「 不思議体験 」 一覧
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胸騒ぎ
小学生の時、塾の先生に聞いた話です。
その先生は現役の大学生で、その大学の友人に妙な体質の人がいたそうです。
仮にAさんとしますが、彼はごくたまに、ものすごく胸騒ぎするときがあるそうです。
正月前、先生の部屋で二人で飲んでいた時に、急にAさんが真っ青な顔をして額から大汗をかき出したので、先生がどうしたのかと聞きました。
Aさんはそれには答えずに、部屋の電話を取り上げて、懐から手帳を取り出し、そこに書かれた親しい友人の連絡先に片っ端から電話をし始めたんです。(当時、携帯はなかった)
しかも電話して何を言うかといえば、
「今どこにいる?そうか。今日は○○(この町の名前)から絶対に出るなよ。理由は後で説明するから」
何人か、電話に出なかった人もいました。
かけ終わって、先生は彼に説明を求めました。
Aさんが胸騒ぎを覚えるときには、自分に親しい友人で、自分の近くの場所にいない人が必ず死ぬんだそうです。
この時は、いち早く本州に帰省していた人が、実家近くの交差点で事故に遭い亡くなったそうです。
時間的には彼の胸騒ぎ後、二時間ほどたった時でした。
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後部座席
2年前に免許を取って、おぼつかない運転をしていた頃です。
私は、多分、下手だから車体をすぐこするだろうと思い、中古車の軽自動車を70万ほどで買いました。
新品同様でとても気に入ったのです。
ドアが事故って替えてあるのか、ちょっと閉まり具合が悪かったですが・・・
3ヶ月は何も無かったんですが、深夜のある時、ふと後部座席に誰かいるような気配を感じるようになりました。
慌ててバックミラー越しに覗くと誰もいません。
心臓が波打ちました。
今から車を替えるお金もないので『気のせい』と言うことにして乗っていました。
ある雨の夜、普段なら通らない道を通って間違えて細い道に入ってしまいました。
仕方なく前へ進むと橋があったので、
「あ、ここか。ここ渡れば広い道出れる」
と思い前へ進みました。
橋の手前で雨はざーざー激しくなって、視界が悪くなってきました。
その時、また後部座席からすごい視線を感じ、私は焦りアクセルをふかしました。
気が動転してかアクセルとブレーキを間違え、急ブレーキをかけて見事にエンストを起こし、車は『ばっこん』と止まりました。
何だかなぁ・・・こんな激しい雨の中で。
ふと車が立ち止まった前を見ると、橋の先が見えないのです。
いくら雨で視界が悪いとは言え・・・。
念のため仕方なく車を降りると、橋は途中でぷっつり壊されていて道が無いのです。
このまま直進してたらあの世逝きでした。
逆U字にカーブしてる橋で、橋げたから下までかなりの距離があったので、ひざも足もガクガクして、その場をバック走行して逃げ去るまで酷く時間を費やしました。
後部座席のうっすら気配のする人物は、男かも女かも分かりません。
車はその後、エンジントラブルで走行中に煙を出し、見事1年も乗らないうちに廃車になりました。
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電波塔の整備
うちの夫は、山奥の電波塔や中継局などに整備の仕事に行くんだけど、そういう建物がある場所ってしばしば自殺スポットのようになっている。
車で機材を運ぶための林道が整備してあるから、山に不慣れな人でもわりと簡単に奥まで入っていけちゃうみたいだね。
木の枝に掛けられた数珠とか、そろえて脱いだ靴とか、明らかに遺品らしき品物もたまに見かけるらしいけど、時間内に作業を終えなければならないから、目の前に死体がぶら下がってる場合でも無い限り、
「うわーやだー怖いねー」
「首吊りかなあ、夏場は溶けるの早いしなー」
と、作業員みんなでスルーするのが当たり前になってるらしいw
うちの人はオカルト全く信じない人間なんだけど、自殺スポットの中継局で作業した日の夜は、決まって誰かと会話してるかのような妙な寝言を言うのがちょっと怖い。
朝には全然覚えてないんだけどね。
あと、使ってない部屋から稀にラップ音?が聞こえる時もあるけど、年がら年中窓を開け放して換気しまくる家なせいか、しばらくすると自然に音が消えて静かになる。
まぁ現実の人間関係もそうだけど、必要以上に怖がったり気を遣いすぎたりすると、相手にナメられて付け込まれやすくなってしまうから、気にしない事って案外と重要なのかなと思ったり。
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天狗の夢
親戚の叔母さんからよく聞いた話。
今は70過ぎた叔母さんが10代の頃、仲のいい職場の友達とバス旅行に行く予定だったそうです。
ところが出発の前の晩、真っ赤な顔の天狗さんが山の上で仁王立ちになってる夢を見たそうです。
そして、いざ出発の日。
どういうわけか前日に用意した荷物がなくなり、どんなに探しても出てこなかったらしいです。
友達が誘いに来ましたが、事情を話しキャンセルし、また今度と見送ったんだそうです。
それから数時間後、友達の親が血相をかえて家に来ました。
バスが崖から転落したと駐在から連絡があったんだそうです。
友達の一人は亡くなったらしいです。
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ドライブ
母から聞いた話。
(若い頃)母は、いつもの仲良しグループ5人で湖にドライブに行く事になったんだって。
その湖はどこにでもあるような普通の湖だったんだけど、いわゆるドライブスポットって言われる所じゃなかった。
地元の人しか知らないような、こじんまりした湖だったのね。
母達はよくドライブしててその湖にも行ってた。
その日も、いつも通りに車を走らせてた。
片道1時間くらいで湖に着いた。
景色を楽しんだり湖畔で談笑したりしているうちに、日がすっかり暮れて夜になった。
5人は帰ることにした。
車を走らせて30分位したら、5人の中のSさんが急に
「ついてきてるよ…」
って言い出したのね。
最初他の4人は「なにが?」って感じだったんだけど、今度はSさんが急に震え出した。
その震え方が尋常じゃなかったんで、母含め他4人は
「大丈夫?!」
とか言って、車の中にあった白いタオルとか自分のパーカーをSにかけてやってた。
そしたらSが
「白はダメ!連れてかれる!」
とかいって、頭を抱えてまたガタガタ震えていた。
母達は何がなんだかわからなかったけど、しばらくしてその異変に気付いた。
車の窓ガラスが誰かに叩かれてるのに気付いた。
低い音で何回も何回も。
でも、車は時速50キロはゆうに越えてたし、叩いてる人なんてもちろん誰もいない。
ただ音だけが響いてたんだって。
5人は悲鳴をあげ、Sと同じように震えた。
ドライバーも気を失いそうだったらしいが、なんとかこの状況から抜け出そうと必死で運転してたらしい。
1つトンネルがあったんだけど、トンネルに入ると叩く音はだんだん小さくなっていった。
そしてトンネルを出るころには音が無くなってた。
5人はなんとか戻ってこれたらしい。
母がゾッとしたのは、この体験だけじゃなかった。
翌日、あの湖から死体が上がった。
後でSに話を聴いてみると、車を叩かれてるとき意識は朦朧としてたんだけど、はっきりと
「おいてかないで」
って聞こえてたらしい。
Sはいわゆる霊感体質で、人よりもこういうことに敏感らしかった。
母が言うには、後にも先にもあれほど恐怖を感じたことはないそうです。
私も話を聞いてゾッとしました。