じる。
人間が歩くときって当然足が動くはずなのに、その子は一切足を動かしてない。
氷の上を滑るように、ゆっくり池に向かってる。
アホな自分は『やっぱ妖怪パワーで引っ張られてる!』
という結論に達したんだけど、流石に従兄弟は一つ年上だけあって、リアルでこの世の者じゃないと気付いたんだろう。
「南無阿弥陀仏、南無阿弥陀仏」
と唱え始めてた。
結局、子供が完全に池の中に消えたと同時に体が動くようになり、一目散に山を下りてった。
家に帰って、大人達にさっき見た光景を話したんだけど、興奮してるもんだから要領を得ない。
大人達も、最初はどっかの子供が溺れたんじゃないかと思って慌てて消防団とかに連絡しかけたんだけど、
オレが「妖怪の仕業だ妖怪の仕業だ」って妙な事言うから少し落ち着かせて、オレから細かい話を聞き出した。
そしたら信じられないって顔しながらも、何か思いあたる節があるのか、オレと従兄弟を庭に連れ出して塩を振りかけ始めた。
一応、消防団には連絡して人を見に行かせたらしいけど、特に何もなかったらしい。
結局その後は、大人達にどうだったか聞いても、寝ぼけて夢でも見たんだろってはぐらかされるだけ。
何年も後にようやく聞き出したのは、件の池で何十年も前に、ある一家が入水自殺をしたって事。
時間帯はやっぱり3時~4時位だった事。
(近くの民家の人が、子供の泣き声を聞いたらしい)
その人数が7人だった事。
その際に、全員がヒモで体を繋いでた事。
地元の人達の間では、その池は別名『七人心中の池』って呼ばれてる事。
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夜行バス
バスの運転手をしていて、その日は東京から京都まで夜行便の運転だった。
運転手は2人で、途中で交代をする。
深夜の高速をひた走っていると前方にバスを見つけた。
バスは一般道を走る路線バスタイプで、高速を走る観光バスタイプではなかった。
おっ!路線タイプが走ってるなんて珍しい!と思って、どこの会社だろうかと追い抜きざまにチラッと見ると、5~6人ほど見えた顔は血だらけで、背筋が凍りついた。
そして前方の行き先幕をサイドミラーで見ると『夜見』となっていた。
とりあえず京都に着き、お客さんの荷物を降ろしていると
「昨日メッチャ怖い夢見てん」
と、乗っていたお客さんが友達に話していた。
内容は満員のバスで車内は全員血だらけの乗客が乗っていたというもの。
それ夢じゃないんだよ、と心の中で思いつつ荷物を渡していく。
そして回送で車庫に行く途中、仮眠をとっていたんだろうと思っていた相方も、そのバスを見たと口を開いた。
お客さんが寝てる時間に喋ると迷惑だろうから、すぐには話せなかったと。
その後、そのバスは今のところ見ていない。